2016年11月30日

世界の果てまでヒャッハー!

ニコラ・ブナム、フィリップ・ラショー
フィリップ・ラショー、アリス・ダヴィッド、タレック・ブダリ、ジュリアン・アルッティ
プロポーズを計画し、悪友たちと恋人ソニアの父親が経営するブラジルの高級リゾート地を訪れたフランク。
ところがソニアの祖母らと共に出かけた秘境ツアーで行方不明に。唯一発見された1台のハンディカメラには、とんでもない実態が映っていた…

普通に「これは見ないかな」と思わせる安っぽい邦題ですが。
結構オモロいとの噂を聞いて見てきました。

ちなみに原題「All Gone South」というフランス映画。
直訳すると“みんな南国に消えちゃった”みたいなことだけど、go south は隠語でオーラルセックスという意味があるとか(苦笑)
まぁそれを思わせるシーンも当然ありますから。

ブラジルのリゾート地で主人公たちが行方不明に。その後 彼らが持っていたはずのカメラが見つかり、手がかりを探すべく カメラに残された動画を見てみれば…というプロット。

カメラの映像を見るという点では「ブレアウィッチ」的であり。
謎の一夜に何が起きたか…は「ハングオーバー」のようであり。
バカバカし過ぎるトンデモ展開は「ジャッカス」を彷彿させる。

その結果、確かに今まで見たことないようなコメディになってましたね。

この手の作風って これ見よがしに「おかしいでしょ、おもしろいでしょ」の押し売りみたいなパターンもあるんだけど。
バカなキャラたちの いかにもな行動はもちろん。そんなバカなという展開をサラリとスルーして。さらにはスカイダイビングという、ガチでヒョエー!な状況まで。

それだけでなく、ダメ押し的に彼女のオトンの映像まで入ってて。
とことんやってくれたって気になりますね。

ヨーダ、ジャバ・ザ・ハットみたいのもあれば 「127時間」が出てきたり。ビレッジピープルってのも いかにもって感じで。
そんな中で わたくしがお気に入りだったのは、シニアカーで爆走するばあちゃん。
スカイダイビングで モロ出しとなった体の一部がなびくシーン。
そうそうは拝めない、プチ衝撃映像でしたね。

いろんな意味で“振り切ってる”映画だと思います。
邦画でも頑張ろうとしてるコメディあるけども、さすがに ここまではできないだろうね。
それぐらい見応えある おバカ映画です。

余談ですが、リゾート地ならではの自然の美しさ、カメラの映像の美しさも 隠れた見どころですよ。

DSC_0037-8b00b.JPG
あぁ目玉焼き…
posted by 味噌のカツオ at 00:25| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月29日

アウターマン

河崎 実
塩谷 瞬、古原靖久、戸塚純貴、Gero、真夏 竜
50年にもわたって放映されている国民的特撮ヒーロー番組「アウターマン」。しかし、それは地球を乗っ取ろうとする悪の宇宙人アウターマンの壮大な陰謀だった。
そして テレビでアウターマンを演じてきた俳優たちが、劇中で敵として描かれているシルビー星人とともに、アウターマンと戦うことに…

「いかレスラー」「ヅラ刑事」「日本以外全部沈没」などの河崎実監督作品。
当初は昭和のウルトラマンと平成のウルトラマンが対決する企画を考えていたそうですが、それが通らず このような形式になったのだとか。

それはそれで 面白そう。
いや、実は あのヒーローは本当はワルものだったという。これはこれで良いと思いますよ。

キャストの演技がそこそこ。特撮がそこそこ。
そもそもが低予算の作品なので、その辺りは気になりませんでしたが。
なんか惜しいんだよね。

そもそもの企画や設定はいいんだけど。やっぱり脚本のブラッシュアップと言うか、詰めが甘いというか。
逆に (現状)82分を60分に。30分番組のテレビで言うなら全編・後篇でカタがつくぐらい、もっとわかりやすくシンプルにしてもよかったんじゃないかな。

オトナも楽しめる本格派にするか、特撮ファンや子どもが“ノレる”コンパクトなものにするか。

少年の存在が戦いのモチベーションにつながるというのは ありがちで良かったです。
でも元アウターマン俳優の一人が女にだらしないなんて設定は必要ないし、なんなら邪魔だと思ったし。有毒ガスが発生なんてのも そんなに意義を感じなかったし。

ちょっと中途半端なせいか、序盤 眠たくなっちゃったんだよね。

特撮ファンの中には、実際にゴジラやガメラが出現したら、国はどう動くか。自分はどうするか。
あれこれ想像するもので。

と同様に、実際にあのヒーローが目の前に現れたらどう思うのか。しかも実は悪の宇宙人だったと。
そういう発想が良いだけに、もっと脚本のいじり方あったと思うので。
やっぱ惜しいなぁ。

全然気にしてなかったけど、最後の最後に幕僚長の手に光る指輪が見えて「レオか」と気付きました。
あんなにアツかった、あつくるしいくらいの印象があったので、コミカルな演技は あまり見たくなかったかな(苦笑)
posted by 味噌のカツオ at 00:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月28日

オケ老人!

細川 徹
杏、坂口健太郎、黒島結菜、光石 研、笹野高史
梅が丘高校に赴任してきた千鶴は、アマチュアのオーケストラによる見事な演奏を耳にして入団を決意する。
ところがちょっとした勘違いで、似ても似つかぬ老人ばかりの楽団に参加することになり、気付けば指揮棒を振るはめに…。

音楽を、あるいはオーケストラをテーマにした映画というのはチョイチョイ製作されておりまして。
近いところであれば、今年公開の「クハナ」もそうでした。

まぁその手の映画というものは、言ってしまえば大きな枠組みというか、着地点は似たものになってしまいますわね。
基本的にはコメディテイストで、クライマックスはコンテストや演奏会。ただし直前で何やらアクシデントに見舞われつつ、それらを乗り越えてのスタンディングオベーション…的なね。

ご多分に漏れずこの「オケ老人」もそういった類であるわけで。
とはいえ、決してデキが悪かったわけでもなく。予想通りの満足度ではありました。

ここで中心になるのは老人たち、世界最高齢の(?)オーケストラ。
企画として ほのぼのテイストは約束されたようなもんですわ(笑)

見てて思ったのは、同世代のベテラン俳優の皆さんが揃って、撮影の合い間とかは さぞかし賑やかだったろうねと。
そして その中心で指揮を揮うのは“映画初主演”となる杏さん。

これまでNHKの朝ドラや いろんなドラマに主演、出演されてきたとは思いますが、わたくし自身は あまりテレビドラマは見ないもので。
彼女の芝居をあまり見てきてないんだけど、良かったですよ。ウソくさくなく、ぎこちなさもなく、コメディエンヌとして成立してましたよ。

物語としては、設定、人間関係、あれやこれやと ツッコミどころは多々あるけれど。イチイチ触れるのも野暮なことかな。

ただ強いて1点挙げるとするならば。演奏シーンで実際に演奏はしていないというトコロは気になったわね。
若い人が中心の音楽映画であれば、実際の出演者が楽器を練習して演奏したりするものですが。
今作でも杏さんはバイオリンの特訓して撮影に望んだみたいだけど、それ以外の皆さんにそこまで求めるのは酷なハナシで。
そりゃそうなんですが、リアリティという点ではやっぱりね。

まぁ劇場に来ていた作中のオーケストラと同世代のお客様たちの温かな笑い声に免じて、そこは目をつぶるべきか。
ってなわけで、安心して 肩肘張らずに楽しめるエンターテイメントでありました。

最後に わたくし事ではありますが。
この前日に見た「オー・マイ・ゼット!」に出演していた森下能幸と萩原利久がここでも共演してましたな。

DSC_0012.JPG
クラ寿司…ですか
posted by 味噌のカツオ at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月15日

ミュージアム

大友啓史
小栗 旬、尾野真千子、野村周平、妻夫木聡
雨の日に起きる連続猟奇殺人事件。沢村刑事は事件の関連性から、自分の妻子が狙われていることを知る。カエルのマスクをかぶった男の存在が浮かび上がり、犯人に近づいていく沢村だったが、逆に絶望的な状況に追い詰められて行く。

「ヤングマガジン」連載の漫画を実写映画化。わたくし原作は読んではいませんが、少々エグい描写アリ、必ずしもハッピーなエンドではない、という前提で鑑賞。
なので その辺りは普通にクリアなんだけど。

実際に映画として見て。当然アラというか 気になる点もチョイチョイあるにはあるけど、クオリティは高かったんじゃないですか。

ざっくり言うと…連続猟奇殺人事件が発生。捜査をするうち主人公の刑事の家族がターゲットに。サイコ野郎が家族を誘拐。刑事がただひとりで奮闘。
あるといえば よくある展開でしょうが、その見せ方とかが良かったですね。

愛犬家の女性が殺され、母親のすねかじりのキモオタが犠牲になり。ある事件の裁判官らが次々に…
ちなみにキモオタが最初だったら また違った印象だったかもだけど。
そこはさておき。

下手にそのものを見せないことで、より観客の想像力に訴えかけ、なおかつR指定も回避できたのかな。
同様に、かの刑事の婚約者と思しき女性についても すれ違うまでで、対面の場面は見せなかったり。
それから銃の調達の場面もサラリとして印象に残りました。

個人的に 田畑智子の「いる」「いない」のくだりも うまいことやられましたね。

さて、本来の事件であれば大変大きなウェートを占めそうな連続殺人ですが、映画の特性上 そこはテンポよく流しまして。
本丸は沢村刑事とカエル男の対決となるんですが。
ここもジワジワとイヤな感じで。

ハンバーガーのアレやら、冷蔵庫の中のアレやらは気ぃ悪かったね。
その後の直接対決からカエル男の咆哮も 響いてきましたし。
そして余韻を残す家族の一場面まで。

細かくは書きませんが、いい感じで 嫌な気分にさせてくれましたですよ。

あとは役者も総じて熱演でした。
主演の小栗旬は ポーカーフェースの藤原竜也と言うべきか。大げさではないけれど 熱量はしっかりと伝わってきます。
ルパンも悪くはなかったけど、2次元を3次元にするいびつさあるからね(苦笑)

そしてカエル男の妻夫木聡がまた素晴らしい。
山田洋次作品やら先の「怒り」やら。そういう面があるかと思えば、今作の狂気も違和感なく演じられる。
カエルどころかカメレオンの域までいってんじゃないの。

尾野真知子さんも終盤の必死さは、感じるものありました。
「きみはいい子」でもそうでしたが、確実に仕事のできる女優さんですね。

存在感で忘れちゃいけないのが松重豊さん。
トイレで部下を叱責するシーンやクライマックスなど、要所要所に登場するごとに映画全体が締まったと言っても過言ではないでしょう。

映画ファン的には「セブン」「羊たちの沈黙」「SAW」などを思い出したり 比較したりする意見もありますが。
これはこれで 不快感を楽しめる(?)一本の作品に仕上がってると思います。
わたくし的には十分に満足できましたよ。

DSC_0008.JPG
キモオタの発見者がリア充とは…
posted by 味噌のカツオ at 01:23| Comment(0) | TrackBack(0) | マ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月14日

オー・マイ・ゼット!

神本忠弘
角田晃広、ともさかりえ、森下能幸、町田マリー
日本全土を震撼させた“ゾンビパニック”から5年。すでに平穏を取り戻していたはずだったが、なぜか一体のゾンビが花田さんの家に迷い込む。
そこに居合わせた連中によって「あのゾンビどうする?」と議論が始まり、やがてゾンビ捕獲を試みるのだが…

映画界に“ゾンビ”なるキャラクターが登場して84年になるとか。
こと近年に於いてはゾンビの取り扱いも様々であるので、どんなゾンビが…いや、ゾンビ映画が登場しても さほど驚きはしませんがね。

まぁいろ〜んなアプローチがあるわけですが、となれば あとは面白いかどうかですわね。
結論的には及第点の面白さだったとは思いますよ。

監督・脚本の神本忠弘は、これまで映画の予告編を 数多く手掛けてきた方だそうで。これが初監督作品。
ただ今回の 作風としては映画というよりも舞台のそれであって。

特に前半は ひとつ屋根の下で繰り広げられる会話劇で。大きな動きに頼らず言葉をリレーしていく雰囲気。
なにか どっかの劇団の原作か 舞台経験者かと思ったんだけど、そうでは無かったんやね。

そして主演の東京03の角田さんも初主演作となります。
その割に と言っては失礼ですが、このゾンビ・パニック・コメディの要素と芸風がマッチしてましたね。
とても自然体で面白かったです。

その角田さん演じる花田さんが まともな人間性で、それ以外の人たちが ひと癖、ふた癖、というキャラなんだけど。
ともさかさんは 程良い加減の主婦感たっぷりでしたが、それ以外のキャストが もうちょっとね。
自然体で変わり者にならなきゃいけないので。その点、難しかったのかも。

そんな舞台風の会話劇から、後半はちゃんとゾンビと対峙する展開になっていきますので。
ゾンビモノとして期待した人でも、まぁまぁ楽しめるんじゃないかな。
少々…いや、かな〜り痛々しい描写込みでね(苦笑)

ゾンビの生き残り(?)がいた〜なんて、そもそもがありえない設定であって。
そこに関わる人たちの怪しさが見え隠れして。ではあるんだけど。

それぞれの背景も 変態、復讐、憧れとかが見る側として それほどピンとこなくって。
もうちょっとぶっ飛んでたり、意外性があったり、笑えたりが欲しかったり。もっと会話というか 掛け合いがうねりをもって高揚感が得られると良かった気がするかな。

あと序盤は必要以上に音楽に頼り過ぎで。中途半端なBGMがあったですね。

とは言うものの、家の中のゾンビを人間が取り囲むという逆転の発想。適度なバカバカしさ込みの90分。ゆるめの気持ちでコンパクトに楽しめる作品でありました。

DSC_0009.JPG
意外とヒザは曲がるんです
posted by 味噌のカツオ at 20:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月13日

ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション

クリストファー・マッカリー
トム・クルーズ、ジェレミー・レナー、レベッカ・ファーガソン
各国の元エリート諜報部員が結成した無国籍スパイ組織“シンジケート”の暗躍により、IMFはまたしても解体の窮地に追い込まれてしまう。
イーサンと彼のチームは、最強の敵を潰すべく、究極の諜報バトルを繰り広げる…。

トム・クルーズ演じるイーサン・ハントの活躍を描くスパイムービー『ミッション:インポッシブル』シリーズの第5弾。
2015年の夏に公開された作品ですが、遅ればせながらDVDで鑑賞しました。

トム・クルーズはどうしたってトム・クルーズであって。それでも その都度クオリティの高いものを見せてくれますし。
なにより この年齢(現在54歳)になっても体を張ったアクションにチャレンジしてますからね。

近頃ではジャッキー・チェンの跡を継ぐのはトムじゃないかとも言われるほど。
でも そのスタンスで活躍できる役者は日本にはいないよね。

何の役を演じてもその人にしか見えないってだけなら おるにはおるけど。。。

予告でもよく流れていた飛行機にしがみつくアクションシーンは冒頭すぐ。
とんでもない見せ場がいきなり登場するわけですが、それはほんの“つかみ”だったのね。

そういったアクションやスパイの駆け引きは当然ではあるんだけど。
ぶっちゃけ、作風としてのインパクトは、今となってはやや弱いのかな。

CIAでありIMFであり、スパイ組織があって。それが敵と戦うことになるんだわね。
ただ昨年に公開された「キングスマン」や「コードネーム U.N.C.L.E.」なんかは、スパイものと言っても またいくらか新しい見せ方をしてきてて。

それらの作品を見てしまうと、どうしても この「ミッション:インポッシブル」や「007」は旧態依然と感じてしまうか。また違った刺激がほしいなと。
そういう思いにかられてしまうんよね。

もちろん王道としての良さもあるんだけど。
シリーズのファンとして「見て良かった」なのか。単発で見て「特に良かった」と思えるのか。

決してこの「ローグ・ネイション」がつまらないわけではないんだけど。
その辺り、少々難しいところでもあるのかな。
posted by 味噌のカツオ at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | マ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月09日

ザ・ギフト

ジョエル・エドガートン
ジェイソン・ベイトマン、レベッカ・ホール、ジョエル・エドガートン
夫の故郷で新生活を始めたサイモンとロビン。偶然、買い物中にサイモンの同級生だったゴードから声をかけられる。
再会を喜び、二人に1本のワインをプレゼントするゴード。しかし次第にエスカレートしていく彼からのギフトに、二人は違和感を覚える。

率直に、胸クソ悪い結末の映画。でも映画としての見応えは十分。
ちゃんと日常の延長線上の中で、不穏な見せ方ができているので、とてもイヤな気分にさせてくれます。
もちろん映画としてですよ。

夫の故郷で新生活を始める夫婦。長めのいい住まい。そして新たな職場で歓迎を受け、まさに誰もがうらやむような夫婦のカタチ。
ただし、序盤で印象付けられるのが、なかなか子供ができないということ。

“赤ちゃんは天からの授かりもの”であるとするならば、それも“ギフト”のひとつと言えるのかな。

そんな夫婦が、偶然に夫の昔の同級生に出会います。
見てる観客側からすると、間違いなく怪しいその男なのですが。その期待に見合った行動で不穏な空気を深めていってくれます。

一方的な贈り物。「普通ならダンナ仕事に行ってるだろ」って時間帯での訪問。「ホントに?」というほどの邸宅へのお誘い。
真意がなかなか読めません。

その後も夫婦の周辺で危険な兆候が見え隠れ。
やがて、あれやこれやと“化けの皮”がはがれていき、この夫婦に決定的なことが起きてしまうと。
ねぇ。

よくもまぁこんな物語を思いつくな〜というトコですが。
監督・脚本はジョエル・エドガートン。ほうほう、この怪しげな同級生を演じた人の作品だったのね。

ある登場人物の印象を変えていくスイッチの入れ方とかが絶妙で。
いきなり“ドーン!”のビックリ箱的な見せ場も入れつつ、ジワジワと人間の秘めたいやらしさを突き付けていくという。それも満足度を高めてる要因でしょう。

言ってしまえば この着地点、どう転んでも真の幸福ではないような感じがしてね。
だからより胸クソ悪いと思えてしまうんだが。やっぱり映画としては面白いですわ。

映画ファンとして多くの人に見てもらいたい作品だけど。
こんな悪趣味なストーリーをおススメするなんて、ワシの人間性が疑われるかな(苦笑)

DSC_1370.JPG
隣人はホントいい人
posted by 味噌のカツオ at 00:58| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月08日

溺れるナイフ

山戸結希
小松菜奈、菅田将暉、重岡大毅、上白石萌音
東京で雑誌モデルをしていた夏芽は、父の故郷である浮雲町に引っ越すことになる。都会から離れた田舎での地味な生活に幻滅してしまうが、長谷川航一朗と出会ったことで人生が一変。急速に彼に惹かれていく。
だが、火祭りの夜にある悲劇が二人を襲う…

正直よくわかっていない映画でして。
原作はコミック。若い女性の監督作品。小松菜奈と菅田将暉主演のラブストーリーですか。

そもそもターゲットがわからない。
コミック原作で10代のラブストーリーはオトナ向けじゃないし。
中高生向けに作るなら もっとドSの先輩登場とか、壁ドン、あごクイが見せ場で。ラノベ系の長いタイトルのヤツがあるわけじゃないですか。
それを思うと、どうにもターゲットがわからない。

そんな作品を40代半ばのおっさんが見た結果・・・響かない。

「オレは神だ。海も山もオレの好きにしていいんじゃ」という金髪野郎。そんな男に心酔するのが東京でモデルをやってた女子。
なんだかそのやりとりがイチイチ クサいなと。

そんな二人の関係が壊れるきっかけの事件も いくらか中途半端。

その後に制服が冬服になったな〜と思ったら、いやいや 高校生になったんだということで。
あら、これまで中学生だったんだとビックリ!
演じてるのは20代なのに(苦笑)

どうやらその事件がきっかけで二人は別れたそうなんだけど。
そんな小さな町で、中学生がコミュニケーション取れないわけないだろと。

都会では夏芽のレイプされた疑惑がささやかれ。
そんな中で再度のオファーを受け、映画に出演。映画にはなんとレイプされる描写が。
結局のその映画で夏芽は女優賞を獲得。

いやいや〜そのウワサが流れる中でそんな役を演じるなんて。ほぼほぼ汚れな印象やし。
んで半開きの眼で授賞式って、ないわ〜。

作品として序盤にあった細かすぎるカットのチェンジとか。
水辺で石投げたりする遠巻きなワンカット。
そしてバッティングセンターでの やはり長回しとか。
いろんなことをやってるみたいだけど、悪く言うと一貫性がなく、ホントいろいろやりたいだけみたいにも見えるし。

あと演出なのか全編通してセリフが聞き取りにくい。
BGMで聞き取りにくいところもあれば、素でわからないトコロもあって。
確実にセリフが聞き取れなくても、場の状況で理解させる作風もあるけれど。にしてもこの作品ではマイナスだったかな。

一方で良かったのは役者陣。
個人的に小松菜奈と市川実日子の母娘は良いキャスティング。なんか雰囲気あるよねって感じで。
菅田将暉のやんちゃな振る舞いはいつも通りハマってました。

そして目を引いたのが大友くんを演じたジャニーズWESTの重岡大毅。
自然体で熱さと照れくささと好きな子の前でいいヤツでありたい感が完璧(笑)
映画見ながら「夏芽よ、大友くんでいいじゃんか」と何度思ったことか。

終盤の祭りの場面。
天狗(苦笑)の面をつけたヤツが登場。そして事件になっていくんだけど。
あの描写はうたた寝してしまったリアルと映画の中のシーンのMIXなのかな。
ラストのバイクのシーンまでね。

そんなこんなでいろいろ書きましたが、映像は全編キレイだったし、役者もいい芝居してたけど。
脚本というか演出というか、引き込まれるような作品じゃなかったなぁ。

DSC_1369.JPG
それ、フルコーラス歌いますか
posted by 味噌のカツオ at 00:15| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月05日

湯を沸かすほどの熱い愛

中野量太
宮沢りえ、杉咲 花、篠原ゆき子、オダギリジョー
銭湯を営む幸野家。しかし 父が1年前に出て行って以来、銭湯は休業状態。母の双葉は持ち前の明るさと強さで、娘の安澄を育てている。しかし双葉がパート先で倒れ、検査の結果末期ガンの告知を受ける。
それから双葉は“絶対にやっておくべきこと”を決め、実行していくのだが…

このタイトルのセンスに文字フォント。決してピンとこなかった。
あらすじ読んでも、銭湯を舞台にしたホームコメディかと思ってた。
わたくしと同年代の宮沢りえさんも“見たい”という引きは弱い女優さんなんですよ。

そんなこんなで全くノーマークの作品だったのですが。
いやいやいや〜やられちゃいました。

「序盤から ずっと泣きっぱなしだった」なんて感想も事前に目にしていましたが、確かにそんな感じ。
シリアスとユーモアと“泣き”がローテーションのごとくやってきて。退屈することが全然なかったですね。

それぐらいに引っ掛かる部分がとても多くて。

銭湯に貼られた休業のお知らせに始まり。
母と娘の愛ある口論。
ホイコーロー(?)だけでなく、なんでも美味しそうに食べる娘。
無理やり連れ帰ってきた父ともうひとりの娘。
パンツをドアノブに掛けての「鮎子ここにあり」という名言。
旅先で出会った若者に「あの人から生まれてきて…」で顔を伏せる鮎子。
ところが、安澄も。
ところが、ところが、双葉も。
突然のビンタの瞬間、劇場内が「えっ?」ってなってたね。

それからカニ、手話、エジプト旅行、母の面影 などなど。
様々なミスリードや伏線が散りばめられつつ、流れるようにそれらが回収されていきます。
ホント、見事な見せ方で。

わたくし的には ラストの手前。夫と探偵さんが缶コーヒー飲みながら交わす会話が、なんとも良かったですね。
具体的なこと何も言っていないんだけど。

そんな役者陣の演技もみな素晴らしかった。
宮沢りえのとても強く あたたかい母親像。前半がそんなだったから、終盤にかけて弱っていく様がとても辛く感じました。
そして どこかゆるくて飄々としたオダギリジョーのお父さん役も良かった。

松阪桃李演じた世間と向き合うのにやや臆病な若者も雰囲気出てたし。
駿河太郎の怪しさと可笑しみを感じさせる子連れ探偵もいい感じ。

それから娘たちもね。鮎子の涙ながらのしゃぶしゃぶにはもらい泣き。探偵さんの娘もかわいかったし。
あとは安澄役の杉咲花は裏MVP。実の母娘関係を告げられて受け入れられない場面であるとか、非常に難しいシチュエーションが多かったけど、いずれも見事だったですね。
今後にも期待です。

皆に慕われながら、よくよく見ると誰とも“血”のつながっていない双葉。
でも それよりも大切なものと知っているから、あそこまで尽くすことができるんだろうね。
幸野という苗字が表す通り、家族たちから観客から、幸せにしてくれる母ちゃんだったです。

とてもいいもん見た〜という感想はありつつ。
どうしても いじめ問題の着地の仕方は、やっぱ納得できないな。ホントに陰湿なものだとしたら、アレはアレでヤイヤイ言われる行動だと思うから。

そして、ラストのあの湯は。
美談?ファンタジー?それともホラー?
見方によるけれど。

嫌悪感は全然ないのだけれど。
あんなん見せられたら、正直とまどうよね(苦笑)

DSC_1362-6002d.JPG
もはや りえがママだもんね
posted by 味噌のカツオ at 01:32| Comment(0) | TrackBack(0) | ヤ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月04日

ベイブルース 〜25歳と364日〜

高山トモヒロ
波岡一喜、趙a和、安田美沙子、小川菜摘、石田えり
漫才師を目指す河本は、高校の同級生である高山と共にNSCの門を叩く。卒業後はコンビ名を“ベイブルース”とし、新人賞を次々と獲得。将来を嘱望されるコンビとなった。
しかし 1994年秋、河本はテレビのロケ中に体調不良を訴え、入院を余儀なくされる。

ベイブルース。河本栄得と高山知浩のコンビ。
高校卒業後にNSCへ。雨上がり決死隊、トゥナイトのなるみ、ナインティナインの矢部浩之の兄・矢部美幸らが同期の7期生。
卒業後は様々なコンテストで受賞するなど若手芸人として頭角を現していきます。

印象として、河本はネタに対して結構厳しかったとか。一方の高山はポーッとした雰囲気で。
当時 ネタも見たことあるし、名古屋でレギュラー出演してた番組もあって、それとなく馴染みはあったんよね。

あるとき、ふとその番組を見たときに河本の訃報を聞きまして。
追悼VTRが流れ、高山が悲しみを感じさせることなく「河本〜ネタ帳、どこにあるんや〜」と訴えかけてたのを覚えています。

それから20年が経って、2014年に公開されたこの映画。
気になってたんだけど、DVDではありますが やっと見られました。

ちなみに誕生日が1968年11月1日。そして1994年10月31日が命日と。
ちょうど今ぐらいの時期だったんだね。

映画としては、決して面白い感じでは。そのまま二人のヒストリー。
もうちょっとユーモア入れるか、泣かせに走ってもよかったんじゃない?と思わんでも。

でも本職の監督でもないし。高山さんやし(苦笑)
それに倒れてから亡くなるまで2週間ぐらいと。泣く余裕も無いままだったのかな。

少々失礼なこと言うならば。これはこれで ひとつのメモリアルであって。
芸人としてのベイブルースを偲ぶのであれば、実際のネタを見たい思いもあったりして。

そんなこと思ってたら、エンドロールの際に ネタの音声が流れましたね。
テンポも早くて勢いのある漫才やってたんだなと、あらためて思わされました。
これが20数年前なんだよね。

劇症肝炎による脳出血。25歳と364日。ベイブルースとしての活動期間は6年も無いぐらいなのか。
もし存命だったら…とか言うのは野暮なことだろうけど。
もっと見たかったよね。ベイブルースの漫才。

今となっては、こうして思いを馳せることが、せめてもの…かな。
posted by 味噌のカツオ at 00:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ハ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月03日

何者

三浦大輔
佐藤 健、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生
就職活動の情報交換のため ひとつの部屋に集まった、5人の22歳。企業に入れば特別な「何者」かになれるのか、そして自分は「何者」になりたいのか。
そんな疑問を抱えながら就活を進めるが、やがて内定を決めた人物が出てくると、抑えられていた嫉妬や本音が露になっていく。

映画化された「桐島、部活やめるってよ」の原作でもある朝井リョウの直木賞受賞作を、演劇ユニット「ポツドール」を主宰する三浦大輔が映画化。
これまでにも映画を撮ったりもしているそうですが、言いようによっては“異業種監督”でもあるのかな。その演劇的要素が作品中であり、見せ方の演出として活かされています。

就職活動と直面する5人の若者たち。もうちょっとワクを広げると、大学院生である主人公の先輩。そして主人公が意識し続けるかつての演劇仲間の存在。
それらも含めての群像劇なのかな。

これがバブル期だったらね。若者たちが就活で駆け引きしながら 恋の駆け引きもワチャワチャあって。
佐藤健と有村架純のキスシーンでエンドロール…な展開だったのかもだけど。
今どきの就活はそんなわけにはいきませんな。

基本的には買い手市場。それに翻弄されつつエントリーシートを書き綴り、わずか1分間の自己紹介で全てを量られ。
ひたすら“内定”というゴールに向かっていくと。

また表面上は和気あいあいとやりながら、裏アカという名のもう一つの顔での探り合いも。
ホント、しんどい時代だよね。

さて 現在45歳のわたくし自身は、今作のような就活のリアルは実感できないし、ツイッターもやっていないので その点の表現も100%共感できるわけでもありません。
逆に 現在の若者、あるいは同様な就活を経験してきた人たちにはある種の共感は得るでしょうけど。

ただし作品の評価としては、ぶっちゃけ微妙だよね。
例え共感を得たとしても あまりに現実過ぎて、映画で見ても感動するには至らないだろうし。もしくは あまりに現実過ぎて、ただひたすら痛みを覚えるだけという方も。

というわけで、わたくしにとっても、なんとも言い難い物語でありました…と。
その反面。。。

非常に多くの方が、この作品にやられちゃってますね。
この場合の“やられ”は胸に響いた〜ではなく、胸をえぐられたという側で。

その就活の厳しさ以上に、人間描写であったり、いやらしいまでに描かれる心の内。
こんなやつおるおる。そんなことズケズケ言うたんなや。いや、これは10年前のオレ自身や。

しかもそれらって、基本 他者と語り合ったりする部分でもないし。なかなか客観的に見る機会がない要素だったり。
そんな痛いトコを映画を使って、他の登場人物の言葉を使って指摘されることの気恥ずかしさ。
やっぱそれなんでしょうね。

感性という表現がいいのかわからんけども。この作品を見ても ただ「つまらんかった」という人。「見ててキツかった」という人。大きく分かれると思うんだけど、結局は感性の問題だと思うわ。

主人公の拓人は他者を観察・分析するのは上手いと言われつつ。大事な時にコミュニケーションの瞬発力は決して長けている方ではないよね。
その分析も言っていいこととアカンことの線引きがあって。アカンことは裏アカに記して悦に入るという。
わかるわぁ〜(苦笑)

ただコイツの弱点って、きっと冷静に他者を見ながら、自分自身の行動をコレっぽっちも客観視できないトコなんだろうな。
だからソコを突かれてグサグサなっちゃって。
わかるわぁ〜(苦笑)

そうやって一人ひとり語っていくと尽きなくなっちゃうけど。どいつもこいつもイタいわ〜と言いたくなるような。
エンターテイメントとしての映画とはまた違った意味で、何かを残す作品でしたわ。

良作が連発されている今年の邦画界にあって。
必ずしも高評価とはならないまでも、映画ファンなら見ておくべき一本でしょう。

なんか、こわいね。

DSC_1360.JPG
烏丸、大学やめるってよ
posted by 味噌のカツオ at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ナ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月02日

われらが背きし者

スザンナ・ホワイト
ユアン・マクレガー、ステラン・スカルスガルド、ダミアン・ルイス
モロッコで休暇中だったペリーと妻のゲイルは、偶然知り合ったロシアンマフィアのディマから、組織のマネーロンダリング情報が入ったUSBをMI6に渡して欲しいと頼まれる。
ディマと家族の命が狙われていると知り、仕方なく引き受ける二人だったが、世界を股に掛けた危険な亡命劇に巻き込まれてゆく。

元MI6(イギリス秘密情報部)の作家、ジョン・ル・カレ原作のスパイサスペンス。
これまでにも同氏の原作がいくつか映画化され、この作品も評判良さ気だったので見に行ってきました。

が、わたくしには合わなかったですなぁ。

主人公は大学教授で その妻は敏腕弁護士。
そして なにかと大声で話しかけ、豪快に笑うロシアンマフィアの男。

怪しげな雰囲気のまま、機密のUSBが登場して…というストーリーなわけですが。

そもそも冒頭の雪道でキレイなお姉ちゃんが撃たれる映像とか。
本編での登場人物らの相関関係が飲み込みきれず。また会話での駆け引きが、字幕を読むだけで理解しきれず。
誰が敵で誰が仲間で追いつこうとするうち、やがては眠気に襲われる悪循環。

ただし中盤あたりからスリリングな展開もわかってきまして。なんとなく盛り上がってきたところで クライマックスとなってしまいまして。
ほぼほぼ楽しめないで終わってしまいました。

さしあたって言えることは、ユアン・マクレガーはメチャメチャええヤツやったなと。
そんな程度で申し訳ない。

DSC_1363.JPG
「われらが背きし者」ってどういう意味?
posted by 味噌のカツオ at 00:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ワ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする