2011年05月10日

八日目の蝉

成島 出
井上真央、永作博美、小池栄子、森口瑤子

21年前、野々宮希和子は不倫相手の男とその妻の間に生まれた生後6ヶ月の恵理菜を誘拐。偽りの母娘として各地を転々とするが、4年後に小豆島にて逮捕されてしまう。
大学生となり、両親とは離れて一人暮らしを始めた恵理菜。そんな彼女の元へ「あの誘拐事件を本にしたい」と、ルポライターの千草が訪ねてくる。

いきなりですが、出演者の通信簿。
井上真央も永作博美もすごく良かったです。そして何より この手の作品は子役のクオリティが作品の完成度に直結するんですが、やぁ子役の渡邉このみちゃんも素晴らしかった!!
森口瑤子さんの揺れ具合も見事でしたし、余貴美子さんの怪演っぷりも印象に残りました。

小池栄子さんは結構どんな作品見ても「上手やなぁ」と思うんですが、もっと違うところで見てみたい。
昔見た「日本沈没」の柴崎コウとか、「岳」の長澤まさみとか、そういう「体力必要だろ」って役をやって欲しいな。
ここでは幼少時に奇妙な環境で育ち、社会に適合できていないオドオドした女性だったんで。そういう役こそ、もっと華奢な女性に演じてほしいなぁ。
でも小池栄子さんは上手だと思う。

あと劇団ひとりもここではないなと。
何とも言い表せられない違和感があったし、真央ちゃんとのキスシーンなんて「お前がイイ思いしとるだけやんけー!」と無駄に腹が立った(爆)
真央ちゃんがもぅ一肌脱いでくれてるならいざしらず・・・


イントロダクションでは被害にあった母親の告白に始まり、容疑者の告白にリレーされます。
って中島哲也監督の「告白」みたいだね(苦笑)

それはさておき、本編は現在の恵理菜の姿と、誘拐・逃亡生活を送っていた当時の希和子と薫の足跡を織り交ぜながらの展開。
しかし数奇な運命にもてあそばれてきた恵理菜は人を愛するどころか、ささやかな感情ですら表に出さない主人公で。

もちろん辛い思いをしてきたから、過去と向き合わないことを選んで生きてきたのはわかるけど。
ここで見る限りは、実の母に父に。そして希和子に対して どんな心情を隠していたのかもイマイチつかめなかった。

ぶっちゃけ見ている観客側には、彼女の思いがどこにあるのか、最後の最後まで分かりにくかったんじゃないかしら。
それを演出としてしまうのもひとつでしょうが、(原作を読んでいない)コチラとしては 主人公が無感情ではちょっとキビしい。

そしてラストのシーン。
幼い頃に見た懐かしい街並みと空気に触れ、初めて恵理菜が己の感情に向き合うこととなります。しかしそこで吐露される感情が・・・やはりどこかモヤっとしてて。
ようは希和子への感謝を飛び越えて、これから生まれる子供に対しての愛に向かっていったみたいで。。。

希和子が薫を愛していたこともよーくわかります。
でも所詮は誘拐という罪を犯して結ばれた絆。さらにその要因が不倫であるとするなら、100%救いが無いようにも、美談で済ませてはいけないようにも思える。
なのに希和子と薫の関係が尊いものとして表現されていることに、小さな引っ掛かりを感じてしまう。

血の繋がっていない親子と言っても、例えば貧乏で育てられないがゆえに里子に出したとか、同じ日に生まれた子供が病院で取り違えられてたとか、そういうエピソードであれば同情もできそうなのだが。。。


チョイチョイ恵理菜がイヤホンで何かを聞いている姿が見て取れましたが、こんな複雑な生い立ちを持った女の子が、どんな音楽を聴いているのかが気になりました。
というのも、たとえ近くに仲間がいなかったとしても、せめて音楽や映画や演劇なんかに 生きる希望を見つけていてくれてたら。そういう救いって現実にありますから。

ちなみに中島美嘉が歌ってるエンディング曲は良かったです。元々この映画用に作家さんが作った曲みたいだけどね。

YOU-KAME.jpg
「みつばちハッチ」は見せちゃダメよ。
posted by 味噌のカツオ at 01:12| Comment(0) | TrackBack(0) | ヤ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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