2016年02月29日

サウルの息子

ネメシュ・ラースロー
ルーリグ・ゲーザ、モルナール・レヴェンテ、ユルス・レチン
1944年10月、アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所。ハンガリー系ユダヤ人のサウルは、屍体処理に従事する特殊部隊・ゾンダーコマンドとして働いている。
ある日、ガス室で息子らしき少年を発見した彼は、直後に殺されてしまったその少年の弔いをしようと収容所内を奔走する。

今年のアカデミー賞で外国語映画賞を受賞。
ここに至るまでにも非常に高い評価を得ている作品。
あらすじなどはザックリとしか入れずに鑑賞。映画の冒頭“ゾンダーコマンド”の存在についての説明が。

そして本編。
非常に見にくい映像。もちろん演出の上ではあるが。
一人の男の顔のみにピントが合わされ、それ以外の映像、音声、いずれもわかりにくくされている。

わかりにくいからこそ、より情報を得ようと こちらの神経はより集中力を増す。
やがて ここがどこで、今 何が行われているのか、わずかながらに把握をする。
いや 待てよ、なんか話が違わないか?

そして遠く聞こえる壁を叩く音、悲鳴、断末魔。
その真実を理解することで、自分がとんでもない場にいることがわかります。

そう“いることが”という、まさに自分がその当事者である感じにされるんですよね。

近頃はPOV方式という、カメラ視点の映像を見せることで、観客との同一性を図る演出があります。
ただし、あれも多用されてることもあって、いくらかのあざとさも同居してたりするんよね。

それに比べると、今作での演出。
主人公の顔(表情)を映すことでの同一性、そしてここが感情を持てない空間であることも伝わってきます。
また周囲の状況にピントを合わせないことも、直視できない状況であることがわかります。
単なる映像の見せ方だけでなく、ホントにイヤな思いと共に観客に実感させる映像体験でした。

ただ ストーリーの本筋となるサウルの埋葬へのこだわりについては、正直 共感ができず。
いろいろ解説を聞けば、なんとなしに飲み込めなくもないのだけれど、見ている間は「なぜそこまで」「この場所では無理あるやろ」と思わずにはいられなかったし。
細かいことを言えば死後硬直とか起こらないのかと。そういうのは気になりましたが。

そのサウルの行動とは別に、その場で行われていたことであり、これから行われるであろうことを思うと、やっぱり反吐が出そうになるし、胸クソ悪い印象しか残らない。
でも こんな史実を元に作品を作り、伝えていくことが映画の文化的役割でもあるんでしょうね。
気ぃ悪いけどね。

伝えていくといえば…
ラストシーンに登場した あの少年も、自身が森の中で見た出来事を、家族や次の世代へと伝えていったりしたのかな。

いろいろ書きましたが、ヘヴィーではあるけども、映画としてのクオリティは高く、見ておくべき映画であるのは確かです。
posted by 味噌のカツオ at 19:22| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月18日

さらば あぶない刑事

村川 透
舘ひろし、柴田恭兵、浅野温子、仲村トオル
横浜港署の鷹山と大下の両刑事はブラックマーケットに踏み込むもターゲットを取り逃がしてしまう。
そんな中、世界の裏社会で縄張りを拡大している中南米マフィアが横浜のマーケットにも進出。定年退職を5日後に控えた2人は それを阻止するべく、刑事人生最後の闘いに挑む。

1986年にテレビシリーズがスタート。過去にドラマが77本。劇場版は6本制作されていると。
その前作から10年。ついにタカ&ユージが定年退職を迎えるという設定の、まさにシリーズ総決算。

テレビ版に関して言うなら、わたくしは高校時代でありまして。それこそ日曜の夜の放送で、翌 月曜日には学校で「昨日の“あぶデカ”見た?」的な。そんな勢いで どハマリしていた世代。
ただし、劇場版は全く見ていないんですね。自分でもなんでか知らんけど。

とにかく10年ぶりの新作にして(今度こそ?)完結に至るという。しかも定年退職というリアリティが良いじゃないですか。って本編にはリアリティ少ないんだけどさ(苦笑)

一応 2作作られたテレビシリーズのラストが1989年3月ということなので。もしかしたら 27年ぶりの あぶデカ体験だったかもです。

しかーし!冒頭から その世界観であり、かつて見てきた あぶデカらしさがそのままで。一気に引き込まれましたね。
言うても単なるノスタルジーではなく、今見ても素直に面白いしカッコいい。思ってた以上にやられました。

ちょっと前にドラマで見た柴田恭兵さんは もっと髪も白くて、言うなれば「さすがに老けたなぁ」と思ったもんですが、なぜかこの作品では当時と変わらない印象で。
変わらないというのは舘ひろしさんも同様。

そしてこの二人が並び立つと、自然と「あ〜これだこれだ。この雰囲気だ」と思わされて。
そもそも この2人のキャスティングってどうして決まったんだろうとか。いろんなこと考えちゃったりして。

その昔「俺たちは天使だ!」とか「プロハンター」とか。あるいは「探偵物語」もそうでしょう。あの頃の日テレのドラマシリーズに共通してた、ヨコハマを舞台にした洒落た雰囲気とウィットにとんだ軽妙な掛け合い。こういうのメチャ影響受けてきてるからね。
今回の あぶデカでもそのテイストはしっかり踏襲されていて。それがものスゴ心地よい。

ちゃんとストーリーは展開しながらも、間に挟まれる まるでコントのようなやりとりが邪魔をしていない。
シビアな犯罪と ちょいチャラな会話で。言わば緩急をつけながら進行されているのかな。だから肩ひじを張り過ぎることなく、のめり込んでいけるんだろうね。

そしてタカのバイクアクション。ユージのランニング。やり過ぎな銃撃戦にカーアクションと。それら あの頃と変わらぬ見せ場もたっぷりです。
そう、あの頃と変わらないのであれば再放送でもいいんだけど、そうじゃない。

大前提として定年を迎える刑事であり、実際に演じる2人は60歳代の半ばなんですよ。それが、あの当時と同じことを演じているわけですから。素晴らし過ぎますよ。
また敵役として登場する吉川晃司もね。「下町ロケット」とはガラリと立ち位置違うけど、カッコいい悪役を演じておられました。

この30年で時代背景も大きく変わってしまって。刑事ドラマはもっとまともであることを求められてきてると思うんですよ。
だから見る人によっては 懐かしくもあり、ただ荒唐無稽にしか見えなかったり いろいろだとは思うんだけど。
こういうテイストの、余計なことを気にせず、理屈抜きに楽しんでいいドラマ…今の時代には無理なのかなぁ。

そういえばマーシーさんが柴田恭兵さんのモノマネをする際に(実際にそんなセリフがあったかどうかはさておき)「関係ないね」というフレーズを使ってて。
今回の劇場版では 確かに「関係ないね」というセリフ、出てましたね。字幕でww

とにかく あの頃、リアルタイムで経験してるわたくしにとっては最高の一本でありました。

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タカさんの本名は鷹山敏樹
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2016年02月15日

オデッセイ

リドリー・スコット
マット・デイモン、ジェシカ・チャステイン、クリステン・ウィグ
火星での有人探査中の嵐で行方不明となったマーク・ワトニー。他の乗組員はワトニーが死亡したと思い、火星を脱出するが、彼は生きていた。
自身の科学知識とポジティブ思考で生き延びようとするワトニー。一方、NASAは大胆な救出ミッションを計画していた。

ちょっと前にも宇宙空間に取り残された「ゼロ・グラビティ」という映画がありましたな。
こう言っては何ですが、アチラはずっと宇宙空間で もたくさしてるだけの印象もあって、わたくし的にはイマイチでした。
でもこの「オデッセイ」は楽しめましたね。かなり楽しかったよ。

いずれの作品にも言えるけど、今どきの宇宙映画は無重力空間の映像が さも当たり前のように登場します。
こういうのは日本の映画界にはない映像スキルですわね。

それはそれとしてこの映画ですよ。
もちろん大方のあらすじは知ったうえで見始めたんですが、意外にも始まってすぐにトントントーンと その辺りまで展開。
となるとこのあと、どんな展開を見せるのかなと気になったわけですが。

正直言ってしまうと、めちゃくちゃドラスティックという風でもなく。
もちろん 残された仲間の救出という命題こそありますが、取って付けたようなピンチとか、誰かを追い込むような、見ていてしんどいという表現はありません。

それでも映画としては非常に面白かった。
あえて言うなら心地よいとか、そんな感じかな。

設定上、流れるBGMが70年代とかのディスコナンバーとかで。
ワトニーは「悪趣味だ」などと憎まれ口叩いてたけど、やぁこれはこれで思わず体を動かしたくなるような曲ばかりで。

そして太平洋ひとりぼっちならぬ火星ひとりぼっちでありながら、持ち前の知識のスキルとポジティブ思考でサバイバルしていく様が とてもいい。
状況、立場、愚痴、計画。いろいろ語る“ひとりごと”も、総じて前向きな感じになってたしね。
唯一、肥料を作るシーンだけが「うわっ」と思ったけど。

どんな作品作りをする人でも 根底には「今まで誰も見たことのないものを作る」という意識はあると思うんですよ。
んでこの作品。宇宙を舞台にした救出劇というテーマにして、こんな雰囲気に仕上げるというのは、確かに今までになかったかなと。

こういう作品ですから救出は成功するんだろうなと。最後にみんなで「ヒューヒュー!」するんだろうなというのはあるわけで。
そのゴールへ向かうプロセスを、他の作品よりちょっとポップなアプローチにしてみたと。
そういうスタンスで、ほぼほぼ全編 気持ちよく見ることができましたと。
非常に心地よい作品でありました。

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おでっせいでっせ
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2016年02月08日

ローリング

冨永昌敬
三浦貴大、柳英里紗、川瀬陽太、松浦祐也
女子更衣室を盗撮し地元を追われた元教師・権藤が女を連れて戻ってきた。貫一ら、かつての生徒たちと思いがけない再会を果たす権藤。
しかし残されていた当時の盗撮映像が、ある芸能事務所を巻き込んだ騒動を引き起こす。

『第89回(2015)キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベスト・テン 第10位』に選出された作品。

いわゆる単館系のなかでも特にマイナーな作品で、もっと言うならキャストもほぼほぼマイナー。
そんな印象ではありましたが、それが これだけの支持を集めて年間10位ということですから。
気になってレンタルDVDにて鑑賞しました。

しかしまぁなかなか特異な作風で。
冒頭から「これが今のわたしです」と映し出されたのが 巣の中でさえずる鳥の雛たち。
なんでしょうか。主人公が死んで生まれ変わって鳥になったですか?
ローリングとは輪廻転生の意なんでしょうか?

差し当たって物語の起点となる盗撮事件というのが 面白かったですけど。
今の時代にチョイチョイ聞くような事件であり、またそこにヤバイのが映ってたってのもまた そういうこともありえるなと。

事件としてはクソですが、登場人物もクソな先生が出てきたり。
登場人物らのイマイチ煮え切らない姿は、舞台となっている少々地味な町・茨城県水戸市のイメージとも合っていて。

その大半の登場人物が、 一見 前向きなように見えて、いつ THE END になっても不思議ではないような。そんなLIFEに見えました。
言うなれば「延長…延長…そして切れる」みたいなね。

ただ「これが今のわたしです」が何を指しているのかは ちょっと意外ではありましたが。

果たしてこれがキネ旬の年間第10位にふさわしいのかと問われれば…
そういう万人受けしないような作品が、ベストテンに数本紛れ込むのが キネ旬的だといえるのかも。

やぁ全くの駄作ではないんだけど、それほどでも…という。
そんな感じの仕上がりですよ。
posted by 味噌のカツオ at 00:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ラ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月06日

猫なんかよんでもこない。

山本 透
風間俊介、つるの剛士、松岡茉優、市川実和子
漫画家である兄の家に居候状態のミツオ。その兄が子猫の兄弟“チン”と“クロ”を拾ってきた。
ボクシングに人生を捧げるミツオは そもそも犬派。超やんちゃで超気ままな2匹に振り回されっぱなしだったが、いつしか彼らは極貧生活を支え合う運命共同体になっていく。

なんとも魅力的な猫映画ではありますが、コミックが原作なんですね。
まさに作者自身の自伝的な映画と言っていいのかな。
作者は杉作さん。

ん?J太郎さんではないよね(笑)

ボクサーとしての夢へ向かい、全てを投げ打って漫画家である兄の家に居候を始めたミツオ。
そんな折、2匹の子猫を拾ってきた兄。やんちゃな子猫に振り回されながら、ボクサーとして前進するミツオ。

しかし試合で負ったケガによりボクシングの道を断念。
いつしか兄は結婚を決め、猫を残して家を出る。そして残されたミツオと2匹の猫たちは…

ストーリーとしては決して突飛なものではありません。
軸となるキャストも決して多くはありません。
でもしっかり楽しめましたよ。

猫を相手にのびのびと演技をする風間俊介に好感。
飄々とした兄、つるの剛士。「猫ならしょうがない」というスタンス(?)の大家さん、市川実和子。いずれも らしくって良かったです。
松岡茉優はそもそも好きなのですが。圧倒的な美人じゃないキャラ。でも知識があって真面目で、ちょっと人付き合いに奥手みたいな感じがね。

それはそれとして、やはりこの映画の最大にして最高のポイントは…当然猫たちですよ。

ドタドタと部屋を走り回る姿。寝ようとして布団をめくりあげたときに飛び込んでくるあのタイミング。絶妙。
それ以外にも子猫の習性や“あるある”みたいな猫写…いや描写の一つ一つがカワイくって印象に残ります。

聞いた話だと その秘訣は猫たちに演技を期待しなかったと。猫たちにやりたいようにさせつつ、それに役者たちが合わせるような。そうしていくうち その思いが通じたのか、猫の魅力がを最大限に引き出すことができたようです。

猫モノの映画多々あれど、猫のクオリティは最高レベル。猫好きは大満足だと思います。
もしかしたら“猫派”ではない方も 主人公と同様、次第にやられちゃうかもしれませんね(^-^)

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猫にゃんかよんでもこにゃい。
posted by 味噌のカツオ at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | ナ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月05日

最愛の子

ピーター・チャン
ヴィッキー・チャオ、ホァン・ボー、トン・ダーウェイ、ハオ・レイ
ある日突然姿を消した3歳の息子ポンポン。両親は必死で愛する息子を探すが、有力な手がかりも無く、その消息はつかめない。
それから3年後。ある情報から 中国北部の村で生活していることを突き止め、息子を奪い返しに行くのだが…

当然ながら あらすじは読んでいるので、まず どんな事件が起きるのかは知っております。
そのうえで、あれよあれよと その状況になっていく冒頭部分。この段階から引き込まれました。

とにかくポンポンちゃんが かわいらしい。そして(両親の)環境としては少々複雑だけど、それに順応して過ごしてます。
友達に誘われてふいふいとお出かけ。父の店に来た若者グループ。一旦は断ったが結局受け入れて。
もしかして断っていたら そういうことにならなかったのかも…とか。

そんな 些細な部分からもヒリヒリした感じが伝わってきました。

前半は子供を誘拐されてしまった父と母の物語。
中国では そういった事件も多いようで、そんな被害者らのグループなども登場します。

そして中盤。過疎の村に息子がいるという情報を聞きつけ、村に乗り込んだ両親はついに息子を取り戻します。
ところが事件から3年。すでに息子は今の生活に馴染んでおり、実の父母のことは覚えておらず、それぞれの中に戸惑いが。

続く後半は この3年間、ポンポンと その妹を育ててきた“もう一人の”母のストーリー。

道理からすると この女を擁護することはできないんだけど、最後の最後で発覚する ある事実が、複雑な思いを突き付けてきます。

(現状は変わってきているかもですが)中国の現状・事情、いろんな問題を孕んだ作品です。
誘拐という犯罪。そして 一人っ子政策の弊害(二人目を産むのには許可が必要)。親子の問題、夫婦の問題、不妊という問題。
それらのテーマが見事に提示されていて。いろいろ考えさせられます。

昨今の映画では「実話を元にした物語」というワードが ひとつの“売り文句”なってますが。
この作品のチラシや事前情報では そういう話はありませんで。

ところが 本編終了後に、このストーリーのモデルとなった方々が登場しまして。これが実話ベースであったことを知らされ…いや、思い知らされます。

しかし それだけに終わらず。そのモデルとなった方々と、この作品のキャストらが実際に会う映像というのも収められております。
なんか この場面、見ていて涙が込み上げてきました。

チラシには「実話を元に〜」という表記はなかったけど。
記載のあった「あらゆる感情のスイッチがすべて押されてしまう、最高のドラマ。」という文言には偽りなし。
考えさせられる名作です。


さて この映画、キャストもいろいろ魅力的で。
ポンポンの父親役のホアン・ボーは、なんかいい声してるなと。見た目も 路地の商店主然として良かったです。
が、エンディングに映った姿は意外にも役者らしい雰囲気があって。よくよく見ると古田新太さんっぽいのかな。

あと支援グループのリーダー・ハン役のチャン・イーさんは ちょっと大泉洋さんに見えなくもなかったし。

そしてもう一人の母親であるヴィッキー・チャオは誘拐した側であるんだけど、なんか昔アイドルだった女優さん的な雰囲気で。変にひいき目に見たくなるような女優さんでしたね。

最後にハンのパートナー役の女優さんはキティ・チャンという方だとか。
体重がリンゴ3個分ということはないでしょうが。。。

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認知症でも母と子なんだよ
posted by 味噌のカツオ at 02:13| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月02日

残穢(ざんえ)―住んではいけない部屋―

中村義洋
竹内結子、橋本 愛、佐々木蔵之介、坂口健太郎
「部屋で奇妙な音がする」。小説家である“わたし”に届いた女性読者からの手紙。好奇心から彼女と共に その“音”のするマンション について調べていくと、かつてその地に住んでいた人たちが自殺や殺人などに関わっていたことが判明。
果たして それらの事件をつなぐものの正体とは!?

いわゆる“Jホラー”と呼ばれるジャンル。独特な日本テイストの怖さのアプローチという作品。
またそれらに準ずるようなカタチで、主に女子中高生をターゲットとしたような、ブレイク前のアイドルが主演するホラー作品ってのもあります。
なんにせよ、一連のホラー作品って根強いニーズはあるもので。

この「残穢」もウワサで聞くにはずいぶんと怖いものであろうかと。
しかも竹内結子と橋本愛が出演。監督は次々と良作を発表している中村義洋となれば さすがに気になります。

ところが…あえて言うなら、観客が望むような作風ではなかったですね。
とても怖いホラーストーリーではなく、ホラーの謎に迫るドキュメンタリー風ミステリーというべきか。

この嫌な雰囲気は何が原因なのかというのを探っていくオハナシ。いきなり「ワッ!」的なビックリさせる驚かしもありません。

だ・か・ら、怖くはありません。
もっと言うなら、そもそも面白くもありません。

ドキュメンタリーであるなら、ふつうに心霊スポットを取材に行って 予期せぬラップ音が入ってたり、思いがけないアクシデントが〜っての方がドキドキできるし。
恐怖の理由を探っていくにしても、これ、作りもんやから。実際に不可思議な現象に悩んでいる方のお宅に取材に行って〜というものには敵わないでしょう。

であるなら、創作ものとしての落としどころや 納得のさらに上をいく衝撃がないと、物足りないわね。
かと思えば、最後の最後で普通のホラーの序盤に出てくるようなエピソードをラストに“付け足す”のは、この作品の格下げ以外の何物でも無いように思いました。

さて、かわいいアイドルが恐怖映画に出て「キャー!」というのもよくあるんだけど、この作品に登場するのは 竹内結子さんと橋本愛さん。

二人ともお綺麗な方であるのは承知ですがね。
竹内結子さんは あか抜けない作家という役どころなんですかね。ぼやけたメガネかけて、なんだかパッとしないキャラで。
ん〜どうせなら断然美人な小説家にするか、やり手であり好奇心の塊みたいな作家とか。いずれにせよ惹かれる部分が無いんだよね。

そして橋本愛さんなんかはちょっとミステリアスな美人さんで行けると思うんだけど、これまた普通な女子大生のキャラなんよね。
とにかく序盤のようにロングヘアならいいのに、髪をしばっちゃうと これまた引きが弱くなってしまう。

この2人を生かせてないのはもったいない。

こっちは美人さんが好きなんだから。
女優さんがキレイに撮れていることも良い作品の条件ですから。
その点でも 物足りないと言わざるを得ない。

単なる驚かしではなく、怖さを追及するような展開には期待できたんだけど、う〜ん惜しいなぁ。

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残穢というよりも残念
posted by 味噌のカツオ at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする