2016年06月29日

エクス・マキナ

アレックス・ガーランド
ドーナル・グリーソン、アリシア・ヴィキャンデル、オスカー・アイザック
世界最大の検索エンジンの会社でプログラマーとして働くケイレブは、ネイサン社長の別荘に1週間滞在するチャンスを得る。
しかしそこに現れたのは女性型ロボット“エヴァ”であった。ケイレブはエヴァの人工知能のテストに協力をすることに…

「28日後...」や「わたしを離さないで」の脚本家、アレックス・ガーランドの初監督作品。第88回アカデミー賞視覚効果賞受賞作。

ですが 名古屋地区での上映は、現状1館のみという寂しさ。
これもひとえに、有名な役者さんが出ていないから…なんですかね!?

そう言われても 仕方がないくらい(ホントはそんなことないと思うが)キャストは少数で。
舞台は都会から離れた大自然の中にある 美しい別荘。

密室空間、わずかなキャストである分、物語は深く作られております。

“抽選で選ばれ”カリスマ社長の別荘へ招かれた 有能なプログラマー。
その別荘で社長は密かに人間そっくりなアンドロイドを開発。しかし重要なのは見た目の姿形だけではなく、そこに搭載された人工知能(AI)の性能。

アンドロイドと会話をすることで、AIの完成度を確認する“チューリング・テスト”のため、そのプログラマーは“選ばれた”のであった。

ネタバレ込みで言っちゃいますが。この展開を見ながらある予想を立てておりました。
そうです、ホントはケイレブもアンドロイドで。これは彼をテストするためのテストなのではないかと。

だから、彼がカミソリの刃で自身を傷つけたときは、驚きましたですね。
まさかまさかの大流血で。

となれば、これは誰が誰を試しているのか。
やがてハッキリしていくんだけど。

下衆な例えをするならば、タチの悪い経営者に囲われてるホステスのお姉さんが、うまい具合に客を惚れさせて。
「キミのためだったらなんだってする」と言ったところで金を巻き上げてドロンしちゃったような。

そんな構図だね。
夢も希望もありゃしないだ。

でもコチラは あくまで人工知能の話であって。
おそらく、たぶん、AIを組みあげたのはネイサン社長なんでしょう。
しかし、どうやら、そのAIの“知恵”が 社長を上回ってしまったと。

もちろんコチラは あくまで映画の話であって。
現実にそんなことは〜と言いたいところだけど。世界中でチェス、囲碁、将棋では人工知能が人間を負かしちゃったりしてるんだから。
今は その1分野のみでしょうが、ゆくゆくは どうなることか。

そう考えると、なかなかシュールで怖いストーリーですよね。

エヴァの思考は社長を越えてしまったようだけど、キョウコのダンスは 社長と同等だったな。
まてよ、社長もあそこで酔いつぶれてなかったら、エヴァに隙を突かれることなかったのか!?どやさ!?

さて、アカデミー賞視覚効果賞受賞というわりには 肌を剥がす描写とかはイマイチだったような。
なんて考えていたんだけど。そんなツッコミを忘れさせるぐらいに、エヴァがあまりに自然に存在してたんだな(苦笑)
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2016年06月28日

クリーピー 偽りの隣人

黒沢 清
西島秀俊、竹内結子、川口春奈、東出昌大、香川照之
元刑事である犯罪心理学者の高倉は、かつての同僚・野上から、6年前に発生した一家失踪事件の分析を依頼される。
その高倉が妻・康子と共に引っ越した新居の隣人・西野は どこかつかみどころのない男だったが、その娘の澪も交えた家族づきあいがはじまる。
そんなある日、澪は高倉に「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です」と告げる。

同名の小説が原作の作品。タイトルの“クリーピー”とは「ゾッとするような」や「身の毛がよだつ」という意味の形容詞。

予告編でも 怪しさや謎な部分が伝わってきておりましたが、結論からすると そのまんまで。
序盤から香川照之演じる西野の怪しいことったら。ただ会話がしにくいだけでなく、真顔なのでちょっと勘弁って(苦笑)
一見 普通なんだけど実は…というパターンではなく、終始なのでね。

一方、本来の主人公である犯罪心理学者の高倉。
ちょっと困ってしまったのが、どうやら この男も真っ当な感覚から少々逸脱してまして。
海外での犯罪事例はダイナミックだと嘲笑したり、犯罪被害者に話を聞くのに「趣味です」と言い放ったり。
どうにも感情移入をしにくい男であって。

その妻である康子は、かろうじて真人間と一部ではあったのだけど、わたくしからすると それも腑に落ちなくて。
隣人がどのように不可解なのかを なぜ夫に伝えないのか?ヤバいと薄々感じながらシチューをおすそ分けに行くのもどうかと思ってしまう。

もっと言うなら、元同僚の野上も何考えてるかわからんし。
同じ区画のもう一件の隣人も不快感極まりないし。

結局見る側のスタンスとして、誰にも感情移入がしにくくなってしまって。
ただの「怪しい隣人に翻弄される夫婦の物語」ではないのだなと。

もっというなら 警察の連中もどうしたものか!?
何かウラがあってのおっちょこちょいなのか、ただのバカばっかなのか。

今作の宣伝文句にも使われているセリフ「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です」は そこだけ切り取るとたいへんにセンセーションですが。
本編では その一言で何かが動き出すという事も無いように思えて。
ん〜なんか惜しい。

そうなってくると あとはいろいろアラ探し系になっちゃうんだけど。
西野家の あの部屋は雰囲気はあるけれど、見ようによってはショッカーのアジトっぽくって。普通の家にあんな部屋を作れるのか!?

西野は「僕が犯罪者になっちゃうでしょ!」と自分では手を下さない主義らしいが、すんなり引き金ひいちゃってるし。
そしてラストもあんな不用意に拳銃を渡しちゃうのかと。その結果・・・

全編通して映画らしいイヤ〜な空気が支配してて。それはわりとお好きなのですが。
登場人物全員がこんなだとは。先に言ってくれればそのつもりで見たんだけど(苦笑)

ちなみに原作は もっと登場人物の関連がハッキリしてて、事件としても成立してるようなのだが。
この映画、わたくし的には誰にも感情移入ができなかったなぁ。

その反面、100%キライとは言えない魅力があるのも事実だから困っちゃう。
それから 香川照之さんの“変なおじさん度”が(役者として)素晴らしかったです。

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「あの人、お父さんじゃありません。お母さんです」
posted by 味噌のカツオ at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | カ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月26日

FAKE

森 達也
佐村河内守
2014年にゴーストライター騒動で話題となった佐村河内守氏を追ったドキュメンタリー。

様々なメディア、様々な業界で話題となっている作品。
名古屋地区での公開初日に見てきました。しかも監督のトークショー付きで。

タイトルの「FAKE」を一般的に訳すと 偽造、見せかけ、いんちき の意ではありますが。
奇跡の作曲家と言われた佐村河内守とは、はたしてどんな存在なのか。

この佐村河内氏を見ていると、やはりどこか胡散臭く見えてしまいます。
そうなると 映像のどこかに“アラ”があるんじゃないかと、余計に意識を集中させて見入ってしまいました。

佐村河内氏と妻と猫が暮らすマンション。
タバコを吸いにベランダに出ると、電車の音、遠く聞こえるバイクの音、あるいは様々な生活音。
これらの音も 彼には聞こえていないのか?

部屋は終始薄暗く。
これは途中でわかったんだけど、目が悪いので強い光が苦手なようで。

そんな薄暗い中での食事シーン。
奥様の作ったハンバーグに手をつけることなく、ジョッキに入った豆乳を黙々と飲み続ける佐村河内氏。
劇場内、妙なクスクス笑い。

そんな感じで、ほぼほぼ全編、緊張感と何とも言えない“ユルさ”が漂っていました。

冒頭の監督によると、描きたいのは佐村河内氏の怒りではなく悲しみだと。
様々なメディアが、彼を起用したいと、取材したいと訪れますが。
確かに その行く末は、どこか悲しげな着地点となります。

そこで監督は彼にある提案をいたします。ある意味 驚きの提案。
その代わり「僕も映画ができるまでタバコやめますよ」と監督。
これにはニャンコも目を丸くしてビツクリ(笑)

これがいわゆる「ラスト12分間の衝撃」につながっていくのですが・・・ネタバレになってしまうので細かくは言えないけれど。。。
わたくし的には それがとても神々しい光景に映ったのですが。

この映画を見終わって。
ホントに十人十色ではないけど、見た人それぞれで引っ掛かるポイント。感じる事。彼が聴こえているのか、いないのか。
様々だと思いました。

「監督も以前取材されたプロレスもガチなのか八百長なのかが着いてまわります。でも良い試合を見たら、そういう論調はどうでもよくなります。
佐村河内氏がホンモノなのかFAKEなのかも、ラストのアレを聴いちゃうと、どうでもよくなります。
そのうえで、今の社会ってどうにも白か黒かをつけたがりで、FAKEが入り込む隙が無いんじゃないかと。
この作品は、そういったことへのメッセージにも思えました」

上映終了後、パンフにサインを入れてもらいながら、わたくし監督に直接感想をお伝えさせていただきました。

その帰り道。その自分の言った言葉を また一歩引いて考えると。

もしかしたら 佐村河内氏の残した素晴らしきアレも、実はFAKEであって。ガチじゃないのかもしれないね。
それに、この映像に残されていない部分で、打ち合わせや演出を施しているのかもしれない。
そうだとすれば、それを知るのは、たぶん、猫だけなのかも(笑)

まぁ仮にこの作品全体がFAKEであったとしても、素晴らしい“ドキュメンタリー映画”を見た事実は変わらないわけで。
これを糾弾したり、穿った見方をするよりも、全てを飲み込んだうえで 各々が意識するべきなんでしょうね。

結局 佐村河内氏が怪しいとしてですよ。
この鑑賞後に あらためて全体像をよーく見てみると、新垣氏やジャーナリストの神山氏も“同じくらい”胡散臭く見えます。
率直な印象です。

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監督、ケーキいくついただいたん?
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2016年06月23日

デッドプール

ティム・ミラー
ライアン・レイノルズ、モリーナ・バッカリン、エド・スクライン
特殊部隊の傭兵として活躍したウェイド・ウィルソン。今では今は悪党を痛めつけては金を稼ぎ、相性バッチリの恋人との結婚も決まっていた。ところが突然 末期ガンだと診断され激しく落ち込んでしまう。
しかし ある組織からガンを根治できると聞き、彼らに同行して人体実験を受けるのだが…

字幕版にて鑑賞してきました。
そもそも昭和の“仮面ライダー”や“ウルトラマン”育ちなもので。正直 アメコミヒーローがそれほど得意では無いのですが、これはこれで面白そうだったので。

このデッドプールという男。初めは“スパイダーマンのにせもの”かと思ってたんだけど。実際、何者かというのは見ていればわかります。

いったいなぜこんなに強いのかというのは、特殊部隊出身ということやね。
いったいなぜこんなによくしゃべるのかは、性分としか言いようがないか。
でも多少の基本情報として、ミュータントという存在。そして「X-MEN」のキャラクターってのは知っておいた方が、映画を“より”楽しめたのかな。

さて、序盤の橋の上でのバトルシーン。おしゃべりも交えて楽しくエグく。
まさに このキャラクターを知らなくても、見応えのある作りになってます。
やぁホントやんちゃなヒーローだね。いや、ヒーローではないのか。

ところが。その後、なぜこんなキャラになってしまったのかという回想シーンを経ていくと、ちょっと印象変わります。
ただ口が悪い乱暴者なわけじゃないんだ。ホントはいいヤツやん。映画としては純愛やん。
思ってたのとちょっと違う路線入っていくけれど、これはこれでいい感じ。

人間関係でもあることですが、第一印象と その後に知る人となりで、さらに魅力が増すなんてね。
そんなところも この作品の魅力なのかも。

あと映画ファンには様々な作品をモチーフにしたセリフや行動なんかも多々あるので、その辺りをチェックするのも楽しいよね。
わたくしは「127時間」のくだりが お好きです。

さて、ちょっと気になったのが この映画のバトルシーン。
さすがに不死身の、無敵のミュータント同士が戦うと、なんでもありを越えたなんでもあり加減で。

ボッコボコに殴る蹴る、ナイフが刺さっても戦い継続。まあ何があっても死なないってのがわかってるので、その意味でのドキドキ感は乏しくなりがち。
もちろん何がしかの決着はつくのだろうが…と思っていたら“ズドン!”ってのがあったけど。

えっ、アレでホントにやっつけたん!?
それまでのドッタンバッタンではそんな感じ無かったのにね。

そんなこんなで少々思い切った攻撃をするシーンがあって、「R15+」作品になってます。15歳未満の入場・鑑賞を禁止です。
R15+なら「ヒメアノ〜ル」と同じじゃん。全然こっちのが軽いと思うけど。
それでも中学生は見られないのか。なんだかねぇ。

全編通して音楽もノリがよかったり、しゃべりもテンポ良かったりはしますが。
クールさでは「キックアス」のヒットガールに軍配。まぁ好みの問題だけどね。

そして第四の壁を越えて観客に語り掛ける描写も随所にみられるんだけど、裸眼ではなくマスクの白目で見ているので、カメラ目線感がやや伝わりにくくなってます。そして今回は字幕版だったので、ニュアンスがストレートに伝わりにくくって。
その分 ややハンディだったか。

でもアメコミ不得手なわたくしにも十分及第点の楽しさであり、その楽しさはエンドロールのその後まで続くので。
客電つくまで、なるべく席は立たないように。

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ワム!最高!(笑)
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2016年06月22日

貞子vs伽椰子

白石晃士
山本美月、玉城ティナ、佐津川愛美、安藤政信
見たら2日後に死ぬという“呪いのビデオ”を手にしてしまった女子大生の有里。ビデオを見た親友の夏美を守るべく、大学教授の森繁と共に、悪霊祓いを受けるのだが…
女子高生の鈴花は、失踪した小学生の姿を見かけ、無人であるはずの“呪いの家”へと入ってしまう。
異端の霊媒師・経蔵は、ふたつの呪いを激突させ、同時に消滅させる計画を立てる。

小説や映画のシリーズ化で長く親しまれて(?)きたホラーシリーズ「リング」と「呪怨」。
それらのヒロイン(??)であるところの貞子と伽椰子が共演という事で、大きな注目を集めている作品。

古くは「キングコング対ゴジラ」「マジンガーZ対デビルマン」。映画では「エイリアンvsプレデター」「フレディVSジェイソン」なんてのもありました。
近いところでは「バットマンvsスーパーマン」も。

たいがいヒーローモノの場合、前半に対決シーンがありながらも、後半は協力して悪と戦うパターンが定番だけど。
この ふたつの“呪い”の共演。はたしてどうなるか。

映画では「リング」のストーリーと「呪怨」のストーリーが交差するんだけど、「リング」比率のがやや多め。
かつてはビデオを見た1週間後に〜というものだったけど、ここでは2日後に〜とルール変更。

あと以前見た“呪いのビデオ”には、井戸の中から貞子の怨念が這い出して来る場面があったはずだけど、これも変わってましたね。
貞子さん、新作撮ったのかな?

主人公・有里の親友・夏美がビデオを見てしまい、呪いのビデオを研究している大学教授の森繁と共に悪霊祓いへと向かうのですが…
この女性霊媒師が わたくし的にはかなりツボで。トキメキました。

やぁ〜いかにもって感じで。こんなおばちゃんいそうだわ。
んで念仏を唱え、夏美を引っ叩き、強引に水を飲ませとかなり荒っぽい&怪しい(苦笑)

ところが残念なことに これがモノホンの設定で。結果、貞子を怒らせてしまい、物語は一気に前進。
さらなる助っ人として異端の霊媒師・常盤経蔵と その相棒で強い霊感を持つ盲目の少女・珠緒が登場。

なんかよくわからんが、これまたいいキャラで。
なるほどブラックジャック&ピノコがモチーフなのか!?
正直 このふたりの芝居が微妙でね。でも それすら非・現実感につながって、なかなか良いキャラだと思えた次第。

一方の「呪怨」パート。ってか、わたくし「呪怨」シリーズ一本も見ていないな。
なので、オカルト系にはありがちな設定ではあるが、それなりに新鮮に追えました。

以下ネタバレチックになっていきますが。
経蔵の提案による荒療治開始。「バケモノにはバケモノをぶつけるんだ」という名言もGood。

呪いの家にビデオを持ち込み(電源はどこから?)、再生することで貞子と伽椰子を呼び出すことに成功。そして夢のような直接対決がついに実現。
普通のバトルものって序盤に一度軽いバトルがありつつ、ラストに決着戦となだれこみます。

ここまで両者のあらすじを辿る展開がメインで、怖いシーンって そんなになくって。
それもあって 見せ場が少ないようにも思えたんだけど。
その分 この状況で、山本美月と玉城ティナが一緒に絶叫するシーンはインパクトありました。

薄暗い居間に貞子と伽椰子がたたずむ絵は なかなかシュール。
ただし 両者そんなに“技”があるわけじゃないので、尺としては短め。

結局 家では決着がつかず戦いは外へ。そしてここで井戸が登場。
でも今作では、井戸が貞子のホームという事ではないらしい。

その井戸に飛び込んだ有里を追う形で、貞子と伽椰子がクラッシュ!!
すかさず井戸を封印したのだけど…


全編を通して チョイチョイ気になるツッコミどころもありました。
トータルで2〜3日の出来事のはずだけど、有里のヘアアレンジが微妙に変わってたり。
自殺を試みる夏美を助けるなら、ドアのガラスを割って行けば…と思ったり。

白石監督はフェイクドキュメンタリーなんかも多く撮られているので、そういう手法を使えば もっとリアリティを追及できそうだけど。
いや、でもそれよりも、ここは貞子と伽椰子の邂逅が全てであって。
そこに至る 不合理は目をつぶるべきかな(苦笑)

このふたりのキャラの勝利であり、共演という企画の勝利でもあり。
そして現代のホラー作品として、白石監督に委ねたのも正解だと思います。

結末として、どちらかが、あるいは両者が消滅なんてのは考えらえないので。その意味でも納得です。

ただひとつ懸念する点があるとするならば…
あの動画、どうなっていっちゃうの!?

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井戸端怪談
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2016年06月20日

すれ違いのダイアリーズ

二ティワット・タラトーン
スクリット・ウィセートケーオ、チャーマーン・ブンヤサック
電気も水道もなく 携帯電話さえ繋がらない僻地の水上学校に、教師として赴任した体育会系青年のソーン。子供たちに振り回され、街に残してきた恋人にもフラれ、思い悩む日々を過ごしていた。
ある日、ソーンは一冊のノートを発見する。それは前任の女性教師エーンが心の内をつづった日記帳だった。

密かに評価を集めているタイ映画でして。「フェーンチャン ぼくの恋人」にも携わった監督の作品とのこと。
こういう評判の集め方は、だいたいハズレが無いはず〜と期待して見てきました。

やぁやぁ、確かに。いいラブストーリーだったね。

さて、2分ほど遅刻して入ったら、もう本編始まってて(予告なしだったのかな)。
どアタマの導入部が見られなかったんだけど。まぁなんとかついては行けましたね。

舞台はボートでしか行き来できない水の上の学校。数えるほどの生徒と共に ほぼほぼ共同生活。
ソーンはその教職を受け持ったものの、本来は それほどのスキルは持っていなくって。

思うような指導ができず、子どもたちとのコミュニケーションも上手くいかず。さらには恋人にはフラれ、思い悩む日々。
そんなときに 前任者のエーンの日記を見つけ、指導のヒントを得たり、同じ孤独感を共有したり。

この水上分校での生活に希望を見い出すとともに、エーンへの恋心が芽生えていきます。

そんな日記を通して、まだ見ぬ相手とシンパシーを感じあう…というくだりが もう一周(笑)
こういうこと言っちゃうとアレだけど、二人の物語を重ね合わせて見せてくれるから、深みが出るよね。
これ時系列通りに見ていったら、だいぶ印象変わるかな!?

とにかく そんな脚本の上手さはもちろんですが。
「そうきたら そうなるよね」という多くの人が共感を得られるであろう展開と、まだ見ぬ相手と心がつながるという ピュアなストーリー。
そして 無邪気な子どもたちとのエピソードは、ついつい頬も緩みます。

直接会うことのない二人の思いが、日記というアイテムを通して交錯します。
韓国映画の「イルマーレ」を彷彿とさせるファンタジックさもあるけれど、こちらは現実的にありえる設定であって。
実際「水上学校」と「日記を読んで恋をした男」という2つの話が元ネタとなっているとか。

昨今の日本のラブストーリーって 間違いなく制服モノでね。
こういう世代を描いたストレートな作品ってピンとこないっちゅうか。
それでなくても今どきのせっかちな風潮の中ではこういう作品は作れないかなぁ。

ベタといえばベタかもだし、でもやっぱり爽やかな気持ちになれる映画はいいなと思うし。
見て良かった一本です。

余談ですが、主題歌の訳詞もいい感じだったんだよねぇ。

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星印を消したんやね。のりピーといっしょやね。
posted by 味噌のカツオ at 00:06| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月18日

神様メール

ジャコ・ヴァン・ドルマル
ピリ・グロワーヌ、ブノワ・ポールヴールド、カトリーヌ・ドヌーヴ
家族と共にベルギーのブリュッセルに住んでいる神様。自宅のパソコンを使い、地上の人々の運命をもてあそびつつ管理する日々。
そんな父親に愛想を尽かした娘のエアが、そのパソコンから余命を知らせるメールを送ってしまい人々は大混乱。エアはそんな世界を救う旅に出る。

この直前に「世界から猫が消えたなら」を鑑賞。
あちらもこちらも、言わば“余命”モノ。そしてあちらは悪魔が暗躍し、こちらは神様が登場。
まさに似て非なる作品だったわけですが。。。

結論から言えば、圧倒的に面白かったです。「神様メール」。
一部で「アメリ」っぽいという感想を目にしましたが、言い当て妙。
女の子が活躍して」、いたずらっぽく人々を幸せにしていくストーリー。ちょっとダークな描写も入れつつでね。

原題の「Le tout nouveau testament」は「新・新約聖書」の意味。事前に“旧約聖書”“新約聖書”のあらましを聞いていたので、より混乱なく映画に入っていけたかな。

神様はブリュッセルのアパートで、古くっさ〜いパソコンで地球を管理していると。
ビール飲んで嫁と娘に悪態ついて。チョイチョイ事故や災害を起こしては、「パンを落とすとジャムの側が床につく」などといった法則を開発。
これのどこが神様だ…などと言っては この物語は、この世界は始まりません。

こんな自堕落な神様オヤジに反感を持つ娘のエアは、既に家を出ていった兄のJC(イエス・キリスト)に相談。
現在の12人から6人増やし、使徒を18人にすれば世界が変わると知り、地上へ行くことを決意。
その前に、オヤジのパソコンから人々の余命が書かれたメールを一斉送信。ついでにパソコンにロックをかけ、オヤジが使えないようにして家を出ていきます。

地上では自身の余命がわかってしまったことで様々な影響が。
ムチャな行動を取るものもいれば、あらためて自分の人生を考え直したり、余命わずかだという人は本当にやりたかったことに向かったり。

そんな人々を救い、助ける やさぐれ天使のようなエア。
やってることはムチャクチャだけど、確かに幸福が生まれていってる感じしましたね。

一方、エアを追って地上に降り立った神様は、ある意味“自分の作ったルール”に縛られ、足を引っ張られ、えらい目に遭います。けっこう笑えます。

やがてエアと出会った少年に最後の時間が近づいてきます。
どんな悲しみが訪れるのか〜というところで思わぬ展開。

やってくれました。神様の嫁さんである“女神さま”が あることをやらかして、それまでに作ったルールが強制終了からの再起動!!

さらにダンナがおらんのをええことに やりたい放題。
地球上がまためちゃくちゃになるんだけど、いちいちオバちゃん趣味が顔をのぞかせて、思いもよらないファンタジーワールドが構築されます。

さすがにこの娘の母親だわ。やってることはムチャクチャだけど、ある意味ではピースフルな世界が出来あがっちゃったみたいで。
たまらない幸福感に包まれる映画でありました。

「旧約聖書」を作ったのが神様オヤジなら、「新約聖書」を作ったのが息子であるJCだと。
そしてタイトルにある「新・新約聖書」を女神さまが作っちゃったってことですか。いいのか!?(笑)

こちらは日本人なもので、生活と共にある聖書とか、心の中にある信仰とか、そういうのは感覚としてしかわからないので。
だからこういうスタンスで楽しめたですかね。アメリカの方が見たら この作品、どう思うのかな。

そもそも大モトの聖書を記したのも、この映画に出てくるオヤジみたいな人だったり…なんてことは言いませんが。
ひとつのファンタジーとして、楽しくって、エッチなシーンも多くって、ハッピーな気持ちになれる一本です。

余談ですが、命知らずのケヴィンに会ってみたいな。生きてたらだけど。。。
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2016年06月16日

世界から猫が消えたなら

永井 聡
佐藤 健、宮崎あおい、原田美枝子、奥田瑛二
突然の頭痛に襲われ、病院に駆け込んだところ、脳の腫瘍により余命わずかだとの診断を受けた僕。そこへ僕と同じ容姿をした“悪魔”が現れ、身の回りの大切なものと引き換えに一日の命をくれるという。
そして悪魔は「まずは電話を消す」というのだが…

大ヒットベストセラーの映画化。
「感動した」「泣けた」という声が多く、たいへん好評なんですが。
結論から言うなら、わたくしは泣けませんでした。もっと言うなら、映画としてもそんなに感じるものがなかったですね。
残念ながら。

佐藤健は確かに上手いと思います。しかも二役やってますしね。
それに輪をかけて、濱田岳も素晴らしい。わりとオタク系なキャラであって、そんなに他者と目を合わせないような役ではあるんだけど。それでも感情とか、意志が伝わってくるもんね。

それ以外にも、宮崎あおい、原田美枝子、奥田瑛二というキャスティング。
それらは間違いないです。

それにプラスして、猫ちゃんたちも素晴らしかった。
自転車の前かごで(E.T.みたく?)あんな風にしてる猫は初めて見ました。かわいかったよぉ。

それはそれとして。わたくしには響かなかったのです。
何がアカンかったのか探りを入れてみました。

ちなみに原作本は読んではおりません。
んで原作のあらすじをザッと読んだところ、当然ながら 所々マイナーチェンジをしてあるのはわかりました。
元は猫がしゃべったりするそうですが、そういうのは省いたりとかチョイチョイしてあるようで。

そのうえで気になったところなんだけど。
そもそも あの悪魔のキャラがイラッとしちゃったんだな。健くんの芝居は上手いと思うが、受け入れ難かった。こりゃもう好みの問題。

あと「電話を消そう」と言った次の日にみんなが普通に電話しててビックリしたんだけど。
しばらくして気付いたのは、翌日に電話を消すということだったんだね。こりゃもうコチラの勘違い。

そして元カノ登場。煮え切らない会話。さらに別れた後もお母さんとは会ってたって…そんなことあるか?
だんだんストーリーから わたくしの心が離れていきます。

そして いよいよ悪魔が電話を消すわけですが。握りしめていたスマホが砂のように無くなっていきます。ほぼホラー描写。
やっぱ、一晩寝て 目覚めたら電話のない世界って風がよかったなぁ。これも好みの問題か。

そして突然インサートされるアルゼンチン旅行。エピソードとしては衝撃的なんだけど、突然すぎて。
そしてブエノスアイレスのイグアスの滝に至っては“観光ガイドVTR?”というか。
「生きてやる!」の叫びと共に、取って付けた感が拭えず。

終盤の回想シーン。グダグダの家族旅行はさておき、旅館に子猫入れて大丈夫なのかと。そりゃホテルも断るわなと。

確かに大切なものを失うことで、大切なものに気付くというテーマはわからんでもない。
でもそれ以上に日常として、文化として、電話が無い、映画が無いという状況がイメージできなさすぎて。
電話が無いのにどうやって救急車呼ぶの?とか。アイツとコイツが出会えていなかったとか言う前に、世界が成立してないよね。

そして大切なものに気付いた僕は、結局 今日、30歳で亡くなるんだよね。
そんなことをイチイチ考えてたら、感情移入できませんでしたわ。

ん〜こういうスタンスだったら実写よりもアニメの方が ハマるんじゃないかなと漠然と思ってみたり。
ホントに申し訳ない。感動した人、泣けた人、それぞれあってよいけども。
とにかく わたくしには響かなかったですわ。

ちなみに監督は「ジャッジ」作った人だと知ってビックリ。
あれはメチャ面白かったのになぁ。

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一瞬のロールキャベツ
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2016年06月13日

海よりもまだ深く

是枝裕和
阿部 寛、真木よう子、小林聡美、樹木希林
15年前に1度だけ文学賞を受賞したことのある良多。現在は「取材にため」として探偵事務所に勤めている。元嫁・響子はそんな良多に愛想を尽かして離婚。11歳の息子・真悟の養育費も満足に払えないでいた。
ある日、たまたま良多の母・淑子の家に集まった良多と響子と真悟は、台風のため翌朝まで帰れなくなる。

一部で「物語が凡庸でつまらない」と書かれたレビューを見て少々不安になりましたが。
この映画を“凡庸な〜”としか感じられない人こそ、凡庸な人生しか送ってきていなくって。感受性が乏しくなっちゃってんじゃないでしょうか。

いや、わたくしだって全くもってドラマチックな人生なんかではないけれど、この映画には共感するところが多かったし、なんなら耳が痛かったり、時に笑えたり。あるいは心にグサグサくるものがあったりで。
決して派手じゃないし、大きなうねりもないし。

でも多くの人の等身大に近いものを、伝わるように仕上げて見せる監督の手腕にやられました。
キャスティング、キャラクター作り、演技、そしてなんといっても脚本ですかね。

ホントに家族の間で交わされている様な会話であり、それでいて緻密な人間描写が散りばめられていて。
台風の日にちょっとワクワクしたり。そんな中を公園の遊具に行く姿に「男の子ってバカだね」と思ったり。

そんな、ちょっとした人の可笑しみとかに触れては、いちいちニヤニヤさせられたね。

そういえばセリフの中に「アレ」という言葉がよくでてきましたね。
阿部寛演じる良多がことあるごとに「アレして」みたいに言ってて。どうかすると他の登場人物も「アレ」とか言ってて。

あのクセのあるしゃべり方、良多だけでいいじゃん〜と思う反面。
家族の中にひとりでも あんなのがいると、口癖が移ることもあるもんね。それでなのかな。
そんな良多が会話の端々に「アレ」を多用しちゃうのは、それで会話が成立しちゃうような。そんなコミュニティの中にしか生きていない証拠なのかも。

真っ当な考え方のお姉ちゃんの存在感。これが小林聡美さんにピッタリで。
そして樹木希林さんも、これぞ現代のお母ちゃん的。

親子というつながりがあって。親はいつでも子どもが心配して。
子どもは なるべく親に心配かけないよう振る舞ってしまう。

母は父と死別して。でもそんなに愛してたとは思っていない。
あるいは良多と響子のように、いろいろあって夫婦は壊れてしまうこともある。

それに比べると親子って絶対なのかな。
いやいや、やっぱり夫婦も尊い関係でしょ。ただし、維持していくには それなりの努力であったり、何かを犠牲にするぐらいの覚悟はいるんだろうね。

気付けば一貫性の無いままにツラツラと書いちゃったけど。
とにかく 親子、夫婦、家族、夢、現実…

いろんなことに関して考えさせられる2時間だったですね。
かつての小津安二郎や山田洋次など、小さなコミュニティの中に日本人らしさを表現した監督もおられますが。

是枝監督はそれらのテーマを、きちんと現代の文化の中に落とし込んで描いてるのかな。そんなことを思いました。

個人的にですが。
真木よう子さんに にらまれたり、罵声を浴びせられるのがタマラナイという男性、意外と多いんじゃないかしら。
あれはハマリ役ですよ。

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ラジオのテレサ・テンにもグッとくるよね
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2016年06月12日

シチズンフォー スノーデンの暴露

ローラ・ポイトラス
エドワード・スノーデン、ローラ・ポイトラス、グレン・グリーンウォルド
ドキュメンタリー映画の監督ローラ・ポイトラスの元に“シチズンフォー”と名乗る人物から暗号化されたメールが届く。
それは国家安全保障局(NSA)が米国民の通信データを秘密裏に収集している、という衝撃的な告発だった。

第87回アカデミー賞、長編ドキュメンタリー賞受賞作。
国家による違法なプライバシー侵害行為。その事実を暴露したのが、かつてCIAとNSAに所属していた29歳のエドワード・スノーデン。

2013年6月。ローラ・ポイトラス監督は旧知のジャーナリストであるグレン・グリーンウォルドとともに、スノーデンの滞在する香港へ。
グリーンウォルドの動きは早く、取材したそばから記事をUP。
瞬く間に世界中を巻き込み、大反響を巻き起こした。

この話題は確かに見た覚えはあります。
そんなこんなで、実際どんなことがあったのか。それを確認するべく見に行ったわけですが。

わたくしには全くダメでしたね。
ほぼほぼ何も伝わってこなかったです。

もちろん国民のプライバシー侵害は大変なことかもなんですが。
具体的に どのような経緯で、誰が何を、どんな目的で〜的なのがなくって。

取材する側も 何を聞き出しているのかがわからず。
確かに告発者と対面してはおるのですが、インタビューという風でもなく。
なんだろう、あまり具体例を挙げても、それはそれで別のの問題が生まれる可能性もあるのかな。

眠気もかわしつつ、ある程度はついていけてたんだけども、残念ながら全く伝わってこずで。
あと しいて言うなら、BGMなんかは無くってよかったかな〜とは思ったけど。

なので以下余談でお茶を濁しますが。
このような最先端の情報戦であったりサイバー犯罪に関わるような輩って、ぽっちゃり丸顔で黒縁のメガネで。
ネルシャツを着こんで、微妙な色合いのリュックを背負ったオタク系お兄ちゃんのイメージなんですが。

ここに登場するスノーデン氏は 結構なイケメンですやん。
なんですのん。思ってるのとぜんっぜん違いますやん。
それにがっかりしたわ。

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絶妙な非常ベル
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2016年06月09日

ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ

トッド・ストラウス・シュルソン
タイッサ・ファーミガ、マリン・アッカーマン、ニーナ・ドブレフ
母を亡くしてから3年。マックスは女優だった母が出演していたホラー映画の上映会に誘われる。
しかし上映中に映画館で火災が発生。スクリーンを切り裂いて逃げようとしたマックスたちは、なんと映画の世界へ入り込んでしまう。そこで当時の母と再会を果たすマックスだったが、殺人鬼も現れて…

日本未公開作品ですが、一部でなかなか話題になっていましてDVDにて鑑賞。

こういったホラー映画はいろんなスタンスで作られております。
でも それとなくお決まりのパターンが「あるあるネタ」として語られることはありますね。
そういうのって 日本でもアメリカでも変わらないのかな。

また それを逆手に取って、ネタとして映画に取り取り込むのもよくありますが。
この映画は その組み込み方が、設定が上手いですよね。

ホラーテイストであり、それを逆手に取ったコメディであり。
んで異世界に入り込んでしまうファンタジーであり、見せ方としてはタイムリープものにも通じる部分も。

要は、映画ファンであれば このプロットを聞いたら自然とワクワクしちゃうよね。

それでいて展開は普通に面白いし、そこに絡むギャグ(アドリブ?)もいい感じで笑えます。
かと思えば、ママとか娘とかを織り込んだ会話に ジワっと胸がアツくなったり。

一部キャスティングの(B級を下回る)C級感が惜しい気もするけれど、そこはご愛嬌か。
そしてラストも“予想通りの” To be continued で、十分満足。

どうかするとドキドキ感ゼロで、ただビックリさせるだけのホラーとか、設定に凝り過ぎてしらけてしまうような作品も無きにしも非ずですが。
そんなの見るぐらいなら、余程 今作の方が楽しめますよ。
いや、これはこれで素晴らしい作品です。お見事!
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2016年06月08日

COP CAR/コップ・カー

ジョン・ワッツ
ケヴィン・ベーコン、ジェームズ・フリードソン=ジャクソン、ヘイズ・ウェルフォード
家出中の少年トラヴィスとハリソンは人気のない空き地で無人のパトカーを発見。2人は面白半分で乗り回し、やがて田舎道で中年女性の車とすれ違う。
自身のパトカーが盗まれたことに気付いた保安官のクレッツァー。なんとか探り当てた警察無線で、パトカーを返すよう2人に警告をするが…

おどろきました。
冒頭に画面に映し出された字幕が“チンコ”“おっぱい”“マ○コ”ですから。映画として前代未聞の導入部(苦笑)
とまぁ、それはさておき。

そもそも僕らは知っているんですよ。
ケヴィン・ベーコンが悪いヤツだということを。ヤバいヤツだということを(笑)
なので 端っからそんな目で この映画を見とるわけですが。

期待は裏切りません!!
そんな期待通りのサスペンス。
やんちゃな少年二人が、悪徳警官に追われていくストーリー。

(無線のみで)顔の見えない相手から追われるとか 脅されるとか。それだけでもドキドキポイントですが。
その対象が少年というのがね。その浅はかなところが またいいんですよ。

マリオカートの知識だけで車を走らせちゃったり、イマイチ停車方法が分からないのか クリープ減少で車が動いてるまま乗り込んだり。
あるいは銃・ライフルの扱い方がね。NHKの「凄ワザ」ばりに防弾チョッキの効果を試そうとしたり。
発射ができなくて銃口を覗き込んだり。
見てるこっちが意味もなくハラハラ。

最終的に一人の少年がケガを負ってしまうんだけど。アメリカの映画って、子供が傷つくシーンってタブー視される風潮もあるので、そういう意味でもちょっと新鮮。
また冒頭でリードしてた子と「F●CK」が言えなかった子とが、ラストではちょっと位置が変わってるようで。

ただのサスペンスというわけではなく、広い意味で成長の物語でもあるのかな。

ちょびっとだけ不満を言うならば、少年たちと悪徳警官の真っ向勝負を見てみたかったかな。
途中でトランクの男、すれ違いのおばちゃんが絡んできて、少々混迷しちゃうのでね。

もうちょっとストレートに「少年vsケヴィン・ベーコン」で恐怖を感じるパートも見たかったです。


ちなみに今作でケヴィン・ベーコンは製作総指揮も担当という力の入れようで。
見た目 老けてきてても、走り方がちょっとダサくても。

やっぱりワルいケヴィン・ベーコンを見ていたいなと。
そう思うわけであります。

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ベーコンがいい味出してるの
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2016年06月06日

マンガをはみだした男 赤塚不二夫

冨永昌敬
赤塚不二夫、赤塚りえ子
「天才バカボン」「おそ松くん」など数々の傑作を生み出した漫画家・赤塚不二夫の生誕80周年を記念して製作されたドキュメンタリー。
アニメを軸に、本人の肉声や彼を知る関係者の証言、プライベート映像などを通じ、作品以上に破天荒な人生を解き明かす。

マンガという文化が日本に根付いてずいぶん経つわけで。今現在、様々なマンガが描かれて出版されておりますが、そのルーツをたどっていくと、ほぼほぼトキワ荘に行きつくような気がしますね。

そんなトキワ荘出身(?)の漫画家の中でも赤塚不二夫さんは「天才バカボン」なんかを通じて、わたくしもそれなりに影響受けております。
影響という意味では、今現在でも「おそ松さん」経由で影響は広がっていると言えるのかも。
マンガじゃないけど、タモリさんもそうなのかな?

ドキュメンタリーというわけで、その足跡を辿っていく展開。
幼少時は満州で過ごしたものの、終戦を経て日本へ。手塚治虫のマンガを見て漫画家を目指したと。

トキワ荘時代から数多くのアシスタントと共に数本の連載をこなし、ギャグマンガの第一人者に。
しかしアシスタントらの独立や「天才バカボン」のマガジン・サンデー移籍事件などで混迷。

ちなみに この混迷期の証言VTRは、その証言者もこまめに変わったり、編集も雑な感じで。
こっちも見ながら混迷状況になっちゃったけど。

晩年はそのムチャクチャな遊び方をしたり、バカやったり、エロいことやったり。
作品はもとより、本人の振る舞いそのものが とんでもなかったみたい。

あと多くの方の証言に出てきた「レッツラゴン」という作品。
それこそ面白いとか面白くないとか、バカだとかそういうのを突き抜けた作品として、これまた多大な影響を与えたとされるとか。
なるほど、一瞬ピカソも例えに出てくるんだけど。それぐらい、読者のウケとか世間体を気にするでなく、己の作品を残せたというのは幸福なことですよね。

そんな赤塚不二夫の人生だったわけですが。


とてもとても・・・な言い方をしてしまうと、この映画は赤塚さんのヒストリーを追ってはおりますが。
製作者側が、赤塚不二夫に、バカになりきれていない気がします。

証言インタビューで「根は真面目な人だった」なんて言われたりしてますが。
ん〜“真面目”ってのは誰もが持ってる最低限の資質なわけであって。やっぱり基本はムチャクチャな人だと思うんですよ。

例えば 挨拶ができるとか、税金を納めてるとか、後輩の面倒見がいいとか。それは真面目なことではなく、普通だと思うんですよ。
だったら「根は真面目な人だった」なんて証言は一切入れず、とことんバカをやりたがる人だったと。誰かを笑わせるために、率先して笑われてたとか。

少なくとも赤塚不二夫のヒストリーに求めるのは そっちの面だけでいいじゃないですかと。
わたくしが知りたかったのは赤塚さんがどれだけバカだったのか(バカにはしてませんよ)ということであって。普通のことは極力カットでいけたんじゃないかな。

そういう描き方でよかったような気がします。

赤塚不二夫は偉大な作品を残しましたが。
この映画に関して言うなら「これでいいのだ」とはちょっと言いにくい仕上がりかなぁ。。。
posted by 味噌のカツオ at 00:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする