2015年12月31日

マッドマックス 怒りのデス・ロード

ジョージ・ミラー
トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト
資源が底を突き荒廃した世界。元警官のマックスは、砂漠を牛耳るイモータン・ジョーの一団に捕らわれでしまう。
一方、ジョーの配下の女戦士フュリオサは、ジョーに囚われた女たち“ワイブズ”を率いて反逆を企て、自由への逃走を開始する。

今年6月公開の「マッドマックス」シリーズ最新作。遅れてDVDで鑑賞。
公開時に「絶対に劇場で見ておくべき」との声を聞いておったんですが…実際に見て その意味がわかりました。

ウチのテレビで見ていても結構な迫力で。そりゃスクリーンならもっと…

先に言っときますが、作品のパワーがスゴ過ぎで。わたくしが何を書いても追いつかないだろうなと(苦笑)
こういう言い方も変な話ですが、ネット上に出ている今作の絶賛レビューを読んでも さほど伝わらないけれど、作品を見ると圧倒されます。
言葉では追いつかない作品です。

近未来の設定。そこに登場するキャラクターやマシンがカッコいい。セリフやワードもシビれるもの多数。音楽も絶妙で。
結局のところ、もう全部がカッコいいんよね。

ストーリーはとてもシンプル。逃亡した奴らを追う悪党。それに巻き込まれるマックス。しかし向かおうとした楽園が今はもう無くなってしまったと。それなら元の地に帰ろうと。
その中で展開されるカーアクション。人間ドラマ。

いずれもメッチャクチャにも思えるけど、全部が理に適っているのでグイグイ引き込まれます。一時たりとも目が離せません。しかも2時間ノンストップですから。

印象としては大胆な作品ですが、全編に渡ってじつに細やかに作り込まれているので、一度見ただけではわからない部分が多々あるので。何度も見て、体感したくなる作品。

この映画が誕生したことが2015年の映画界の事件のひとつと言えるかも。
それぐらいな一本であります。

今後 この作品に続くシリーズも製作されるとのことですが…
これはこれで、劇場で見ておけば良かったなぁ〜(^。^;)

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イモーターン!!
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2015年12月30日

神様なんかくそくらえ

ジョシュア・サフディ、ベニー・サフディ
アリエル・ホームズ、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、バディ・デュレス
ニューヨークで路上生活を送る少女ハーリーにとって、同じ境遇のイリヤだけが心の頼りだった。そんな彼女が彼への愛を証明するため、手首をカミソリで切ってしまう。
仲間から別れることをすすめられるハーリーは、もう一つの支えであったドラッグに溺れていく。

東京国際映画祭でグランプリと監督賞を受賞した作品。
ニューヨークの若きホームレスたちを描いた物語なんですが…

主人公であるハーリー役のアリエル・ホームズは実際にホームレスだったそうで。そんな自身の実情をまとめた小説が原案となっています。
そんな元ホームレスが、ひょんなことから いまや女優として活躍していると。ちょっとしたアメリカンドリームだとか言うと安っぽくなるけども。

この作品に出てくるキャラクターにはモデルとなる存在が実際におられたり。
この映画に出演してるけど、役者ではなく現役のホームレスだったりと。
なかなか変わったカタチで製作された映画なのであります。

そんなわけで、ある意味 ニューヨークで若くして路上生活をしている(強いられている?)若者のリアルでもあるのかな。

いわゆる“物乞い”をするシーンもあれば、仲間内でYoutube見ながら盛り上がってる場面もあったり。そして普通にドラッグが横行してたり。
こっちが考えてるホームレスのイメージとはかけ離れてる感はありつつ。

恋愛や嫉妬や、人の感情は大差はないのかな。
ずいぶんとエキセントリックではあるけども。

とまぁ振り返ってみても、ズバン!と感情移入できたかというと、そうとも言い切れずで。
予想だにしなかった展開もあるにはあったけど、普通の若者要素、ドラッグに溺れる要素、映画としての非日常感、いずれも響きにくいというか。

そんな印象だからこそ、終盤のケータイ電話が花火になる場面にハッとさせられたりもするんだけど(笑)
でもそれだけかな。厳しい言い方しちゃうと。

この作品で特筆すべきは 何気に音楽がクールで。中には日本のシンセサイザー奏者・冨田勲さんの作品も使われておりまして。
ただこれについても わたくし的には、音楽が放ってるパワーと映像とがバランスが取れていないようにも思えたんだよね。

いろいろ正直な感想を書きましたが、間違いなく言えるのは東京国際映画祭でグランプリと監督賞を受賞した作品ということでありますので。

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とんでもねぇ、あたしゃ神様だよ
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2015年12月29日

わたしはマララ

デイヴィス・グッゲンハイム
マララ・ユスフザイ、ジアウディン・ユスフザイ
2014年に17歳にしてノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイの素顔に迫るドキュメンタリー。

「わたしはマララ」というタイトルも書籍として大変多くの方に読まれているもので。
マララさんのストーリーは多くの方の知るところではありましょう。

そのうえであらためてまとめますと…

パキスタン生まれのマララさんはブラッド・ピットが好きなごく普通の女の子。
“女性にも教育を”と実名を伏せてブログから発信していたものの、身元が分かってしまったことでタリバンに狙われ、15歳の時に瀕死の重傷を負う。
しかし一命をとりとめた彼女は 世界を巡りながら再び教育の大切さを訴えかける。やがてその活動が認められ、17歳にしてノーベル平和賞を受賞する。

というものなんだけど、このストーリーの中で密かに大きなウェートを占めるのは実は彼女の父親の存在で。
そして父はかつてから自身で学校を立ち上げ、オープンに学べる環境を作ろうとしていたと。一方、彼女の母親は教育を受けることができずに、文字の読み書きができないと。

そんな中で生まれた娘に、アフガニスタンの英雄的な少女“マラライ”の名を取り“マララ”と名付けます。そこには勇敢との意味もあるとか。
そういった両親の下で、そのような名前を受け、まさにマララさんの歩んだ道は生まれ持った宿命だったのかもしれません。

ちなみにこの映画の原題「He Named Me Malala」は“彼は私をマララと名付けた”というものらしいです。

さて、大きな講演会場で、物怖じもせずメッセージを発するマララさんの姿はとても17歳とは思えない堂々としたもので。
方や、きょうだい達を前に見せる屈託のない笑顔からは、普通の少女であることもよくわかります。

そんなマララさんと家族を映したこの作品。様々なレビューを見ますと「ぜひ見てほしいと」絶賛の声多数なんですが…

ぶっちゃけ映画としては眠たかったよね。
見せ方というか、ある意味で娯楽という側面でみるとイマイチ響いてこなかったですわ。

この作品のグッゲンハイム監督は、アル・ゴア元副大統領と環境問題を取りあげた「不都合な真実」の監督でもあります。
ちょっと気になったので、わたくし自身の「不都合な真実」の感想を読み返してみたら…なんと、同様の感想が記してありました。
ドキュメンタリーのテーマはさておき、映画としての面白味に欠けるなと。

それでもこの映画の一般的な評価が高いのだとするならば、たまたま わたくしがグッゲンハイム監督と相性が悪いということなのかな。それならそれでいいんだけど。
でもキーとなるポイントをアニメで表現してたのは確かにわかりやすかったですね。

まぁわたくし的な率直な感想としては、そういうことになっちゃうということです。
惜しいな。

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マララライ!マララライ!
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2015年12月21日

コードネーム U.N.C.L.E.

ガイ・リッチー
ヘンリー・カヴィル、アーミー・ハマー、アリシア・ヴィキャンデル
東西冷戦の最中の1960年代前半。長年の対立関係にあるCIAのナポレオン・ソロとKGBのイリヤ・クリヤキンは、国際犯罪組織撲滅のため合同任務に乗り出す。
組織への手掛かりとなる失踪したドイツ人科学者の娘を守りながら、核兵器の大量生産を阻止すべく2人のエージェントが奔走する。

2015年、数あるスパイムービーの中でも 正直イマイチ ピンとこない作品ではあるかな。
そもそもは1960年代の人気テレビシリーズ「0011ナポレオン・ソロ」がベースになっているとのこと。

しかしそう言われましても、1971年生まれのわたくしは、正直その元ネタというのを存じ上げませんで。
そして主演の二人は『マン・オブ・スティール』のヘンリー・カヴィルと、『ローン・レンジャー』のアーミー・ハマーということですが、これまたわたくし未見の作品。

そんなこんなで、少なくともわたくしには“引き”の弱い作品。ですが、招待券をいただいたので鑑賞してまいりました。

ところが!開始早々のカーチェイス。意外な形で米ソが手を組むという展開。そして大きく走り出す物語。
気づけばグイグイ引っ張られ、すっかり入り込んでしまいましたね。

2人のスパイが活躍する いわゆるバディムービー。
当初は反目し合うというのはよくある設定ですが、そもそも(その当時の)米ソの関係性というのは、それだけでも必然となってわかりやすい設定かな。

世界的犯罪を未然に防ぐという目的で、それぞれの組織から果たされた任務。
その前にあっては協力が必要なんだけど、それでも互いのライバル心はジリジリ燃え盛り。

金網を破って潜入する場面。鍵を開けて敵方に潜入する場面。それぞれが それぞれの得手不得手を突いて優位性を見せつけんとしたり。
任務のため別々の部屋に宿泊しつつ、互いに盗聴器をいくつも忍ばせていたりとか。
一筋縄ではいかない両者が、上手く表現されておりました。

さらには全編を通してウィットに富んだセリフやユーモアセンスも楽しく。
60年代のファッションや振る舞い、そして映像も含めてオシャレであったりして。

個人的にはクリヤキンがボートで逃げ回る中、助けに行かず車の中でワインとサンドをたしなむソロの図がサイコー。
必死な姿と どこか優雅な情景。バックのBGMの使い方も含めて素晴らしかったです。

あとサラリと触れるなら、拷問マシンの悲劇も…申し訳ないが笑えましたね。

さて ストーリーとしても、終盤になって意外な裏切り事案が発生したり、ひとつを乗り切れば また別の難問が…といった具合に、見るものに驚きを与える。そんな山場が連続で押し寄せて。その点でも見応えありです。

そしてエンディングになって やっとこさ「コードネーム U.N.C.L.E.」というワードが登場。
もしかしたら その流れでもって、続編の公開もあるのかな?

前述の通り、当初は“ピンとこない”であり、期待して〜という程でもないスタンスでしたが。
確かに こういうタイプの仕上がりであれば、もっと見てみたいと思いますよ。
見て良かった一本です!!

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ヒロシです…か?
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2015年12月18日

007 スペクター

サム・メンデス
ダニエル・クレイグ、クリストフ・ヴァルツ、レイフ・ファインズ、レア・セドゥ
少年時代を過ごした“スカイフォール”で焼け残った写真を受け取ったボンドは、その写真の謎を解明するため単身メキシコとローマを訪れる。
やがて悪の組織スペクターの存在を確信し、ついに追い求めてきた敵と自分自身との恐るべき関係を知ることになる。

約3年ぶりとなる、007シリーズの24作目。
ダニエル・クレイグのボンドとしては4作目となります。

そもそも今年はスパイ映画の当たり年(?)でして。
「ミッションインポッシブル」のような人気シリーズに「キングスマン」「コードネーム U.N.C.L.E.」といった新興勢力。
また正月映画として「ブリッジ・オブ・スパイ」というのも控えております。

そんな中に合って、歴史と伝統のシリーズである「007」。
「ゼロゼロセブン?」いや「ダブルオーセブン」というのがよろしいかな。
でもチケット買う際には ついつい「ゼロゼロセブン」って言っちゃうんよね(苦笑)

それはさておき。
正直言って 面白味や真新しさでは「キングスマン」や「コードネーム〜」には敵いませんわ。でもその分、トラディショナルな雰囲気と(シリーズ)固定ファンを持っているのが強みでしょう。
特に今作は、007の生い立ちから 過去のキーワード。随所に挿入された過去作へのオマージュなどが散りばめられているので、ファンにとっては「ニヤリ」とする要素も多いかと思います。
ただし…

旧シリーズ(そもそも50年の歴史があるんだけど)を見てきていない、わたくしのような新参者にとっては、ストレートに味わえないという部分もありますわね。
当然 アクションシーンも迫力はあるし、深みのあるストーリーで目が離せない展開でもあるけれど。

でも その展開に応じてメキシコ、ローマ、オーストリアなど世界を巡る攻防。それはそれで豪華ですが、少々話が飛んでしまう感もあったり、結果2時間半という上映時間の長さにもつながっているのかも。
その分の見せ場も確かに多いけど、本質としては わりと私的なこじんまりしてると言えなくもなくて。

こう言っちゃうとなんだけど、ラストまで見ても爽快感とかカタルシスとかを観客としてストレートに味わえない…みたいなね。

中盤から登場する今作のボンドガールであるレア・セドゥがちょっとイイ女に見えまして。
でもボンドとチュッチュはすれど、何が見えるという訳でもなく。そこはもったいなかったな。
このレア・セドゥは「アデル、ブルーは熱い色」で青い髪の少女を演じてたと知って、ちょっと驚き。
ん〜やっぱ気になる女優さんやわ。

というわけで、駄作とまでは言わないけれど、ジェームズ・ボンドのことをもっと知って、せめてダニエル版のシリーズを予習しておくと より楽しめるってことかな。

前述の通りスパイ映画の“新興勢力”も台頭してくる中で、これからの“007シリーズ”の立ち位置は果たしてどうなるのか!?

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タコが出てきてもオクトパシーではないね
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2015年12月10日

杉原千畝 スギハラチウネ

チェリン・グラック
唐沢寿明、小雪、ボリス・シッツ、
アグニエシュカ・グロホウスカ
日本の外交官でありインテリジェンス・オフィサー(諜報外交官)でもある杉原千畝は、語学力と情報網を武器に、ソ連との北満鉄道譲渡交渉を成立させた。
後に念願の在モスクワ日本大使館への赴任が決まるもソ連から入国を拒否され、リトアニア・カウナスにある日本領事館での勤務を命じられる。
やがて第二次世界大戦が勃発。ナチスに迫害された大量のユダヤ難民が、ヴィザを求めて日本領事館へ押し寄せる…

かつて映画化もされた「シンドラーのリスト」で、迫害を受けていた多くのユダヤ人が救われたエピソードというのは知られるトコロとなりました。
そして日本人のなかにも それど同様に、ユダヤ人を救った人物がいたと。それが この杉原千畝さん。

ただし、当時の状況としては日本政府の意向に反した行動でもあったため、氏の存在自体が無かったことにされていました。
しかし時は流れ、正当な評価として(言わば)名誉回復に至ったのは、没後14年目にして生誕100年となる2000年(平成12年)のことであったと。
つまりは、それまで氏のことは正当に語られることはなかったわけなんですね。

その後、その功績について端的に見聞きすることはありましたが、今回こうして、映画というカタチで知ることができました。

監督はチェリン・グラックというアメリカ人の監督。
ですが この方、和歌山県出身で 長いこと日本で暮らしておったそうで。
映画への関わりも、日本とアメリカの合作のものなどに多く携わっておられます。
なのでこの手の作品も得意と言っても過言ではないのかな。

さて、その名前であり、多くのユダヤ人を救ったことは知っていても、その詳細はわかってはいないし、そもそもわたくし歴史とかがたいへん苦手でして。
ぶっちゃけ この作品も、多くの国が関わり、様々な国の多くの登場人物が出てきて。しかも会話は(唐沢さんももちろん)字幕でということになりますので、それらを追いながら理解するのは少々たいへんでしたね。

ほぼほぼ“あきらめ”かかっておったんですが…
なんでしょう、構成なのか展開の上手さなのか、こんなわたくしにでも流れはちゃんとわかりました。着いていくことができました。

そのうえでの客観的な印象なんだけど。
史実に忠実なんでしょうが、取り立てて派手なことは起こりません。映画として あざとい見せ場がある作りでもありません。
良くいえば真摯であり、悪く言えば エンターテイメントとしては物足りないかな。

それに連動しましてですが、彼の最大の功績である“命のヴィザ”を発行して人々を救った行いというのがクライマックスというわけではありません。ましてや山場〜といった演出もしておりません。
あくまでターニングポイントとして描かれている印象。

その代わり、その後の彼であり、その後の日本なども含めた大局としての映画になっているので、派手さはなくとも ひとつの史実として味わうことはできますね。

そもそもが広く語られることの少なかったテーマでもあるので、その奥にある真実をうかがい知るという意味では良い作品でした。
繰り返しにはなるけれど、多少の物足りなさはあるけれど、ムダに大げさにしてウソくさくなるよりは…これでよかったのかな。
第二次大戦前後の歴史に興味のある方には特におススメですね。

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スギハラっちゅうねぇ
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2015年12月08日

水の声を聞く

山本政志
玄里、趣里、萩原利久、中村夏子、村上 淳
在日韓国人のミンジョンは、友人に誘われて巫女を始める。初めはほんの小遣い稼ぎのつもりであったが、救済を願う信者たちが増えていき、やがてそれは宗教団体「真教・神の水」となり、さまざまな思惑を持つ人々が集まってくる。

(単館系ですが)公開当時、ちょっと気になりつつもスルーしてしまっていた作品。
ですが、2014年キネマ旬報ベストテンで第9位に選ばれたということで「あぁ見ておけば良かった」と。
そんなこんなで、ここにきてDVDにて鑑賞。

「水の声を聞く」という少々スピリチュアルなタイトルだけど、あらすじ的には もうちょっと下世話なのかなという印象。

その昔「教祖誕生」なんて映画がありました(監督・天間敏広、原作・ビートたけし、主演・萩原聖人)。
イメージとしてはそれに近いのかな。

でも この作品に登場する“教祖様”は端から割り切った“バイト教祖”の感覚で。決して、変に祀り上げられたものではなかったですね。
初めはそうだったのが、彼女にセンスがあったのか 次第に信者が増えていき、やがては後戻りできない状況に。

結局のところ、バックに広告代理店が付いておりまして、それなりの“ウラ”があることはわかるんだけど…
なんちゅうか、露骨にそろばんをはじくような絵が無いので、この取り組みが金儲けのためだけなのか、もしくは如何ほど儲かるのかが伝わらないので少々モヤっと。

そうやって状況が変化していくことに対し、まっとうなプレッシャーを感じたのが教祖役であるミンジョン。
彼女が姿をくらまし、これでは立ち行きいかないとばかりに教団は2代目の教祖を立てるんだけど、それが方向性の分かれ目として後々問題となるわけで。

その行き詰ったミンジョンは向かったのは、自身の母と祖母のルーツを探る旅。
いきさつは ちょっと唐突だったようにも思うんだけど、そこで知らされる済州島の真実は 我々が見ても驚きはありました。

そこで心を揺さぶられ、大自然の声を聞くことで思いを新たにしたミンジョン。
教団に戻り、似非宗教から本当に人の心を救うこを目指します。

終盤、水の滴、川の流れ、滝の音を受けながら、多くの信者を前に その思いをフルにオープンにしたところ、大きな裏切りに遭うんですが。
あの程度の 真実なのか虚言なのかわからない訴えで、それまで付いていた信者があっさり寝返ってしまうのは、正直リアリティに欠けるかな。

信仰って狂信的になると教祖様の罪ですら受け入れてしまうものだからね。
かと言って“カミングアウト”した彼女にミンジョンほど惹かれる要素があるようには思えなかったので。運営サイドはさておきね。

とまぁ解せない部分もチョイチョイ気になりつつ、ですがテーマとしては興味深いものがありましたし。
宗教的?スピリチュアル?とにかく引き込まれる要素はありました。
映画として、思いのほかハードであるのは間違いないです。
見て良かった作品です。
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2015年12月03日

グリーン・インフェルノ

イーライ・ロス
ロレンツァ・イッツォ、アリエル・レヴィ、アーロン・バーンズ
環境保護を訴える学生グループが、不正なアマゾンの森林伐採の実態を訴えるために現地を訪れる。しかし あまりに過激な行動のため、政府によって強制送還されてしまう。
ところが帰路の途中、飛行機にエンジントラブルが発生。生存者らは救助を求めるのだが、彼らを待ち受けていたのは食人族だった。

1981年、わたくしが10歳のころに話題となった映画「食人族」というのがありました。
それをモチーフに「ホステル」の監督が作った“食人エンターテイメント”だと!?

どうにも真面目に映画を見てしまうわたくしには「ホステル」はなんじゃこりゃ?という印象しかなかったんだけど。
今頃になってようやく「ホラーとコメディは表裏一体」であることを学びました。

別にこの作品がコメディと言い切るわけではないけれど、この監督らしい、あるいは定番ホラーらしい滑稽な描写も見て取れますな。
でも十分に怖い…というか、痛々しいという感じでもあるか。

前半は起承転結の“起”としてたいへんわかりやすい作り。のちに必要となる伏線をキチンと提示してくれます。
そしてひと悶着あっての飛行機事故発生。

この事故原因についても経緯が説明されるので、その点も好感。
ただ 肝となる悪夢の前に、意外にもこの墜落で多くの犠牲が。

と思いきや、確かに あまりウジャウジャ囚われても、その後に“退場”させていくのめんどいもんね。いい感じで人数を絞ります。
そして問題の原住民・ヤハ族との遭遇。

いきなり一人が犠牲になるんだけど。さすがに あのいたぶられっぷりは、目をそむけたくなるぐらい痛々しかったね。
その手の場面はいい感じでグロかったですよ。

かと思えば、大事なところをタランチュラに襲われそうになったり、突然の腹痛でブリブリ始まったり。
必然性の薄い下品さも微笑ましかった。

となれば、あとはエロい要素も欲しくなるんだけど、その点は残念ながら及第点以下。
本来ならもうちょっと主人公の露出も欲しかったけど、白塗りの下乳レベルで終わってしまい愕然。
だけど あの娘、監督さんの実妻だというから、さすがにそれは見せてくれないか。

とにかく、文化も言葉も違う民族に、生きたまま切り刻まれる恐怖は味わえました。
文明が大自然や独自に存在する民族を脅かす反面、ネットやSNSはそのエリアでは全く役に立たないというメッセージ的要素。
そして最終的に生き残るのは処女であるというホラーの定石も見せつけられました。

傑作とまでは言いませんが、そこそこ楽しめるB級ホラーとしては一級品でしたね(苦笑)

ちなみにアイツがもし生き延びてたとしたら…アイツもチェリーなんかな!?

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原住民らの髪の毛がツヤツヤで驚いた
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2015年12月02日

ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(ラプソディ)

コーネル・ムンドルッツォ
ジョーフィア・プショッタ、サンドロ・ゾター
雑種犬に重税を課すという法律が制定されたある街。13歳の少女リリは、理解の無い父親により 愛犬ハーゲンを捨てられてしまう。
街を彷徨うハーゲンは、人間に裏切られ、やがて保護施設に放り込まれてしまう。そこで多くの犬と出会ったハーゲンは、施設の犬たちを従え、人間に対し反乱を起こし始める。

幻想的なチラシの写真や 謎の多い予告編の映像から気になってた作品。
自他ともに認める“ネコ派”のわたくしですが、たまには“犬モノ”も見ておくべきかと。

基本的に犬というのは利口であり、人間に従順な動物のイメージが付いております。しかしここではさにあらず。
一部では「犬版の猿の惑星か」とのコメントもあって、そこそこ期待してました。

が 率直に言うなら…前半はかなり眠たかったかな。
全体の雰囲気・トーンが暗いのもあるし、物語の伏線となるエピソードがちょっと弱いかなと。

人間の身勝手さ故、振り回されてしまう犬のハーゲン。
置き去りにされ、売買され、闘犬にされ、保護施設に入れられ。犬にとってはえらい迷惑な話ですな。

全体の流れはおおよそわからんでもないですが、所詮は犬のやること。当然しゃべったりしないから、イマイチ本意はつかみきれない。
それこそ「猿の惑星」シーザーのごとく特異な存在感を示して見せるとか、そういうのでもあれば引きつけられたかもですが。
またマンガチックに「ヨシ 仲間たち、行くぞー!!」的な描写も弱いかな。

それでなくても このハーゲン。眠い目をした茶色い雑種犬であって、そんなにカッコよくも、カリスマもない。
犬界のリーダー然とした雰囲気を感じられなかったのは残念でした。

一方の人間サイドも、ピリッとしたものは響いてこなかったか。
少女リリも決して血眼になってハーゲンを探すでもなく。あの楽団はどういうコミュニティで、13歳のリリに対して 仲間たちはいくつぐらいなんだとか。
この時点では「タンホイザー」とはどんな曲だ〜ってのもわからなかったし。

犬にも人間にも、イマイチ感情移入ができなかったという思いはあります。

この映画の見せ場は250頭もの調教された犬たちが、ゴーストタウンと化した街並みを駆け抜けていく場面。
まさに他では絶対に見られないシーンに仕上がっており、犬好きには痛快な映像でありましょう。
ただし…

その反面、犬が銃で撃たれたり、闘犬で血まみれになったり。
犬好きだったら卒倒しちゃいそうな。愛護団体から大クレームつけられそうなシーンもいろいろ。
なので、犬が出てくるからと言って、過度な期待をしない方がいいのかもね。

あとは全編に渡ってカメラが手持ちで撮影されているんだけど。
もちろん意図あってのことなのでしょうが、さすがに2時間ずっとは、ややしんどかったなぁ。

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唯一登場するネコは…トムさん。
posted by 味噌のカツオ at 01:18| Comment(0) | TrackBack(0) | ハ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする