2017年01月11日

人生フルーツ

伏原健之
津端修一、津端英子、ナレーション・樹木希林
愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンの一隅にある、雑木林に囲まれた一軒の平屋。そこで自給自足に近い生活を営む建築家の津端修一氏と妻の英子さんの日常を追ったドキュメンタリー。

近年 良質のドキュメンタリー作品を劇場公開させている東海テレビの製作。
じつは わたくし、名古屋在住でありながら、この地元 東海テレビの一連の作品を見てきておりませんで。
結構 映画ファンの間では注目されてるのにね。

登場するのは90歳の修一さんと 87歳の英子さん。
自宅の庭で様々な野菜や果実を育て、それらを収穫し 調理し、自給自足に近い生活を営んでおられるという。

もうひとつ目を奪われるのが その住まい。
修一さんはそもそも建築家であり、師であるアントニン・レーモンドの自邸に倣って建築したのだとか。
わたくしも建築の分野はかじったこともありますので。このようなデザインの家には目を奪われてしまいます。

さて、こうまでして映像に残されるお二人ですから。
その日常の暮らしぶりの中にも、驚きやら 気付きやらがいっぱいで。

何よりも、その元気っぷりったら。お二人とも 姿勢正しくスタスタと歩かれて。修一さんは ちょっとしたお出かけには自転車を利用。
その年齢で自転車を普通に乗りこなすんや!!

健康の秘訣は何なんでしょう。畑仕事で足腰鍛えられてるのか、外のものではなく 自分たちでこしらえたもの、決まったお店で購入したものを自炊して食べてるから?
これっぽっちも添加物とか摂取していないでしょうしね。何よりよく食べることは基本かも。

それから笑顔を絶やさないこと。ふとした心配り。チョットしたことであっても、夫婦間であっても感謝を伝え合うこと。
自分たちでできることは自分たちでやること。料理、食事だけではなく、お孫さんのために“おうち”も作っちゃったってのは驚いた。

あとは真っ直ぐな信念を持ち続けることですか。
わたくしのようなモノには到底及ばない点が、いろいろあるんだろうなぁ。

個人的には台北に渡って、かつてお世話になった友人からいただいた“印鑑”をお返しする場面にグッときてしまいました。

映画の序盤に果物も登場しますが。正直言って「人生フルーツ」というタイトルは、この映画の全体の流れを表しているように思えないんだけど。
強いて言うならば。繰り返し伝えられるナレーション。

「風が吹けば枯れ葉が落ちる。枯れ葉が落ちれば土が肥える。土が肥えれば果実が実る」

やがて果実の実った木の葉が次の肥料となり。ずっと、それが続いていくのでしょう。
もちろん人もそうなのでしょうが。

修一さんは 人生をかけて自分が得てきた信条を、ある場所に委ねて残していきます。
また今後 長い年月をかけて、その思いが実を結ぶ時が来るのでしょうね。

以下余談ですが。
内容はいくらか異なるけども、なんとなく趣として「あなた、その川を渡らないで」が浮かびました。
posted by 味噌のカツオ at 23:01| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする