2017年09月09日

ヤクザと憲法

土方宏史
暴力団対策法、暴力団排除条例が布かれ、次第に組織の離脱者が増えていったヤクザの世界。
大阪府堺市の住宅街に位置する指定暴力団「二代目東組二代目清勇会」の事務所にカメラが入り、今のヤクザは 何を考え、どんな暮らしをしているのかを追ったドキュメンタリー。

東海テレビが製作しているドキュメンタリー作品を“劇場版”として上映する取り組みがありまして。
これまでにも10作品ぐらいが上映されてるのかな。

その特集上映企画で、話題になったもの、テレビでしか放送されていないもの なども含めて21作品が上映されました。
基本、DVD化されないので どれだけ気になったとしても、このような機会がないと見られないんですよね。

んで、今回やっとこさ「ヤクザと憲法」を見ることができました。

昭和の頃には“やくざ映画”なんてカテゴリーも確かに存在して、シリーズ化されたりもしておったわけですが。
そういう“劇映画”ではなく、ドキュメンタリーで実際の組事務所にカメラが入って〜というのは、なっかなかないんじゃないですか。

そんな昭和の時代と違って、昨今では様々な法整備もされ“暴対法”というものができ、必要以上に そっちの世界も住みにくくなってしまって。
いやいや、住みにくいどころか「逆にウチらの人権ってどうなん?」と。

そういう疑問、問題提起とテレビ局のスタンスが落ち合って、今作が製作されたと。
そうは言っても 現実問題、もんのスゴ高いハードルが横たわっていたことでしょうな。

取材される側だって赤裸々にカメラ撮られるし、取材側も 正直コワいはずだろうし。
んでそれを放送する局にも、何がしか風当り強くなりそうな気もするし。

それらの諸問題をクリアし、乗り越えて、視聴者や映画ファンに届けられた映像。実に興味深かったのですが、さてさて。

本当に撮った素材を編集してつなぎ合わせたもので。
ナレーションはナシ。最低限のキャプションが付くぐらいで。
もう、あとは見た人に委ねるカタチですね。

確かに 普通では見られない業界(?)ですので、それとなく興味深い部分もありましたが。
こういっちゃあ なんだけど。

映画としては ややパンチ不足だったかな。
それこそ昭和の頃の、そっちの世界の人口も多かった頃とは違って。現代では法律的にも アレコレ動きにくい状況であるようで。それでは そうなりますわね。

タイトルこそ「ヤクザと憲法」となっていますが。ざっくり言うなら、やくざさんの日常生活を追うパートと、やくざさんの顧問と務めた弁護士さんを追った憲法パートがあって。
それが直で交差する感じでもないので、わたくし的には「そういうことがあって、こういうことがあって」というレベルの印象。

もちろん現在のやくざさんの抱える憂いというのはわかるのですが、驚きであったり、怒りであったり。感情を揺らすほどのものは伝わってきませんでした。
わたくしの見た印象では、聞き手の方が もっとツッコんだ対話をして。もっとデリケートな問い掛けや、引き出しができたんじゃないかと思うんですよね。

それで言うなら、警察の家宅捜索が入った際に「カメラ止めなきゃだめですかぁ」と とぼけた口を叩いてた映像がヒリヒリと笑えたですね。


さて、何やら 監督の舞台挨拶を見た人の話では、結構シーンが入れられなかったとのことで。
だとするならば、そういう編集をしなくてはならなかったという事実は、もったいないよね。

まぁそうであったとしても。
やっぱり ある程度のタブーに踏み込んだ意欲作であるのは確かで。
関係者には 心から拍手を送りたい気持ちと。続編への期待感を…(笑)
posted by 味噌のカツオ at 22:23| Comment(0) | ヤ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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