2015年01月07日

6才のボクが、大人になるまで。

リチャード・リンクレイター
エラー・コルトレーン、パトリシア・アークエット、イーサン・ホーク
6歳のメイソンは母、姉と共に米テキサス州に転居し、そこで多感な思春期を過ごす。
やがて父との再会、母の再婚、そして初恋などを経験し、少しづつ大人になっていくメイソン。やがて自分の将来の夢に向かい巣立っていくことに…、

まれに“構想10年”とか銘打った作品もございます。様々な段階を経て製作されて公開に至る。
それはそれで重みはありますが、こちらは撮影に12年ですから。よくもまぁこんな企画に挑戦したものだと驚くことしきり。

主人公は(スタート時には)6歳の少年。母、姉と共に暮らし、別れた父親とはたまに同じ時を過ごす。
そんな6歳の少年が、18歳・大学に進学するまでの物語。それを毎年夏休みシーズンに同じキャストで集まり、監督共々ストーリーラインを話し合って12年間かけて撮影していったというわけです。

設定ではなく、実際に12年の時間が過ぎておるのですが、上映時間は2時間45分。そう思うとずいぶんコンパクトにまとめたもんだと思いますが(苦笑)

正直、ストーリーとしては山場たるところは無いのかな。
ただのドラマであれば…大事故に巻き込まれたとか、バンドとかスポーツで名を上げたとか、ドラマチック過ぎる恋愛とか、そういう軸があるもんだけど これにはそれが無い。
観客としては、ただ静かに このファミリーを見守るというスタンス。

どうかすると、実際のイチ家庭を12年間かけて追うドキュメンタリーの方が製作とか、演出とか(?)しやすいんじゃないかと。
でもそうではなく、フィクションとして作り上げていったいう。こんな映画はなかなか体感できませんよ。

作品中、彼らが今何歳だとかは明示されません。でも少しずつ変化していく顔つき、体格、声、ヒゲなどから成長していく過程を伺うのも面白かった。
同じく iMac、iPod、Facebook、そしてLINEとか。車なんかもリアルに変化があるので、それらを見るのもポイントかも。

前述の通り、必要以上にドラマチックな展開はないんだけど、でも まるで日記を一気に読み返すように12年という時間を辿っていくと、様々な出会いや別れ、変化というものがあるわけで。
“男を見る目が無い”母に振り回されて生活環境の変化に巻き込まれるという受動的なトコから始まり、いろんな仲間と付き合ったり、素敵な彼女と時を過ごしたり。

父親との関係もなんか良かったですね。ああいった触れ合いは日本ではありえない関係性だけど。
離婚して別々に暮らしながらも定期的に遊びに行くとか、フランクに会話ができるとか。父親の性格あってだろうけど、とても腹割って向き合える親と子。
日本より離婚が多いアメリカならではの文化なのかもですが。

だけど最後に母がこぼした言葉と涙は、子を持つ親ならグッとくる場面ですよね。

しかしまぁ「この映画の完成は、彼が大人になるとき」という前提で作品を作るって、気の遠くなる話だよなぁ。
時間がかかるってのもそうだし、誰かがリタイヤしても完成に至らないものだし。
そんな12年というLIFEを2時間45分で体感するって、贅沢な時間の使い方だよね。
見て良かった作品です。

原題は「Boyhood」。少年時代と訳されるとのこと。
それを邦題「6才のボクが、大人になるまで。」としたのは上手いと思います。

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posted by 味噌のカツオ at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ラ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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