桜井 翔、福田沙紀、深田恭子、生瀬勝久
毎週のように悪のドロンボー一味と闘うヤッターマン。彼らの元に、伝説の秘宝を追い求める最中に行方不明となった父の行方を捜してほしいと 一人の娘が現れる。
わたくし自身、小学生当時には思いっきり「ヤッターマン」を見て育ったアラフォー世代。
期待値も高く、見る目も厳しくの鑑賞でしたが、率直に言って、よくぞここまでという程に作り込んでくれていましたね。
もちろん現在放送中の「ヤッターマン」を見ている子供たちも一緒に楽しみを共有できるような作品だったんじゃないでしょうか。
確かに子供にはわかりにくい表現も登場しますが、このような作品に触れることこそが(下世話な意味で)大人に近づいていくステップだと思っているので。
自分自身がそうだったんで。
アニメ、コミックの実写映画化は 原作の完成度が高ければ、比例してそのハードルも高くなるもの。
そうした場合の成功の秘訣は、登場するキャラクターに合ったキャスティングをそろえて、原作の持つ世界観をどれだけ再現できるかと。
その点で言うと「ゲゲゲの鬼太郎」や「20世紀少年」はよく出来ていると思うし、「ドラゴンボール」や「忍者ハットリくん」なんかは厳しいかな。
この「ヤッターマン」のキャスティングの注目はなんといっても例の悪役トリオ。
ボヤッキーが生瀬勝久、トンズラーがケンドーコバヤシとわかったときには「そうきたか」と良い意味で唸らされました。
ただドロンジョに関しては、もっと長身でスレンダーなイメージも持っていたので、深田恭子というのはやや違和感。個人的には小雪さんみたいな印象だったのでね。
しかし、結果的にフカキョン・ドロンジョは正解でした。
彼女の持つSEXYさと、「富豪刑事」などで見られた可笑しさが絶妙なバランスで生かされてましたね。
きっと単にスタイルが良いだけの女優さんだったら、ここまでの愛くるしさとヒューマニズムは出せなかったことでしょう。
さらにはどこかで聞いた声の人のカメオ出演にニヤリとさせられ、エンドロールを見ていたら「こんな人 どこに出ていた?」という発見も。
それとは別に、わたくし的に最も感動したのは、山本正之氏が「ヤッターマンのうた」を歌われていたこと。
テレビ版の主題歌でひと騒動あったりもしたけど、「やっぱりこの声でしょ」と再認識。
一つ難を言えば、ドクロベーは声だけでよかったかな。チョコチョコと貧相な姿を現すより、「おしおきだべぇ〜」という声だけの方が存在感を残せたんじゃないかな。
とにかく書きたいこと、印象に残るシーンが山盛り。
女子高生に埋もれるボヤッキーの妄想。トンズラーの夢に出てきたミスターイエス(!?)
サソリの毒を吸い出すヤッターマン1号。よしもと新喜劇バリに イイ話の中に織り込まれるギャグ。弱点はのどちんこ。etc・・・
ホント書ききれませんわ。
全体を通じてアクションあり、ドクロストンの謎もあり。さらには小さなギャグから(今どき言わない)お色気ネタまで。
平成の時代になって、テレビや映画からはばかれていたエログロナンセンス(この映画の場合エロゲロナンセンスだったか)なニオイも感じさせつつ、ありとあらゆる点で遊び心にあふれていて見どころ満載。
オススメな一本でした!

ヤッターマン珈琲ライター
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