2016年10月03日

SCOOP!

大根 仁
福山雅治、二階堂ふみ、吉田 羊、滝藤賢一
伝説的スクープ写真を撮ってきたカメラマンの都城静。今では借金に追われつつ、芸能スキャンダル専門のパパラッチとなっていた。そんな彼が、写真週刊誌「SCOOP!」に配属された新人記者・行川野火とタッグを組むことに。
この仕事に疑問を持っていた野火だったが、次々とスクープを連発するうち その魅力に取り込まれていく。

大根仁監督が福山雅治と初タッグで描くは、芸能パパラッチが主人公という。そもそもスキャンダラスなテーマなので、エンタメとして面白くなりそうだけど、下手すると奇をてらっただけになる可能性も。
ところがところが。そんな心配は杞憂に終わります。
率直に、こんなに泣けるとは思わなんだ(笑)

その福山演じる都城静という男。借金を抱え、笑顔を忘れ、下ネタまみれで自堕落なカメラマン。しかも他人のスキャンダルが食いブチという。
が、意外にも このキャラクターが福山雅治にどハマリで。

近年は“陰”な役が多いですし、カメラが趣味であり 下ネタ好きであり。
それらの情報が見る側としてリンクしてる一方、芸能スクープの対象になったことが無いので、役に対しての“あてつけ”感がないのもまた良し。
そういうところが人間味として魅力があって、ビジュアルの良さが主役感を放っていて。

そんな芸能スクープのあり方について、一部ではゲスいイメージもあるけれど。それが話題として日常の中で存在しているのも事実。
突然 現場に付き合わされた野火が「サイテーな仕事」というのもわかります。

でも大きな獲物を捕らえたならば「この仕事サイコー!」と言ってしまう感覚。
その両方持ち合わせているのが この仕事なんでしょう。

さてさて、以下だんだんネタバレ無しでは書けなくなってしまいますが。
終盤、芸能スキャンダルだけではなく、昔のように社会・事件のスクープを撮ってほしいとなっていきまして。
静がカメラマンを目指すきっかけとなった ロバート・キャパの報道写真が引用されます。

そんな折に飛び込んできた リリー・フランキー演じるチャラ源さんの事件。
そして衝撃的な展開へと向かっていきます。

この辺りまでの雰囲気は、ずいぶんと昔に見たドラマ「探偵物語」や「プロハンター」などに感じたコメディ&シリアスを彷彿とさせ。
あの場面については「太陽にほえろ」シリーズの殉職シーンに覚えた哀愁と色気が垣間見えました。

その瞬間を野火が捉えた写真が また印象的で。見ようによっては、先のキャパの兵士の写真にも重なるものがあって。
あの写真が微妙だと その後の説得力が無くなってくるものなので。そういう意味で素晴らしかったと思います。

それに続く、その写真の扱いについての編集部での場面。そして涙ながらに語る馬場ちゃんこと滝藤賢一がたまらない。

もうホント、こんなに泣かされるとは思わなんだというのがこの辺りでして。
確かに ちょっとやり過ぎな描写もあったり、いくらなんでも現実には…と言いたくなる部分もあります。
でも そこは映画ですからと乗り越えさせてもらってね。

下世話であり、思わず笑えたり。静と野火のバディムービーであり。
気がつけば社会派なメッセージも突き付けられたりもして。
それらのテイストを上手く配しているので、映画としての満足度がとても高くなっています。

あとどうしても書いておかなくてはいけないのが、リリーさんの怪演っぷり。あれは怖い。
もちろん、当然、実生活であんな人と接したことは無いけれど、ああいう人はそうなんだろうなと思わせる絶妙な具合が、より恐ろしさを突き付けてきます。
もっと言うなら、よくもあんな“芝居”ができるなと(苦笑)

そして 吉田羊さん演じる定子も芯のある女性編集者然としていて。
映画には描かれていない静との過去もにおわせる雰囲気は上手いと思いました。

映画って役者が演じたものをカメラに収めて、編集して音楽つけていって作っていくわけだけども。
何を写して どう仕上げていくか。結局のところは監督のセンスだと思うんですよ。

であるとするならば、観客を一時も退屈させないような大根監督の作風はやっぱりスゴいよね。

余談ですがね。ホントに見応えのある作品だったので、「探偵はBARにいる」みたいに続編ができたりしないかな。
でも静があぁなっては無理か。。。

でも その前日譚として、静と定子の関係や、チャラ源さんと間に交わされた物語を掘り下げるのはありなのかな。
やっぱスケジュール的に無理か!?

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ましゃ=キューピー
posted by 味噌のカツオ at 21:40| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする