ペ・ドゥナ、ARATA、板尾創路
とある中年男の部屋にあった空気人形が、持ってはいけないはずの心を持ってしまう。
思いのままに街へ出て 様々な人間と出会う彼女だったが、レンタルビデオショップの店員・純一に惹かれ恋に落ちてしまう。
DDTというプロレス団体にヨシヒコという選手がおります。
この映画の導入部を見て、そのヨシヒコ選手のことを思い出してしまいました。
ヨシヒコ選手がどんなレスラーなのか、ここではあえて書きません。。。(笑)
この作品のチラシ(遠くを見つめるペ・ドゥナのワンショット写真)を見ても、サラリとあらすじを読んでも イマイチ乗れないトコもありました。
が 監督が是枝裕和と知って、(失礼ながら)妙な期待感を持って見ることに。
いやぁ〜率直に、見て良かったですよ。
ある種 生々しいSEX描写や、のぞみと純一のベッドのシーン。
そして燃えるゴミ、燃えないゴミの場面など ちょっとキツイといえばキツイんだけど(R15作品)、その分のヒリヒリした心が詰まっていますね。
キツイという点では最初の場面もキツかったね。板尾さんの演じたあの場面、(ホントにしてる人からしたら)絶対見られたくないだろうに。かなり痛い。ある意味衝撃。
がそれに続く"のぞみ"が心を持ってしまう瞬間のなんとも美しいこと。いや それに関わらず、ペ・ドゥナは全編通して素晴らしかったですよ。
元々韓国人なので、そんなに日本語がペラペラではなくて。でもそのカタコトしゃべりが、初めて心を持って、初めて言葉を発した空気人形と見事にマッチしていましたね。
一つひとつのセリフが、語りが より胸に響いてきましたね。
よくベストパートナーを例えて「一緒にいても空気のような存在で…」なんて言いますが、この作品に登場するのは、中身が空気のような人たちばかり。
みんな決して何もないわけじゃなくて、必死に生きてるのは確かなんだけど、どこか空虚で。まさに虚しさが見え隠れします。
そんな空虚感や 切なさの感情が多く描かれている半面、染みる場面も多かった。
事故で皮が破れてしまい空気の抜けていったのぞみを純一が蘇生させるシーン。
たとえ空気でもそれが彼女にとっては全てなわけで。またそれが彼の息によって満たされた恍惚。彼女の赤らんだ頬。
たまらなくエロティックで愛に満ちていましたね。
ラストにタンポポの種がふわふわと風に乗って、みんなの元へ舞って行きます。
のぞみの温かい心の種が、みんなに届けば良いんだけど、サラリと掃われたりして。それすら叶わない虚しさも感じられました。
設定は非常にファンタジックで、ペ・ドゥナの演技も相まって不思議な雰囲気ではあるけど、切なさも愛情も気持ちがしっかり込められている素晴らしい作品でした。
それを理解できる人にだけオススメですね。
あと何気に特筆しておきたいのは、脇を固める役者陣の多彩さ。是枝監督ルート?
とにかくその辺りも注目ポイントだと思います。
思い出した!「ブラックレイン」だ!
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