2017年03月07日

彼らが本気で編むときは、

荻上直子
生田斗真、桐谷健太、柿原りんか、ミムラ
母親が家を出て置き去りにされた11歳のトモが、おじのマキオの家を訪ねると、彼は恋人リンコと生活していた。元男性で、女性への性別適合手術を受けたトランスジェンダーのリンコに最初は戸惑うトモ。
しかし3人で過ごす特別な日々は、トモにとっても特別な時間となっていく。

『かもめ食堂』『めがね』などの荻上直子監督。前作『レンタネコ』から5年ぶりとなるオリジナル脚本作品。
どうしても その作風として、どこか寓話的な雰囲気の作品の多い荻上監督ですが、今回は いたって普通の作品と言えるんじゃないでしょうか。

前評判も良いみたいで、わたくしが見た回も満席。一部では涙をすする観客もおられましたが。
正直、わたくし的にはヒットしなかったですね。

母に家出されてしまった11歳のトモ。おじのマキオの家で世話になるのですが、そこには元男性で、今は女性の体を持つ(工事済)トランスジェンダーのリンコが。
そんな優しい二人の暮らしに すんなり溶け込んだトモ。そして三人の共同生活が始まります。

監督曰く「LGBTの人権を!」と必要以上に声高に叫ぶ意図の作品ではないと申しております。
確かに 変な美談としてのゴリ押し感はありませんで。

実際 トランスジェンダーの問題だけでなく、育児放棄の要素もありますし。
現代社会に於いて 見聞きする機会の増えた問題も描かれています。

ただし、軸となるのは女性的な面なんよね。
母と娘の関係が大きいようで、男性・父性の部分はなんとなく薄めかな。
だって チンコなんてポイポイ投げられる扱い方だしね(笑)

リンコの母は絶対的に彼女を守らんとするスタンス。
ただし その思いが強すぎるがあまり、少々他者を傷つけることもいとわずで。
なんとなく、見ててイヤな思いしちゃったな。

小池栄子演じる 母親も、最終的に息子に理解を示す描写はなかったし。

トモと母親の関係も、わたくし的には全面解決したように見えなかったし。

様々な関係性の中で それぞれが抱え込むものは提示されつつも、カタルシスを覚える部分がなかったので、男性である自分的には涙とか感動とか。そこまでの境地には至らずで。
今後も不安定さは保ったまま。と同時に、あんなラストではあるけれど、また いつでも会えるトコに住んでるんじゃないの?と。
そういう重みにも乏しかったかなぁ。

それ以外の気になった点として、序盤のお弁当で腹痛のくだりも、そんな数時間で傷まないでしょと思ったり。
リンコが入院する経緯も突然だったり、一晩ぐらいと思ったり。

なんか「おや?」という印象が所々あったのも気になりました。

さてリンコを演じた生田斗真は“女性らしさ”を見事に体現。そして編み物の手さばきも素晴らしかったです。
そこのところはタイトルにもなってるぐらいだから最重要ではあろうけど。

DSC_0259.JPG
ヒャクハチンコ
posted by 味噌のカツオ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | カ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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