2016年04月09日

ルーム

レニー・エイブラハムソン
ブリー・ラーソン、ジェイコブ・トレンブレイ、ジョアン・アレン
天窓しかない狭い部屋で暮らす男の子ジャックとママ。ママは7年前にある男に誘拐され、ジャックはそこで生まれ、外の世界を知らないまま育ってきていた。
ジャックが5歳の誕生日を迎え、彼に外の世界を教えるため、そして自身の人生を取り戻すため、部屋からの脱出を決心する。

TBSラジオ「たまむすび」で町山智浩さんがこの作品を紹介してから5か月。
その間には アカデミー賞でブリー・ラーソンが主演女優賞を受賞するなんて挟みつつ、やっと公開されました。やっと見ることができました。

小さな部屋に監禁された女性。そして そこで生まれ育ち、部屋の外を知らない5歳の子ども。

そんな設定を聞くと、どうしてそんなことに… そのままではいられないだろう… どうやって脱出するのか…
そういったドキドキを感じながら映画にのめり込んでいくわけですが。

後半、実際に部屋から出た先で、これからどうしていくんだろう…
それがついてまわります。

ほぼほぼ2部制というぐらいの展開で、観客を引っ張っていきます。

そんな今作の成功の最大要因は、なんといってもジャック役のジェイコブ・トレンブレイくんの演技ではないでしょうか。
昨今の日本映画における子役のクオリティの高さは幾度も感じておりますが、洋画の世界でもそれは同様ですね。
全編に渡って見事な“演技”を見せてくれます。

ブリー・ラーソンが主演女優賞を取りましたが、彼が映画賞に入っていないのは何故だと言いたくなりますよ。

外の世界の存在を知らない子ども。ママとぶつかる会話。天窓ではなく 大きな空を見上げる視線。
あとはしっかりと成長をしていく姿ですかね。

女性は終わった恋を忘れるために髪を切ったりしますが、彼が髪を切る場面も ママにパワーを送るためであり、なにやら過去から踏み出す儀式のようにも見えました。

また(本来であれば)忌まわしい あの部屋に行きたいというのもね。
彼の過去は、生きてきた証は あの場所にしかないからね。

我々がかつて通った小学校の校庭を見て「こんな小さかったっけ」と言ってしまうかのごとく。そんなセリフが出てくるのも彼の成長の証かな。

この年月で子を持つ母となった以上、強くあらねばという思いもあるでしょう。
しかし奪われた7年間の歳月に やりきれない思いに苛まれたり。
世間からの(メディアからの)心無い言葉に動揺したり。

その結果、良くない行いをしてしまうママの選択も見ていてツラかったですね。

前半のサスペンス込みのドキドキした展開と、後半の心を揺り動かされる感覚。
上手くまとめ上げた構成で見応えありました。

幼い子を持つ親の世代はもちろん、かつて5歳の子どもだった誰もが共感できる作品じゃないでしょうか。

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過酷過ぎる「はじめてのおつかい」
posted by 味噌のカツオ at 00:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ラ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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