2015年12月08日

水の声を聞く

山本政志
玄里、趣里、萩原利久、中村夏子、村上 淳
在日韓国人のミンジョンは、友人に誘われて巫女を始める。初めはほんの小遣い稼ぎのつもりであったが、救済を願う信者たちが増えていき、やがてそれは宗教団体「真教・神の水」となり、さまざまな思惑を持つ人々が集まってくる。

(単館系ですが)公開当時、ちょっと気になりつつもスルーしてしまっていた作品。
ですが、2014年キネマ旬報ベストテンで第9位に選ばれたということで「あぁ見ておけば良かった」と。
そんなこんなで、ここにきてDVDにて鑑賞。

「水の声を聞く」という少々スピリチュアルなタイトルだけど、あらすじ的には もうちょっと下世話なのかなという印象。

その昔「教祖誕生」なんて映画がありました(監督・天間敏広、原作・ビートたけし、主演・萩原聖人)。
イメージとしてはそれに近いのかな。

でも この作品に登場する“教祖様”は端から割り切った“バイト教祖”の感覚で。決して、変に祀り上げられたものではなかったですね。
初めはそうだったのが、彼女にセンスがあったのか 次第に信者が増えていき、やがては後戻りできない状況に。

結局のところ、バックに広告代理店が付いておりまして、それなりの“ウラ”があることはわかるんだけど…
なんちゅうか、露骨にそろばんをはじくような絵が無いので、この取り組みが金儲けのためだけなのか、もしくは如何ほど儲かるのかが伝わらないので少々モヤっと。

そうやって状況が変化していくことに対し、まっとうなプレッシャーを感じたのが教祖役であるミンジョン。
彼女が姿をくらまし、これでは立ち行きいかないとばかりに教団は2代目の教祖を立てるんだけど、それが方向性の分かれ目として後々問題となるわけで。

その行き詰ったミンジョンは向かったのは、自身の母と祖母のルーツを探る旅。
いきさつは ちょっと唐突だったようにも思うんだけど、そこで知らされる済州島の真実は 我々が見ても驚きはありました。

そこで心を揺さぶられ、大自然の声を聞くことで思いを新たにしたミンジョン。
教団に戻り、似非宗教から本当に人の心を救うこを目指します。

終盤、水の滴、川の流れ、滝の音を受けながら、多くの信者を前に その思いをフルにオープンにしたところ、大きな裏切りに遭うんですが。
あの程度の 真実なのか虚言なのかわからない訴えで、それまで付いていた信者があっさり寝返ってしまうのは、正直リアリティに欠けるかな。

信仰って狂信的になると教祖様の罪ですら受け入れてしまうものだからね。
かと言って“カミングアウト”した彼女にミンジョンほど惹かれる要素があるようには思えなかったので。運営サイドはさておきね。

とまぁ解せない部分もチョイチョイ気になりつつ、ですがテーマとしては興味深いものがありましたし。
宗教的?スピリチュアル?とにかく引き込まれる要素はありました。
映画として、思いのほかハードであるのは間違いないです。
見て良かった作品です。
posted by 味噌のカツオ at 01:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ヤ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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