2017年03月30日

マイマイ新子と千年の魔法

片渕須直
福田麻由子、水沢奈子、森迫永依、本上まなみ
昭和30年代の山口県の片田舎に住む 小学3年生の新子。おでこにマイマイと呼んでいるつむじを持つ彼女は、祖父から聞く千年前の町の姿や、そこで暮らしていた人々ついて空想することが好きだった。
そんな新子の学校に東京から貴伊子という生徒が転校してくる。

「この世界の片隅に」の片渕須直監督が2009年に製作したアニメ作品。
芥川賞作家・高樹のぶ子の自伝的小説が原作。

そもそも まったくピンとこなかった「マイマイ新子と千年の魔法」というタイトル。
主人公の新子は前髪の生え際のところに“つむじ”があって、一部がはね上がっておりまして。それを“マイマイ”と呼んでいたんだね。

確かに 子どもの頃、頭の変なところに つむじのある子って おったなぁ。
「メリーに首ったけ」のキャメロン・ディアズの髪の毛がはねてるのとは…違うんやね(笑)

そして彼女の暮らす地域に遺跡などが残っており、平安時代には周防の国と呼ばれ、いわゆる千年の歴史を彼女自身 思い描くのが好きだったことに由来するんですね。
でも、正直 多くの方が期待するような魔法感はないかな。ファンタジーじゃないからね。

基本線は 田舎で小学生の子どもたちが遊ぶ物語。なんか走り回って、用水でダムを作って。あとは よく笑って。

そんな子どもたちの現在進行形の遊びとともに、ここには千年前にも誰かがいたという空想に思いを馳せて。
それも子どもたちの特権であるよね。

ところが「また明日あそぼう」という約束が、突如浸食してくる“大人の都合”で叶わないものとなります。
何も見えず、何もわからないまま、それに立ち向かっていく姿。
そして子どものやり方でそれを越えていこうとします。

昭和に子供だった僕たちは「40歳、50歳って もっと大人だと思ってたけど、いざ自分がその歳になってみると…」なんて口にしてしまいますが。
この映画に出てくる大人って、やっぱり大人だよなと。そんな感じで見ていたんだけど。
あきらかに こっちが子どもの目線で映画の世界に入り込んでた証拠だろうね。

「この世界の〜」の片渕監督の過去作というスタンスで見たわけですが。作品の構造としては「この世界の〜」と近いですよね。
あの日の日本を、今では失われつつあるものを、とても美しく描いている印象。そして空想に遊ぶ主人公とそれを脅かす世界との対峙。

そりゃ戦争と 盛り場のヤクザじゃスケールは違うかもですが。
子どもにとってみれば あれはあれで未知な世界であり、結構な脅威だったことでしょうし。

片淵監督の表現スタイルとして、この作品があったからこそ「この世界の〜」へ進めたところはあるのかもしれませんね。コトリンゴさんの歌声も含めてね。

比較はせずとも、この作品単体で十分に楽しかったですし、グッと胸に響くところもありました。
でも、やっぱり現在40歳代以上で、昭和に子供だった世代じゃないと、感じられる部分も違ってきちゃうかもしれないかな。
posted by 味噌のカツオ at 22:23| Comment(0) | TrackBack(0) | マ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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