2015年09月26日

カリフォルニア・ダウン

ブラッド・ペイトン
ドゥエイン・ジョンソン、カーラ・グギノ、アレクサンドラ・ダダリオ
超巨大地層“サン・アンドレアス断層”の横ずれから大地震が発生し、カリフォルニア州に甚大な被害をもたらした。
レスキュー隊のパイロット・レイは取り残されていた別居中の妻を救出。そしてサンフランシスコに取り残された娘をの下へ向かわんとするが、地面には深い亀裂が広がり、大津波が襲い掛かる…

原題は「San Andreas」。
カリフォルニア州。太平洋岸に1300kmにわたってのびるサン・アンドレアス断層が横ずれを起こし、巨大地震が発生するというストーリー。

当初は日本公開は5月30日の予定でしたが一旦延期。理由については今なお残る東日本震災の影響とも、4月25日に発生したネパールでの大地震の影響とも言われますが、本当のところはよくわかりません。
ですが この9月12日に公開となりました。

地震、そして津波が襲うというディザスタームービーのジャンルではありますが、見た感想としては ロック様大活躍のヒーロー映画といった趣だったですね。
一般的なレビューを見ると、大迫力の映像やら家族愛やらに感動してる声も多々ありましたが、わたくし的にはコレっぽっちもヒットせずで。

始まって間もなく、地震予知の研究員がダムでその傾向をチェックしていたところ(つかみってヤツですか)大きな地震が発生します。
そこでダムにヒビが入り、あっという間にダムが崩壊。どえらいことになってしまいます。

その後も断層に沿って地震が起きていくんですが、研究員によれば「これよりもっと大きなのがくる」と。って、ダムが壊れる以上にデカいのって!?
結局 都市部を直下型地震が襲い、次々にビルが崩れていきます。

そりゃスゴイ。そりゃスゴイんだけど、ボロボロ壁が崩れ去り、ビルのフロアがひしゃげたり。あまりにその現実感の無さに ほぼほぼポカ〜ン状態。
であるのに、主人公の嫁さんただ一人、夫であるロック様に助け出されます。

その後も揺れが襲うんだけど、とにかくダムが決壊してビル崩壊がのっけからなので、「次は?今度は?」という それ以上の“ヤバい感”がなんか増幅していかない。

またイントロダクションの救出劇の場面から「ムチャするなぁ」の印象。
はてはヘリでもって崩れるビルをかいくぐり、ガレキが当たって側面ボロボロになったりして。またグルグル回りながら激突落下とか。大丈夫か?を通り越してアウトでしょとしか思えない。

船着き場で海面が下がり「津波が来るぞ」と。しばらくして大きな津波が押し寄せ、サーフィンか?ってな勢いでその波に乗るボート。
やがて津波に飲み込まれ、街全体が水没。えらいこっちゃ。

んだけど、津波って押し寄せてる波のあとに、もう一回引き波が返っていくんだけど。それはなかったんだね。
津波の被害じゃなくて地盤沈下だったのかな?そんな細かいツッコミ所もいっぱい

いずれもとてつもない被害の映像なんだけど、どれもスゴイ映像を見せたいがためって感じで。それらの映像からは、ホントの意味での怖さは覚えなかったなあ。
どうしても日本人として、本物のそれが身近に存在してしまったわけだし。
だから映像に関しては「よくこしらえました」としか見られなかったわ。

そしてそれらの上に成り立つ人間描写も弱いと言わざるを得ない。
離婚問題を抱えた夫婦と、ピンチに陥る娘ってのは米映画では定番中の定番で。それらに ちょっとイヤなヤツが関わるのもそう。
んでまたそのイヤなヤツが 何のタメもなく突然フレームインしてきてプチッと退場ってのは、あっさりし過ぎでビックリ。

あとは ひとつの事象として、人的被害も大多数で高層ビルは全て使用不可の取り壊しとなると、被害額はいかほど〜と。
こういっては何だが、一組の家族の作られた美談に感動するよりも、被害の大きさに途方に暮れてましたよ。わたくしは。

とにかく、大地震についてのリアルな映像を目の当たりにしている以上、この映画からリアリティを感じられず。結局 感情移入もでき無かったと。
でも、ひねくれていない方が見たら大迫力映像の素敵なファミリームービーなんじゃないでしょうかね。
なんだか他人事だな(苦笑)

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超巨大断層が床ずれ!?
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2015年09月23日

ぼくらの家路

エドワード・ベルガー
イヴォ・ピッツカー、ゲオルグ・アームズ、ルイーズ・ヘイヤー
シングルマザーの母親と6歳の弟と暮らす10歳のジャック。しかし母親は恋人と過ごしたり夜遊びにも出かけてしまう。
そんな中、ある原因から 弟は母の友人宅へ、ジャックは施設へと離れ離れに。なかなかその生活に慣れないジャック。やがて夏休みがやってくるが、母親から迎えに行けないとの電話が…

ドイツ映画。奔放なシングルマザーと10歳と6歳の二人の男児の物語。
「ぼくらの家路」というタイトルではありますが、小さな弟は 基本 兄に連れられて行動をするのみ。その兄がひたむきに成長していく姿がメインと言ってもいいのかな。
そもそも原題は「JACK」というもので、兄の名前そのものなんよね。

自身のことだけでなく、甲斐甲斐しく弟の世話もする兄のジャック。
母と外出することもあるけれど、母は友達連中と「もう一軒行くから先に帰ってな」と 子供たちのみを帰宅させます。

かと思えば、子供が寝てる間に男を家に招き入れ、性行為に興じると。それはそれとして。
そこでジャックの取る行動に(男として)メチャ驚いたんだけど(汗)

かと思えば さも当然のごとく女の顔から親に変わる母にもビックリ。しかも「もぅいっちょいく?」って、あの場で言えますか!?

やがて ある出来事により、母と二人の息子、3人バラバラの暮らしを余儀なくされます。正しくはバラバラではない約束じゃなかったかとは思うんだけど。

決して本意ではない状況かに置かれながらも、自身のやるべきことをこなすジャック。
このあたりについては それ以前にも、10歳とは思えない手際で やけにテキパキと物事をこなす場面が妙に印象に残ってて。

そして夏休み、やっと母と再会できるかといったところへ、思いもかけない電話が…と。

全編見終わって、わたくし的には そんなに響かなかったというのが正直なところで。
後半はジャックが弟を連れて ただひたすら家と街をウロウロする展開。決してそこに救いはないんだけれど。裏を返すと決して世間も厳しいとは思えなくて。
それを言うなら、理不尽な暴力を振るわれる施設の方が(少年にとっては)イヤな出来事に思うし。

ジャックの母への思いも確かにあるのでしょう。母親も子供たちを思う気持ち、しっかりとあるんでしょう。
でも…間違ってたら申し訳ないんだが、ジャックが求めてたのは“家の鍵”であって。母親を求めていたように思えないんだな。

いや、そりゃ母親はおった方がいいんだけれど、そもそも母親というのは外に遊びに行くものだという刷り込みがジャックの中にあって。
母親とは四六時中そこにいて抱きしめてくれる存在などというデータが、ジャックには無いようにも思えてね。

方や母親も罪悪感の無いまま、仕事・遊び・男・育児が同列に考えてる節があったですね。
「迎えが3日間遅れる」という話で、実際に3日後には帰宅。そこで広げた食事も(もしかして)3人分だったとしたら…それが彼女のライフなのかなと。
まぁ罪悪感がなさそうってのも今の時代 十分に罪なんでしょうが。

とにかくバラバラにずれながらも3人は(それしか知らない)家族のスタイルとして成立しちゃってるようにも見えて。
そういう意味で、悲壮感を感じない…なんて言ってるワシが無責任なのかな。

ただ一つハッキリしているのは、ジャックは成長していってるってことだよね。

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世知辛い世の中だね
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2015年09月22日

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド

樋口真嗣
三浦春馬、長谷川博己、水原希子、本郷奏多
壮絶な戦いの中、巨人に飲み込まれてしまったエレンだったが 自らが巨人となって復活。ほかの巨人たちを駆逐する。やがて元の姿に戻ったエレンは、巨人の仲間であるとの疑いから囚われの身になってしまう。そこへ新たな巨人が姿を現して…

前篇の衝撃から1ヶ月強、後篇の公開であります。
良くも悪くも話題作ですから。早めにチェックしておくべきですな。この手の作品は。

というわけで見に行って来たわけですが。困った、困った。
困ったことに、何かを記せるほどのロクな印象が残っていない。ぶっちゃけると、そういうこと。

わたくしの前篇の感想をあらためて見返して見ると、ストーリー展開は少々稚拙だけど、樋口監督らしい特撮映像はわたくし好みであったと。
巨人が人を喰らう描写も、良い意味でグロさや恐怖を感じられたと。そんなトコロ。

ですが この後篇は…
何と言うか“起・承・転”の前篇に対し、コチラは“結”のみに主眼が置かれている印象。
本来なら壮大なスケールを誇っていいような この世界観に対し「これこれこうだ」とセリフで説明。しかも胡散臭い芝居をしながらだ。
全然こちらに入っても来ない、訴えかけてこないし、映画としての求心力も弱い。

その後は 罪な青臭さで裏切りに遭ってドタバタすると。そんで内輪もめ的に喧々諤々してると巨人が出てウガーってなって。
ほんでドカーンとなったら…ハイ、おしまいって。なんやねんこれ!?

もう一度言うが、もっとスケールの大きな話ではないのかと。ホントの諸悪はいずこに?という話まで言及しながらこの有り様。
この映画の着地点というのは巨人がどう、人類がどう、世界の終わりがどう…ではなく、壁の穴を修復するだけの話だったのかい?と。

そして そこに至るまでも説得力の無い設定を軽々しい演技で語るのみなので、とてもじゃないが共感とかできませんわ。

もうひとつスケール感につながるかもだけど、前篇であんなに描かれていた巨人の怖さや不気味さ。(怪獣映画にありそうな)多くの人々がパニックで逃げ惑う映像。こういうのが全く無くって。
かくも恐ろしい存在である巨人。そこに勝ち目のなさそうな戦いに挑む戦士。前篇はまだそれらの特撮で魅せる部分に伝わるものもありました。
しかし今回は(気持ちの悪い)巨人はほとんど出てこず。結果 数少ない登場人物たちが、穴の開いた壁の前で延々文句言い合うだけだと。
参っちゃいました。

聞いた話ではこの「進撃の巨人」は何がしかの力によって、前篇・後篇の公開に分けられたんだとか。撮影直前まではそうではなかったとのこと。
つまり2部制にした方が、それだけ売り上げは見込めるわけで。それもあってか 各90分という短めの尺の2部制となったんですかね。

結論としては映画会社が果たした方針に対し、監督も脚本家も はたまた役者陣も、(作品で)その壁をブチ破れなかったんでしょうか。
あるいはエレンのように「そうじゃない」といって、そこには向かっていかなかったのかな。

といったところではありますが、あえて良かった点を挙げるとするならば、やはり石原さとみのテンションの張り具合(よくぞ生きててくれた)。
そして桜庭ななみちゃんが可愛かったことですね。

最後に。
プロローグのシーン。幼少のエレンが注射をされる場面で「お兄さんで実証済み」みたいな話があるんだけど。
シキシマが兄だったりとか?

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こんな(ひどい)のはじめて〜!!
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2015年09月20日

天空の蜂

堤 幸彦
江口洋介、本木雅弘、仲間由紀恵、綾野 剛
1995年の夏。最新の巨大ヘリが 一人の子供を乗せたまま、遠隔操縦により奪われてしまった。そのヘリは原子力発電所・新陽の上空でホバリングを開始。犯人からは「全原発の即時廃棄」要求が届く。
8時間後、ヘリの燃料が尽きればそのまま原発に落下し日本は壊滅状態に。タイムリミットに向け、ヘリ開発者の湯原らはあらゆる手段を模索するが…

堤幸彦監督というと今年は「イニシエーション・ラブ」なんて面白い作品が公開されてたわけですが。
今作は打って変わって、相当シリアスなテーマ・演技の作品であります。

ただ「イニシエーション〜」は80年代。そしてコチラは1995年が舞台という事で。
登場する車両とか小道具とか、いろいろ気を使われたのでは…

それはさておき、結論めいたこと言うなら、これは思ってた以上にハイクオリティな出来栄え。
脚本、ストーリー展開、キャスト、登場人物の熱量、いずれも高い。

原作は東野圭吾氏が20年前に発表した小説。
諸々のレビューでも「原作が台無し」的な苦言が見られないのは、20年も経過しているからなのか、あるいは原作に忠実な映画だったからなのか。
仮に後者だとするならば、いろんなことを経験してきた日本ではあるが、20年経ってもその問題点や体質はコレっぽっちも変わっていないことの証明となってしまうのだが。

原発の是非、そこに横たわる政治の問題。さらにパーソナルな家族や仕事を絡めながらも、ゴチャゴチャした印象がないどころか、グイグイ引き込まれます。
あらすじを見た段階では、ハードなテーマに無理矢理 子供のピンチを絡めてるとしか思っていなかったんだけど、子供については中盤で見事解決。

あの段階で大きな山場を持ってくることで、中だるみをさせない二重構造は見事。
個人的には高所恐怖症なので、ソワソワしっぱなしの映像だったけどね(苦笑)

それ以降はもう一つ、いや本筋の解決に向けていくわけですが、これまた群像劇ではないけれど、それぞれが絡まないポジションで同時進行で見せていくのも良かったですね。
下手するとチンプンカンプンになる危険性も大いにあるんだけど、トリッキーな見せ方の上手い堤監督ならでは〜ですかな。

映像については、あまり未知のメカが出てきたり派手なドンパチやってしまうと、日本の予算の限界か安っぽく見えてしまうんだけど、そうならないギリギリのところのアクションで。
いい意味で見応えのあるものに仕上がっていました。

主演の江口洋介は優しい顔立ちの奥でアツさ持っているんだろうなと感じさせるキャラとしては打って付け。今さら“あんちゃん”呼ばわりは失礼かもだけど、観客の期待は裏切りません。
一方のモックン・本木雅弘は何を考えているか ややつかみきれない怪しさを覚えてこちらも好演。スーツの下が妙にマッチョに見えたのも個人的には 何がしかの幻想を抱かせる意味でGood。

そこに程よく佐藤二朗のトボケ具合が絡むのも堤流か。
ただ手塚とおると松島花の方言責めだけは やり過ぎかな。

というわけで、こんな感じのクライムサスペンス映画は多々ありますから。ストーリー展開も映像も、海外で上映してもウケそうなレベルだと思うんだけど。
ただし、ただし、原発の設定。もっというなら原発の成り立ち、歴史、危険性、存在感、意義、それらを知っている日本だからこそ、その問題提起やメッセージが伝わるところあるけれど。

ん〜でも それを含めて。エンターテイメントを通して、日本の原発政策の問題点を見てもらう意味でも、世界に送ってほしい作品だと思いますよ。
とにかく、見応え抜群の作品です。

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最後の最後で“S”っぽくなった
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2015年09月14日

ピクセル

クリス・コロンバス
アダム・サンドラー、ミシェル・モナハン、ケヴィン・ジェームズ
1982年、NASAは宇宙に向けて、当時流行していたゲームを収録した映像などを宇宙に送っていた。
しかし それをキャッチした異星人が それを宣戦布告と解釈してしまい、メッセージとして送られたパックマンやドンキーコングのキャラクターに姿を変え、地球に侵攻。それを迎え撃つべく、かつてのゲーマーたちが集められる。

予告編を見た時点で「なんだこれは!?」と気になってた作品。
ビデオゲームともアーケードゲームとも称されておりますが、それらのキャラクターが地球を襲うというその発想の面白さ。
またそれを、当時のゲームチャンピオン(現代のゲームにはうとい)らが迎え撃つと。夢が広がる設定じゃないですか。

導入部に描かれているゲーム大会は1982年となっていますか。わたくし11歳ぐらい。
実際にパックマンやドンキーコングなんかも(なけなしのおこづかいで)よくやりましたし。
また当時の人気漫画「ゲームセンターあらし」のエキサイティングさを「プラモ狂四郎」のように自分自身で体感するなんて。そりゃときめくでしょ!!

ただし。そのビジュアルイメージのワクワクはあっても、ストーリー的にはアレかな〜という。
かつてのゲーム少年と現代の映画ファンとがまじりあった冷静さも持ち合わせておりますので。
必要以上に期待せずに…の鑑賞でしたが。

結果的に、良くも悪くもそれで正解。
シチュエーションや映像の楽しさはあるけれど、映画としてはまぁまぁね。
その辺りは、既に公開されているアメリカでの評判。日本で鑑賞した人の感想を見てもその通りという感じで。

そもそもテーマがファンタジー性をもった、ありえない話ではあるけれど。その世界の“大統領”がイケてないぽっちゃりおやじであると。んで、その幼なじみのオタクが普通にホワイトハウスに出入りすると。
リアリティのかけらもなく、マンガ的に楽しむべき物語。

主演がアダム・サンドラーだからコメディ路線としてそれはいいんだけど、合間に挟まれる会話などが全く面白くない。
翻訳がイマイチなのか、元ネタがイマイチなのか。はたまた日本人にマッチしないだけなのか。噛み合わない会話にどうでもいいおちゃらけが眠気を誘いつつ。

確かにパックマンやドンキーコングが実際に現出するワクワク。はじけて飛び散るピクセルキューブ映像の煌びやかさ。
これはいいんだけど、尺としてはそれほど長いわけではなく。それとなくリアルなゲーム感を再現している反面、見る側の予想を超える場面やどんでん返しは乏しいと。

正直、もうちょっと映画的な見せ場や面白味が欲しかったですな。
それもこれもある意味 予想通りではあるけれど。それを上回ってこそ…ね(^-^;)

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ドラクエ送ってたら、話が長引いてたか?
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2015年09月13日

キングスマン

マシュー・ボーン
コリン・ファース、サミュエル・L・ジャクソン、タロン・エガートン
ロンドンにある高級スーツ店「キングスマン」は、実はどこの国にも属さない最強のスパイ機関であった。キングスマンのスパイであるハリーは、新たなスパイの候補生として、かつての同僚の息子であるエグジーをスカウトする。
そんな中、IT富豪のヴァレンタインは前代未聞の人類抹殺計画を進めていた。

わたくし的に期待はしていなかったんだけど、評判がいいので見てきました。
これは後で知ったことなんだけど「キック・アス」の監督なんだ。それならそうと言ってくれれば…(^-^;)

冒頭、スクリーンに映るのが 回るカセットテープ(「スパイ大作戦」由来なのかな?)。そこからの映像がまたカッコいいこと。
「期待していなかった」とか言いつつ、最初のシーンで「これは当たりだわ」と確信してしまったわたくし。当然ながら、その後もグイグイと見入ってしまいました。

そもそも“スパイ映画”という作品は多々ありまして。「007」「ミッション・インポッシブル」など誰もが知るヒットシリーズもあります。
この作品は それらをリスペクトするスタンスがあり、また「これが映画だったら…」なんてセリフにもある通り、“映画であること”の前提で楽しませてくれてますね。

主人公であるところのスパイ・ハリーをコリン・ファースが演じているんですが、いかにもイギリス紳士然とした雰囲気はそのままに、これまで見たことのないアクションにも挑戦。これが実に新鮮でした。
またスパイに付きものと言える 秘密の武器・アイテムの存在も、古くからのスパイもののファンには嬉しい設定。
一方で、イギリス人があんなアンブレラを持ち歩くのか?という疑問もあったけども(苦笑)

それに相対する敵役にはサミュエル・L・ジャクソンが登場。
いかにもなしゃべり方、そしてキャップを斜めに被るあのファッション。オーダーメードスーツとの対比だけでなく、歳いくつやねん!?とツッコミたくなる 見事なキャラクター。
キャラであればソイツと行動を共にしてる足がキレッキレのあの女もインパクトあったですな。

劇中でも語られてるけれど、こういう悪役の放つ存在感が主人公を際立たせてるという良い例であります。

普通に考えたら荒唐無稽かもだけど、映画としてはアリでしょう。世界を巻き込む恐るべき計画。それを阻止せんとする正義のスパイ。
ちょっと驚かされたのが、後半で“主人公”にある変化が起こります。そのままストーリーは進みますが、よくよく考えてみると コレは結構大胆な演出だと思いました。

演出の点では「おや?」と思わせるような場面もチョイチョイ。
前半、奪った車で走り去りフレームアウト。ところがそのままバックで再登場。なんだと思ったらパトカーと遭遇してバックのまま逃げてきてたとか。
そのあたりの引き込み方も面白かったです。

でも最大の見せ場はバトルシーンですかね。
序盤のバーでの華麗さ。そして教会での大乱闘に、ラストのバトルでは、カメラワーク・スピード感・そしてBGMで見事にスタイリッシュな映像を見せてくれます。
実際は 血が飛び散って、銃弾が飛び交って、かなり残虐な絵ではあるんだけど、それ以上に「カッコいい」と思わせる手法はさすがに「キック・アス」の監督でありますね。
あとは威風堂々と執り行われる花火大会。えらい場面ではあるんだけど、思わず笑わずにはいられませんでした。

パラシュートの問題やら犬のJBの処遇などやや甘いかなと思わんこともなかったけれど。
映像、音楽、ストーリー展開、会話の妙なども含めて、大満足の一本。

世界的に大ヒットしているという事なので、続編とかもありえるのかな?
でも構成としては、ビッグダディが途中で退場して、その後はキック・アスの成長物語メインで進むのと同じと考えれば。。。

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キング、すまんのぅ
posted by 味噌のカツオ at 22:45| Comment(0) | TrackBack(0) | カ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月07日

野火

塚本晋也
塚本晋也、リリー・フランキー、中村達也、森 優作
第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。敗戦が色濃くなる中、結核を患った1等兵の田村は野戦病院行きを命ぜられる。しかし多くの負傷兵を抱える病院には相手にされず、元の部隊からも追い出され、照りつける太陽の下で空腹と孤独と戦いながら島をさまようことに…

戦後70年。そして安保法案の是非が問われている今。
単館上映ながら、若者を中心に 非常に話題になっているという作品。先日、NHK「ニュース9」でも取りあげられたほど。

テーマとしては戦争の悲惨さ。作品を通じて戦争について考えてもらうという事なんでしょうが。
とはいえ、数多の戦争映画のように ストレートに戦争の悲惨さを描くのではなく、パーソナルな視点でそれが表現されています。

この映画に限っていえば、(厳密には)そこがどこなのか、なぜこのような状況下に置かれているのか。どこへ向かおうとしているのかも ほぼほぼ語られてはおりません。
戦地に残され、もはやその存在は浮遊霊のように、行くあてもなく さまよう兵士。
そんな兵士の過酷な状況や心情を通して、戦争の何たるかを問うています。

ただ わたくし自身が少々集中力を欠きながら鑑賞したこともあり、また公開1ヶ月も過ぎ なんとなしに情報が入ってきちゃってることもあってか、正直さほどの衝撃は受けなかったですね。
厳しいことを言うならば、低予算ながら でき得るこ最大限のことをやっているんだなと。余計なことを思わせたりで。

終盤の 深夜に一気に移動を…というところで敵軍の集中砲火に遭ってしまうという場面。
光と影、音、そしていくらかグロい描写で表現されているんだけど。敵軍の存在が映されない分、想像力も働く一方で 妙に寓話的に感じられたりもしてしまって。
それまでが 暗い映像が多かったこともあり、悲惨さプラスαが見えちゃったんだよね。

そしてその後の展開。
極限状態のなかでサルの(とされる)肉を口にさせられ、それで命をつなぐことになるわけですが。
ただ前述の通り ちょっとそこそこ事前情報のある状況で、はたしてこれが何を表すのか。センセーショナルな表現なのか、異常な行動であるのか。あるいは だから戦争は反対なのか。
いくらか 受け止めに困る要素でもあったですね。

あと こまかいことをツッコむなら、冒頭で咳き込みながら肺を患っているとした主人公が、ろくな養生も受けないまま、たいそうな過酷な状況下でありながら その後は病気を感じさせる描写がなかったのもちょっと気になりました。

一方で、リリー・フランキーの醸す独特の雰囲気、中村達也の存在感は間違いなく映画のクオリティを高めておりました。

厳しいことも書きましたが、このような映画って変に山場を作っちゃってエンタメ寄りになっては戦争の厳しさが伝わらない。ドキュメントで事実関係を追うだけではハートに刺さりにくい。
いち個人の目の前で起きた、あるいは巻き込まれた 等身大の過酷さや恐怖を届けてこそ。

ただわたくし的には決してストライクではなかったのですが。
結果、今どきの若い人たちが戦争について思いを馳せ、何かを考えるきっかけとなったのかな。

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のびのびた
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2015年09月06日

劇場版プロレスキャノンボール2014

マッスル坂井
高木三四郎、鈴木みのる、葛西 純、マッスル坂井
プロレス団体・DDTを中心に集められたプロレスラー達が4チームに分かれてマイカー移動。得点を競いながら東北のゴールを目指していく様子を追ったドキュメンタリー。

「プロレスキャノンボール2009」からの第2弾企画。と言っても前作のことは 正直知らないんだけど。
何にせよ、この“2014”バージョン。ザックリとではありますが、それとなくウワサは聞いておりました。そして今回 名古屋で1週間のレイトショー公開ということで、ギリギリで見ることができました。
ちなみに、既にDVD化もされているらしく、劇場ではそれを購入していかれる客を2人もみました。

この「プロレスキャノンボール」は、プロレスラー計4チームが東京から福島、福島から盛岡と2日間をかけて大移動。その最中で様々な相手とプロレスを行いつつ、ポイントを競っていくというもの。
その場その場でアポ取りをしては 試合をマッチメーク。対戦相手のグレード(?)、勝敗、プラスアルファで付与する得点を競いながら各チームが優勝を目指す。

果たして そんなことが成立するのかしらん?と思いながら見てたんだけど、これが まぁ世の中には、様々な場所に様々なプロレス者が(こちらの予想を上回るほど)いるもので。

冒頭から新日本プロレスへ道場破りを企てる場面が登場。かと思えば、学生プロレス、社会人のアマチュアプロレス、元プロレスラー、地方に拠点を置くプロレス団体が次々登場。
戦う場所もリングに限らず、公園から事務所内から個人宅に治療院まで多岐にわたります。

各日ゴール地点まで到着したところで、どんな闘いをしてきたのか映像のプレビューを行うと。
それが畳敷きの旅館の一室で 酒飲みながら、ワーワー言いながらというシチュエーションで。こういうトコが“文科系プロレス”の真骨頂って感じで、また一段と楽しそうでしたね。

さて、ここに登場したのは DDTスペシャルチーム、世界一性格の悪い大社長チーム、酒呑童子チーム、ガンバレプロレスチームのDDTを中心とした4チーム。
そもそもプロレスとは勝負論と同時にエンターテイメントとしての側面も非常に強いものでありまして。

この企画の中でも初日を終えたプレビューに於いて、ダントツの得点を叩き出していたガンバレプロレスチームに対し「勝ちに行くのはいいけど、V(映像)がつまらない」とガチのダメ出し。
この構図が、選手間に漂うシビアな空気が、これぞプロレスの真骨頂という感じで面白かったですわ。
そのガンプロチームが2日目にとった秘策も斜め上をいっちゃってて。素晴らしいドラマでしたね。

そして全チームが最終ゴールを果たしたとき、もはやキャノンボールのレースを越えて、また新たな道であり 新たな夢が広がるという構成も、ある意味でプロレス的でした。

この企画にしろ、そして落としどころにしろ、DDTらしいフットワークの軽さによるところも大きいよね。
路上プロレスというのもありますが、興行に飛び入りする形で試合をブッキング。それがツイッターで瞬時に拡散され、さらにファンがその輪を広げていくと。
DDTらしいというならば、さらにはアイデア・発想力、瞬発力、思い切りの良さも挙げられるかな。

それらを駆使するど真ん中に プロレスがあるというのがまたなんとも。
ある種のプロレスの本質も映し出しながら、プロレスの秘めた可能性も提示されているこの映画。
プロレスファンであり映画ファンでもあるわたくし。見て良かったですわ。

ただ もしかしたらプロレス知らない人がこれを見ても、イマイチ ハートにヒットはしないかもだけど。
そんな人でも、普通にリングでの闘いを見たら感じるものあるはずなので。
まずはそこに触れてほしいかな。
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2015年09月04日

ムカデ人間3

トム・シックス
ディーター・ラザール、ローレンス・R・ハーヴェイ、エリック・ロバーツ
暴動数、医療費、離職率などの諸問題を抱え、状況の改善がされなければクビだと宣告された刑務所の所長・ボス。様々な方法を試みるも効果は得られず。
が 彼の部下であるドワイトは 映画「ムカデ人間」を参考にし、囚人をムカデ状にすることを進言する。

たぶんおそらく、一見さんお断り的な。シリーズ1作目・2作目を見てきた人。さらには それらで面白がれた人だけ見ればいい作品。

というわけで わたくしも大きな期待をせず。
当初から3部作であると謳われていたこともあり“コンプリート”するべく見てきました。

そのうえで 結論を言うならば、どーでもいい映画だったんだけど(笑)

このシリーズは1〜3までが連作ということではなく。1が存在して 2が成立する。1&2があるから 3の世界観が出来上がるという、そのつながりが面白い。
やぁ“つながり”という事自体が まさびムカデ人間のコンセプトでもあるんだけど。

良かったポイントを上げるならば、1作目のマッドサイエンティストと2作目のイカレたおっちゃんが、役柄を変えながらも そろい踏みを果たすと。まさに夢の狂演。
さらにシリーズの監督 トム・シックス氏も出演しております。

良かった点は…以上!
あとはアカンところなんだけど(苦笑)

その1作目の博士が今回の舞台である刑務所のボスなんですが、コイツが相当イカレてまして。
なんとも粘っこい芸風で ほぼほぼ一人芸。しかも つまらないうえに長いときてるから たちが悪い。
これにつき合うのはそれなりの辛抱が必要です。

作品のキモであるムカデ人間。1作目は3人、2作目では12人を。そして今回は なんと破格の500人というのがウリでもあるんだけど。
なんとそこに至るのはホントに終盤で。怪獣映画で ここまで何も出てこなかったら盛り上がらんやろ〜ってぐらい引っ張りまくり。

しかも やっとお披露目かと思えば、これまでは生々しさ覚えるようなビジュアルだったのが、今回は みなオレンジの囚人服を着用しているので、それぞれの“密着感”も薄い。
また過去作では なんとか抵抗を試みようとするムカデたちも、500人となると全く動けず、ただ四つん這いになっているだけで“躍動感”もナシ。
まさにムカデ人間として手足をもがれたようなもんですよ!!

ある程度は織り込み済みとも言えるけど、それにしても このシリーズならではの良さは味わえずだったな。
とは言え、オチに当たる部分のシニカルさは いくらかシュールで。思わずニヤリとしちゃいましたけどね。

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監督が無駄にイケメンで
posted by 味噌のカツオ at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | マ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする