2016年10月01日

オーバー・フェンス

オーバー・フェンス
山下敦弘
オダギリジョー、蒼井優、松田翔太、優香
家庭を顧みず妻に愛想をつかされた白岩は、東京から函館に戻り、職業訓練校に通いながら失業保険で暮らしていた。白岩は訓練校の同期の代島に連れていかれたキャバクラで、風変りなホステス聡(さとし)と出会う。
どこか危うい彼女に白岩は急速に惹かれていくのだが…

佐藤泰志の小説を原作とした“函館三部作”と称される三つの作品。熊切和嘉監督の「海炭市叙景」、呉美保監督の「そこのみにて光輝く」、それに続くのが今作でありまして。
原作は1985年に発表されたもので、佐藤泰志自身、東京から故郷の函館に戻り 職業訓練校に通っていたとのこと。
ノンフィクションとは言わないまでも、自身をモデルとしたうえでの創作なのかもです。

その三部作とされるものを、アラフォー世代の実力派の3人の監督が映画化してるのも面白いですな。

こう言ってしまうとなんですが。
ラストまでいってもズバーンとくる感じには乏しいし、あくまで長い長い人生の中の、とあるワンシーンと思えなくもない。
でも、でもでも、いろんなことを考えさせられる、いろんなことを感じられる2時間弱であるのは間違いない。

あまり事前情報を入れずに鑑賞したんだけど。
冒頭、タバコを吸いながら“微妙な距離感を漂わせつつ”世間話をしてるシーンから なんかムズムズ。
どこかゆるい空気感のまま、グイグイとは言わないまでも、自然と作品の世界観に馴染んでいきました。

でも もちろんそのままで終わるはずもなく。

オダギリジョー演じる白岩にも、蒼井優の演じる聡にも、それぞれの物語があって。
それらが全面晒されるわけではないところが、なんかリアリティありましたね。

ダチョウの求愛を真似て見せる聡は、ズバリそのもの、愛を求めているんだろうけれど。
かといって愛を与えると噛みついてみせるという。

いや もしかしたら、それが(その場では)本当の愛ではないことを理解してるからこそなのだろうが。

でも正直 映画を見ながら考えたですよ。
「すぐヤレる女」と聞いても、メンヘラ?な一面が見えたなら…いくかなぁ、いかんかなぁ。

んで白岩はいくんかぁ〜と思ってみてたんだけど。
結局彼も温和な表情を見せてはおりながら、じつは 突然キレてしまう一面があったり。大切な人を悲しませた…ような過去があって。

心の病とまでは言わないけれど、そういった迷いや弱さを受け入れられる人、理解できる人じゃないと、この作品を楽しめないかな。

オダジョーさんが何とも言えない雰囲気をまとっている姿が何ともたまらない。
そして蒼井優の壊れっぷりと愛らしさは、女としてはキツいけど、女優としては素晴らしかった。

職業訓練校の仲間たちのナチュラルな会話がまた心地よかったり。
代島役の松田翔太は個人的にはベストアクト。いいヤツなんだろうが、ちょっと怪しい的な(笑)

なんというか、白いボールがすべてを越えて彼女の元に届いたとしても。
あの点差を逆転することはできないのか。
それでも。。。

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学生なんすけど、一緒に競輪行きません?
posted by 味噌のカツオ at 00:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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