2012年09月09日

夢売るふたり

西川美和
松たか子、阿部サダヲ、田中麗奈、鈴木砂羽、笑福亭鶴瓶
東京の片隅で小料理屋を営む貫也と里子。しかし調理場からの失火で店を全焼させてしまう。もう一度やり直そうと前向きな里子に対し、貫也は酒に溺れる日々。
ある日 貫也は店の常連客だった玲子と再会し、酔った勢いで一夜を共にしてしまうが、翌朝すぐに浮気が発覚。しかし里子はその出来事をキッカケに、夫を心淋しい女たちの心の隙間に忍び込ませて金を騙し取る結婚詐欺を思いつく。

「ディア・ドクター」以来3年ぶりとなる西川美和監督の新作。微妙な心の機微と滑稽さを織り交ぜたスタイルでファンも多い西川監督。
さらに松たか子と阿部サダヲが主演となれば、これは期待せずにはいられません。

結構‘○○組’と称される監督さんはいつも同じ役者さんをメインキャストに起用するんですが、「ディア・ドクター」では笑福亭鶴瓶&瑛太。「ゆれる」ではオダジョー&香川照之と西川監督はそこんところ変えてきますね。
それについては新鮮さとちょっとした意外性があって、毎回 楽しみな要素でありますね。

今作における松たか子&阿部サダヲは誰もが知ってる芸達者なふたり。
観客の期待値、あるいはそれ以上の芝居で応えてくれてます。個人的には田中麗奈さんのファンでもあるので、彼女の起用も嬉しかったし、結婚に焦りのある‘お年頃’チョイ上的な役もある意味ハマってましたね。
あぁ役者といえば、後半に登場した鶴瓶さんも存在感ありましたわ。若干「スジナシ」っぽいニオイもあったりなかったりだけど(苦笑)

とにかくその状況設定はとても興味をそそられるもので。
全てを失った夫婦が再生のために結婚詐欺に走っていくと。ただその影には夫の浮気に対する妻の嫉妬・・・念が絡んできてるという。
果たしてどこまでが未来でどこまでが復讐なのか。

わたくし自身、セレブな独身熟女さんや風俗嬢を騙すくだりは、まぁ世にありえるエピソードとして捉えられたのですが、スポーツアスリートをターゲットにした点ではちょっとした嫌悪感が湧いちゃいまして。
そもそもドッシリ体型でもてそうもないし、ああいう世界の人って俗世に疎かったりするし。しかもスポンサーさんからの援助でささやかな生活してるのがアスリートさんたち・・・というイメージがあるのでね。
そんなピュアな人から搾り取らんとする描写がどうも。。。

一方の貫也(阿部サダヲ)も彼女の記録に純粋に拍手を送っているようにも見えるし、行動としては‘カモ’としか見てなさそうだし。
んー受け止め方がとても難しかった。

そして里子(松たか子)も実際は何を考えていたのか。彼女の無表情さが度々インサートされるんだけど、その心の内がどうも読みきれない。
わかる人にはわかるのかもしれないし、わたくしのような独身男性ではなく既婚女性の方が共感できることだったのかもしれない。
しかし結果的には煮え切らないまま物語が進んでいってしまった・・・と そんな印象。

アスリートさんの辺りでググッと嫌悪感高まりつつも、その後のシングルマザー(木村多江)さんとは中途半端(女ではなく一家を騙していた)で終わってしまったのもその要因かなぁ。

前述の通り、監督の巧みな心の機微の表現に期待していた者としては、やはり少々物足りなく。
でも演者としての松たか子と阿部サダヲは十分に見応えありました。追い炊きするお風呂から出られない貫也〜のパートはすごく面白かったです。
ただし 松さんの必要以上に性とかの生々しさを感じさせる描写は意見分かれるようですね。

最後に。「夢売るふたり」というタイトルも、イマイチ ピンとこないかな。。。ume-uru.JPG
自転車ふたり乗りはいけません
posted by 味噌のカツオ at 13:43| Comment(0) | TrackBack(0) | ヤ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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