2012年07月24日

おおかみこどもの雨と雪

細田 守
宮崎あおい、大沢たかお、黒木華、西井幸人
大学生花は、おおかみおとこと運命的な恋に落ち、やがて雪と雨という姉弟を授かる。都会の片隅で正体を隠しながら暮らす4人であったが、突然 父が命を落としてしまう。
2人の幼いおおかみこどもを抱えた花は、自然の残る田舎に移住することを決意する。

「時をかける少女」「サマーウォーズ」の細田守監督の最新作。となれば 自ずとそれらと比較したくなっちゃうんですが・・・
先の2作品は日常の中から徐々に非日常の方へと向かっていた感じだったけど、こちらは‘起’が非日常で そこから日常へ向かっていってるような。そんな印象を持ちましたですね。

何気ない形で花とおおかみおとこが出会い、じんわりと恋になっていく。
決して‘家族’に恵まれていなかったおとこ。そして花について、その辺りのバックボーンは語られていなかったけど、映像から察するに・・・
そんな二人だからこそ、より‘家族’を求めてたのかな。「わたしが‘おかえり’って言ってあげる」なんてセリフは個人的にキュンとくるツボでした(笑)

そして自らの境遇をカミングアウト。しかしそれを受け止め、受け入れる花。
でも、あれ以上描写が進んでたら かなりマニアックな映像に・・・(苦笑)

そして二人のこどもが産まれたものの、父親は亡くなってしまいます。
このおおかみこどもをどのように育てればよいのか?おそらく人目の少ない場所のほうが のびのびさせてあげられる・・・というのは確かで。半分野生だし。
そんなわけで残された家族3人、田舎へと居を移します。。。

子どもなんて何をやりだすかわからない。どんな動きをするか読めない。その点では人間もおおかみこどもも差異はないんじゃなかろうか。
また広い視野で考えれば、時々おおかみになってしまうというのも(極端ではあるが)個性と言える気もするわけで。
もっと広く捉えれば、異国とのハーフの子どもも似たような苦悩を抱えてるかもしれないわけだし。

やがて成長していく中で、先を見据えて どんな人生を歩むのか。本人が考えなくっちゃならない。
その点は、最近では香川照之さんとも少々ダブって見えまして。俳優として実績を積んできたけど、元々流れている血に従い、今後は歌舞伎の世界へ向かっていくという。

少々話がズレたかな。
ここでは おおかみおとこの子どもという設定にはなっていますが、根本としては結構 身近なテーマなんですよね。
無駄に大局に構えたり説教臭くなっていない辺り、ジブリの作品よりとっつき易いと思いますよ。

この独身・子どもナシのわたくしが見ても胸が熱くなるシーンもありましたから。
今現在、やりたい放題のヤンチャな子どもを育ててる方、近い将来 このように独立していくのかな〜なんて年頃のお子さんをお持ちの方であれば、たまらない映画でしょうね、これは。
どうですか?どこのおおかみの骨ともしれない先生に付いて行くとか言われちゃった日にゃ。そら心配しますわ(笑)

展開としてはとてもシンプルなので、インパクトだとか どんでん返し的なダイナミズムには乏しいと言わざるを得ないか。
ただし、その分 映像の美しさは絶品だし、花役の宮崎あおいの声・キャラクターが素晴らし過ぎます。
やっぱりこの人は大した女優さんですよ。

さて、子どもと言うのは親は選ぶことはできません。
でもその前段階。夫婦・恋人となるパートナーは互いの意思があってこそ。たとえ相手が変わった境遇の生まれ育ちであろうと、その意思を持って努力をすれば幸せはつかめるんだと。
ぜひ、宮崎あおいさんも花ちゃんみたいな幸せをつかんで欲しいものです。次こそは。

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おおかみこどものアメとムチ
posted by 味噌のカツオ at 21:50| Comment(1) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
シンプルな展開に託した重厚なメッセージ。

親の気持ち、子の気持ちが、シンプルな物語
とともに、しっかり伝わってくる作品でした。
伝えたいことをどう表現するか、相当突き詰められたと思います。
ひさびさに泣きましたし、教えられる事、とてもたくさんありました。

こちらにたどり着く前に、細田さん自身の解説をする記事を見つけたので、
読んでみました。
http://www.birthday-energy.co.jp/
新鮮な感動を得るために知恵を使う、
真面目で王道を進む、
没頭すればとてつもない仕事をする、とか。

今作のような作品で大御所になって行けそうなので、
これからも、楽しみにしていきたいですね。
Posted by 浩一 at 2012年07月29日 01:33
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