2015年10月07日

心が叫びたがってるんだ。

長井龍雪
(声)水瀬いのり、内山昂輝、雨宮 天、細谷佳正
幼い頃の出来事をきっかけにしゃべることを封印された成瀬順。彼女の高校で行われる“地域ふれあい交流会”の実行委員として、クラスメイト3人と共に順も選出されてしまう。
出し物として担任が提案したのはミュージカル。誰一人乗り気にならない中、しゃべれないはずの順が その思いを伝えるべく突然歌い出す。

「あの花」のスタッフが再結集して制作されたアニメ作品。
言うても「あの花」自体をそんなに詳しくは知らなかったんだけど。ただ ちょっと前に放送された「あの花」ドラマ版を見て、こちらも興味が湧いたというトコロでして。

映画のシリーズものって、ナンバーが増えるにつれてクオリティが落ちると言われますが、こういう(成功を納めた)チームが新たな創作に取り組むってのも、結構ハードルの高いもので。
とは言うものの、この作品は思ってた以上に良かったですよ。いや、素晴らしかったですよ。

早々から描かれるお城だの王子様だのが登場するスキット。(オトナ目線で)バカバカしくも(子供のスタンスで)ピュアとは言えますが、正直「大丈夫か?」と思わんでもなかったけど(苦笑)

高校生になってからのパートでは、いろんな意味で 誰もが経験したことあるような場面であったり、自身が あるいは身近な誰かがぶつかったであろう悩みなんかを提示しつつ。
ひとつの目標に向けて高まっていく展開が見事でした。

部活、家族、トラウマ。恋愛に関しては 現在・過去・未来に渡って描かれてて。
地域ふれあい交流会(学園祭じゃないってのも絶妙)というクライマックスに向かっていくと。
それだけの要素を絡めつつ、ごちゃごちゃした印象もなくて。

若者の成長を見せるのに、部活なり選手なりが、壁を越える努力をするのはよくありますが。
自分の中にある殻を破って、言葉を発しよう、思いを伝えようという形で見せるのも
今どきだなと思ったりして。

でも舞台の当日になって「やっぱりイヤだ」とゴネるオンナは正直キツいなとも思ったけどさ…w

それはさておき、終盤で順が歌いながら登場するシーンはしびれましたし、「悲愴」と「オーバー・ザ・レインボー」のミックスとか、音楽的にも鳥肌立つような作品になってましたしね。
そして登場人物たちの恋の行方についても、良い意味でトリッキーな着地点が用意されてて。
意外性と納得感のバランスとれていたんじゃないでしょうか。

などと つらつらと書いてみたわけですが。
イイもん見たという思いは間違いないんだけど、これぞ〜というドカーンというポイントがあったようには思えない。
それよりも 彼ら彼女らのひとつひとつの行動や思い、あるいは言葉がキラキラと散りばめられているとも言えるのかな。
ホント、全般的な満足度の高い作品だったですかね。

ただひとつだけ気になったのが順のお母さん役の吉田羊さん。正直 違和感ありまくり。
ただし決して彼女の上手い下手のことではなく、“声優”とされるキャストの中に“女優”という存在が混じることの表現の差…なのかな。
たぶん昨今のアニメ映画のように、いわゆる俳優さん中心でアフレコしているのであればそうは思わなかったでしょうが。

なんだか わかるような わからんような。微妙な違いがあるんでしょうね。

さてさて、(オタ系ではなく)一般の観客を惹き付けるアニメ作品というと、ジブリには敵わなかったわけですよ。
しかし宮崎駿氏が長編作品を卒業され、と同時に細田守監督が新たな旗手として目されている昨今ですが。
いやいや〜もうその次が きちゃってるんじやないの?と。そんなことを感じながら見入ってしまいました。

ジブリや細田氏のようなファンタジー路線ではなく、ギリギリでヒリヒリを感じさせる青春ドラマとして受け入れやすのではないかな。今の時代にはね。
というわけで、予想以上の良作でありましたよ。
posted by 味噌のカツオ at 00:45| Comment(0) | TrackBack(0) | カ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする