2017年08月21日

マインド・ゲーム

湯浅政明
(声)今田耕司、前田沙耶香、たくませいこ、藤井 隆
偶然にも初恋の女性、みょんちゃんと再会した西。みょんは姉のヤンと共に営んでいる焼き鳥屋へ西を招待する。
ところが焼き鳥屋に現れた借金取りとトラブルになり、西は撃ち殺されて死亡。しかしあの世で見かけた神様に逆らって、地上に舞い戻り…

2017年に入って「夜は短し歩けよ乙女」と「夜明け告げるルーのうた」の2作のアニメ作品を公開した湯浅政明の前作であり長編映画のデビュー作。
前作と言っても これが製作されたのは2004年でありまして。その間 13年という時間があるんだけど。

そんな「マインド・ゲーム」という作品自体が相当な作品。
単純に面白いとか絵がスゴイとか、一言では言い表せない。
でもとにかくスゴイのだわ。

原作はロビン西 作。1995年から1996年にかけて連載されていたマンガで、それを湯浅監督がアニメ映画化。
わたくしは原作は未見ですし、それほどアニメのジャンルにも詳しいわけではなく。

それでも今作が表す世界観にはいろいろ感じるものがあるのだけれど。
やっぱり それが何なのかは言葉では言い表せない。現したところで安っぽくなりそうだけど。

それでもあえて書くならば。
ストーリー自体も少々エグいところあるね。一度は主人公が あまりにも無残な殺され方されちゃうし。
でもその猥雑な雰囲気は(舞台である)関西の持つそれと相まって、見やすくなってると思います。

吹替えであり、大半の男性キャストを演じているのは吉本興行のみなさん。
そんなアニメの吹替えなんて経験されてはいないと思うけど、コントであったり、新喜劇であったり、ユーモアを含ませつつ 物語を進めていく力はバツグン。

所々でキャラの顔が声をあてている人(実写的に)インサートされるんだけど…それなのに、その世界観が乱されない惑わされないというのは、冷静に考えるととんでもないことだよね。

一度殺された主人公が“走って”現世に戻り。ヤクザ連中をやり込めて逃げるうちに 巨大クジラに飲み込まれ。そこで出会ったじーさんとともに ささやかな楽園暮らしを味わい。
が「いつまでもここにいられない」とばかりに“走って”ふたたび地上を目指すと。

はなはだ荒唐無稽な物語ではあるけれど。不思議とその展開に引き込まれて。
あるいはオープニングやエンディングに映し出されるフラッシュバック映像を見ては、ぼんやりと「これは自分自身の物語なのでは」なんてことまで考えさせられて。

湯浅監督自身が「なんとなく言いたい事が伝わればいい」と称しているように、訴えかけたいメッセージが丸わかりの底の浅い作品ではなく。
好き勝手に鑑賞して、勝手にビシビシ感じればいい作品。「何がしたいのかわからない」という人は、まぁそういう人なんでしょう。

とにかく誰もがどうとでも受け取れるようなベクトルが あっちこっち向きまくりに放たれていて。それだけパワーが放射されているというものなのかもね。

だから敢えて一言で現すとすれば。
『とにかくスゴイのだわ』です。
posted by 味噌のカツオ at 23:03| Comment(0) | マ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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