2015年11月18日

シネマの天使

時川英之
藤原令子、本郷奏多、ミッキー・カーチス、石田えり
広島県福山市で122年に渡り親しまれてきた映画館・大黒座。まもなく閉館を迎えんとしていたある日、劇場で働く明日香は 館内で奇妙な老人と出会う。しかしその老人は謎の言葉を残し、忽然と消えてしまった…
映画製作への思いを馳せるバーテンダーのアキラ。閉館を決めた支配人。多くの思い出を抱えた常連客たち。そして ついに閉館の日がやってくる。

舞台となっているのは現存した映画館 シネフク大黒座。1892年に芝居小屋としてオープンし、その後映画館に。幾度かの危機を乗り越えながら、2014年の8月に惜しまれつつ閉館。

取り壊し間際の大黒座で撮影され、実際の閉館セレモニーや劇場を壊していく映像も収められております。
なかでも館内に重機が入っていくシーンは、何とも言えない非現実感が。

とにかく関係者や観客たちの大黒座への思いを、せめて映像に残さんと。同時に映画館で映画を見ることの尊さを訴える。そういうトコロから始まった企画なんでしょう。
広島県福山市のご当地ムービー、ローカルムービーとしての側面もありますかね。

名のある役者さんも多く登場しますが、ローカルな方々と思しきキャストも多い…のかな。知らんけど(苦笑)
ぶっちゃけ この手のローカルな作品って、地元の有名人とかを出演させるのはよくありますわ。でも そういう人たちって確実にセリフが棒読みだったり、動きがわざとらしかったりするもので。
そういうの見せられると「ローカルやのぅ」と微笑ましくも、覚めてしまうところがあるんよね。

ですが、ですが、この映画。ネイティブ(!?)と思われる出演者も みな及第点の演技されてまして。これによって、作品のクオリティがグッと高くなったですよ。
地元のための思い出作り映画から、ちゃんとした作品といえるものになっておりましたね。

そしてもう一点、映画というものに対する思いも よく伝わってきました。
映画館には天使が住みついているという設定。ファンタジックではあるけれど、うん、映画ファンとしては「そうあってほしい」感もわかるんですよ。

さらには その役をミッキー・カーチスさんが演じるという。“天使”という概念を程よく捻るキャスティングが絶妙。
そんなミッキーさんの語り口やボディランゲージも相まって、この映画の深みが増したといっても過言ではないでしょう。

まぁまぁ、映画を作りたいとか言ってる若者については「グチグチ言ってねぇで まずはペンを持て!」と言いたくなりました。
夜の館内を懐中電灯もって歩く場面は「なんで蛍光灯点けないの?」とツッコミたくもなりました。
でも それぐらいは“映画の演出”として目をつぶりましょう。

ストーリーもめちゃくちゃ凝っているわけでもありません。決してドラスティックなどんでん返しもありません。
それでも、映画というもの、映画館というものへの慈しみが全体に流れているみたいで心地よかったです。

エンドロールのところで近年に閉館した“映画館”の写真が写されてたんだけど。このエリアでは かつての名古屋ピカデリーが紹介されてましたね。
ほんのり胸がアツくなりましたわ。

予想以上に見て良かったと。映画ファンとしての思いです。
あと、主演の藤原令子ちゃん。良かったです。男性目線で(^-^;)

DSC_0524.JPG
えぇっ、仙人ってそんな感じなん!?
posted by 味噌のカツオ at 00:15| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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