2018年06月22日

デッドプール2

デビッド・リーチ
ライアン・レイノルズ、ジョシュ・ブローリン、モリーナ・バッカリン
最愛の彼女ヴァネッサを取り戻し、お気楽な日々を送るデッドプールの前に、未来から来たマッチョな機械人間ケーブルが現れる。
謎の力を秘めた少年の命を狙うケーブル。その少年を守るため、デッドプールは、特殊能力をもったメンバーによる“エックス・フォース”を結成するが…

前作から2年ぶりとなる続編。
デッドプールのキャラクター。このシリーズの作風なんかもわかっているので、ずいぶんと入っていきやすかったです。

このキャラの面白味として、余計なことまで しゃべりまくるというのがありますが。
字幕による制限というか限界というのもあると思って、今回は吹き替え版にて鑑賞。

そういう意味での伝わりやすさは あったとは思いたいのですが。
デップ―の吹き替えを担当していた方が、正直 ハマり役とは思えなかった。

元々デップ―のキャラが持っているアクの強さ。じんわり滲み出る悪意。あるいはいやらしいまでのテンションの高さ。けしかけるような しゃべりのリズム感。
下手とは言いませんが、何かの要素ひとつでも突出してたら良かったかな。

これまでにも洋画の吹き替えも担当されているようなので、普通の男性であれば、普通のヒーローであれば悪くはないが。
申し訳ないが、デップ―とはシンクロできてはいなかったと。難しいことではあるけどね。

あらためて本編。
ぶっちゃけ、眠たかった。眠たかった。
序盤にショッキングな展開もあるのだけど、そんなに重くはなく。
さらにイマイチ必然性の感じられないカタチで物語が転がっていて。

なんだろう。デップ―の言う通り 脚本がダメなのかと(苦笑)

でしたが。意外と“X・フォース”のあたりから面白くなり始めまして。
チームが その初陣を飾るというパラシュート降下のシーンで驚きまくり。
これはアカンやろう〜と。目が覚めましたわ(笑)

続く護送車でのバトルシーンも見応えアリで楽しめましたし。
終盤の展開はね、未来から来たサノス…じゃなかった、ケーブルの粋な優しさが描かれていて。
普通の映画なら ありがちなシークエンスではありましょうが。デップ―からのメッセージ性も保ちつつで良かったんじゃないでしょうか。

そもそもは「X-MEN」シリーズでもあって、みな“ミュータント”としての特殊能力があるんだけど。
ちょっと驚いたのはアフロヘアの女性・ドミノ。その能力は 普通の人より幸運なところとか言ってたんだけど。

とんでもないピンチが迫る中で、あれだけ幸運を引き寄せて危機を回避できるとは。それは確かに特殊能力だわと。
こんな人がチームに一人いたら強いよね(笑)

ただし その設定、映画的にはご都合主義みたいな展開に見えるけど。そもそも幸運の持ち主ってんだからしょうがない(笑)

あと日本人として参加してた忽那汐里。セリフとしては“一種類”しか言っていなかったけども、この“画”のなかにはしっかりおさまってたので。
なんなら もうちょっと出番多くても良かったんじゃないかとも思いました。

さて、ひと通り終わった後のオマケ映像(?)
ケーブルのあの装置を使ってね。時を越えて自身の過去を清算していく(?)ところはね。虚実の絡んだデップーらしいラストだったなぁ。
そのいきさつを知ったうえで見ると、ちょっと泣けちゃうよね。
素直に いいもん見させてもらいましたわ。

果たして これ、パート3まで続いちゃうのかしらん!?

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わたくしは「氷の微笑」が一番笑えた
posted by 味噌のカツオ at 20:33| Comment(0) | タ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月18日

ワンダー 君は太陽

監督スティーヴン・チョボスキー
ジュリア・ロバーツ、オーウェン・ウィルソン、ジェイコブ・トレンブレイ
生まれつき顔立ちが人と違う10歳の少年オギー。幼いころから自宅で母イザベルと自宅学習をしてきたが、小学校5年生になるときに初めて学校へ通うことに。
周囲からの好奇の視線や いじめにもあいながら、彼の行動が周囲の態度を少しずつ変えていく…。

わたくしが子どもの頃、似たような設定で「エレファント・マン」という作品があったことを思い出しますが。
今作に登場する主人公のオギーは“遺伝子の疾患”によって、生まれつき、顔が変形していたと。
その後 27回もの手術を受けながら、それでも“普通の子”とは違う存在であると。

彼が同級生と並ぶと 体が一段と小さいのがわかるけど、これも遺伝子の関係なのかな。
いずれにせよ、すくすくと成長してほしいな〜なんてことも考えつつ。

実際に この主人公のような病は存在するのでしょうが、物語そのものが実話というわけではなく。
原作は、過去に顔の変形した子どもに対して、誤った対応をしてしまったという作者による小説。

そもそもの出発点が、そんな(後悔なのか懺悔なのかはわかりませんが)感情からということで。とにかくやさしさにあふれた物語であることは確かですね。

設定もそうだし、予告編から感じた雰囲気もそうなんですが。
いわゆる感動モノと言いましょうか、生まれながらの宿命を背負った少年が頑張る姿を見て、思わず泣けてしまう映画だと容易に想像していましたが。
いやいや、映画の作りとして そんなに単純なものにはしていなくて。

序盤はもちろんオギーの物語なのですが、やがて彼の姉にスポットが当たり。さらに彼のクラスメートの話となり…という具合に。
まさに原作が書かれた経緯を思えば分かりますが、オギーと関わる周囲の人々についても丁寧に描かれているんですね。
こういう構成にしたことで、より映画としては味わい深くなったと思います。

もちろん主人公にも苦悩はありましょうが、決して過酷というまでの厳しさにまではしていない印象。基本は みんなのやさしさを より感じられるものだったと思います。
とにかく見ていて清々しかったというか。

もし身近に こういう子がいても「こんなイジワルはしないぞ」と反面教師的なものを提示するよりも「自分はこうありたい」という優しさをストレート提示して見せる方が 今の時代らしいのかな。
「おっさんずラブ」なんかでも愛についての乗り越えるべき障害よりも、真っ直ぐに人を愛することを描いて、それが受け入れられてたもんね。

あるいは現実世界がめんどくさいことが多すぎるので、映画ぐらいは気持ちのいいものを見たいというニーズもあるのかも。

もちろんウルウルくる場面もあります。ラストの着地点は あまりに大団円過ぎるけど、逆に言えばそういう感じで置きにいくぐらいじゃないと尻切れになっちゃうか。
彼らの物語は まだまだ続いていくはずの物語だからね。

オギーを演じたジェイコブ・トレンブレイは 以前『ルーム』でも難しい役どころだったけど、今作も素晴らしかったですね。
そしてお母さん役のジュリア・ロバーツも不自然に前面に出るようなこともなく。それでいて終始 温かみのある笑顔であったことは、間違いなく映画を支えるものでした。

さてさて余談ではありますが。
わたくし自身、オギーに靴を見られたら
どんなプロファイリングされるのかなww

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SON は SUN
posted by 味噌のカツオ at 01:27| Comment(0) | ワ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月16日

レディ・バード

グレタ・ガーウィグ
シアーシャ・ローナン、ローリー・メトカーフ、トレイシー・レッツ
2002年、カリフォルニア州サクラメント。自らを“レディ・バード”と名乗るクリスティンは、高校生活も残り1年となり 恋、友達、進路について悩む日々。
彼女は閉塞感溢れる片田舎のカトリック系高校から、大都会ニューヨークへの大学進学を夢見ているが、それを認めない母とはケンカになってしまう。

本年度のゴールデン・グローブ賞 作品賞&主演女優賞を受賞し、本年度アカデミー賞主要5部門ノミネートという話題作。

冒頭の母親と車内での衝突からの…腕骨折というシークェンスからもわかる通り、少々エキセントリックな印象の主人公。
そもそもクリスティンという名前があるのに、自ら「レディ・バードと呼んで」などと言うあたり。それ相当にイタい娘というのは想像に難くないね(苦笑)

ただし物語を見ていくと、映画的に? 2002年のアメリカとして? いくらか ぶっ飛んでる風でもありますが、基本は17歳の女子高生。

観る人が観れば ある意味で等身大の女の子かもだし。共感できる要素もあるのでしょう。
が…さすがに こちとら40代後半のおっさんとしては、そんなに物語にのめり込むことはできず。

こう言うとアレだけど。最終的に 成長という意味では、これはこれで等身大の着地点に落ち着く訳ですし。
なんというか、デリケートではあるが ちょっとイイ話のような。

不満かどうかというよりも、やっぱそういうことね〜としか受け止められなかったです。
40代後半のおっさんとしては、さすがに しゃあないわね。

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雌鳥
posted by 味噌のカツオ at 23:58| Comment(0) | ラ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月10日

万引き家族

是枝裕和
リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、樹木希林
万引きを終えた帰り道。治と息子の祥太は、寒さに震える幼い女の子じゅりを見掛け家に連れて帰る。
妻の信代と その妹・亜紀もじゅりを受け入れ、娘として世話をすることにする。そんな治たち一家の暮らしを支えていたのは、祖母・初枝の年金だった。

公開を控えた今年5月。カンヌ国際映画祭にて最高賞であるパルムドールを受賞したことが報じられ、大きな話題となりました。
と同時に、世間一般からの注目も集めることに。

最初にこの作品の予告編を見て思ったのは…卑怯やなと。
是枝監督の過去作にも出ておられるリリーさん、樹木希林さんはもちろんですが、今回初となる安藤サクラさんも松岡茉優さんも、仕事できる人、上手い人やん。
そんな人たちを一堂に集めるのは もぅ卑怯やんってね。

お兄ちゃん役の城桧吏くんは かつて「誰も知らない」でカンヌ最年少で主男優賞を獲得した柳楽優弥を彷彿とさせ。
妹役の佐々木みゆちゃんは AmazonのCMで米粉のパンを食べてる子らしい。
なるほど…と。

わたくし自身も期待を寄せて鑑賞させてもらいましたが。
映画のサイトでは多くの方が絶賛のコメントをUPしておられるんですが、素直に言いまして、わたくし的には そんなに響かなかった…というとアレなんだけど。

この映画には問題提起が含まれています。
ネグレクト、育児放棄。家族の結びつき…いわゆる“絆”ってやつですわね。そして他者との結びつき。

亡くなった親の死亡届を出さずに その年金受け取る者。日雇い労働者の賃金、労災。
JKビジネス。そこで働く女の子に安らぎを求める社会に適合できない若者。
もちろんタイトルになってる万引きも問題でしょうが…

ちょっと要点を詰め込み過ぎ?
それぞれひとつだけでも映画のテーマとなりそうな問題を詰め込み過ぎて、集中しにくかったとは思います。
それでなくても 是枝監督が過去に映画で取りあげてきたものもあるわけで。

これだけ実力派の役者さん集めたら、そりゃデキはよくなりましょうし、是枝監督の手法でショボくなるはずはないわけで。

前作の「三度目の殺人」はサスペンスとしてのドキドキ感がスゴかったので(比べてはなんだけど)全般的に地味だったのは否定しようがない。
でも今回の期待が大きかった分、見劣りはしょうがないか。

いろんなことを考えながら。
あらためて 映画のサイトで見た人たちの感想、ひとつひとつに目を通してみました。
総じて言えるのは、大半の方が長文で感想、思いの丈を綴っておられると。人それぞれ 引っ掛かった点や、今 現実に報道されている事象との比較など、様々書き込んでおられました。
それらを読んで気が付いたこと。

これがこの映画の答えなんじゃないのと。
そもそも是枝監督は作品の中に明確な答えは示しません。フィルムの中に大きな問題提起を、今作ではいくつもの問題提起を残しております。

そして それを見た観客が何を感じて、どう咀嚼するのか。
そういうことでいいんじゃないのかな。

それがこの作品としてのメッセージであり、それを最高の役者・スタッフたちで、エンターテイメントとして提示するという。
大げさに言うなら とてもレベルの高いことをやっているような気がします。

こっちとしても映画に対して ひとつだけのアンサーを残すことは不可能。
でも ひとつの映画の見方として、そういうこともありのかなと思った次第。

そんな是枝監督。
今後の作品にも期待をしています。

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次回はAmazon依存の「代引き家族」で
posted by 味噌のカツオ at 22:44| Comment(0) | マ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月08日

Vision

河瀬直美
ジュリエット・ビノシュ、永瀬正敏、岩田剛典、夏木マリ
世界中を旅しながら、紀行文を執筆しているフランス人エッセイスト、ジャンヌ。
ある調査のため、アシスタントと共に奈良の吉野を訪れ、山間で生活する山守の智と出会う。二人は次第に心を通わせながら、別れの時を迎える。そして秋。ジャンヌはふたたび智の元を訪れる。

2017年の5月、カンヌ国際映画祭の場で河瀬直美とジュリエット・ビノシュが出会い、意気投合。
そこから話が盛り上がり、とんとん拍子に企画が動き出し。そして完成に至ったという作品。

EXILEでおなじみのLDHの LDH PICTURES の配給。EXILE HIROがエグゼクティブプロデューサー。岩田剛典が出演しておりますが。
そもそも どんなつながりがあるんでしょうな。
それはさておき。

河瀬直美監督の「あん」「光」は面白かったですし、今回のキャスティングで どんな仕上がりになるかと期待して初日に足を運びましたが…
正直 まったくと言っていいほど、ノレませんでしたね。

人類のあらゆる精神的な苦痛を取り去ることができる薬草“Vision”を求めて この森を訪れたというフランス人女性エッセイスト、ジャンヌ。
そこで山守の智と出会い、森で千年暮らしているというアキと出会い。
やがて一旦その場を離れます。

ひとりになった智は森の中で鈴という青年と出会います。
やがて季節は秋となり、ジャンヌも再び智の家へ戻ってきます。

あとは その森で起きた過去のこと。ジャンヌのこと。
いろんな描写があるんだけど、どうにもしっくりくることなく。

流れとしては理解しつつも、申し訳ないが、わたくしには全く響かなかった。

夏木マリさんの舞は独特。
森山未來は あのような体を使った表現はやってきているからね。
あと火のシーンは どうやって撮影したのか、表現したのか気になりつつ。

でも最も印象に残ったのは、白犬コウくんかな。
彼の走る姿、芝居(?)、そして別れ。いずれも目を奪われました。

事前に得た今作のチラシには「未来(ビジョン)が、いま、うまれる」とあります。

ビジョン…未来…ですか…

すなわち森、山、未来ってこと?

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ジュリエット・ビジョンっしゅ
posted by 味噌のカツオ at 17:36| Comment(0) | ハ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月05日

四月の永い夢

中川龍太郎
朝倉あき、三浦貴大、川崎ゆり子、高橋由美子
3年前に恋人を亡くした27歳の滝本初海。音楽教師を辞め、蕎麦屋でアルバイトをしている彼女のもとに、亡くなった恋人の母親から一通の便りが届く。
そこに同封されていた彼からの最後の手紙。その手紙をきっかけに、彼女の中で止まっていた時間少しずつ動き始める。

第39回モスクワ国際映画祭国際映画批評家連盟賞およびロシア映画批評家連盟特別表彰受賞作品。

親友を自死で亡くした中川龍太郎監督が、その思いを胸に前作『走れ、絶望に追いつかれない速さで』を製作。
そして今作では、元恋人を自死で亡くした女性が主人公という設定。

主演は『かぐや姫の物語』の朝倉あき。そちらは声優としてだったので、ビジュアルとしての印象は無くって。
実際 監督によるキャスティングは、彼女の声に惹かれたのが理由とのこと。

オーソドックスに言うなら、恋人を亡くしてしまった一人の女性が 再び動き出すまでの物語…なのですが。
変に重くはしていませんで。

ドラマチックにしたいなら…心の傷が理由で 社会に適合できなくなったとか。周囲の人 全てを否定するようになったとか。重荷を背負った主人公が再生していくというやり方もあるのだろうが、さにあらず。
今作の主人公は普通にアルバイトもしているし、音楽やラジオを聴くというささやかな楽しみも持っているし。
その悲しみから3年という時間経過も考えたら そういうもんでしょ。

かと言って何もなけりゃ映画にならないんだけど(苦笑)
ここで描かれるのは、再び音楽教師へと向かうことであったり、もう一度 恋をしてもいいのかなということであったり。

その辺りの踏み出し方も、周囲の状況との関わりもあるし。ある種の自然体でもあって。
やはり心の再生…という程ではなく、あくまで気持ちのリ・スタート。

でもそんな軽やかさが全体の雰囲気とマッチして。
映画として とてもさわやかな印象になっていますね。

とにかく朝倉あき演じる滝本初海がとてもキレイ。
割りと等身大の女性像だとは思うけど、彼女の声・話し方・言い回しがやけにキレイで心に残ります。
前述の通りでしょうが、まさに監督のキャスティングがズバりハマっているという印象。
「志熊は不思議なヤツだ」という感じがまたいいんだよね。

そして元カレの実家感がまた素晴らしい。
夫婦役の志賀廣太郎と高橋惠子の上手いこと。ナチュラルに滲み出る優しさがたまらない。そして妹夫婦役の二人も…あったかいんだよね。
これは初海ならずとも泣けますわ。

あと今作のベストシーンと言ってもいいのが、浴衣姿の初海が 赤い靴の「書を持ち僕は旅に出る」をイヤホンで聞きながら…歩きながら…スキップしながら…という映像。
そのまんま 何がしかのCMイメージに使えそうなほど、軽やかな可愛らしさがありました。

先日見た『ミッドナイト・サン 〜タイヨウのうた〜』でも思ったこと。今作では作中でも語られておりまして。
自分の好きな曲が、誰かの意志でラジオから流れることの嬉しさ。ラジオ好きなものからすると「よくぞ言ってくれた」と。

あらためて振り返ると、高橋由美子演じる 蕎麦屋の しのぶさんもリ・スタート切ってるし。
仕事をバトンタッチしてくれた仲間は 出産という命の新たな始まりを迎えるわけだし。
ワチャワチャな元教え子も また歌う場を得たようだし。

(映画的には)具体的には何も始まっていないんだけど。次は初海の番なのかなと。
そんな彼女のあんな笑顔が 最後を飾ってくれたら、素直に「見て良かったと」そう思うわけであります。

上映時間93分。コンパクトながらも実に味わい深い作品でした。

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ウルトラセブンが そんなそばにいたの!?
posted by 味噌のカツオ at 22:02| Comment(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月04日

犬ヶ島

ウェス・アンダーソン
(声)エドワード・ノートン、ビル・マーレイ、ランキン・こうゆう
近未来の日本。犬インフルエンザの大流行で、人間への感染を恐れた小林市長は、すべての犬を“犬ヶ島”に隔離する。
12歳の少年アタリは親友でもある愛犬スポッツを救うため、単身小型飛行機に乗り込み 犬ヶ島に上陸。島で出会った5匹の犬たちと捜索を開始する。

さてウェス・アンダーソン作品。わたくしは『グランド・ブダペスト・ホテル』を見ておりますが、残念ながら合わなくって。
未見ですが『ファンタスティック Mr.FOX』でも 今作同様にストップモーションアニメをやっておられるんですよね。
果たして今回は…というところですが。

字幕版にて鑑賞。ということでいいのかな。
(架空の)日本が舞台ということで日本人キャストと犬たちが登場。

日本人は日本語だけど、ワンコらは豪華俳優陣が英語で吹き替えをしておりました。
いわゆる“吹き替え版”では そのパートも日本語になってるのかな。

そんなわけで 半分は日本語、半分は字幕と。
また そもそも論として、斬新なキャラクターや街並みなど、いろんな意味で情報量の多いこと多いこと。
それでいて ストーリーラインも若干不可思議で、なおかつ展開も早いと。

それらの表現を否定するつもりは毛頭なくて。お笑いなんかでも人によってウケるギャグや笑いのツボが違ったりするのと同じく。
正直、ついていけなかった。ノリきれなかったなぁ。

かろうじて ケンカになるシーンでの(昔のギャグマンガのような)綿でモコモコなる描写は気になったけど。

ってか そもそもネコ好きなので、犬にテンション上がらないという面も、あるとか、ないとか。
ストーリーがもっとワクワクできるものであったり、映画としての盛り上がりポイントが わたくし好みであったら。

後々レビューやら情報をチェックして「そういうことだったのか」と。「あぁそんなシーンあったっけ?」というようなこともあって。
それ以外の感想や印象が ほとんど残っていないということで。

う〜ん、やっぱりウェス・アンダーソン作品とは、合わないのかなぁ。
まぁ、そういうこともあるよね。
それしか語れないな。

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黒い犬じゃなかったんだ
posted by 味噌のカツオ at 01:28| Comment(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月01日

恋は雨上がりのように

永井 聡
小松菜奈、大泉 洋、清野菜名、吉田 羊
アキレス腱のケガで陸上の夢をあきらめざるを得なくなった高校2年生の橘あきら。偶然訪れたファミレスで放心するあきらに店長の近藤が優しく声をかけ、あきらはその店でアルバイトを始めた。
バツイチ子持ちで28歳も年上だと知りながらも、彼女は近藤に心惹かれていく。

映画というものには共感力というものは大切で。どれだけ作品に感情移入できるのかが大きなポイントなのですが。
40代後半で独身のわたくし的に、この作品ほど感情移入できる作品はなかろうかと(苦笑)
でも、映画ってファンタジーとしての側面もあるからなぁ。。。

閑話休題。
今作の永井聡は『帝一の國』『世界から猫が消えたなら』の監督でもありますが、それ以前に公開の『ジャッジ』という作品が好きで注目しているんだけどね。
そんな期待に応える導入部。

ワンシーンを挟み、主題歌をバックにしたオープニングタイトルが流れまして。
それこそ映画にはいろんな表現方法あるけども。“ポンッ!”と作品名が出るものもあれば、何もなく始まるもの(最後にタイトルが出る)も。
しかし最初に主題歌かかって主要キャストの名前が出てのオープニングはシンプルにワクワク感高まりますね。こっちも「映画 見るぞ」のスイッチ入るしね。

ところが…この後グッと不安感が。
舞台となるファミレスの描写が メチャ嘘くさい。客の入り、ざわめきはまだしも、白衣を着た調理スタッフらしき人間が5〜6人ぐらいいたのかな?
わたくしファミレスで働いたことは無いけども、あれは過剰な“絵作り”だったのでは。まさに数人が手分けして仕上げにかかっている一流レストランの厨房のそれだったですから。

それ以外にも過剰な情報量の詰め込み、スマホを忘れた客への対応など、安っぽい邦画の作りに見えてしまいました…んが。

それ以降は ひとつひとつのエピソードの積み重ね方がなかなか上手くて。
気付けば イイ感じで引っ張られていきましたよ。

あきらの(最初の)真剣な告白に対する店長の受けのズレだとか。そりゃそうなるわな〜って感じ伝わったし。
陸上部のパートもじつにヒリヒリさせられたし。

それ以外でも“空手チョップ”Tシャツの使い方、ペディキュアの心配も面白かったし、なんなら息子の髪の毛が天パっぽくなってたのもジワジワきたし。

そんな中でもキーと思えたのが“戸次重幸”の存在。
冒頭に名前が出て「あぁTEAM NACSの…」とは思いましたが。役柄としては店長の大学時代の友人で、久々の再会を果たすというものだったんだけど。

まさに店長の雰囲気がその場面だけちょっと違ってて。(そういう意識で見てるのもあるだろうが)ホントに昔の仲間に会ってる感が伝わってきたんだよね。
ただ雰囲気が違うといっても“この場面だけ浮いている”とか“NACSファン向けのサービス”というのではなく、映画の流れを左右する意味での特別な場面になってたんですよ。

こういうのをキャスティングの妙と言うんでしょうな。

そんな二人のシーンで交わされた会話の「未練ではなく、執着」というのも響きました。
セリフで言うなら前半の「人を好きになるのに理由はいりますか」に対して「俺と橘さんには理由いると思うよ」も納得させられたな。

あらためて思い返してみると、わかりやすい劇的な山場の無いまま、エピソードの積み重ねからエンディングへと向かうのですが。
店長とあきらが向かい合って。あきらの真っ赤な目にやられましたね。そりゃしずくのひとつでもこぼれればわかりやすいんだろうけど。そうしなかったのも良かったなぁ。こんなのは好みの問題かもしれないけどさ。

好みでいうなら、そもそも小松菜奈ってそんなに惹かれる女優さんでは無かったけど、今作では その魅力が全開でしたね。
「睨んでる」「目つきが怖い」との描写もあったけど、こんなキレイな娘に睨まれるのはそれはそれでニーズあるだろうし。
陸上選手としてのスタイルの良さ。また足を強調したショットもホントにキレイでした。

そして小松菜奈に対してもう一人の“ナナ”清野菜名も いい味出してたなぁ。
終盤の彼女の登場シーンで、もう一度走ろうと決めたあきらに無言で寄り添って走りだすシーンなんかも美しかった。

小松菜奈とはCMで共演してる吉田羊さん。
登場シーンでは ずっと伏し目がちでパッとしない印象なんだけど、最後の最後に見せる表情(横顔だけど)の絶妙さにはシビれました。
ちなみに このシーンは小松菜奈の表情も見事でした。親子ならではの感情が伝わりました。

濱田マリさんはもちろん そのまんまで存在感あるし。ファミレス店員の松本穂香は既にネクストブレイク候補だし。京都からやって来た陸上選手役の山本舞香も今後きそうな雰囲気持ってますよ。
大泉洋さんは言わずもがな。優しさ、ダメっぽさ、そして ほんのちょっとのカッコよさ。間違いないキャスティングだよね。

本編の序盤こそ 構えてしまいましたが、終わってみればホントに大満足の一本でございました。

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ところで、おじさんと女子高生の恋愛は…
posted by 味噌のカツオ at 23:57| Comment(0) | カ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月30日

孤狼の血

白石和彌
役所広司、松坂桃李、真木よう子、江口洋介
昭和63年。広島の呉原では、広島の巨大組織・五十子会系の加古村組と地場の暴力団・尾谷組がにらみ合っていた。
そんな中、加古村組関連企業の金融会社社員が失踪。暴力団との癒着を噂される刑事・大上と新米刑事の日岡は捜査に乗り出す。

1970年代に栄華を極めた『仁義なき戦い』をはじめとする やくざ映画。
それらのテイストでありスピリットを今に受け継ぐ形で製作された今作。

その重責を担うのは『凶悪』や『日本で一番悪いヤツら』の白石和彌監督。

まずはじめに。往年の『仁義なき戦い』シリーズや「実録路線」を意識した作品であることから「やくざ映画」ということを言われていますが。
見て感じたのは、これは刑事モノでありましょうと。もちろん やくざもいっぱい出てきますし、やくざな刑事も出てきますが、これは刑事モノでしょうと。

なんなら『娼年』で少年から青年への成長を見せた桃李くんによる、日岡刑事の成長譚とすら感じました。

この作品で まず目を奪われてしまうのは もちろん“ガミさん”こと大上刑事。いやなんなら“役者”役所広司と言ってもいいのかもしれません(苦笑)

『三度目の殺人』でもそうでしたが、本音というか人としての奥底が見えない存在を見事に体現してくれています。
そんなガミさんに振りまわされながら、いつの間にか変心を遂げる日岡役の桃李くんも素晴らしかったですし。

あえて欲を言うなら、やくざ役として江口洋介はキレイ過ぎる感じがあるし、竹野内豊さんはちょっと細かったかな。

なかなか今の時代の この年代の役者で、怖さ、ヤバさを表現できる人。ドスの利いた振る舞いできる人。なかなか思いつかないよね。
それこそピエール瀧さんなんかはガタイも良くて強面で、そこにいるだけで“悪いヤツ”を感じさせられるし、ワンポイントリリーフだったけど中村獅童さんなんかも貴重な存在だとは思いました。

映像的には 冒頭からエゲツナイ描写があったり。
ポールからパールのボールを出す くだりも思わず目を背けたくなったりもしましたが、必要最小限でギリギリだったんじゃないでしょうか。

あとは舞台となってる呉原。そのモデルとされる広島の呉でロケが行われたそうなんですが、実に古き良き時代の歓楽街の絵になっていましたし、取調室や車や自動販売機なども良かったですね。
確かに昭和63年を感じましたよ。

あらためまして。舞台は今から30年前の広島。
一人の金融会社社員の失踪事件の捜査を始める大上と日岡。捜査を進める最中で巻き起こる 2つの組織の縄張り争い。
やがて その捜査を行う大上刑事にある疑惑が浮上。

そうやって要点が広がっていくごとに、それ相当の登場人物も膨らんではきますが。
思いのほかゴチャつくこともなく、すんなりと入っていけました。

大上は加古村組の動きには目を光らせてその動きを牽制。
一方で尾谷組とのパイプがあり、なんなら組から金まで受け取っている始末。

またその捜査方法は暴力、金、さらに不法行為のオンパレード。それによって事態が進展することもあるのだが、日岡は刑事の矜持として 大上の“悪事”を止めたいと考えます。
ところが大上の“アタマ”の中にあった真実と、日岡の抱えた事情が裏返ると同時に、物語は思いがけない結末へと向かっていきます。

要約すれば、悪いヤツが本当に悪なのかというと決してそういうわけでもなく。
正しいと思っていることが必ずしも正義ではないと。

どうしてもジャンルとして「アウトレイジ」と比較される向きもあるけど、あちらはドンパチ多めの殺るか殺られるかが大きいけど、こちらはもっと捻った人間ドラマという印象。

大上が疎ましくみられながらもクラブのママ(真木よう子)の息子に向ける視線であるとか。失踪後に日岡の前に現れて逮捕を求める描写だとか。
「やっちゃれ会」のバックヤードで行われる壮絶な駆け引き。そうして受け継がれる“孤狼の血”ということなんですね。

まさに白石和彌監督特有の意地の悪い描写、アクの強さがいかんなく発揮された傑作。
ホントに面白かったです。これは続編にも期待したい。
でも そうなるとガミさんは出てこないのかな?

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アホが見るブタのケツ〜♪
posted by 味噌のカツオ at 00:13| Comment(0) | カ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月29日

友罪

瀬々敬久
生田斗真、瑛太、夏帆、佐藤浩市、富田靖子
ジャーナリストの夢に破れて町工場で働き始める益田と、同時期に働き始めた鈴木。周囲との交流を避け、過去を語ろうとしない鈴木だったが、同い年の益田とは次第に打ち解け友情を育んでいく。
だが あるきっかけから、益田は鈴木が17年前の連続児童殺傷事件の犯人ではないかと疑い始める―。

今年は「娼年」があったり「友罪」があったりと。ダブルミーニングのタイトルが続きますが。
今作も結構前から予告もチェックしていましたし、未成年による凶悪犯罪、いわゆる「少年A」であったりデリケートなテーマであって。それを瀬々監督がどのように描くか期待していたですが。
わたくし的には少々残念な印象でしたね。

ジャーナリストを目指していたが挫折し、生活のため町工場で働きだした益田を演じるのが生田斗真。
そして同じ工場で働き始めた どこか影と過去があるような青年を瑛太が演じます。

益田と鈴木は工場の先輩2人と寮生活を始めるのですが。
鈴木が作業着の下に着こんでいるトレーナーに汗染みから塩を吹いちゃってまして。ちょっとマトモでは無いなと思わされるわけですが。

映画が始まって程なく、幼い子供が被害者となる新たな事件が起こります。
ですが、シーンが変わって不穏な音楽が流れ、被害者を発見したドライバーが車から降りて、その近くまで来て「ひぃ〜!」と言って腰を抜かすシーンがあるんだけど。

率直に言って、ダサい。
音楽も演出もダサい。この手法、いったい いつの時代のドラマかと。

序盤から そんなのを見せられますと「これはヤバいヤツかも」というモードになっちゃうんだけど。
結局その期待を裏切ることなく、説得力の無い行動や、わざとらしい描写が積み上げられていきまして。

さらに佐藤浩市演じるタクシー運転手。富田靖子演じる更生施設の“先生”。そして夏帆演じる女。
いろんな登場人物が物語に絡んでくるんだけど、それぞれがいろんな問題を抱えております。

しかし それらの問題が(映画の軸であろう)本筋のテーマとマッチしていなくって。
彼らのサイドストーリーがメインの伏線だとか そういうこともないので、無駄に話がゴチャつきます。

あのタクシー運転手さんの行動の解せなさ、本質のズレ。もっと言うなら彼の家族関係も、本筋と関係あらへんのに えらく情報の出し惜しみするので「何なん?」と言いたくなってしまう。

話戻って益田、鈴木と工場の先輩らも こじらせてるなと思いきや。トラブルを乗り越えてカラオケに行く場面があります。
そこで鈴木が「歌なんて…」と言ったところで「じゃあアニソンは?」というやりとりがありまして。

おやおや、やっぱりアニオタがそういう犯罪に最も近いという、ステレオタイプのイメージがついてるのかと思わずひいてしまいましたが。
さらにその後「魔訶不思議アドベンチャー!」歌ってて、また違う角度でひいてしまいました。
どっちにしろ煮え切らない展開でしたね。

んで そうやって仲良くやってるのかと思いきや、AVにまつわるくだりは「いくらなんでも そんなことせんやろ」と言いたくなりましたし。

そしていろいろあったラスト。鈴木が見せる 複雑な感情が入り混じった表情の変化は納得しましたが。
益田が木の下で「あ”ー!あ”ー!」と叫ぶシーンはずい分と寒かったなぁ。

よくRHYMESTER 宇多丸さんの映画評で言われる「一番やっちゃいけないヤツ」とはこれのことかと。
ここまで感情を 積み上げておいて「あ”ー!あ”ー!」叫ぶだけって。実際あんなことしないだろうし、明らかに作り手の投げというか逃げというか。

百歩譲って そこから感情のバイブレーションが伝わってくるならいざ知らず、正直 笑えただけでした。失笑。

そもそもは 友情と罪の間で葛藤する主人公 2人の物語を期待してたんだけど。
なにやら同じ場所で働いて同じ寮にはいるけれど。公園で夜に缶ビール飲んだだけで“友情”言われても、さすがに薄っぺらい。
そして別々の道をってそりゃそうだろと。

序盤から「これはヤバいヤツかも」と思ってしまったのですが、その読みは裏切られませんでしたね。
って、オレのその思いを裏切ってほしかったぞ(苦笑)

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あのAV、ぜひウチのポストにも…
posted by 味噌のカツオ at 23:39| Comment(0) | ヤ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする