2015年05月13日

マタンゴ

本多猪四郎
久保 明、土屋嘉男、小泉 博、太刀川寛、水野久美
7人の若者を乗せたヨットが、嵐のため無人島に漂着。そこには一隻の難波船が漂着していたが生存者はおらず、残された航海日誌には「キノコを食べるな」と記されていた。
やがて食料の残りが少なくなり、彼らは1人、また1人と禁断のキノコに手を出していく。

本編は本多猪四郎監督。そして特技監督を円谷英二が勤めておられます。
非常に多くの方が称賛の声を送り、あるいは少々のトラウマにもなっているという名作。

であるにもかかわらず、わたくしはこれまで未見で。ただ“マタンゴ=キノコ人間”という方程式だけ知ってたというか。
「昭和名作シネマ上映会」ということで。DVDビデオではなく、スクリーンでの上映というわけで見てきました。

ウィキペディアでチェックしたところ 公開は1963年(昭和38年)8月11日で、『ハワイの若大将』と同時上映とのこと。結構ビックリ(苦笑)
果たして この2作品に共通のニーズがあったのかどうか。これに続いて『キノコ若大将』なんてのが製作されたとするならば…

冗談はさておき。
始まって早々から“キ●ガイ”などと現在ではキマズイ単語連発が時代を感じさせます。

物語は7人の男女が洋上で遭難。ボートで流されるままに漂着した無人島でサバイバル生活を強いられる。
その島には多くのキノコが自生していたが、一般に“毒キノコ”というものも多く、手を出さないようにしていた。しかし空腹に勝てず、ひとり またひとりとキノコを食べていってしまい…
という感じ。

本来なら助けを乞うべく、再度海へチャレンジするというのが物語になりやすそうだけど、そこはさすがに“変身人間シリーズ”の流れをくむ特撮を盛り込んだ作品。キノコを食べて人間がキノコ化してしまうと。

そのキノコを食するという決断に至るまでに、無人島という極限状態の中で、人の心にある葛藤や強欲を描くことでテーマ性がより明確になってまして。
まさにキノコ人間の恐怖と、追い詰められた人間の愚かさが並列で描写されております。
キノコと化した人間。あるいは人間の欲。どちらも醜い姿ではあるのだけど。

ラストシーンでは成長期を迎える東京で、環境の変化に流されず、人としていかに生きるかということも現されます。
それはその当時なりメッセージなのではありますが、いやいや 今見ても褪せることは無くって。
ある種 不変のテーマなのかもしれません。

人がキノコと化してしまう。そしてキノコ人間が襲ってくるというシチュエーションの怖さは、いわゆるゾンビ映画にも通じる部分もあります。
ですが、実際に映画「ゾンビ」が大ヒットするのは これより15年も後のことなんですね。それだけ この創作が優れたものであったかという証でもあるよね。

このようなアプローチを、現代にそのままやってみせるのは状況がマッチしないかもですが、「世にも奇妙な物語」みたいな語り口ならアリかも。
とにかくウワサ通り、見応えあるドラマだったです。
posted by 味噌のカツオ at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | マ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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