2017年07月25日

彼女の人生は間違いじゃない

廣木隆一
瀧内公美、光石 研、高良健吾、柄本時生
震災後、仮設住宅で父親と二人で暮らしているみゆき。普段は市役所に勤めるみゆきだったが、週末になると英会話教室に通うとうそをつき、高速バスで東京へ向かい、渋谷でデリヘル嬢として働いていた。
高速バスで福島と東京を往復する中で彼女が目にしたものとは…。

「ヴァイブレータ」という作品が好きで廣木隆一監督には注目しておるのですが。
昨今は若者向けな制服・学園モノなんかも多く撮られてて。それはそれとして、そういうもんだと流しておりましたが。

今作は廣木監督自身が震災後に書かれた小説が原作ということもあり。
商業的な面とは一線を画し(?)本当に自身の撮りたい作品であるのかなと。そんな期待も込めて見てまいりました。

震災のあった福島を起点にした物語。市役所勤めのみゆきが主人公ではありますが。
福島だけでなく、東京の今も描かれるし、群像劇というべきか、みゆき以外の登場人物 それぞれにも何かを感じずにはいられず。

見終わって「あぁなるほど、そういうことね」なんて一言では言い表せない。
深いストーリーでありました。

震災で大きな被害を被ったもの。それによって家族を失ってしまった者。大切な人と引き裂かれてしまった者。
いやいや、人的な被害こそなかったけれど。家族の絆にゆがみが生じてしまったり。

災害に家族を奪われて。なのにわたしはこうして生きていていいのか。
でも生かされたんだから生きていかなくちゃならない。
そんな人の立場で見る“今”ってどんなものなのか。

震災の外からやって来たカメラマンには、震災の跡はどう見えるのか。

新潟から東京に来て風俗で働いてるって。
だけど新潟だって地震で大きな被害がでたことあったっけ。
「なんか似てる」って、そこまで含めてなのかな。

でも全部終わっちゃいなくって。
あそこでは新たな命が芽生えていて。ここには新たな家族を迎え入れたりして。
ほんの少しだけ、希望もあるんだよね。

そりゃ人は生きているんだから。絶望だけと向き合っていくわけにはいかないから。
自分で切り開いていく。それが人生なのかな。

そんな兆しを目の当たりにしつつ。
ラストに映し出された(おそらく)震災直後の荒れ果てた状況の映像には…また愕然としてしまいました。

いや待てよ。
あのときは こんなに荒れ果てていたのが。今では こうなってきてるじゃん。
そういうことなんじゃないかな。。。

主演の瀧内公美さんが良かった。すごく良かった。
父親といる時はアレだけど商売で見せる笑顔がとてもカワイくって。
そのうえ しっかりと脱いでくれまして。

そういうことがあるから人生にリアリティも感じるんだけどね。
素晴らしい作品を撮ってくれた廣木隆一監督に、感謝。

DSC_0060.JPG
御指名したい。。。
posted by 味噌のカツオ at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | カ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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