2016年05月10日

レヴェナント:蘇えりし者

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン
アメリカ西部の未開拓な荒野。ハンターのグラスは狩猟の最中に熊の襲撃を受け、瀕死の重傷を負う。そして 狩猟チームの一人、フィッツジェラルドに同行していた最愛の息子を殺され、自身は置き去りにされてしまう。
一命をとりとめたグラスは フィッツジェラルドに復讐を果たさんと、約300キロに及ぶ過酷な旅に出る。

アカデミー賞に数部門ノミネート。結果、監督賞、主演男優賞、撮影賞を受賞した作品です。ちなみにディカプリオは5度目のノミネートにして念願の初受賞。
タイトルのレヴェナント“Revenant”はあまりなじみのない単語だけど、意味としては 帰って来た人や亡霊の意味があるとか。

物語としてはなんとも壮絶な内容。ですが、実話ベースだとのことで結構ビックリ。
実際には1823年の出来事で。このストーリー自体はアメリカではそれなりに有名らしく、これまでにも度々映像化もされているそうです。
映画の中では細かい説明はないんだけど、先住民の暮らす地で狩猟を行い、毛皮を取って商売をする集団がいたというのがそもそもの設定だとか。

そんな状況がイマイチつかみきれていない中、映画の序盤で始まる戦い。
人々が次々傷ついていくその描写は「プライベート・ライアン」の冒頭部分を彷彿とさせる激しさでした。

それから程なく描かれるのが、主人公グラスが巨大なグリズリーに襲われる場面。まぁ〜これがなんともスゴい迫力で、コワい、コワい。
噛みつかれて、引っ掻かれて。グングン振り回されて、よだれまみれにされて。見事なまでに恐怖と痛みの伝わる映像になってました。

映画という創作は 誰もが見たことのない映像を見せてくれたり、経験できないことを疑似体験させてくれるものですが。実際にこんなグリズリーにやられるなんてことは…
もし仮に体験できていたとしても、生きて帰って来られない状況だもんね。こりゃ。
まさにクマと鼻が触れあいそうな距離感のド迫力映像。これはスゴかった。

それ以降の中盤は グラスの過酷過ぎる旅がはじまり、終盤はフィッツジェラルドに対する復讐の物語。
もちろん序盤の激しさで十分につかまれたうえで、濃すぎる旅が続いていくので、157分の長尺でも ダレることなく見入ってしまいます。

その濃さというと…
一連のサバイバルの描写かな。捕まえた魚にかぶりついたり、倒れたバイソンの生肉をむさぼり食ったり。暖を取るべく“馬の中に入る”場面なんかは、それこそ生臭さすら漂ってくる感じ(苦笑)

それとは別に、ほんの一瞬ですが、雪の中から芽吹いてきている新しい苗の映像がありまして。
それが極寒の地で土の中から這い出すグラスの姿と重なっておりました。

これらの映像、極力CGに頼らず、ロケで雪の中で自然光を取り入れながら、順撮りで行っていったというから。
確かに たいそう厳しい物語というその奥に、実際の撮影も大変だったであろうこと、容易に想像つきますね。

グリズリーに襲われ、土に埋まり、雪の上を這いずり回って、河を流れて。生肉をむさぼり食って、崖から落下。
これでもかと言うほどのサバイバルシーンに挑戦しているディカプリオの主演男優賞受賞は納得です。

あと“マッドマックス”とはまた違うハードさを求められたであろうトム・ハーディも、いい感じでいやらしい悪役っぷりで存在感ありました。

DSC_0932.JPG
グリズリーに金熊賞を
posted by 味噌のカツオ at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ラ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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