2015年11月25日

恋人たち

橋口亮輔
篠原 篤、成嶋瞳子、池田 良、安藤玉恵、光石 研
通り魔殺人によって妻を失った男。退屈な日常に突如現れた男に心が揺れ動く平凡な主婦。学生時代からの親友に思いを寄せる完璧主義者でゲイの弁護士。
人それぞれが日常の中でもがき苦しみながら、ささやかな希望を探りだしていく。そんな姿を描き出す。

「ハッシュ!」「ぐるりのこと。」などの橋口亮輔監督作品。
率直に言うと「恋人たち」というタイトルが必ずしも作品の大観を現しているような感じではないかな。

主に3人の登場人物を通して 人生における辛さ、苦しさ、迷い、悩み…なんかを提示。
それぞれ状況や環境なんかはだいぶ違うんだけどね。

そんな主要キャストたちは、それぞれがオーディションで選出した役者たち。
全くではないにせよ、大きな作品や役柄を演じたことのない、言わば“新人”とされる方々。

その分 変な先入観もなく。また本名と役名が同じだったりもするので、作中のキャラを素の感情も通して演じておられるのか、とにかくリアルであるのは確か。
演技経験が少ないにしても、ホントに見応えありますね。もちろん監督の演出も大きいだろうけど。

自分にとっての本当の幸せを与えてくれた妻を通り魔殺人で奪われた男。
しかもその犯人は、今の日本の裁判制度では裁けないという司法判断が。

そしてそこに立ち向かうために、全てを捧げたが故、前に進めない状況。
その傷口に塩でも塗り込むような。回り全てがそんな風にしか見えない。
軽々に“共感”なんて言えないけれど、すごくわかるエピソードでした。

弁当屋のパートの主婦のパートでは、何から何までベルトコンベアのような日常に驚きつつ。
あれよあれよと 良からぬ環境に巻き込まれていく様は、ある種の怖さも覚えました。

そしてゲイのエリート弁護士。その志向もなかなか理解をされないものなのかもしれませんが、それ以上に周囲の人たちの感覚を読めていないってのは…そもそも弁護士としてどうなん?とも思ったけど。
見ていて なかなかイラっとしたわけですが。

ただ 彼が足を骨折したきっかけが…ハッキリとは明かされてはなかったけど、その業界における 恨みや妬みによるコトだったんかな。

妻を殺された男。もしかしたら義理の姉の経験が、何かのきっかけになるのかなと思いきや、そこは深まりませんでした。
また自暴自棄になった挙句、人としてバカな道へ行こうとしたら、もっとバカにされる結果しかなくて。

そんな彼を救ったのは、上司の男。ハンディキャップを抱えているものの、そうなった原因が(ウソかホントか)なかなかのもので笑ってしまったけど。
とにかくそんな上司が極限状態の彼にかけた言葉「殺しちゃダメだよ。殺しちゃうと、こうやって話せないじゃん」って。

あの場面、もし自分がその立場だったら 何を語ればいいんだろうか。何を言えばいいのか。試されているような気にもなりました。
もちろん セリフだけではなく、それぞれの人柄や話し方で変わってきちゃうものだけど。

あそこは単にドラスティックな言葉ではなく、ジワジワと沁み渡っていくあの言葉が…だったんだね。

結局わたくし的には軸となる3人ではなく、あの場面の上司に一番共感できたかな。
自分自信、そんなハードな環境に落ちたことが無い中で、逆に第三者としてどう振る舞えるかの方がきちゃったね。

映像として終始 重苦しい色ばかりだったけど、ラストの青い空、白い部屋、黄色いチューリップでわずかに救われたかな。
決して どストライクではなかったけれど、「きみはいい子」と同様、考えさせられる映画でした。

DSC_0544.JPG
皇室ねぇ。。。
posted by 味噌のカツオ at 02:01| Comment(0) | TrackBack(0) | カ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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