2018年07月02日

オンリー・ザ・ブレイブ

ジョセフ・コシンスキー
ジョシュ・ブローリン、マイルズ・テラー、ジェフ・ブリッジス
恋人の妊娠をきっかけに生まれ変わることを決意したブレンダンは地元の森林消防団に入隊する。過酷な特訓に明け暮れながら、エリック隊長をはじめとする隊員たちと親睦を深め、少しずつ成長していく。
そんなある日、山を丸ごと飲み込むような巨大山火事が発生する…

見た人の評判が良いのと、時間のタイミングが合ったので…ほぼほぼ詳細ノーチェック、手ぶら状態で見に行ってきました。

山火事、消防隊という話ではありますが。
日本で言う“消防士”とは組織形態も活動内容も全くと言っていいほど違います。
日本で描かれるような火災ではなく、山火事というものの規模の大きさ、対処の仕方も全然違います。

自然の多い地域で、いくつかの森林消防団が存在するのかな。しかし普通の民間部隊の上に精鋭部隊(ホットショット)と呼ばれるランクがあって、それに認められてこそという状況があると。

また彼らが行うのは 燃えている火を消す消火活動ではなく、火が来る前に大きな木を切り倒したり、先に周辺を焼いて炭にすることで、炎が燃え移ることを 延焼を防ぐということをやっているんですね。

こういうのは 今の日本では すんなりとはわかりにくい気がします。
そういえば 江戸時代なんかに 燃え移る前に家を潰してたってのは聞いたことあるけどね。

そして この部隊として登場人物もやや多めかな?
それぞれの関係性やキャラクターを飲み込むのにも ちょっと時間がかかりまして。とにかくそれらのことを認識するのが大変でしたね。序盤は。

物語の一つの軸として、やんちゃだった青年・ブレンダンが父親になるのを機に、この消防団に入隊して頑張っていこうという流れがあるわけですが。
始めは いじめ的な目にあったり、周囲の雰囲気に乗り切れなかったりするんだけど。

訓練をこなしながら、やがて隊に馴染んでいくブレンダン。そうこうするうちに、わたくしもなんとか この流れにやっと乗れましたと。映画の一員になれたかなと。
いう感じでございました。

気付けば彼らが成長していくごとに、人生の道筋であったり、人間関係の変化であったり、それらのこととも向き合うことになるのですが。
ぶっちゃけね。映画をよく見てる人、見ていない人に関わらず。あることに気付くんじゃないでしょうか。

ざっくり言うと、不穏な空気。
ハッキリ言うと、死亡フラグ。

あぁなんか嫌だなぁ。という思いにかられながら、彼らが大きな火災の現場に出動します。
そしてそこで遭遇する出来事は、自分が思っていた以上に厳しい現実でした。
うわーこれは辛い、ツラい。

特に…家族が集まっている中学校の体育館に彼が入っていく描写は、たまらなかったですね。
崩れ落ちますね。

このストーリーは2013年に実際に発生した巨大山火事に関しての映画化だと聞きました。
実話の映画化モノって、インパクトが弱かったりすることも多いんだけど。さすがに これは見ていてこらえきれなかったです。

内容が内容だけに「これはいい映画だ」とは言いにくいんだけど。
最後に映し出されるブレンダンの言葉。それに尽きますわ。

さて、ブレンダン役のマイルズ・テラーは『セッション』で血まみれの超絶ドラムを演じた彼だったんだね。

そして指揮官の役はジョシュ・ブローリンが…ってサノスだったりケーブルだったりするのかい!?
見てる最中は全然 そんなこと思わなかったよ。後になってビックリ(苦笑)

もうイッチョいうなら、映画として広大な山火事の映像はスゴかったですね。
今の時代CG使えばたいがいの映像を作ることはできましょうが、やっぱりすごい迫力ありましたよ。

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「炎のコマ」ならぬ「炎のクマ」ね
posted by 味噌のカツオ at 01:39| Comment(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月04日

犬ヶ島

ウェス・アンダーソン
(声)エドワード・ノートン、ビル・マーレイ、ランキン・こうゆう
近未来の日本。犬インフルエンザの大流行で、人間への感染を恐れた小林市長は、すべての犬を“犬ヶ島”に隔離する。
12歳の少年アタリは親友でもある愛犬スポッツを救うため、単身小型飛行機に乗り込み 犬ヶ島に上陸。島で出会った5匹の犬たちと捜索を開始する。

さてウェス・アンダーソン作品。わたくしは『グランド・ブダペスト・ホテル』を見ておりますが、残念ながら合わなくって。
未見ですが『ファンタスティック Mr.FOX』でも 今作同様にストップモーションアニメをやっておられるんですよね。
果たして今回は…というところですが。

字幕版にて鑑賞。ということでいいのかな。
(架空の)日本が舞台ということで日本人キャストと犬たちが登場。

日本人は日本語だけど、ワンコらは豪華俳優陣が英語で吹き替えをしておりました。
いわゆる“吹き替え版”では そのパートも日本語になってるのかな。

そんなわけで 半分は日本語、半分は字幕と。
また そもそも論として、斬新なキャラクターや街並みなど、いろんな意味で情報量の多いこと多いこと。
それでいて ストーリーラインも若干不可思議で、なおかつ展開も早いと。

それらの表現を否定するつもりは毛頭なくて。お笑いなんかでも人によってウケるギャグや笑いのツボが違ったりするのと同じく。
正直、ついていけなかった。ノリきれなかったなぁ。

かろうじて ケンカになるシーンでの(昔のギャグマンガのような)綿でモコモコなる描写は気になったけど。

ってか そもそもネコ好きなので、犬にテンション上がらないという面も、あるとか、ないとか。
ストーリーがもっとワクワクできるものであったり、映画としての盛り上がりポイントが わたくし好みであったら。

後々レビューやら情報をチェックして「そういうことだったのか」と。「あぁそんなシーンあったっけ?」というようなこともあって。
それ以外の感想や印象が ほとんど残っていないということで。

う〜ん、やっぱりウェス・アンダーソン作品とは、合わないのかなぁ。
まぁ、そういうこともあるよね。
それしか語れないな。

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黒い犬じゃなかったんだ
posted by 味噌のカツオ at 01:28| Comment(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月20日

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル

クレイグ・ギレスピー
マーゴット・ロビー、セバスチャン・スタン、アリソン・ジャネイ
貧しい家庭にて、厳格な母親に厳しく育てられたトーニャ・ハーディング。フィギュアスケートの才能に恵まれた彼女は、アメリカ人初のトリプルアクセルを成功させ、二度のオリンピック代表選手となった。
しかし、トーニャの元夫らがライバルのナンシー・ケリガンを襲撃したことから、彼女のスケート人生の転落が始まる。

本年のアカデミー賞にて母親役のアリソン・ジャネイが「助演女優賞」を受賞しております。
1992年のアルベールビル、1994年のリレハンメルオリンピックにアメリカ代表として出場したトーニャ・ハーディング。

そのリレハンメルを間近に控えて、トーニャのライバルだったナンシー・ケリガンが何者かに襲撃される事件が発生。
その“黒幕”がトーニャだったのではとの噂と共に、全米を…いや世界を揺るがした一大スキャンダル。

あれから早24年も過ぎているのかとビックリ。
あぁ時の流れよ…

そんな出来事があったこと、今のは若者は知る由もなかろう〜どころか、主演のマーゴット・ロビーも今作に関わったことで知ったそうで。
あぁ時の流れよ…

全米のメディアが諸説を報じ、世間が様々な受け止め方をしました。
もちろん当事者たちが語った“真相”もありますが、果たしてそれが“真実”なのかはアレでして。

基本 今作は当事者らの述べたことをベースにしているようですが。それはそれですが…これはこれで映画でありまして。
まぁオモロイかどうか という見方も必要だとは思いますが。

こちらも大筋のストーリーはわかるのはわかっているので。
そのうえで言うならば、もちろん面白かったですよ。

トーニャ役のマーゴット・ロビーは以前『スーサイド・スクワッド』でハーレイ・クインを演じておられたんだけど。なんというか、そんなダークヒロイン女優となっていくのかな?

そして前述の通りアカデミー賞に輝いたアリソン・ジャネイ演じる母親がまたキョーレツで。
序盤の70年代なビジュアル。曇ったメガネの奥の感情の無いまなざしとかサイコーで(笑)

そしてもう一人 忘れようのない登場人物が、夫の親友であるショーン(役名)だね。
たまらないレベルのクソキャラで。ホントに困ったヤツなんだけど。

どれもこれも実際のモデルがいるということに、言葉を飲み込んでしまいます(苦笑)

そんな中で、わたくし的に少々ショックであったのが、トーニャがジャッジに詰め寄った際に聞かれた言葉。
その演技の良し悪しだけでなく、その選手の全てを見ていると。アメリカの代表としてどうなのかであると。

相撲でも“品格”なんてことが取りざたされたりしますが、フィギュアでも そういった部分も含めてジャッジされちゃってるんだな。
例えば家柄であるとか、日頃の行いであるとか。

ZZトップ自体が悪いわけじゃないだろうけど、あの場では“ふさわしくない”ということなんでしょう。
実績のある選手って、たとえジャンプで転倒しても、そんなに点数激落ちくんにならないとはそういうことなのかと思いました。

さてトーニャに関して思うのは、所詮 このような家に生まれてこのような育ち方をしたら、このような生き方しかできないということかな。
ああなって こうなって、そういうトコに落ち着くという点でね。決して落ち着いちゃいないけど。

結論付けるのはややこしいけど。
ウソのような事実を、本来は虚構である映画として作りあげたエンターテイメント。
楽しませていただきました。

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あ、伊藤にゃ
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2018年04月22日

女は二度決断する

ファティ・アキン
ダイアン・クルーガー、デニス・モシット、ヨハネス・クリシュ
ドイツ、ハンブルク。ドイツ人のカティヤはトルコからの移民ヌーリと結婚。彼はかつて麻薬の売人だったが、今では足を洗い 息子共々幸せな家庭を築いていた。
しかしある日 ヌーリの事務所の前で爆弾が爆発し、カティヤは夫と息子を失ってしまう。やがてドイツ人のネオナチ男女が容疑者として逮捕されて裁判が始まるが…

カンヌ国際映画祭でダイアン・クルーガーが主演女優賞を受賞。そしてゴールデングローブ賞で外国語映画賞にノミネートされた作品。
それもあってか劇場はメチャ客入ってましたね。

予告編で見る限り ドラマとして、またダイアン・クルーガーの醸す雰囲気は目を引きました。
そんな思いで見てきましたが、率直に言うなら 良い作品だとは思いますが、決して“スペシャル”な域では無かったか。
というのも…ほぼほぼこちらの問題でもあるんだけど。

もっと今作が訴えんとするテーマであり、バックボーンを理解したうえでないと 伝わるものも伝わらないかと。
ざっくりと あらすじをおさらいすると、主人公はドイツ人の女性で、彼女の夫と息子が爆発で殺害されたと。

犯人はヒトラー崇拝のネオナチで、外国人移民をターゲットにしたと。まさに殺害された夫はトルコからの移民でありました。

容疑者は起訴され裁判となりますが、証拠不十分で補償金をもらって やすやすと(?)釈放。
実際に自白もなく、グレーである以上は“推定無罪”ということでして。家族を失った妻にしたら“飛んだ茶番だ”というトコロですわね。

その辺りもドイツの国民性というか、裁判の傾向というのはじんわり横たわっているのかもしれません。

さて あらためて。結局 舞台となっているドイツに根付くそうした歴史、文化、国民性。
ネオナチの存在と その排他的な思想など。その辺りを 肌感覚とまでは言いませんが、イチ問題として理解していないと…

裁判、不条理な判断、そこで何が行われているのかがわかっても、この映画の感情まで共有するには至らなかったというべきか。

感想なんかを見ても、受け止め方も様々で。
もちろん表面的な状況だけでも十分にヒリヒリした感覚は伝わってきますがね。

彼女は完全な孤独ではなく。しかし彼女の願うことは安易なものでもなく。
ある種 究極の選択かもしれません。

その身をかけて、命をかけての復讐に向かいます。
一旦は踏みとどまるものの、ふたたび…という(邦題ですが)二度の決断ということでしょうか。

作中、主人公のカティヤは精神的なダメージからか、生理が止まってしまったと語ります。
しかし 終盤に、また月経が始まる様子がありまして。

これは心に感じた憎しみ、頭で考えた復讐心とは別に、体は この苦しみを乗り越えてしまったと。
それが許せないと思って、あの決断に至ったのかな。

いろんな見立てがあるけれど。なんかそんな風に思いました。

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女は子宮で考える
posted by 味噌のカツオ at 02:39| Comment(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月25日

悪女

チョン・ビョンギル
キム・オクビン、シン・ハギュン、ソンジュン、キム・ソヒョン
犯罪組織の殺し屋として育てられたスクヒは、育ての親ジュンサンに恋心を抱くようになり、やがて結婚する。
しかしジュンサンが敵対組織に殺害され、逆上したスクヒは復讐を実行。その後彼女は国家組織に身柄を拘束され、10年後の自由と引き換えに国家専属の暗殺者となる。

予告編の時点でメッチャ期待度MAXだった「悪女」。
その後、本編映像・冒頭のバトルシーンが youtube にて公開されまして、予習がてらそちらも見ましたが…ぶっちゃけ それで半歩引いたところあったんだけど(苦笑)

引いた理由は殺戮の“エグさ”ではなく。リアリティの無さに ちょっと笑えちゃって。
この場合のリアリティとは“現実味”ではなくて“映画らしさ”ってトコなんだけど。

そこで思い当たったのは、ゲームの画面みたいだなと。
期待してた映画としてのバトルアクションのそれとは違うって感じでね。
確かによくできたスゴイ映像ですが、素直に「映画としてスゲー!」と思えなかった自分がいます。

ただし、一人称映像から鏡を経由して視点が変わる瞬間はハッとさせられたけどね。これはメチャ良かった。

一応の あらすじも事前チェックしてはいましたが、少々当方の理解が追いつかない部分もありまして。
進行形と回想シーンのインサート。時系列による演者の入れ替わり。登場人物の顔の違い。整形、メイク、ヘアスタイル。
この辺りを見ながら整理するのがたいへんではありました。

そのうえで、複雑に入れ違う復讐劇という図式にイマイチ感情移入ができなくて。
さらに言うなら、主人公がシャバに出た際のノーマルなラブコメムービーのような接近の仕方も、見ていてちょっとウザいなと感じたり。

ある方が書いていましたが、男の素性は観客にも伏せておいた方が、より悲哀も驚きも増したですよね。
でも それだと男の葛藤が得られないか?
悩ましいトコだけど。

一方で前半の訓練所時代を共にするキャラクターたちの配し方、使い方は良かったですね。
それによって非情さや 苛立ちが伝わりました。

そんなこんなでドラマパートは良し悪しあれど。
アクションシーンは確かに見応えありました。

中盤にはバイクアクションと殺陣のMIXなんてのも いいアイデアだと思ったし。
終盤のムッチャクチャなバスの使い方。ワンカットであそこまで見せていく映像編集の素晴らしさは見応えありました。

ただ ちょっとケチつけるなら あのギリギリで走るバスの横を、別のバスやダンプが追い抜いていくのは余計だったね。
あっちの方が危険な走り(スピード)してるっぽくなっちゃうのでね。

結果的に、アクションは及第点以上の満足度はありましょうが。
ドラマ的な意味だったり、復讐劇としてはこちらの感情を煽り切れていなかったかなと。
そういう意味では、惜しい…という印象も残りました。

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主人公ってそんなに“悪女”ですか?
posted by 味噌のカツオ at 17:08| Comment(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月30日

祈りの幕が下りる時

福澤克雄
阿部 寛、松嶋菜々子、溝端淳平、田中麗奈
滋賀県に住む女性の絞殺死体が東京都葛飾区のアパートで発見される。その住民の男も行方不明になっていた。やがて捜査線上に浮かぶ美しき舞台演出家。しかし彼女にはアリバイがあり、捜査は進展しないでいた。
そんな中、ある事件の手がかりを知った加賀恭一郎は激しく動揺。それは、孤独死した彼の母に繋がるものだった。

2010年の春にTBS系で放送されたドラマ「新参者」。その後 2本のスペシャルドラマと映画1作を経て、今回がシリーズラストとなる模様。
監督はドラマ「半沢直樹」「陸王」などの演出を務めた福澤克雄。

たいへん個人的な感覚の話ですが。
冒頭に登場する憂いを含んだ伊藤蘭さんの表情。そして 地方のスナックのママとして登場した烏丸せつこさん。ホントにキャスティングがバッチリ過ぎて、見事な“つかみ”でしたわ。

そんなイントロダクションがあって、今回の事件へと展開していくわけですが。
ぶっちゃけ いろんな登場人物がいて。現在と過去と時系列も変わってきて。東京、仙台、滋賀と舞台も飛んだりして。

さらには(初見の人でもわかるような)登場人物らのキャラ付けやユーモアも含ませつつで。
本来なら ずいぶんとゴチャつきそうな流れなのに、意外とよどみなく。なんとか追っていける感じにされていて。
こんな風に仕上げて見せたのは素晴らしい技量だと思いました。

また映像に関しても、ドローンによる空撮の美しさも印象に残ったし、聞き込みの場面の夏らしいギラギラした映像であるとか、親子が崖にいる時の悲壮感漂う荒天であるとか。
そういった点も“抜かりない”なと。説得力ありまくりで超・好感。

あとは やはり役者陣の技量も素晴らしかった。
阿部ちゃんの滑舌の悪さは置いといて。それとなく加賀恭一郎というキャラクターが確立されていたと思います。

そして何より松嶋菜々子さんがいいですね。
ドラマ「砂の塔」でも思いましたが、美しさと狂気と怪しさが見事に表現されていて。観客の眼を引き込んでいく感じありますね。

溝端淳平も 軽妙でありながら不真面目には見えない。ちょうどいい雰囲気を纏っていて。
あとキムラ緑子さんの演じた 強情なババアも「上手いな」と「こんなん いそうだわ」とそう思わせてくれましたし。

あとは小日向文世さんも当然ですが、娘役の桜田ひよりさんには泣かされました。
パッと見、今どきのカワイらしい印象こそ無かったけども、この娘はスゴイわと。率直な感想です。

全体に見どころも多くて、少々内容は複雑ではありますが、それを2時間にまとめ上げたのも見事。
実際 見た感覚としては それ以上のボリュームありましたからね。

もしかすると「テレビの2時間ドラマ」と言われちゃう可能性もあるけれど。
総じて丁寧に作り込まれている印象は受けました。

ただし(とても核心となるトコですが)あんな形で首を絞めて、そんな風になるか?であるとか。
チョイチョイ ツッコミたくなる点もなくはないけれど。まぁそれを差し引いても 十分に及第点でしょう。

バイオレンス度合いを極力なくして、シンプルに誰もが見入ってしまうような、満足度の高いエンターテイメントに仕上がっています。

ちょっといやらしい言い方をするならば、基本はテレビドラマ派生の劇場版というものであって。
その分 ある意味でライトな作品だとは思いますが、変な“あざとさ”もなく、とても上質なドラマとして楽しめる一本ですね。

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あの似顔絵は あの人なのね
posted by 味噌のカツオ at 22:18| Comment(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月26日

オトトキ

松永大司
吉井和哉、菊地英昭、廣瀬洋一、菊地英二
数多くのヒットソングを世に送り続けながら2001年に活動を休止。そして2004年の申年に解散し、2016年の申年に再集結を果たしたロックバンド「THE YELLOW MONKEY」。
その復活劇を追った音楽ドキュメンタリー。

いろんなミュージシャンのドキュメンタリー作品もありますし、吉井さんのソロでもありましたな。
今作はバンド「THE YELLOW MONKEY」のドキュメンタリー。

2015年に RADWIMPSのボーカル野田洋次郎主演で「トイレのピエタ」を製作した松永大司が監督を担当。

この作品のためにということなのかな。アマチュア時代からライブを行っていた渋谷のLa.mamaで無観客ライブを敢行。
その様子をインサートしつつ、再始動後の流れを追っていきます。

実際は2016年の初頭からプロジェクトは動いていたので、ライブに至るまでのリハとか心境とか。
ライブを迎えるまでの状況も見たかったというのは贅沢な願いかな。

再結成、初ライブの模様はわたくしも街頭での同時中継で見てましたが。
こうやって改めて見ても グッときますね。映画見ながら涙ナミダ(笑)

そしてライブ前、あるいはライブ後の映像も出てきますが。
控室でサポートキーボードの鶴谷さん含めて5人でケータリング(定食みたいの)食べてるシーンが妙に印象に残ってて。
同じ釜の飯を食う仲間とも言えるし、メシ食いながらの打ち合わせ、バカ話の光景からまさにバンドとしての雰囲気の良さが滲み出ていて。微笑ましかったですね。

ツアーが進み、神戸2DAYSの最中に合った出来事。
それを受けての「球根」は確かにゾクゾクしてしまいました。まさに命を歌った曲でもあるからね。
もうひとつ、ヒーセのハグにもグッときちゃったし(笑)

そしてわたくしもテレビで見ていた黒一色の衣装で登場した「紅白歌合戦」。そして年をまたぎのフェスでの まさかのアクシデント。
28日に武道館を成功させて、疲れがピークだったのか。見ていてヒヤヒヤしましたし、当事者はさぞかし悔しかっただろうなと。

こうしてあらためて見た映像、ライブシーンでは目頭の熱くなる瞬間が度々ありました。
ホントに唯一無二のライブバンドであることを思い知らされました。

そんな THE YELLOW MONKEYのメンバーを一言で表すなら「ピュア」だなと。
もちろん今の姿を見てのことなんだけど。

結成した当初はもっとトガっていただろうし、売れ始めたころはヤンチャだったろうし。
でも ある種の到達点に至ったことで、ひとつの運動体としては継続不可能に陥ってしまって。

あれから15年の時を経て、メンバーがもう一度集まることって。
安っぽい言い方をするならば、同窓会的な面もあって。時を違えて顔を合わせると、一番楽しかったころの感覚を思い出すことができて。

さらには普通に年齢も重ねてるから。人間的にも丸くなっていってるし。
妥協とかではなく、ナチュラルに互いを尊重できる関係ができあがっていて。
それでいてキャリアの分だけ演奏のスキルはアップしていて。

良い年齢の重ね方をしてきたからこそ、ピュアでいられるんだろうなと。そんなことを感じました。
いやマジで 今さら揉め事とかめんどくさいもんね。そっちの方が過ごしやすいもんね。

だから時間を置いて再結成できちゃうんだろうね(笑)

最後に、これはこれでドキュメンタリー映画ではありますが。
ただ単に再結成後の彼らの姿を追っただけではなく、キッチリとドラマが描かれていて。
普通に映画としても楽しめました。

もちろんTHE YELLOW MONKEYという素材も良かったのと同時に、松永大司監督の腕もあると思います。
音楽ドキュメンタリーであってもそういう要素、大切だよね。

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ピュアな大人たちだと思う
posted by 味噌のカツオ at 13:35| Comment(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月10日

おじいちゃん、死んじゃったって。

森ガキ侑大
岸井ゆきの、岩松了、光石研、水野美紀、美保純
吉子の祖父が亡くなり、葬儀のため祖父の長男・昭夫、次男で吉子の父である清二、長女・薫とそれぞれの家族が久しぶりに集合する。
準備に追われる中、祖父の3人の子は、みっともないほどの本音をさらけ出しては兄弟ゲンカに。また吉子も ある後ろめたさを抱え込んでいた。

見に行くきっかけは 気になる女優さんである岸井ゆきの 初主演ということで。
それなら どんな内容でも、どんなテーマでも行きましたと。いうトコですが。

いやいや それはさておき、これはこれで今の邦画に於いて十分に佳作と言える作品でしたよ。

森ガキ侑大(ゆきひろ)監督はCM畑の人なのかな。長編映画としてはこれが初監督。
舞台となるのは熊本県人吉市。

主人公・春子と彼氏がSEXしてる時に電話が鳴り。
行為を中断して電話に出た春子がそのことを知らされます。

そして やおら部屋の窓から下を見下ろし、下にいる父親に叫びます。
「おじいちゃん、死んじゃったって。」

おおぅ、家族のいる家の2階で、昼間っからやってたのか。
ということはさておき。

父親(光石研)と共に病院に向かうと、迎え入れたのは父の兄(岩松了)。
事前にチェックしていなかったんだけど、凄いキャスティングだな(笑)

それきっかけで、バラバラになっていた家族…親族一同が集まってきます。
学校、仕事、離婚 などでバラバラに暮らしていた家族たち。

余計なこと言う長男。実は会社を辞めていた次男。ひとりでクールに成功を収めている長女。
そして いかにも現代チックであり、バラバラの個性を持つ孫たち。
極めつけは、ばあちゃんが認知症であると。

物語の中で「おじいちゃん死んじゃったのに、誰も悲しい顔しないね」って。
実際 通夜だの葬儀だののループに入ると、結構忙しく段取りしなくちゃいけなくなって。それは悲しみと向き合わせないためであると。必要以上に落ち込ませないようにするためとも聞いたことがあります。

その反面。現代のようなライフスタイルだと、ジジババと孫たちでは 関わる機会自体がなくて。関係性もどんどん希薄になるから、悲しさとも距離ができるような気がするね。

そもそも お葬式って(冠婚葬祭自体が)古い風習とも思えるよね。
我々の日常生活でも仕事でも娯楽でも。いくらも新しいテクノロジーが入ってきてるけど、葬式はずっと変わらないというか。

今どきの若者でも、いっぱしの引きこもりでも、キャリアウーマンでも。いざとなれば その古いしきたりに組み込まれるのも、見ようによっては滑稽に見えなくもなくて。

それこそ昔から 葬式をテーマにした映画、コント、いろいろあるわけで。
んで 今作は単なる“お葬式あるある”なコメディではなく、ある種 新しくも古めかしい家族のつながりを提示してくれてたと思います。

「こんな家族なら、全部花火で吹き飛んじゃえ」なんてファンタジックなシーンも印象に残ったし。
でも一夜明けたら笑顔で一枚の写真に収まることができる。それでこそ家族なのかもしれないですね。
posted by 味噌のカツオ at 22:57| Comment(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月07日

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。

アンディ・ムスキエティ
ジェイデン・リーバーハー、ビル・スカルスガルド、フィン・ウルフハード、ソフィア・リリス
とある田舎町で相次ぐ子供の失踪事件。内気な少年ビルの弟も、ある大雨の日に外出し、血痕を残し消息を絶った。自分を責めるビルの前に 突如“それ”が現れ、彼は得体の知れない恐怖を抱えてしまう。
しかし 同じ恐怖と遭遇した仲間たちと共に、ビルは“それ”に立ち向かうことを決意する。

「ホラー版 スタンドバイミー」なんて話が事前に聞かれておりまして。
実際に今作もスティーブン・キングの原作なので、決して不思議ではないことだわね。

冒頭。雨の降る日、紙で船を作る弟。彼が地下の納戸にニスを取りに行くんだけど。
大人の感覚で言うならなんちゅうことないんだけど。確かに子供の頃って“電気の付いていない部屋”ってだけで、得も言われぬ“怖さ”感じてたね。
この映画の場合 怖そうなBGMも流れてるから余計にだけど。

兄に水はけのニスを塗ってもらった紙の船を、雨水の流れに浮かべます。
しかし船は勢いよく流れ、通りの排水溝へ。そこで少年は怪しげなピエロと出会ってしまいます。

今作に登場するピエロって何なんだろう。
恐怖心の象徴なのかな。

でも“恐怖”という感情が具現化されたもの〜という側面を越えて、なにやらガッツリ姿現していたからなぁ。
ホラーのテイストを纏った青春ストーリーを越えて、これ ホントにホラーなんじゃね?
ジェイソンやらフレディやら、そっち系なんじゃ…ないのかな?
どうなん?

キツイいじめとかボコられるとかもあるけど、腹にナイフで…って傷害事件じゃん。
ある種 恐怖のピエロよりこっちのがイヤだなぁ。

子供たち中心のストーリーで、チョイチョイ出てくる大人はこれまた どっかイカれてて。
この街では27年周期で子供たちが犠牲になる事案が起きていると。

もしかしたら それを察知してる大人が、子供たちが外へ出ないように、強引な態度をとっているとか…でもないのか。

そもそも“イット”って何のことなんだ?
アメリカでは鬼ごっこの鬼役を“イット”と呼ぶそうじゃないですか。
じゃあやっぱり“イット”って恐怖の象徴じゃなくて、ホントに恐怖のピエロのことなのかな。

最後にピエロに子供たち総出で闘いを挑むシーンは「ガンバの冒険」でイタチに一斉攻撃を仕掛けるネズミたちがオーバーラップ。
やっぱり実像なのかな。

でもスティーブン・キングの世界観であるなら、やはり“それ”は恐怖の象徴で。“それ”を乗り越えて成長していくテーマなのではないかな?

ずっとそんなこんなで、ある意味 煮え切らないまま見終えてしまったわたくし。
世間の評判は割りと上々なんだけど、今の段階ではモヤモヤが残ってるわ。

高評価をしてる人たちはこの作品をどういうスタンスで楽しんだのか。
わたくし的には ちょっと分かり得ないんだよなぁ。

で、ホントにパート2もやるの?

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「“それ”が見えたら、終わり」って、アキラ100%?
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2017年10月13日

アウトレイジ 最終章

北野 武
ビートたけし、西田敏行、大森南朋、金田時男
関東の山王会と関西の花菱会の巨大抗争後、大友は韓国に拠点を移していた。彼は日本と韓国の裏社会で暗躍する張会長の下にいたが、韓国滞在中の花菱会幹部・花田がトラブルを起こし、張会長の手下を殺してしまう。
この事件を発端に、張会長と花菱会の関係は険悪になり、全ての因縁に決着をつけるべく、大友も日本に戻ってくる。

北野武監督の「アウトレイジ」シリーズ、3作目にしての“最終章”。
テレビで1作目・2作目を放送していたので、そちらで過去作をおさらいしてからの鑑賞。
やっぱり これまでのいきさつや人間関係が入ってた方が、より分かりやすいし楽しめます。

前作のラストで刑事を殺した大友は張会長の手引きで韓国に渡り、デリヘルの元締めをしているという設定。
んなわけで 韓国の夜の繁華街から始まるわけですが、この辺りの映像がめちゃキレイ。

走る車の上部に現れるオープニングタイトル。
車の輝き、ネオンの反射。日本ではこういう色気って出せないなぁ。
その後の子分たちと釣りを楽しむシーンでの ある意味微笑ましくて印象的。

そんな大友たちが、トラブルを治めに行くところから今作の流れが始まるわけですが。
基本線は やった、やられた での応酬。そこに過去の因縁が入り込み、今の組織での権力争いが、またまた取り返しのつかない規模に発展していきます。

そういう意味でのストーリーの意外性こそないものの。
監督の思いとしては、普通の社会でも 一般の会社でも、誰かがミスをしての揉め事。同僚への妬みや裏切り。大きな会社であれば 部署が違うことで発生する無理解。それは一緒であると。
その関係性の中に銃を持たせただけと。

なるほど、そう考えると より分かりやすくなりますね。

さて、権力闘争としてのストーリーはわかりやすく。一方で 過去作よりもドンパチのシーンはかなり控えめ。
シリーズでは豪華キャストでありながら、それらがみんな殺されるという。役者とすれば“退場”ということになるんだけど。

今回は追加された新キャストよりも、前作からのキャストがわたくし的には響きましたね。

筆頭は なんといっても西田敏行さん。
何やら自宅ベッドから転落して頸椎亜脱臼を経験されたことで、首を動かすことができないと。
その分ずっしりとした威圧感が増して。それでいて関西ヤクザ的(?)なのか映画的にはアドリブ(?)なのか、時として妙な語り口から目も耳も外せません。

そして その補佐役の塩見三省さんも大病を経験されたそうで。
噂によると脳出血で2年ほど休業されていたとか。そして前作からの流れで この最終章に登場しまして。
その前作でソファで足を組んだまま「なにさらしとんじゃい!ワレ!」と怒鳴るシーンと超コワかったんだけど。

今作では驚くほど痩せてしまった上に、言葉もやや呂律が回っていないような状況で。
にも関わらず…この数年で また修羅場くぐってきたんだなと。見事にそっちに転換されていました。
歩くシーン一切なし。座ったままか 立ったまま。それぐらい体調は厳しかったのかもしれませんが、キャラクターとしては見事ですし、それで撮影を成立させられた制作陣も見事だと思います。

それから問答無用の存在感を誇っていたのが張会長役の金田時男さん。
それこそ大きな動きもセリフも多くはありませんが、映るだけで画面に緊張感が走りますし。この方の前ではヘタこけないなという雰囲気がビッシビシ。
元々役者さんじゃないからね。ホントに実業家としての、人としてのスゴ味ですよね。

たけしさんも含めて、体は動かないし、しゃべりも聞き取りにくいし。
芝居としては決して良いことではないんだけど、それ以上に その“人”を見せられている感じで。大満足でした。
ほぼほぼリアル「龍三と七人の子分たち」の味わいだけどね(笑)

あとはピエール瀧さんもキャスティングはハマっていましたし、ポジション的にはおいしい役どころでしたね。
一方ネプチューンの原田泰造さんなんかは、これまでにも映画・ドラマ多々経験してきているのに、軽い役過ぎて意外やったね。

ほぼ全編通して…いや シリーズを通して。今この時代に“やくざ映画”というジャンルで魅せられる人、いや撮れる人もいないと思います。
それだけに新鮮だったり、のめり込ませる緊張感を保っていたり。
見応えのある作品でしたね。

ただし、今作で最終章というのは ちょっと寂しい思いは残ります。

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アウトレイジ 済州島
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2017年09月04日

エル ELLE

ポール・ヴァーホーヴェン
イザベル・ユペール、ローラン・ラフィット、アンヌ・コンシニ
ゲーム会社の社長であるミシェルは、ある日自宅に押し入った覆面の男の襲撃を受ける。その後も周囲で不審な出来事が続くが、彼女は警察には届けず、自ら犯人を探し始める。
だが、次第に明らかになっていくのは、事件の真相よりも恐ろしいミシェルの本性だった…。

「氷の微笑」で知られるポール・ヴァーホーヴェン監督の新作。
他にも有名なところでは「ロボコップ」「スターシップ・トゥルーパーズ」などもあるのですが。

ついつい「氷の微笑」と書いてしまうのは そのイメージが近いからかな。
男と女、エロチシズム、駆け引き…といった要素ですかね。

大まかな あらすじをチェックして、レイプ被害にあった(ある意味)悲劇的な主人公が、じつは 相当なやり手であった、悪女であった…と。
なんというか、序盤の印象と終盤のそれとが変わってきてしまう、ストーリー上のマジック的なものを期待して見てきました。

ですが、正直言って、ダメでしたね。
わたくしには合わない代物でした。

物語が進むにつれて増えていく登場人物。
それらの名前、人間関係が追えない。というか全員がクセがあり過ぎで。

この人が元ダンナで、それでいてこういうつながりがあって。
誰と誰が夫婦で、でも裏ではこんなことを考えてて。
一見 普通に見えて、こんな性癖があって。

(後々チェックしたら)ある程度 解説してるサイトもあったけど、リアルタイムで見ていたらわけわからんくなってしまって。
いや、わかったとしても飲み込むまではイケなかったでしょう。

主人公だけじゃなくて、数ある登場人物が皆そんな感じなので。
わたくし程度の脳みそでは、把握しきれませんで。ついていけませんでした。

さらに下世話なこと言うならば。
レイプシーンにドキドキしたり、あんなことしたりポロリがあったり。
そういう映像に期待もするんだけどね。普通の映画ならば。

ただ今作でその被害に遭うのが おばあさんとなると。
エロチシズムという要素を越えて、萎える一本…いや一方でしたね。

熟女系ならまだしも、老け専ではないので。
見ていられない。ちょっとごめんなさいでした。

いやいや、普通に映画として楽しもうと思ったんだけど。
合わなかったね…ということで。

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♪エル〜エル〜エルはLOVEの〜
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2017年09月01日

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

新房昭之
(声)広瀬すず、菅田将暉、宮野真守
夏休みの登校日。典道との競泳対決に勝ち、同級生のなずなから花火大会に誘われた祐介。一方 典道は競争のさなかに水中で不思議な玉を見つける。
放課後、なずなが母の再婚に悩んでいることを知る典道は、どうすることもできないもどかしさを感じ、ふいに玉を投げると、なぜか競泳対決の最中に戻っていた。

原作は岩井俊二。1993年に放送された単発のTVドラマとして映像化されています。
脚本は大根仁が担当。そしてアニメのヒット作を多々輩出しているシャフトが製作。

これは余計かもだけど、あの「君の名は。」の公開からちょうど一年。
「この夏のアニメ映画は これで決まりっしょ!!」と、お膳立てが揃いに揃いまくった状況だったわけですが。

いざふたを開けてみれば わかりやすいまでの酷評の嵐。
もちろん擁護派もいれば 楽しめたという意見もあるにはありますが。
それを受け止めたうえで見てまいりました。

結論から言うならば…ぶっちゃけ ひとつもワクワクできなかったですね。
全体のリズム感が良く無いのか、ノッていけなかったわ。

岩井俊二の原作の世界観は それなりのまったり加減があって。岩井流の情緒というべきかな。
それがアニメの演出と合わなかったのか。

そもそも年齢設定がよくわからなくって。実は中学生設定だったと後々わかるわけですが。
それにしては なずながオトナっぽ過ぎて。でも原作でも ひとり大人びた存在ということなのでそれはええけども。
そのくせ 広瀬すずの声はカワイイ印象で。ミスキャストじゃなかったかな。

対する菅田将暉が演じた典道も違ったなぁ。正直 所々で“大根”かと思う場面もチラホラ。

そして チョイチョイ挟まれるチョケた会話がまたチョー寒くって。笑えないですよ。
プールで“ウンコ”が云々というやりとりもあったけど。あれが中学生っぽさの演出だと思うと…そうじゃないだろうと。
あまりに“ウンコ”を舐めてるよね。

見終わった時点で、というか見ている途中から そういう感じになっちゃうと、何やらどこがアカンのかを頭の中で連ねながら見ることになってしまいますね。

そうなると なんでタイムリープするのか。した結果どうなのか。
そういうひとつひとつが合点がいかなくなって。
やはり ワクワクできなかったということに。

かろうじて良かった点を挙げるとするならば。
「メアリと魔法の花」と同じで。

エンディング曲が良かったという。
それだけかなぁ…(苦笑)

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線香花火、どこから見るか?
posted by 味噌のカツオ at 00:47| Comment(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月20日

俺たちポップスター

アキヴァ・シェイファー、ヨーマ・タコンヌ
アンディ・サムバーグ、ヨーマ・タコンヌ、アキヴァ・シェイファー
幼馴染みの3人が結成したヒップホップバンド“スタイル・ボーイズ”。ところが、フロントマンのコナーがソロデビューし、バンドは解散。
一気に大人気となったコナーであったが、期待のセカンドアルバムが大コケ、世界ツアーまでも中止になり…。

今作の原題は「Popstar: Never Stop Never Stopping」。
ざっくり訳すと「止まらないポップスター」となるのかな。
実際の邦題は「俺たちポップスター」なんだけど。

「オレたちひょうきん族」由来というべきか。“俺たち”と冠されるだけで ある種のコメディ感は増すよね。
でも、実際の作品の印象とはちょっと違うように思うなぁ。
やりたいこと、わからんでもないんだけど。。。

海外のバンド、ミュージシャンをテーマにしたヒストリームービーって意外と多いんだよね。
わたくしもいくつか見たことありますが「あのシンガーにそんなウラ話が」と思うものもあれば、ぶっちゃけ「そういう音楽のムーブメントがあったんだなぁ」と、全く知らないバンドであっても見ることがあるのですが。

その視点で言うならば…今作に登場する“スタイル・ボーイズ”も、わたくしが存じ上げないヒップホップバンドのひとつ…なんてスタンスで楽しむこともできたりして。

かと思えば、架空のバンドに対して カメオ出演してる数多の“本物の”ミュージシャンたちが「コイツらスゲぇよ」と言ってるのを見て、友近さんの“友人”である水谷千重子が、シレーっと大物演歌歌手の皆さんと共演しているのを彷彿としたりして。

これはこれで いろんなスタンスで楽しめる作品であり。もっと言うなら、普通に一本の映画として見ても普通に面白いんじゃないかな。

さて、この“スタイル・ボーイズ”を演じたのは、「Saturday Night Live」でブレイクした“ザ・ロンリー・アイランド”という3人組。
彼らが 製作・監督・脚本・出演を勤めたというもの。

大爆笑とまでは言わないけれど、いい感じでの悪ノリ具合で、あるある的な雰囲気で。
それでいてクオリティ高い仕上がりになってて。

それにどうしようもない下ネタ。よくわからない“亀”の静止画像(笑)
あるいは心配したくなる“ビン・ラディン”ネタまで。
十分に楽しめましたです。

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一緒に「ドンキー・ロール」やりたい(笑)
posted by 味噌のカツオ at 01:21| Comment(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月26日

ありがとう、トニ・エルドマン

マーレン・アーデ
ペーター・シモニスチェク、サンドラ・フラー、ヴラド・イヴァノフ
コンサルタント会社で働く娘イネスの元を訪れた父ヴィンフリート。多忙なイネスだが、父に合わせながらのぎくしゃくした数日を過ごし、やがて父は帰っていく。
しかしホッとしたのも束の間、彼女の元に“トニ・エルドマン”という別人になった父が現れて…

製作国は ドイツ・オーストラリアという表記になっていますね。
カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞、米アカデミー賞では外国語映画賞ノミネートなど、各国で数々の賞に輝いているヒューマンドラマ。

“賞 イコール 名作”とは定義できないけれど、それはそれで気になるものでありまして。
2時間42分という長尺も覚悟しつつ、見てきました。

予告編で見る限り、大方の設定や展開は把握しつつ…でしたが。
ざっくり言うならば、2時間42分かかって 予告から持っていた印象そのまんまでしたね。
特に意外な部分もなく、結末というか着地点までかな。

ホントにざっくり言うならば、しっくりいっていない父と娘。
それを見かねて、父が(バレバレの)他者になりすまして娘に近づき、やがて何がしかに気付くという。

それ以上の意外性とかはないままに。
というか、ある部分では予想以下だったとも言えるわけで。

ぶっちゃけ 他者と言い張るオトンのキャラが、そんなにエキセントリックでもなく。中身も それほどウザいとか迷惑をかけるでもなく。

父の振る舞いで娘の仕事を台無しにしたり、極端に足を引っ張ったりではなく。なんなら 微妙にサポートしちゃってたような。
あぁそっちなんや。

娘の携わっていたプロジェクトも、結局どのような方向に行ったのかもぼんやりで。
なんとなく全般的にはっきりしな〜い風向きのまま。
しかも2時間42分かけて そんな感じなので。

決定的にぶつかるとか、心揺さぶられるまでの邂逅とまではいかずで。
眠気こそなかったけど、印象に残るポイントも乏しかったよね。

あえて印象に残った点を挙げるなら、ぶっかけお菓子食っちゃうのとか。残念おっぱいだったとか。
そういうことになるんだけど。。。

申し訳ないが、わたくし的には響くもの、無かったですわ。

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あなたは ホントニ、エルドマン?
posted by 味噌のカツオ at 00:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月14日

お嬢さん

パク・チャヌク
キム・テリ、キム・ミニ、ハ・ジョンウ、チョ・ジヌン
1930年代日本統治下の韓国。美しい富豪令嬢・秀子のもとへ、メイドとして孤児の少女・スッキがやってくる。
実は“伯爵”と呼ばれる詐欺師が、秀子の財産を奪うために、協力者として送り込んだのがスッキだったのだ。

「このミステリーがすごい!」で1位にもなった英国の小説家サラ・ウォーターズの「荊の城」が原作。
そして監督は「オールド・ボーイ」「復讐者に憐れみを」「親切なクムジャさん」などのパク・チャヌク。

第69回カンヌ国際映画祭に出品されたということで。
69な場面もあるので、説得力が増しますね。

そんなこんなでエロティックなシーンもチョイチョイあって、韓国では“成人映画指定”も受けたとか。
それでも大ヒットしたという事は、作品のデキが良いのか、みんな そんな映画を見たいのか…知らんけど。

逆に、エロいのは苦手だという声も目にしますが。
わたくし的には それらのシーンもいい感じで見られましたよ。
同様の絡みのあった「ホワイトリリー」とは比べ物にならないぐらい、コチラは良かったです。

もう一点気になるポイントとして、日本語のセリフがあります。
1930年代の日本統治下の韓国という設定。役名にも日本人名も出てきます。

それもあって韓国人の役者が日本語でしゃべる部分がとても多くて。
やぁ中にはとても流暢なそれもあれば、(ちょっと古めの単語も含めて)聞き取りにくい、理解するのにちょっと間がいるところもあります。

でも、そもそも この物語の世界観が、どこか でたらめチックだったり、必ずしもシリアスなものでもないですから。
その前提であれば、決して集中力を削がれる感じでもなかったし。なんなら雰囲気にマッチしてたようにも思いましたがね。

作中に「第一部」「第二部」「第三部」と表示されて、その都度 趣を変えた見せ方をしてきます。
それによって、驚かされる部分もあって。映画のエンタメ性も保たれていました。その点での面白さはあります。

ただし、前述のカタコトの日本語。エロティックシーン。そして時にバカバカしくなるぐらいの変態描写を受け入れられれば、楽しめるかと。
そういう意味での万人受けは難しいかもね。

主人公の一人、スッキを演じたキム・テリは 今作がほぼデビューみたいな作品だそうで。
それでいて ここまでの演技を〜というのは大したものです。

もっと そういうキレイな体を拝みたかったなと。
正直な感想でございます。

あぁもうイッチョ忘れてた。
終盤に超痛い描写もあるんだよねぇ…
やっぱ万人受けは難しいか!?

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侍女は“じじょ”と読むんだよ
posted by 味噌のカツオ at 01:20| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月06日

WE ARE X

スティーヴン・キジャック
日本が世界に誇るロックバンド、X JAPAN の軌跡に迫る音楽ドキュメンタリー。

2014年。アメリカのマディソン・スクエア・ガーデンでのライブを行う日本のロックバンド、X JAPAN。
結成から30年余りの歴史の中で、世界への挑戦、メンバーの脱退やバンドの解散、HIDEとTAIJIの死など、多くの悲劇が降り掛かった。

そんな彼らのヒストリーを ドキュメンタリー監督のスティーヴン・キジャックが映画化。ちなみに製作国はイギリスとなってます。
そして今作は2016年の米国・サンダンス映画祭で最優秀編集賞を受賞。その他 世界各国で多くの注目と高評価を得て、この度 日本公開と。
逆輸入された作品とも言えますかね。

わたくし自身は そんなにXにはまったとか、追いかけてきたファンというわけではなく。
ただし その唯一無二の存在感。音楽性の高さは重々承知しております。

映画の基本線は、バンドのリーダーでもあるYOSHIKIを追った形で。
細い体で、満身創痍でドラムを叩き続けるその姿。医師からは「そんなにパワーに頼らずとも、音楽はできる」と諭され、YOSHIKIも「はい」と答えますが。
もちろんみんなわかってます。無理しなくても音楽はできるけど、X JAPAN の表現はこうじゃないとできないんよね。

そんなYOSHIKIの生い立ち。父親との関係は これまた驚きを隠せませんでしたが。
それらを経験して、今のYOSHIKIに辿り着いているのはよくわかりました。

80年代、90年代の音楽ファンにとっては懐かしい映像も織り交ぜつつ。
それまで圧倒的なパワーを誇っていた運動体が、97年に解散…というところがひとつの大きなターニングポイントで。

映画の中でも露骨に進言されたToshiの洗脳騒動。なんなら「アタマがおかしくなっていた時期」という表現も。
いきさつとしては、ボーカリストとして揺らいだ心の隙間に入り込まれたってことみたい。なんか、合点が言ったわ。
そんな洗脳状態から バンドとしては機能しなくなり、そして解散発表。その状況下で行われた“けじめ”のラストライブについても、生々しく語られます。

そして その直後にはメンバーだったHIDEの死が追い打ちをかけます。
X JAPAN の後、ソロとしての活動は、結果短いものであったけど、バンド時代に彼がどんな存在であったか。そして彼が放つカリスマ性は、今 当時の映像を見ても引き付けられます。

そして終盤。10年の時を経て、YOSHIKIとToshiの邂逅というエピソード。
幼なじみの彼らには言葉はいらなかったのかな。そして「Without you」という曲が、結局ミュージシャンは作品がその関係性の全てなんだとわかるものでした。

X JAPAN の再結成。普通に幼なじみ然として、TAIJI の墓参りをするYOSHIKIとToshiの姿。
そして「あれがHIDE と一緒に演った最後なんだよね」というPATAの言葉も。
終盤は さすがに込み上げるものがありましたよ。

殺気、家族、血、命…
いろんなキーワードの散りばめられた X JAPAN の歴史。
ちょっと苦言を呈するなら。90分という上映時間は短いよね。

各エピソード、もっと掘り下げられる要素ありまくりだからね。
そりゃもう、下手なドラマを上回るほどに、しっかりとした見応えのあるドキュメンタリーであったのは確かです。

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再結成してくれない?
posted by 味噌のカツオ at 01:13| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月05日

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う

ジャン=マルク・ヴァレ
ジェイク・ギレンホール、ナオミ・ワッツ、クリス・クーパー
突然の交通事故で妻を亡くしたエリート銀行員のディヴィス。しかし涙も流れず、哀しみにさえ無感覚になっている自分に気付く。
「心の修理も車の修理も、まず隅々まで点検して組み立て直すんだ」という義父の言葉をきっかけに、彼は身の回りのあらゆるものを破壊し始める。

「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」という邦題に対し、原題は「Demolition」。意味としては 破壊や爆破というもの。
ずいぶんと印象が違っておりますが、いや ラストまで見れば どちらも納得のタイトルかも。

非常に多くの方が反応していますが、導入部としては昨年公開された「永い言い訳」と同様で。妻が事故で死んでしまったが、全く泣けないことに気付いた男のオハナシ。
「永い言い訳」の方は 同じ境遇の男、そしてその子どもたちとの関わりで、主人公は何かを見い出していくわけですが。

こちらは…ちょっと複雑かな。
破壊行動、ある女性との出会い、そしてその女性の息子の存在。
女性といっても 亡き妻を忘れるために互いに求め合うというほど安易でもなく。

それ以外でも、やっぱ複雑かな。
ただし 主人公の複雑な行動や心情とは裏腹に、一つひとつの場面はとても魅力的で。
特に女性の息子と心を通い合わせるくだりは、無性に楽しかったんだけど。

さて この映画のラストまで関わってくるもう一つのポイントの破壊行動。

そもそもは 男の義父から言われたアドバイス「壊れたものは、一旦全て分解してみるしかない」に端を発し。
また 妻と最後に交わした「冷蔵庫の調子がおかしいから直して」なんて会話を思いだし、実際に冷蔵庫を解体していく男。

言うても分解こそすれど、再度の組み立てはすることなく。
なんなら他の家電やパソコンや、会社のトイレの扉まで 次々分解していきまして。
やがて 家の解体現場に出くわし、家を壊すことを手伝います。

なんて言うか、もしかしたら壊れた夫婦関係も、一旦解体することで元に戻ったのかな?
でもコイツ、分解しかしないし。

それにわたくしが思うに、ネジを外しての分解と、ハンマーでブッ叩く破壊って厳密に言えば全然違う行為なんだけど。
でも、でも、メリーゴーランドを再生することで過去に決着をつけ、建物の破壊で未来に駈け出すという。

そういう一対になってるのかもしれないね。

すごくいろんな出来事が絡み合い、決してわかりやすい作品ではないし。
それでいて 様々な場面や事象がとても輝いた映像になっていたりして。ユーモアにもあふれてて。

不思議な魅力を持った映画ではありますね。
でも、その良さを的確に説明できないんだなぁ(苦笑)

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「破壊無くして創造無し」です
posted by 味噌のカツオ at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月24日

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場

ギャヴィン・フッド
ヘレン・ミレン、アーロン・ポール、アラン・リックマン、バーカッド・アブディ
イギリス軍諜報機関のキャサリン・パウエル大佐は、ケニア・ナイロビの隠れ家に潜むテロリストたちの自爆テロ計画を掴み、殺害作戦に移行する。
だが、破壊準備に入ったその時、殺傷圏内に幼い少女がいることが判明。軍人や政治家たちの間で議論が勃発する。

これが現代の最新鋭のハイテクを利用した戦争のカタチでもあるんですね。
「ドローンを駆使して…」という言葉に触れても、ドローンってイタズラに使用するものでしょ?なんてゆる〜い認識しかないと、大きなギャップを感じずにはいられませんが。

ここに登場するドローンというのは 地上からは気付かないほどの上空で待機しつつ、そこに搭載されたカメラで地上の状況を監視し、とてつもない精度で目標に着弾できるミサイルも発射するという。
そんな兵器がドローンなんですね。

さらには もっと近いところから、怪しまれずに相手を監視できる鳥型のカメラ。
かと思えば さらに小型で敵のアジト内まで入り込むことのできる虫型のカメラまで。

重ねて言うなら、それらを駆使した作戦を考える人、機器を操作する人、カメラの映像を解析する人、攻撃の許可を認める責任者。それぞれが世界のいたるところにおりまして。
各々が連携を取りながら、同時進行でひとつの作戦を遂行していくというのも驚きでした。

様々な情報解析の結果、過激組織のテロリストたちが潜む隠れ家を突き止め、そこを監視したところ危険人物を発見。しかも爆弾入りのベストを着用している様子まで。
それを準備しているという事は、明日あさっての話ではなく、即テロリストが行動を起こすことでもあります。

政府の立場としては 殺してはいけないと。生け捕りにするべしと。
しかし そんな悠長なことを言っていられないと。いま手を尽くさなければ さらに多くの人が危険にさらされると。

なので 敵のテロリスト、それを支持する米国人に英国人も含めて攻撃するのもやむなしという判断。
また それだけでなく、民間人を…ここでは 幼い少女も危険にさらしてしまうという状況まで起こってしまいます。

様々な思惑であり、状況判断が試される映画でして。
映画として 終始緊張感も高く、とても悩ましく、よくできた作品であります。

であるからこそ言いたいのだけど。
この「世界一安全な戦場」というサブタイトルは いらんよね。
これがあると「これからテロリストやっつけるけど、こっちは平気だもんね♪」の印象になっちゃうっしょ。

今作の主題は安全うんぬんよりも、人としての道理、軍人の矜持、責任の所在など、様々なものを問うものであって。
わたくしに言わせりゃ、この日本語サブタイトル考えたヤツは何を見ているんだと。

なんならそれを見たことで「つまらなさそう」と思ったし。
ホントはこんなにいい作品なのにね。もったいない。

そして もうひとつ言いたい。
それぞれの立場で、とてもナーバスになりながら、米国人、英国人、テロリスト、民間人、あるいはこれから起きるであろうテロの犠牲者などを鑑みながら、何が正しいのか、どうするべきかを試行錯誤するわけですが。

どうかすると アチラの国内では、警察官がまったく無実の黒人を射殺したりする事例が多くあると聞きます。
同じ人の命であるはずなのに。

この映画の枠をはみ出したところで、さらに胸の痛みを感じました。

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トイレの中でくだしたのは おなかか判断か…
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2017年02月21日

相棒 劇場版W 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断

橋本 一
水谷 豊、反町隆史、仲間由紀恵、北村一輝、鹿賀丈史
特命係の杉下右京と冠城亘は、国際犯罪組織バーズを追って来日した国連犯罪情報事務局の元理事マーク・リュウに同行することになる。
そんな中、7年前バーズに誘拐された少女の現在の姿の動画が公開され、犯行グループは日本政府に多額の身代金を突き付ける。

テレビの「相棒」は見ていませんが、劇場版の方は見てますが…ってスピンオフ版までは見てないけど。
とにかく その程度のスタンスで。

ただし テレビで「劇場版につながる前後編」みたいな煽りがあったのでそれは見たけども…
関係なかったですね(苦笑)

長いシリーズでもあるので、そこそこの相関図は理解しつつも、キャラクターたちへの思い入れはなく。
ミッチーさん、六角さん、仲間由紀恵さんが登場してもグッと高まる感じもさほどはなく。

とにかく、イチ映画ファンとして「相棒」を鑑賞したわけですが。
やっぱり“趣”としてはテレビのドラマだよね。本来の映画で こんなに雑な展開はありえないもんね(苦笑)

ざっくり言っちゃえば、見ていて ひとつもドキドキできなかった。
その要因としては とにかくチマチマした謎が出てきては、右京さんの一声で解決…という流し方と全体の展開ですかね。
「えっ?」と言いたげな推理が次から次へと“こなされて”いくので、映画的な“溜め”がなくて。

見る側としては 謎を謎として享受するでなく、ただ単に 答え合わせだけを見せられてると言っては言い過ぎかな?

また大局的にも人や時間を絡めすぎて、ストレートに心に訴えかける重みが得られにくかったし。
なんだか そんなに欲張らず、もっとシンプルに、純粋に無念さや やるせなさを表す方が良いんじゃないかなぁ。

あと どうしても気になっちゃうのがホントにそんなこと可能なのか?って部分でね。
遺体の中にアレを隠すとか、エレベーターのボタンに仕掛けられたモノとか。
アレをメール送信したことで 通信ができなくなるとか。

ぶっちゃけ かなりのトンデモ設定にしか思えないので、推理という名の正解を提示されても 素直に驚くことができず。「その手があったか」と思うことができずで。
50万人の中からたまたま鈴木杏樹を発見したのもそうやね(笑)

そして「相棒」ファミリーのオールスターキャストと言われてたけど。
ファンにとっては“これぞ”なのか“極め付け”なのかもだけど、テレビ版を見ていない映画ファンのわたくしには、ノリきれなかったし。
謎解き含めて だいぶ置いてけぼり感あったしね。

テレビ版もそうなんでしょうが、トリックや謎解きの側面と同時に 現代流のヒューマニズムや悲哀といったものをベースに置いたお話も「相棒」の魅力でもあるんでしょう。
でも 話を複雑にし過ぎで。その路線であれば往年の「特捜最前線」みたいな脚本の方が グッときちゃうんだけど。
あれはあれで お話が相当暗いんだけどね。

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タイトルなげぇよ!
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2017年02月19日

ANTIPORNO アンチポルノ

園 子温
冨手麻妙、筒井真理子、不二子、下村 愛、福田愛美
時代の寵児とまで言われる女流作家の京子。分刻みのスケジュールにいらだつ京子は、マネージャーの典子に首輪をつけて部屋を引きずり回すなど、サディスティックに振る舞ってはストレスを解消していた。
しかし寝ても覚めても消えない悪夢にさいなまれ、自分自身に混乱をきたしていく。

薄々感じてはおりましたが、ロマンポルノという企画と園子温は相性がいいのかな。
というか そもそも園監督のスタイルがエロにも長けているわけで。

もっというならロマンポルノという枠を超えて、モロに園子温監督の世界だったのかもしれません。

いかにも演劇がかったムードの序盤。
そういう作風がそんなに好きじゃないのもあって、いくらか「かったるいな」と思って見てたんだけど。
途中で、ズバッとその世界が切り替わり、女優とマネージャーが切り替わり「これか!」と目から鱗。

あの かったるさは出るべくして出ていたのね。かったるくて正解だったのね。
そんなこんなでエンジンかかりまして。グイグイと引き込まれていきました。

見終わっての印象は、妙な心地よさ。メチャ気持ちいい。
ただし意味はわからない。ほぼほぼなんじゃこりゃ?の世界。
それでいて残った爽快感。

下手なヤツが作った自己満足の風変わりなアングラ世界と違って、なんだかわからないけど気持ち良かったんですよ。

つまり自己満足なオナニーの世界ではなく、この映画は確実に性行為が成立しちゃったってことじゃないの?スクリーンと客席で。
これはスゴイよ。園子温監督、お見事。

感覚でヒットする。
これぞ映画の醍醐味と言えるんじゃないかな。

男性生殖器と女性生殖器。チンポとマンコ。
この違いを定義すると…納得です。

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ボトルトカゲ!?
posted by 味噌のカツオ at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする