2017年12月12日

ローガン・ラッキー

スティーヴン・ソダーバーグ
チャニング・テイタム、アダム・ドライバー、ダニエル・クレイグ
仕事を失い家族にも逃げられ失意のジミーは、戦争で片腕を失った弟クライドとカーマニアの妹メリーを巻き込み、モーターイベント開催中の大金強奪を計画する。
さらに作戦成功のため服役中の爆破のプロ ジョー・バングを脱獄させ、計画実行後に刑務所に戻すという作戦も立て、いよいよレースの当日がやってくる。

「オーシャンズ」シリーズのスティーヴン・ソダーバーグが引退を撤回して製作した4年ぶりの新作。
との触れ込みですが。映画監督なら何年も間隔が空くことあるもんね。それはそれとして。

確かに「オーシャンズ」みたいな犯罪チームプレーを楽し気に見せてくれる映画は好きですし。
ダニエル・クレイグの“007”ではない顔が見られるのも普通に楽しみで。

大まかな流れはわかります。主人公が弟妹を誘って大金強奪を計画。爆破のエキスパートに協力を仰ぐ。んでまたデキの悪そうな2人組が仲間に加わる。
そしてドタバタありながら計画が実行されるも…

大まかな流れはわかりますが、正直 細かい部分がイマイチ伝わらず。
主人公のジミーは元々人気の選手だったのがケガでその座を追われ。そのケガが遠因で仕事を奪われ。子供は懐いてるけど嫁には逃げられ。
その弟はバーテンをやってるけど、戦争で片腕を失っていると。

この兄弟の それらの設定だけでも いろんなメッセージや、社会でのポジションが読み取れそうなんだが、如何せん当方にはそこまでの知識はなく。

爆弾魔ジョーとその手下みたいな2人組にも物語ありそうなんだけど、それもぼんやり。
途中で登場するジミーと幼なじみと思しき女医にも、過去がありそうなんだけど それもハッキリとはわからず。

計画が実行され 何がしかのからくりがあって、うまいことなって。
でも保険があるのでチャンチャンという流れでしょうか。

アウトラインはぼんやりわかるけど、駆け引き込みの会話がね、字幕を読んでいても何だかわからない。
飲み込んでる感じはするけど、味が、味わいが全くわからない。

その辺りが理解できると、もっと粋で洒落たクライムストーリーとしてキレイに着地できたんだろうけど。

「ネイティブに会話がわかればもっと楽しめたのでは」とか「前半眠ってしまった」といった感想も目にしました。
おそらく 字幕の翻訳がイマイチわかりづらいところあったんじゃないかな。

オリジナルのセリフを直訳するか、意訳でざっくり進めるのか。
字幕の映る文字数に秒数など、いろんな条件あるのはわかるけど。
今作に限っていえば、そのあたり少々微妙だったのかもしれないですね。

でもわかる人、伝わった人。ソダーバーグ監督の作風という土台の上で楽しめる人たちからは好評価を得たという感じに思えました。

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老眼ラッキー
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2017年12月11日

探偵はBARにいる3

吉田照幸
大泉洋、松田龍平、北川景子、リリー・フランキー
相棒の高田が持ち込んだ行方不明になった女子大生の捜索という案件。探偵たちが調査を進めていくと、モデル事務所の美人オーナー・マリにたどり着く。
やがてモデル事務所の実態、背後に浮上する組織の存在が明らかになり、探偵たちは大きな事件に巻き込まれていく。

「探偵はBARにいる」「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」に続く4年半ぶりのシリーズ3作目。ですがタイトルは「探偵はBARにいる3」でサブタイトルは付けていないのね。

前2作の橋本一から変わって吉田照幸が監督を担当。
橋本監督は刑事ドラマなんかを多く手掛けていましたが、今作の吉田監督はNHKの社員として番組に携わり、映画では「サラリーマンNEO劇場版(笑)」「疾風ロンド」を製作。もうNHKは辞めてるのかな?
とにかくコメディの線が濃い感じはするけども。

実際にこれまでシリーズが築き上げてきたハードボイルド感はベースにありつつ、最もコメディの質は高かったように思います。

行方不明となった女子大生の捜索という依頼が あれよあれよとヤバい方向に進み始めて。
その都度 探偵が厳しい局面に陥るんだけど、そこにちょっとばかりのユーモアを挟み込んできて。

言うなればその加減こそが このシリーズのテイストであり、踏み込んで言うなら「僕らが期待しちゃう大泉洋」を見せてくれるという。良し悪しはさておき、そんな面白さ。

特に今回は松田龍平演じる高田の存在が前面に出てたようにも思えましたね。
そもそも この作品って「あぶない刑事」や「相棒」のような“バディ”モノではないんだよね。
2人の探偵というではなく、探偵と助手という主従関係がハッキリしてる風でもなく。ぶっちゃけ高田の存在ってどういう立ち位置かアレだし。

ちょっと思ったのは 探偵のピンチにさっそうと現れ、背中合わせのままに敵を迎え撃つ姿が とてもWライダーでしたね。1号2号彷彿としました。
まぁそれはそれとしてで。

ただし過去作よりも高田の“意思”がわかるシーンがありますし。
ラストのバトルで相手をペンギンみたいにしちゃう奇策はオモロかったです。

舞台となるのは当然ながら札幌、ススキノ。
やぁ“冬の”であり“雪の”というのもセットですか。

そして本スジのヒロインは北川景子なんですが。
普通にキレイかったし。回想シーンでの“美少女感”も良かったですね。

彼女の持つ“クールビューティー”然とした雰囲気はこの作品には合うよね。舞台が冬の札幌なんだから。
太陽のような南方系の女優さんではイメージ合わないもんね。

ただし 全般的なストーリーは少々地味だったようにも思えたかな。
事件は起こりますが、エグい感じではなく。事件に至った動機の部分も 地味というか。
近年では「相棒」の劇場版なんか、巧妙なトリックや意外な協力者が絡んでいたりするもんだけど。

それらと比べると、作り込み感は薄め。
だからこそ やるせない涙につながるのだろうけど。
それを差し引いても、心にグッとくるまではなかったか。

それでもこのシリーズが持つ心地良さ、らしさは十分に味わえますので、結果 満足のいくデキでしたよ。
いろいろと大変だとは思うけど、4作目にも期待したいです。

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うにいくら丼ならしょうがない
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2017年12月10日

KUBO/クボ 二本の弦の秘密

トラヴィス・ナイト
(声)矢島晶子、田中敦子、ピエール瀧、川栄李奈
三味線の音色で折り紙を自由に操る不思議な力を持つ少年・クボ。かつて闇の魔力を持つ祖父に狙われ父を亡くし、片目を奪われたクボは、母と一緒に最果ての地まで逃れたものの、更なる闇の刺客によってその母までも失ってしまう。
父母の仇を心に誓ったクボは、面倒見のいいサルと弓の名手であるクワガタを仲間にする。

第89回アカデミー賞で長編アニメーション賞候補にもなったLAIKA制作によるストップモーションアニメ。ちなみに この時の受賞作は『ズートピア』。

シャーリーズ・セロン、マシュー・マコノヒー、ルーニー・マーラといった名前がボイスキャストとして並んでいることからも、製作陣の力の入れ具合はわかりますが。
吹替えの、さらに日本語字幕というのもまどろっこしいので、日本語吹替え版にて鑑賞。

アメリカ製作の日本の時代モノ。でも必要以上に変な違和感はなく、すんなりと見ることはできます。
主人公のKUBOが三味線を奏でると“おりがみ”が動き出すということですが。個人的には おりがみというアイテムはとても日本的で好きですね。実際にこういう遊びの文化は無いみたいだし。

念のため あらすじをチェックしてから鑑賞はしていますが。
『クボは、赤ん坊の時に邪悪な祖父によって左目を奪われ…』『クボが幼い頃、闇の魔力を持つ祖父に狙われ、父親は命を落とした…』『クボが狙われる理由が、最愛の母がかつて犯した悲しい罪にある…』
という ところが、どうにも飲み込めないままで。

単純に言うと「なんてジジイだ!」ということでもあり「なんでそうなっちゃった?」というものでもあり。
また物語の途中から登場する“サル”と“クワガタ”の存在が「そういうことなんでしょ?」というぐらいに実際そういうことで。
言い方悪いけど、ちょっとまどろっこしいというか。

いろいろ思案しつつ、結局 ハナシの波にノリきれないままに進んでしまいまして。楽しめなかったというのが正直なところ。

(裏の?)本テーマとしてある物語を継承していくことだとか、親から子へ〜というニュアンスを受けきれないままで終わってしまいまして。
どうにも わたくしには合わないままでした。

ストップモーションアニメとしての映像も、じつに素晴らしいんだけど。
あえて言うなら あまりにキレイ過ぎて。

ストップモーションなりの“アラ”とか“雑さ”を感じなかったんですね。
確かにキレイなのは良いことだけど、それを目指すなら(残念ながら)昨今では CG技術が洗練されすぎちゃって。どんな映像でも作れちゃうじゃんってことになっていて。

そういう意味でストップモーションアニメらしさというか。“アラ”とか“雑さ”をもっと感じたかったんだけど。

本編終わりに「実際にこうやって撮っていたのか〜」というメイキング映像も入ってるけどね。
ちょっとわたくし自身の感覚とはマッチしなかった印象。

もっとコンディションの良い状態で見られたら良かったのかな?

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ボクはクボ
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2017年12月04日

gifted/ギフテッド

マーク・ウェブ
クリス・エヴァンス、マッケンナ・グレイス、ジェニー・スレイト
7歳の姪メアリー、片目の猫フレッドと暮らす独身男のフランク。「この子にごく普通の生活を」と願っていたが、メアリーにある天才的な能力があることが判明。
それを知ったフランクの母エブリンは、彼女に英才教育を施すため、フランクから引き離そうとする。
果たしてメアリーにとっての幸せは、一体どこにあるのか…?

『(500)日のサマー』や『アメイジング・スパイダーマン』シリーズなどのマーク・ウェブが監督。
主演は『キャプテン・アメリカ』のクリス・エヴァンスということで、アベンジャーズなアナタにはたまらない作品だと…いうものでもないね。

タイトルの「gifted」は天賦の才を持っている人の意味。
要約すると、神様から才能という“ギフト”を送られた人ということかな。

7歳にして小学校に通い始めた姪のメアリー。そこで彼女が特別な知能の持ち主であることが分かります。
彼女を残し自ら命を絶ってしまった姉も、数学の天才で。まさに その才を受け継いだのがメアリーであると。

日本であれば「まずは平均的な学力を身に付けましょう」ということにはなりましょうが、アメリカでは別の考え方がありまして。
そんな才能があるのであれば、早いうちから伸ばしてあげましょうと。いわゆる“飛び級制度”という教育法もございます。

作中にも出てくるけど、そうしてズバ抜けて優秀な才能が活躍することで、多くの庶民にも恩恵がいくという考え方でもあって。
メアリ―のばぁばエブリンはそうした考えでね。

一方のフランクは彼女の才能は認めつつ。
ゆくゆく いろんな形で勉強はできるだろうが、今は子供として子供らしく。無邪気に遊んでほしいと。
将来 生活に困った時に金を貸してくれる友達を、今のうちに学校で作っておけ…という(笑)

そりゃあもう一朝一夕に正解の決められないことではありますし。
いろいろなレビューを読んで、そこに潜んだ“仕掛け”やテーマ性もある程度理解はしましたが。
正直 見ている間はそんなに響いてはこなかったかな。特に終盤、姉が自死に至ったくだりの辺りがね。

ただフランクが ある想いを持って病院に行くシーン。
病院のロビーで何もせずにグデっと座っていて。その先にある一つの感情を沸き上がらせる演出には こちらもハッとさせられました。

あとはやはりメアリー役のマッケンナ・グレイスの演技に注目だよね。
現在11歳という話があって。撮影時に何歳だったのかはわかりませんが、やっぱりスゴい表現力のある子で。

土曜日の朝、思わぬ状況で学校の先生と出くわして「先生〜おはようございますぅ」なんて言い方に、思わず笑っちゃいましたし。
アメリカの芦田愛菜だよね。
安易な例えかな(苦笑)

それから片目のネコ・フレッドもかわいかったよ。

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チラシの二人も片目しか写っていないんだ
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2017年12月01日

全員死刑

小林勇貴
間宮祥太朗、毎熊克哉、六平直政、入絵加奈子
家族思いのタカノリは、組長の父テツジと母ナオミを借金苦から救う為、兄・サトシと共に近所の資産家一家の現金強奪を実行する。
しかしあまりにお粗末な計画の末、資産家の息子を殺害。一人殺すなら全員殺すも同じこととばかりに、タカノリたちは次々と殺人を犯していく。

2004年に福岡県大牟田市で発生した4人殺害事件。加害者の親子4人は全員死刑の判決を下された。
その実行犯である次男の獄中手記を原作に映画化。

「冷たい熱帯魚」のスタッフが再集結〜みたいな書き方もされていて。また一段と期待も高まっていたわけですが、果たしてそのデキは!?

大前提として この作品の原作となった実際の事件があり。実際に被害者もでており。加害者側は全員死刑の判決が下されるほどの事件であって。
そういうものを こんなカタチで映画というエンターテイメントに昇華してしまうのはいささか不謹慎な気もしないではないが…

それを言っちゃったら戦争映画なんて撮れなくなるし。
そこは一旦飲みこんで受け止めていきましょうと。

ファーストカットが いきなり「おっ!」と思わせてくれるものだとか、そういうことはさておき。
それ以外でも 所々で絵の見せ方や音楽の使い方がカッコよかったりして。

そんな引っ掛かり、取っ掛かりはありつつ、オハナシ的には思ったほどの起伏はなく。
いや、チョイチョイ人が死んでるんだけど、こっちの心まで ぶっ殺(さら)うとこまではいかず。

なんだか この加害者一家のキャラクターがそこそこぶっ飛んでたり、微妙にマヌケだったり。
事実 こんな調子だったのか、映画としての演出なのかは知らんけど。

そのキャラのマヌケ感と 殺人事件の恐怖感が一体化しなかったというべきなのかな。

前述の「冷たい熱帯魚」なんて、ホントに普通の生活して、普通の近所付き合いしてたはずが、気付けばとんでもないところに引き込まれていたとか。
遺体の解体を飄々と鼻歌交じりにやっちゃってるような、それらの異常性がゾクゾクやられちゃったと思うんですよ。

それと比較してしまうと、中途半端な印象になってしまうかな。
わざわざ比較しなくてもイイっちゃイイけど。でも宣伝文句として「冷たい熱帯魚」云々とわざわざ書いてあるからね。

間宮祥太朗も、「ケンとカズ」に引き続きの毎熊克哉も、役者としては及第点だけど、一本の映画としてのグルーヴ感は正直味わえなかったね。

チラシの裏面を見たらこんな文言が載っていたよ。
『なぜ、こうなったのか』ってね。

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薬をつぶす“すりこ木”のカタチが…
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2017年11月27日

シンクロナイズドモンスター

ナチョ・ビガロンド
アン・ハサウェイ、ジェイソン・サダイキス、ダン・スティーヴンス
同棲中だった恋人の家から追い出され、故郷の田舎町に戻ってたグロリア。そこで幼なじみのオスカーと再会し、彼のバーで働くことに。
そんな矢先、ソウルに巨大怪獣が出現。テレビに映し出された映像に騒然とする中、その怪獣と自分の動きがシンクロしていることに気付く。

巷での評価は決して高くはないけれど、いやいや 思いのほか楽しめましたし。ついつい見入ってしまいましたよ。

不評の一つの遠因として「思ってたのと違った」的な意見が出てまして。
そんなもん、怪獣やロボットが闘うことがメインではないことぐらい事前に理解できそうだけど。「パシフィック・リム」の路線ではなかろうと。

それでは どんな展開を見せてくれるのかなというところでしたが、都落ちした主人公が地元に戻って昔の仲間たちと再会し、ある意味での自分のルーツであり、ある意味で社会の問題点と向き合うというべきか。
基本はアン・ハサ演じる彼女の成長物語で。と同時に地方なのか バカ男特有なのか。そんな事例と向き合うことになります。

ラジオで聞いた映画評では主人公の名前がグロリア(成長)。男の名前がオスカー(映画界で例えるなら権威でしょうか)。それらがソウル(魂)でぶつかり合うと。
それだけで 何かいろんなものが伝わってきますね。

この作品、グロリアに対するオスカーという男が出てくるんだけど。コイツの行動を見ていてね。

確かに子供の頃、砂場で山とか川とか橋なんか作っては、怪獣になったつもりで踏みつぶして、壊して遊んだりしてたよなと思い出したり。
久々に会った女の子の気を引くために、世話を焼いたり、プレゼントを送ったり。
彼女が他の男としゃべってるのを見ては横やり入れてみたり。

その意識があったりなかったりするけれど。思い起こしてみれば、ケチな行動とってるもんですよね。イケてない男って。
そりゃいくつになってもくすぶってるもんだわな。

本来は 主人公である女性の成長物語なんだけど、見ようによっては 男のバカさ加減にも気付ける映画だね(苦笑)

アン・ハサ好きとしては、彼女のダメカワ(ダメ女風だけどかわいい)加減がいい感じ。大半のシーンに映ってるし。あとは最後の逆襲シーンも痛快だったし。
決して大傑作とまでは言わないが、見たら見たなりに楽しめる映画でした。

ちなみに原題の「COLOSSAL(コロッサル)」は“巨大な”という意味で。
それを思うと、今作の「シンクロナイズドモンスター」はなかなか上手いなと思いますね。

ナチョ・ビガロンド監督、そもそもはオタクなスペイン人でもあるそうなので、日本の怪獣モノがお好きなんだとか。
インタビューによると、中でも松本人志の「大日本人」に影響を受けたと語っております。面白いもんだね(笑)
でも そのラインは越えてると思いますので。また監督の次作も楽しみにしてますよ。

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飲酒運転はダメよ
posted by 味噌のカツオ at 01:15| Comment(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月26日

オトトキ

松永大司
吉井和哉、菊地英昭、廣瀬洋一、菊地英二
数多くのヒットソングを世に送り続けながら2001年に活動を休止。そして2004年の申年に解散し、2016年の申年に再集結を果たしたロックバンド「THE YELLOW MONKEY」。
その復活劇を追った音楽ドキュメンタリー。

いろんなミュージシャンのドキュメンタリー作品もありますし、吉井さんのソロでもありましたな。
今作はバンド「THE YELLOW MONKEY」のドキュメンタリー。

2015年に RADWIMPSのボーカル野田洋次郎主演で「トイレのピエタ」を製作した松永大司が監督を担当。

この作品のためにということなのかな。アマチュア時代からライブを行っていた渋谷のLa.mamaで無観客ライブを敢行。
その様子をインサートしつつ、再始動後の流れを追っていきます。

実際は2016年の初頭からプロジェクトは動いていたので、ライブに至るまでのリハとか心境とか。
ライブを迎えるまでの状況も見たかったというのは贅沢な願いかな。

再結成、初ライブの模様はわたくしも街頭での同時中継で見てましたが。
こうやって改めて見ても グッときますね。映画見ながら涙ナミダ(笑)

そしてライブ前、あるいはライブ後の映像も出てきますが。
控室でサポートキーボードの鶴谷さん含めて5人でケータリング(定食みたいの)食べてるシーンが妙に印象に残ってて。
同じ釜の飯を食う仲間とも言えるし、メシ食いながらの打ち合わせ、バカ話の光景からまさにバンドとしての雰囲気の良さが滲み出ていて。微笑ましかったですね。

ツアーが進み、神戸2DAYSの最中に合った出来事。
それを受けての「球根」は確かにゾクゾクしてしまいました。まさに命を歌った曲でもあるからね。
もうひとつ、ヒーセのハグにもグッときちゃったし(笑)

そしてわたくしもテレビで見ていた黒一色の衣装で登場した「紅白歌合戦」。そして年をまたぎのフェスでの まさかのアクシデント。
28日に武道館を成功させて、疲れがピークだったのか。見ていてヒヤヒヤしましたし、当事者はさぞかし悔しかっただろうなと。

こうしてあらためて見た映像、ライブシーンでは目頭の熱くなる瞬間が度々ありました。
ホントに唯一無二のライブバンドであることを思い知らされました。

そんな THE YELLOW MONKEYのメンバーを一言で表すなら「ピュア」だなと。
もちろん今の姿を見てのことなんだけど。

結成した当初はもっとトガっていただろうし、売れ始めたころはヤンチャだったろうし。
でも ある種の到達点に至ったことで、ひとつの運動体としては継続不可能に陥ってしまって。

あれから15年の時を経て、メンバーがもう一度集まることって。
安っぽい言い方をするならば、同窓会的な面もあって。時を違えて顔を合わせると、一番楽しかったころの感覚を思い出すことができて。

さらには普通に年齢も重ねてるから。人間的にも丸くなっていってるし。
妥協とかではなく、ナチュラルに互いを尊重できる関係ができあがっていて。
それでいてキャリアの分だけ演奏のスキルはアップしていて。

良い年齢の重ね方をしてきたからこそ、ピュアでいられるんだろうなと。そんなことを感じました。
いやマジで 今さら揉め事とかめんどくさいもんね。そっちの方が過ごしやすいもんね。

だから時間を置いて再結成できちゃうんだろうね(笑)

最後に、これはこれでドキュメンタリー映画ではありますが。
ただ単に再結成後の彼らの姿を追っただけではなく、キッチリとドラマが描かれていて。
普通に映画としても楽しめました。

もちろんTHE YELLOW MONKEYという素材も良かったのと同時に、松永大司監督の腕もあると思います。
音楽ドキュメンタリーであってもそういう要素、大切だよね。

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ピュアな大人たちだと思う
posted by 味噌のカツオ at 13:35| Comment(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月25日

火花

板尾創路
菅田将暉、桐谷健太、木村文乃、川谷修士
お笑いコンビ「スパークス」の徳永は、地方の営業先で先輩芸人「あほんだら」の神谷と出会う。神谷に魅了された徳永が「弟子にしてください」と申し出ると神谷はそれを了承。その代わり「俺の伝記を作ってほしい」と頼む。
2年後。徳永は大阪から東京に拠点を移した神谷と再会。神谷の同棲相手である真樹とも親しくなる。

2015年上半期の芥川賞に輝き 大きな話題となった又吉直樹の同名小説を、板尾創路が映画化。
わたくしも同作は読んではいますが…正直 細かいことは覚えていなくて。

ところが今回の映画版。板尾監督の手法が分かりやすかったのか、意外なほどすんなり伝わってきました。
さほどの期待をせずに鑑賞しましたが、終わってみれば 間違いなく見て良かったと言えますね。

お笑い、漫才というジャンルも非常に浸透してきているせいか、それらをテーマにした作品も結構多いんですよ。
ただし 今作がそれらと似て非なるのが、漫才コンビの二人の物語ではなく、別々のコンビの、先輩と後輩の関係ってのが独特ですね。

なので漫才コンビという特異な関係性ではなく、夢を追う(社会的な)ダメ人間の愛おしさに訴えかけるという。
ある種の人には憧れかもしれないし、別の人にとっては共感できる主人公たちなのかもしれません。
そんな夢追い人たちの、葛藤、挫折、現実なんかもキチンと描かれていると思います。

原作を読んだ時点では 違和感を感じたり、わかりにくかったりした部分も上手く表現されていて。
特に最後の舞台のシーンは素晴らしかった。

原作であれば文字だけなので、読者の感性に委ねることになってしまいますが。
映画ではそれを“再現フイルム”として成立させなくてはいけない。これを見事にやってのけた板尾監督も「スパークス」も素晴らしかった。

そんな映像だからこそ感じられた部分もいくつかあって。
冒頭の 打ち上がっていく花火の2本の光の筋。その光の筋こそ彼らなんだろうけど、この花火、大輪の花を咲かせる前に映像が変わってしまうんですよね。
もう それだけで「あぁ…」と思ってしまったし。

ネタ見せ会場の外だったか、小さならせん階段のシーンがあって。そこでは いくつもの芸人たちが ネタ合わせをしてるんだけど。
まさに売れない芸人たちで込み合うらせん階段って。それだけで業界の状況を表してますよね。

またスパークスの二人の思いが 行き違ってしまう公園でのシーンでも、二人が別々の方を見ている映し方だったり、どちらか一方にしかピントが合わない見せ方だったり。
それらの板尾監督の手法、わたくしにも伝わってきました。

そして菅田将暉と桐谷健太の二人も上手かったなぁ。
そもそもが 共に大阪出身なので、この手の掛け合いとかはお手のものなのだろうけど。

敢えて言いたいのは この二人はW主演としておいといて、2丁拳銃・修士がまた良かったですね。
それこそ本業が漫才師なんだけど、でもこういう演者にこそ 助演男優賞を与えてほしいなと思ってしまいました。

さて、本編の終わったその後に、菅田将暉と桐谷健太の歌う「東京キッド」が流れるのもまたアツかったですし。
さらにラストのワンカットにも感じるものがありましたね。

原作が出版されたときには「花火じゃなくて火花なの?」みたいなことも耳にしたりしましたが、この映画版を見たらそれはそれで納得できましたし。
原作本の「表紙の赤いヤツは何なん?」とも思いましたが、それも受け止め方次第でアレコレ感じられるんじゃないかな。

やっぱりわたくしは本より映画のが性に合ってるわ。

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たまらん幽霊風俗嬢
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2017年11月19日

GODZILLA 怪獣惑星

静野孔文、瀬下寛之
(声)宮野真守、櫻井孝宏、花澤香菜、梶 裕貴
半世紀に渡る怪獣との戦いの末、人類は地球脱出を計画。人工知能によって選別された者たちが恒星間移民船・アラトラム号でくじら座タウ星eにたどり着いたが、人類の生存には適さない環境であることが判明。
彼らはふたたびの帰還を決め、長距離亜空間航行で2万年の歳月が流れた地球に戻るが、地上の生態系の頂点にはゴジラが位置していた。

2016年公開の「シン・ゴジラ」が大多数の予想を上回るヒットとなり、間違いなく“ゴジラ”というコンテンツが復活となった感ありますが。
あれから1年強が過ぎて、初のアニメ版ゴジラの公開となりました。

何やら未来の地球を舞台として、ロボットアニメ系のキャラクターが巨大ゴジラと戦うという。予告編から受けるそのイメージが ややアレだったんだけど。
果たしてそのデキは…

ぶっちゃけ予告編から受けていたイメージは まさにその通りではあったのだけど。
できれば もうちょっと設定を理解しておかないと受け止めにくいかな。
いや、わかっていても必然性が薄いような…

序盤の展開はある種の人間ドラマ。
それで引っ張って 怪獣出現シーンまでの“溜め”をつくる構成はよくありますが。

今作に於いてのそれが厳しかったのが、わりとスパスパ早口でSF展開のままでグイグイ進ませた点かな。
まさに「シン・ゴジラ」でも ほぼほぼ早送りな会議の場面が次々流されておりましたが。
あの場合は登場人物の役、肩書き。政治としての流れとして理解できたんですよ。

しかし ここでは妙な設定で、聞いたことのない物語上のワードで、話を広げてしまうのでなかなかついていけない。
また 物語上の主人公には戦う理由があるんだけど、それらもあまりに設定上過ぎて、思い入れをもてないまま佳境に入ってしまうので。厳しかったですね。

基本 宇宙服というかみんな没個性なコスチュームだし。
終盤は被り物で髪型すらわからんくなっていっちゃうし。

ざっくりとした設定では、地球にゴジラが出現。このままでは人類が滅亡してしまうと地球を脱出。別の安住の地を求めるもそれに値する惑星は見つからず。
20年が経って帰還したところ、地球では既に2万年の時が流れていたと。しかも まだ、ゴジラが生息していたと。
そんな感じですか。

こっちが思う以上に年月が経っていたって…猿の惑星じゃないんだから。しかも2万年って。
そういう意味では しんどいなと思ったわけですが。。。

この映画の唯一の救いが、ゴジラの描写でした。
これが思ってた以上に迫力があったんですよ。
ビジュアルも その咆哮も。

正直「コワい」とまで思わせてくれましたからね。それに関しては間違いなく素晴らしかったです。

ただし厳しいことを言わせてもらうならば。
ゴジラって原爆のメタファーだったり、「シン・ゴジラ」では東日本震災を思わせるイメージもあったり。
そういう意味合いを持って描かれてたと思うんですよ。

それが今作では ちょっとハッキリとしなかったというか。
そもそもの出現シーンが回想でしか描かれていないからね。
そういう意味で「ゴジラじゃなくてもいいじゃないか」という声が沸き上がっても仕方ないのかなと。

そんな思いも覚えつつでしたが。
果たして 少ない人類とドデカいゴジラとの戦いがどうなるか〜というところで映画は、To be continued.

このアニメ版ゴジラは3部作となるそうで。
続きはまた半年後なんだとか。

ん〜続き、見に行くか?

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怪獣はクセえ
posted by 味噌のカツオ at 16:16| Comment(0) | カ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月10日

おじいちゃん、死んじゃったって。

森ガキ侑大
岸井ゆきの、岩松了、光石研、水野美紀、美保純
吉子の祖父が亡くなり、葬儀のため祖父の長男・昭夫、次男で吉子の父である清二、長女・薫とそれぞれの家族が久しぶりに集合する。
準備に追われる中、祖父の3人の子は、みっともないほどの本音をさらけ出しては兄弟ゲンカに。また吉子も ある後ろめたさを抱え込んでいた。

見に行くきっかけは 気になる女優さんである岸井ゆきの 初主演ということで。
それなら どんな内容でも、どんなテーマでも行きましたと。いうトコですが。

いやいや それはさておき、これはこれで今の邦画に於いて十分に佳作と言える作品でしたよ。

森ガキ侑大(ゆきひろ)監督はCM畑の人なのかな。長編映画としてはこれが初監督。
舞台となるのは熊本県人吉市。

主人公・春子と彼氏がSEXしてる時に電話が鳴り。
行為を中断して電話に出た春子がそのことを知らされます。

そして やおら部屋の窓から下を見下ろし、下にいる父親に叫びます。
「おじいちゃん、死んじゃったって。」

おおぅ、家族のいる家の2階で、昼間っからやってたのか。
ということはさておき。

父親(光石研)と共に病院に向かうと、迎え入れたのは父の兄(岩松了)。
事前にチェックしていなかったんだけど、凄いキャスティングだな(笑)

それきっかけで、バラバラになっていた家族…親族一同が集まってきます。
学校、仕事、離婚 などでバラバラに暮らしていた家族たち。

余計なこと言う長男。実は会社を辞めていた次男。ひとりでクールに成功を収めている長女。
そして いかにも現代チックであり、バラバラの個性を持つ孫たち。
極めつけは、ばあちゃんが認知症であると。

物語の中で「おじいちゃん死んじゃったのに、誰も悲しい顔しないね」って。
実際 通夜だの葬儀だののループに入ると、結構忙しく段取りしなくちゃいけなくなって。それは悲しみと向き合わせないためであると。必要以上に落ち込ませないようにするためとも聞いたことがあります。

その反面。現代のようなライフスタイルだと、ジジババと孫たちでは 関わる機会自体がなくて。関係性もどんどん希薄になるから、悲しさとも距離ができるような気がするね。

そもそも お葬式って(冠婚葬祭自体が)古い風習とも思えるよね。
我々の日常生活でも仕事でも娯楽でも。いくらも新しいテクノロジーが入ってきてるけど、葬式はずっと変わらないというか。

今どきの若者でも、いっぱしの引きこもりでも、キャリアウーマンでも。いざとなれば その古いしきたりに組み込まれるのも、見ようによっては滑稽に見えなくもなくて。

それこそ昔から 葬式をテーマにした映画、コント、いろいろあるわけで。
んで 今作は単なる“お葬式あるある”なコメディではなく、ある種 新しくも古めかしい家族のつながりを提示してくれてたと思います。

「こんな家族なら、全部花火で吹き飛んじゃえ」なんてファンタジックなシーンも印象に残ったし。
でも一夜明けたら笑顔で一枚の写真に収まることができる。それでこそ家族なのかもしれないですね。
posted by 味噌のカツオ at 22:57| Comment(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする