2016年10月05日

A2 完全版

森 達也
オウム真理教(現アーレフ)の信者たちにカメラを向け、オウム事件の本質に迫った「A」(1998年)。その続編として公開された「A2」(2001年)。
それから15年の時を経て、当時カットされた映像を加え“完全版”としての再上映。

2016年公開、森達也監督の新作「FAKE」公開に合わせての“完全版”上映。
追加されたのは、麻原の実の娘が登場する約5分ほどのシーン。当時は未成年であり、諸々の影響を考慮してカットされたとのこと。

わたくし「FAKE」は見ましたが、この「A」及び「A2」は見ておりませんで。
企画としてオウム真理教に関するドキュメンタリーというのは知ってましたが。。。

事前に「FAKE」を見てたので「あぁそういうことか」とすぐに理解できましたが。
ただ単に「憎きオウム真理教の全容とは?」というスタンスで見てたら、余計に「???」だったかもですね。

そうであろうとなかろうと、見る人によっては「オウム擁護の映画だ」としか思わんだろうけども。

映像に記録されているのはオウム信者の日常。ただし映し出されているのは、テレビで 報道で知るそれとは違う、等身大のその姿。
そして まるで魔女狩りかのごとく、プラカードを掲げる人々の姿。

オウム真理教は教祖の意向で、次々と危険な行動に走りました。
まさに狂信的であるからこそ、行いの善悪の判断がつかない…いや、教義の下であっては善なのだろうけど。

でも今(撮影は2000年か)そこにいるのは、ただ純粋に修行を行う若者たちであって。
それに対し「オウムは出ていけ」と唱える人々。

「じゃあ話し合いましょう」と向かい入れても「そんなことはどうでもいいんだ」とグダグダな人々。

かと思えば 知らず知らずのうちに打ち解け合う姿も。
「オウムは認めないが、あんたたちは好きだから」と。
その交流を目の当たりにしつつ、報道はしないメディア。

大学で同じサークルだった信者と新聞記者。
自分はなぜここで修行しているのか迷いを見せる信者。一部の事実を見ぬふりして報道を続けることに向き合う記者。

松本サリン事件の被害者でもある河野さんとオウムの対話の場面。報道記者を前にしながら、オウムが社会性を保っていくにはどうするべきか。河野さんがそれを信者に指南しているように見受けられました。

いろいろと印象に残る映像の数々。時に微笑ましく、時に考えさせられ。
そんなドキュメンタリー作品でありました。

これはオウムに関わらずで。
どこぞの国の政策がイカれていても、末端の人民には如何ともしがたいこともあるように。

だから教祖が犯罪を指示していたとしても、ただ修行をしている若者に罪はないとも思うんだ。思うんだが。
国籍は選べないが、宗教は選んで信じたものなんだよね。

なぜ そのような危険思想があった教団に傾倒するのか。
そこはやっぱり首をかしげてしまうのですが。
それはそれとして疑問ではあります。

と同時に、都合のいい事実だけを発表する警察。
意にそぐわない事実は報じないマスコミ。
理解も思考も止まった住民。

それはそれで危険なことだと。認識はしております。

最後に。このフィルムに残されたことだけがリアルであると受け止めるわたくしは…
森達也教に洗脳されてるのかもね(笑)
posted by 味噌のカツオ at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする