2014年12月21日

インターステラー

クリストファー・ノーラン
マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン
近未来、地球規模の環境破壊と食糧難で、人類に滅亡の危機が迫っていた。そこで 居住可能な新たな惑星を探すミッションが計画され、元パイロットのクーパーがクルーが選ばれる。
彼は幼い娘と息子に帰還を約束し、前人未到の新天地を目指して宇宙船へと乗り込む。

「ダークナイト」シリーズや「インセプション」などのクリストファー・ノーラン監督による新作。
ジャンルとしてはSF映画ですが、テーマとしてはファミリームービーということだそうな。

近々の宇宙モノでは「ゼロ・グラビティ」も話題になりました。
監督の志向もあり基本的にCGに頼らない方針のため、映像的にはアチラ程ではないにせよ、テーマやストーリーも含めたトータルでの見応えはこちらの方が高いですね。

ウワサを聞き、念のため事前に相対性理論とは何ぞや!?うをチェックしておったので、さほど困惑することはなかったです。
でも“素”のまま見に行ってたらちょっとしんどかったかも(苦笑)

ホントに評判も良いですね。
やはりこういう壮大な宇宙への幻想。家族愛の美しさ。わかりやすい展開の中に、ちょっと小難しい要素が挟み込まれる感じとか。そして3時間弱という尺による大作感。
この手の作品は人気あります。

ただわたくし的には それほどでも無かったかなと。つまらないわけではないけれど、こういう系統であればトム・クルーズの「オブリビオン」やマット・デイモンの「エリジウム」でも“それっぽさ”は味わえなくもないかな?
それらのサスペンスチックだったりエンタメ性と比較すると、少々今作は地味目に思えたりして。
あくまで好みというのも含めての印象ではあるけれど。

ただ ちょっと心にヒットしたのは、次はどの星に向かうかという際に、科学を封じ込めて“愛”に賭けようとしてるトコがね。妙にヒューマニズムを覚えるやりとりだったので。

このストーリー、地球では始まりから終わりまでで60〜70年ぐらいの年月が経ってたりとか、惑星、宇宙船で微妙に時間軸が異なったりしております。
その惑星や宇宙船でも結構な時間がかかっているはずなんだけど、食糧とか大丈夫なのかと余計な心配してしまったり。

チョイチョイ変形したり、普通に会話をしたりする 斬新なロボットが出てくるんだけど、そいつに付いてるディスプレイが微妙に古臭かったり。
あんな狭い“スペース”で野球するなよとか、そういう要素は気にしつつも、普通に楽しめる映画ではあったかな。

でも世間で評価されるほどの名作とまでは思わなかったわけで。個人的な映画の好みの違いかもですが。
あとはアン・ハサウェイがキレイだったなと。まさにそれも好みの問題だな。

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モールスの偉大さたるや…
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2014年12月17日

おやすみなさいを言いたくて

エーリク・ポッペ
ジュリエット・ビノシュ、ニコライ・コスター=ワルドー、ローリン・キャニー
世界の紛争地域を飛び回る報道写真家のレベッカは、取材先で爆風に巻き込まれて命を落としかける。負傷し帰国したレベッカは、危険地域での仕事が家族の気持ちを苦しめていることに気づき、危険な場所へは二度と行かないと決意をする。

とても静かに、厳かに始まる冒頭のシーン。
戦地を取材する報道写真家が、悲しみに暮れる弔いの場面を撮影しているのかと思うとさにあらず。
それは、これから自らの命を懸けた行動に賭けんとする女性の姿でした。

どこか張りつめた空気から、一気に緊迫感のある状況へ。
そして主人公の写真家は命を落としかねないほどの大きなケガを負い、家族の下へと帰っていきます。

そんな状況から始まるんですが、ストーリーとしての動きは決して大きくはありません。ただし、登場人物らの心のうちが とても繊細に描かれていて、ヒリヒリしてきますね。
家族間だから許されること。家族間だから譲れないこと。いろいろあります。

妻、夫、そして親と子。
もちろん一緒に暮らせるならそれが一番安心だし。でも人としてやらなくてはならないことも理解できます。
でも なぜそれをウチのママがやらなきゃいけないのか。

彼女が写真を撮ることで世界が変わる〜なんてことはありません。
でも写真を通じて伝えること。それを誰かが受け止めることが、変化につながっていくわけで。
それが報道カメラマンの使命というものなんでしょう。

家族だから一番わかってはいるんだけど認めたくはない。でも結果的には この母にして この娘という結論へ進んでいきます。

ラストの場面。冒頭と同じような、ある女性の行為が行われています。
でも冷静に見て、それ女性じゃないんですよ。少女ですよ。

もしかしたら主人公の娘と同じぐらいの年齢かと。そんな少女が そういう命の賭け方を…
そんな状況を目の当たりにした主人公自身にも、冒頭とは違う動揺が。
そんな彼女の姿に我々も揺さぶられます。

観客として、いろいろ試される映画でしたね。

主演のジュリエット・ビノシュの存在、佇まいが素晴らしかったです。
それから 所々で“指輪”が象徴的に映し出されていたように感じました。

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どうせなら おはようも言いましょう
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2014年12月08日

オオカミは嘘をつく

アハロン・ケシャレス、ナヴォット・パプシャド
リオール・アシュケアズィ、ロテム・ケイナン、ツァヒ・グラッド
少女が惨殺される事件が発生。容疑者の宗教学教師ドロールへの行き過ぎた行為により、刑事のミッキは休職処分に。しかし独自にドロールを追い詰めていこうとするが、そこに被害者の父ギディが現れ2人を拉致してしまう。

『今年のナンバーワンだ! by タランティーノ』という文句に騙さ…いや、誘われて見た人多数。
確かに予告編の雰囲気も良かったので。かなり期待してましたよ。

冒頭のイントロダクション。子供たちが“かくれんぼ”に興じる。しかしひとりの少女が 赤い靴を残して忽然と姿を消してしまった…というスロー映像が実に美しくて。
また気持ち、盛り上がってきました。

主要登場人物は3人の男。基本、女性は電話越しにしか登場しません。
少女の誘拐殺人犯と目される気弱な教師。全く笑顔を見せない、剛腕刑事。そして被害者の父親。

教師は本当に罪を犯したのか、本当は潔白なのか?
刑事は確信あって容疑者を問い詰めているのか、好んで拳を振るっているのか?
父親は事件の真相を知りたいのか、容疑者へ向けた復讐心が勝っているのか?
これらが全く読めない。わからない。

その心理と真理が隠されたまま。実はバランスのとりにくい3人の関係がどうなのかと思いきや。
意外と揺れ動いたり、裏切ったりという部分は実際は薄くて。

一番の見せ場は暴行・拷問シーン。
のっけから教師がボコボコにされ、拉致されて以降に受ける仕打ちは まさかまさかの…
それどころか 手、足、胸へとエスカレート。まぁ見ていて痛々しい映像でしたわ。
ダメな人にはダメなシーンやったね。

かと思えば、ところどころで顔を覗かせるコメディ要素。しかも結構 安っぽい。う〜ん、なんだこりゃ!?
結果的に、3人の男の生きざまをかけた心理ではなく。事件の真相を追ったサスペンスではなく。拷問ホラー映画の体を成したコメディ…なのかしらん。

一応ラストカットで“真相”たるものが明示されるのはされるんですが、なんか これもイマイチしっくりこなくってねぇ。
あの人が真犯人ということで、良いのかい?その割にはアレじゃないのかい…的な。

いやぁ彼らが地下の密室に籠った時点では「SAW」とか そういう路線まで行くのかと思ったら。全然違ったなぁ。
肩すかし〜という部分も含めて、期待ハズレという感想は否めません。
やっぱり宣伝文句に騙された〜で間違ってなかったみたい。

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オトンとオジィが同級生にしか見えなかったんだけど
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2014年11月07日

悪童日記

ヤーノシュ・サース
アンドラーシュ・ジェーマント、ラースロー・ジェーマント、ピロシュカ・モルナール
第二次世界大戦末期の1944年8月14日。双子の兄弟は母親に連れられ、祖母の元へと疎開する。しかし母はすぐさま姿を消し、村人から“魔女”と呼ばれる厳しい祖母のもと、兄弟の過酷な日々が始まる。

冒頭に映し出される双子の少年。
父と母と四人で、ごく普通のしあわせな家庭の中で育ってきた…というところでしたが、第二次世界大戦の影響で疎開を余儀なくされ、兄弟は祖母の下で暮らすことになります。

しかし母と祖母の間には確執があり、母が祖母と会うのも数年ぶりだという。
さらに母は二人を置いて姿を消し、目の前の祖母からは過酷な労働を強いられます。
が そのような状況の中だからこそ、二人は強くなることを誓い、自らに心身の鍛錬を果たします。時には互いに殴り合い、鞭を打ち、さらには断食までも。

彼らは言います。何も怖くも辛くもない。ただ二人が引き離されることだけが嫌なんだと。

そんな二人の拠り所は聖書と一冊の日記帳。
彼らは聖書で学び、目に映った出来事をひたすら日記に書き記していく。
やがていくつかの季節が移り変わっていくうちに、彼らと周囲との関係性にも変化が訪れ…

時に弱者を助けたり、あるいは強気ものに救われたり。
また人種差別たるものに対しても、過激な行動で意志を表します。

やがて戦争が終わりを告げようとすると同時に、いくつもの別れが押し寄せます。ひとり、またひとりと…
結果的に二人にも別れの時が訪れて。それぞれ、別の道へと歩を進めます。
あんなに離れることに抵抗していたのに。

差し当たって、二人に名前はありません。どんな名前なのか解りません。
そして、彼らが書く日記というのも、よくよく考えると不可思議なことに気づきます。

二人で一冊の日記を持つとなると、いったいどっちが書いているのか。
それから作中、この二人がケンカすることもなければ、別々の絵になることも(ほとんど)ありません。たいがい二人いっしょにフレームインしています。

だから、たぶん、彼らは双子のように見えるけど、本当は一人なんじゃないのかな。
そうでなければ、表現として おさまりがつかない。
いや、でも最後には別々になっていくんだよね。

というところでいろんな方の感想を見ていたら、どこかの国を表しているんじゃないかとの考えもありました。
戦争を経て、ひとつの国が二つに分裂していく…ということですね。
なるほど、そういうことなのか。

物語というよりも、二人の生き様のみを描いた作品という印象。
彼らの表情が ほぼ変わらないこともあり、いろんな出来事があるにもかかわらず、感情は響いてきませんでした。

でありつつも、そんな彼らの存在、佇まいには目を奪われます。
ちょっと不思議なタイプの映画だったなぁ。

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悪童鈴之助
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2014年10月28日

小野寺の弟・小野寺の姉

西田征史
向井 理、片桐はいり、山本美月、及川光博
両親を早くに亡くし、それ以来二人一つ屋根の下で暮らしている40歳のより子と33歳の進の小野寺姉弟。少々クセのある姉弟だが、ほどよい距離を保ちながら共同生活を送っていた。
そんな二人の元に一通の誤配達の郵便が届き、その郵便をきっかけに姉弟の恋と人生に転機が訪れる。

元々は2012年に出版された西田征史の小説があり、2013年に向井理と片桐はいりで舞台化。そしてこの2014年に西田征史の監督・脚本により映画版が公開という作品。
一旦 舞台化されているという事もあり、片桐&向井の姉弟という関係性は出来上がってましたね。全く違和感なし。

少々失礼な話になるかもしれませんが、片桐はいりさんの顔というのは相当なインパクトありますね。
あの四角い顔のラインにぱっちりおめめ。そしてちょこんと乗っかってるおかっぱヘア。
愛嬌もあるけど真顔で怒った演技ではちょっとコワさも覚えるあの顔。

自身のキャラクター、自身のおいしいところをよくわかっていらっしゃるんでしょう。
また その良さを脚本も担当している西田監督が引き出しておられますよね。

これまで主演のポジションというのは少なかった はいりさんの存在感。そして脚本のおかしさも相まって、映画全体にじんわりとした“おもしろオーラ”が漂っております。

テーマは兄弟の絆であり、ひいては家族の絆と言えるのかな。そしてストーリーはラブストーリーが軸になっております。
が、ほんとに その辺りについては大きな出来事があるわけでもなく、奇をてらったような演出もなく。ストレートなハッピーでもなく、どこにでも起こりそうなエピソードで描かれております。
じんわりとした痛みを、炊き立てごはんのあたたかさが癒してくれるような。そんな映画でしたね。

などときれいごとを書いているわけですが、派手なアクションとか深い純愛とかそんなんじゃなくって。この程度の恋愛模様なら、お金出さなくても日常生活の中にありえそうなわけじゃん。
そんな まるでごく普通なことを描きながら これだけ見て良かった感を思わせるのは素晴らしいですよね。
これも映画の大きな可能性のひとつと言えるのかな。

ちょっと特異な存在感の姉。そして姉を裏切るようなことは絶対にできないという弟。
二人の関係性を はいりさんと向井理が見事に演じておられました。

そしてキャスティングも絶妙で。及川光博、麻生久美子、大森南朋など脇を固める皆さんが何気にバラエティに富んでますよね。あと片桐つながり?舞台のつながり?片桐仁さんも写ってましたね。

最後に、個人的に大好きな山本美月ちゃんが メチャメチャかわいく撮られていたのでその点は大満足。スクリーンに釘付けとはこのことです。
でも はいりさんも目が離せなかったよー!!

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どこを出しても恥ずかしくない女だ(笑)
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2014年10月26日

イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所

R・J・カトラー
クロエ・グレース・モレッツ、ジェイミー・ブラックリー、ミレイユ・イーノス、ジョシュア・レナード
高校3年のミアはミュージシャンの恋人、親友、そして家族に支えられながらチェロ奏者となる夢を追っていた。
しかし家族4人を乗せた車が交通事故に遭遇。その後、ミアが目にしたのは、事故現場で横たわる自身の姿。こん睡状態となり、家族の厳しい現実も目の当たりにしながら、生死の行方は彼女自身に委ねられることに。

「キック・アス」や「キャリー」などでアクの強い役を演じてきたクロエ・グレース・モレッツ。そんなクロエちゃん初の等身大女子高生役…みたいに書かれてる記事も読みました。
とか言いながら幽霊みたいなもんだったりするんだが(苦笑)

ただ過去パートに於いては、普通の恋愛をしてキスもいっぱいして、彼氏とケンカして険悪な雰囲気になってしまうという。そんな感じでしたね。

映像的には ほぼクロエちゃん出ずっぱりで、ファンとしては非常にうれしい。ただしキスシーンの多さに嫉妬…
とはいえかわいいクロエちゃんがの魅力は十二分に伝わってきました。

が決してそれだけではなく。
確かにストーリー展開はシンプルで、時間軸も(過去を取り込みながらではあるけど)病院での一夜という設定。
ある意味とてもライトな感じだけど、自身の於かれた状況、周囲のやさしさ。そして全ての葛藤がバランスよく伝わってきて、見て良かったなと素直に思える映画でしたね。

日本的に言うのであれば、売り出し中の若手女優が悲劇のヒロインみたいな状況の中、恋愛話も絡めたお涙頂戴映画ありますやん。しかも原作がラノベだったりとかの。
そういうのって必要以上に詰め込み過ぎて鼻につくことになりがちだけど、この作品は あまり濃すぎないという面では好感。

スパッとしたラストシーンもじつにスパッとして個人的には好印象なんだけど、これも邦画だったら さらにねっとりともうワンエピソード付けちゃうとこだろうな。きっと。

そんな感じでそんなに濃過ぎずサラリと描かれているけれど、その分1時間47分という尺は少々長く感じられちゃうかな。

見た人の感想では、おじいさんが語り掛ける場面に涙が止まらないと。うんうん。
でも個人的には前半のところで「生きるも死ぬもあなた次第よ。だから全力で戦って」というセリフが、何気にスピリチュアルで好きだったな。
ちょっとフワフワした状況から、一気に映画としてのスイッチを切り替えるようなささやきだったですよ。

ところで そのセリフをささやいた看護師さんって、その後映ってたかな?
何かこっちの世界の人か あっちの世界の人か、わたくし的には若干疑問に感じた存在だったんだけど。

まぁまぁそれはさておき、映画としてはとても暖かみを感じられて良かったですよ。
posted by 味噌のカツオ at 17:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月29日

悪魔は誰だ

チョン・グンソプ
オム・ジョンファ、キム・サンギョン、ソン・ヨンチャン、チョ・ヒボン
少女が誘拐され死亡した事件から15年。時効目前で新たな手掛かりを得て、担当刑事チョンホは執念の捜査を続ける。やがて犯人に肉薄するも取り逃がし、事件は時効を迎えてしまう。
責任を感じたチョンホは刑事を辞するが、そんな折、15年前の事件と同じ手口の誘拐事件が発生する。

韓国ではこの手の事件を扱った映画も多いですね。
それが ひとつのジャンルとして確立されているとのこと。中でも実際にあった事件に基づいた実録もの、オリジナルの創作といろいろあるようですが、今作は後者。

前者であれば、より感情を掻き立てられるような作り込みがなされるのかな。一方こちらは かなり大胆で捻った事件として構成されているように思います。
もちろん 子を思う親の心。そして 例え時効制度があろうとも、徹底的に誘拐犯に対しての怒り憎しみはキチンと描かれております。

物語としては誘拐事件の二重構造。
ひとつの事件が時効を迎え、それと時を同じくして同様の事件が起きる。
15年の時を越えて、同じ犯人が何かしらのメッセージを送っているのか?あるいは模倣犯なのか?

アイツが怪しい、コイツがくさい…などといろいろ気にしつつ、脅迫電話、身代金授受時の接触、新たな証拠となるような“音声”の存在。
少しづつ真相に近づいていく間のドキドキが楽しめます。

そして真犯人が明かされたときに、観客は何を感じるかと。
その点については、素直に面白かったと。
それはそれとしてですが。。。

ただ雑なんですよね。どこが〜っちゅうか、何カ所かあるんですよ。
設定やら筋書きが かなりご都合主義であったり、この警察の間抜けさや ガサツさは何じゃとあきれ返ったり。
そもそも この状況ならあっちの事が気にならんかとか(苦笑)

起承転結でいうなら、転結となる後半の謎解きパートについては、まぁまぁ面白く見られますが、起承の部分はかなりザックリ。
その前半部分を大目に見ることができるなら、思わず「う〜む…」と考えてしまうような結末が味わえるはずです。

始めにも書きましたが、やはり実際の事件がモデルとなっている作品の方が、感情を揺さぶられる印象があるね。
この作品もテーマは近いけど、どちらかというとサスペンス要素が強いので「そういうことか」と感心こそすれ、心揺さぶられるまではいかなかったかな。わたくしの場合は。

でも よく考えられたストーリーだと思います。
このようなスタイルでひねりを効かせた脚本、日本ではあまり出てこないもんね。

大まかな結論としては…因果応報ということで。

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時効の挨拶
posted by 味噌のカツオ at 21:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月27日

ある優しき殺人者の記録

白石晃士
ヨン・ジェウク、キム・コッピ、葵つかさ、米村亮太朗
ジャーナリストのソヨンとカメラマンの田代は、廃屋マンションの一室に向かう。
二人を呼び出したサンジュンは、障害者施設から逃げ出し18人を惨殺した容疑者。彼はこれから起きることを全て録画しろと頼み、連続殺人の真相を打ち明ける。

白石監督の作品は「ノロイ」を見てますね。あれもずいぶん前の作品だけど。
何やらその後もドキュメンタリー風ホラー作品をいろいろ手がけておったようで。
今回 縁あって、この作品を見ることができました。

いろいろなレビューを見てみると、白石作品の中でもかなり好評なようです。
ポイントとしては、Point of view いわゆるPOV方式でカメラの視点で映像が、そのまま映画となっていると。そして上映時間の86分がワンカットで構成されていると。

舞台は韓国。ほぼ廃墟と化した古いマンションの一室。
連続殺人を犯してきた男が、かつての知人でありジャーナリストの女を呼び出す。要求は日本人のカメラマンと共に自分を取材しろというもの。

なぜ この女性なのか。なぜ日本人カメラマンなのか。彼はなぜ殺人を続けるのか。
ビデオカメラの流れと共にそれらの謎が明かされ、やがて新たな展開を生み始めます。

ぶっちゃけ(悪い意味で)気になった点はいっぱい。
そもそも脚本というべきか、ジャーナリストの彼女はなぜ あんな言葉を投げかけるのか。幼なじみだからという関係性もあるだろうけど、取材という前提で相手の精神状態を思えば、あんな過激なアプローチは無いだろうと思う。

事件に巻き込まれる日本人夫婦のキャラがねぇ。狂人にさらに狂人をぶつけるのはしんどいよ(苦笑)
そして緊縛して緊迫した状況下でいちいちSEXをぶち込むのは興ざめ。
決して お嫌いではないけれど、ココではないかな。

ラストの展開はある程度 読めました。
あそこまで 暗くて薄汚くて痛々しい状況で引っ張るだけ引っ張っておいて、ファンタジックに落とすという。まぁそれしかないでしょと意識しつつ、個人的には嫌いじゃないエンディングでした。
ただ、イカゲソが出てきたのだけは予想外だったけど(笑)

あと、カメラマン役の人のセリフや うろたえる声や人が棒読みで。あれで時々覚める瞬間があったんだよね。
えっ、あの人が監督なの!?

できれば出演しない方がいいんじゃないかしら。。。
と厳しいことを書きつつですが、全編に渡る緊張感は心地よかったです。

全てをワンカットで一気に見せるというのも素晴らしい。
実際にはいろいろな技法と編集で作ってあるんだろうけど、それでも「切れた」「血が出たぞ」とか、どうなっているんだろうって思っちゃうもんね(笑)

犯人と記者が韓国人キャストなんですが、ぶっちゃけ そういう設定にされると、演技とかセリフ回しのクオリティがわからなくなるんだよね。
日本人キャストのクサい芝居が気になる反面、そっち側が煙に巻かれてる感もありながら、納得いくものに寄せていけてたんじゃなかろうか。

そんな憎まれ口も挟みつつ、基本的には満足な一本。企画力も技法もとても面白い。
現状は単館ロードショーの域を出ていませんが、白石監督が もっと予算を使えるような状況になれば、日本映画として世界で勝負できるぐらいの作品撮れそうに思うんだけどなぁ。
その可能性に期待したいです。
posted by 味噌のカツオ at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月07日

思い出のマーニー

米林宏昌
(声)高月彩良、有村架純、寺島進、根岸季衣
心を閉ざした少女・杏奈は、ぜんそくの療養のため、親戚が暮らす海沿いの村でひと夏を過ごすことに。
そんなある日、杏奈は湿地の対岸に古い洋館を見つける。ひとりボートを漕ぎ、誰もいないはずの洋館へ向かった杏奈だったが、そこで青い瞳、ブロンドヘア、白いネグリジェを纏った少女・マーニーと出会う。

いろんな意味で気になっていた作品ではありましたが、遅ればせながら鑑賞してきました。
米林監督は「借りぐらしのアリエッティ」以来の登板となります。宮崎駿が長編監督からの引退を宣言。そしてスタジオジブリとしても組織変更(アニメーターの契約解除など)を行ったことで、現体制では最初で最後の作品となってしまうのかな。
そんな裏事情も気になる要因の一つではありますが、まずは作品の感想。

別にいちいち文句をつける必要はないのかもしれないけれど、何だか一言づつ言いたくなってしまう作品でしたね。
主人公の杏奈は中学一年生の設定。ただ彼女の物事の考え方は、それよりも高い位置にあるように思えました。

これまでのジブリ作品でみた少女たちとも、ピュアな恋愛を受け入れる女性とも違う。よく言えば大人っぽくもあり、悪く言うなら病んでる感じ。
彼女の生い立ちからすると、それはそうかもしれないし、そういうキャラクターが悪いとも言えない。でもどこか受け入れにくい子にも思える。

そんな杏奈と相対するもう一人のヒロイン・マーニー。ぶっちゃけ そのまんま受け入れにくいキャラクター。
この世界観の中で金髪で青い瞳で名前はマーニーだけど、声もしゃべり方も有村架純。
彼女の存在感をどう位置付けていいのかちょっと困りました。

物語についても どこかしっくりこなかったり、わかりにくくなっていったり。
杏奈とマーニーそれぞれに悩みや葛藤があるとは思うのだが。それらの見せ方もやりようによっては とてもミステリアスにできそうなんだけど、やっぱマーニーのキャラの浮き方なのか どこか違和感が拭えない。

クライマックスというか謎解きというか、久子さん(黒木瞳)の語る場面があるわけですが、そもそも久子さんという存在がストーリーの中で際立っていないので、「なんでこの人が?」という印象も。
じつは久子さんが鍵となっている〜的な伏線が感じられないまま あのような大役を任せるのは、どうも取って付けたみたいで。
なんなら 必死こいて探し当てた日記帳で直接真実を知るとか。そういう方が主人公たちの成長につながるような気もするのだが、どうだろう。

そして これは完全に個人的な感覚のことだけど…
杏奈とマーニーが出会ってすぐ、階段を踏み外しそうになった杏奈の手を「パッ」とマーニーが掴んでみせる場面。ワシ的には、ああいうのいらんな。
妙に象徴的な風に見えて、後々それが生かされることのない行動。杏奈が階段を踏み外す必要性を感じない。

もう一つ。杏奈がおばちゃんと心の距離を持つ一因で、「わたしを養うことでお金を受け取っている」というのがありました。
これまでのジブリ作品で命や感情や欲などで価値観を図って見せることはありましたが、“お金”がでてきたのは驚きました。そして引きました。

命とか感情って人それぞれ見た人の価値観にゆだねられるけど、お金って誰にとっても同じ基準のモノだと思うんですよ。
時に子ども向けであったり、また大人向けであっても童心に訴えかけるアプローチであったり。ファンタジー志向のジブリ作品で、お金というあまりにストレートなものを使うとは。
それが(あくまで)わたくし的にとても引っかかっちゃいました。

最後に。決して大きな“アクション”がない物語なので、アニメ特有のダイナミズムを見せる場面がないわけで。
(映像として)ホントに共鳴させるなら、実写の方が向いてるのかもしれないですね。

作品について思うこともいろいろあるんだけど、大きくとらえてスタジオジブリは今後どうなっていくのか。
そんなことも気になる(心配になる?)作品でもあったかな。

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でぶっちょブタ!(苦笑)
posted by 味噌のカツオ at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月31日

イントゥ・ザ・ストーム

スティーヴン・クエイル
リチャード・アーミティッジ、サラ・ウェイン・キャリーズ、ジェレミー・サンプター
アメリカ中西部シルバートンの町に竜巻が接近。やがて同時多発的に発生したいくつもの竜巻が連なり、超巨大な竜巻へと成長。観測者・ストームチェイサーら多くの人々、そして町全体を呑み込んでいく。

この種のディザスターパニックってのは 事あるごとに製作されておりますわ。それに名のある役者さんも出ていないとなると、正直“引き”は弱いよね。
でも 何だか映画ファンとして引っ張られちゃいまして。見てきたのですが。
終始 見応えのある映像に展開で。なかなかのデキでした。
この作品のポイントはいくつかあります。まずは映像。

監督は『タイタニック』や『アバター』などに携わっていたとのことで。今の時代はCG技術の向上で、たいがいの世界観をリアルに作り出せるのはわかるけど。それでもなお、この映像はたいしたものです。
トレーラーから漏れたオイルが炎上し、それを竜巻が巻き上げ、さらに人か巻き込まれていくあの場面はよく考えられてますよ。

そしてその見せ方。竜巻の映像を観測するストームチェイサーが、記録として残さんとする映像が登場します。
それとは別に、高校の卒業式を撮影していたホームビデオ。そして学校内などの防犯カメラアングルの映像も。
それら、POV(主観)ショットの視点を映し出すことで、臨場感もアップしています。

もちろん様々な人間ドラマも重なってきます。
父と息子たち。子供を残してきた母。ストームチェイサーの使命感、だけでなく…youtubeに衝撃映像をUPせんと意気込むバカ男まで絡めちゃうとは(苦笑)
「ジャッカス」的なヤツらの存在は本編には関係なくとも、いいスパイスになってますよ。

そしてもう一点。竜巻を追うために作られたマシン、タイタス。
記録用にいくつものカメラを装備。ボディも窓も完璧な防弾構造。さらに風で飛ばされないよう固定する装置。
確かに普通の車では説得力がないうえに、こういう特殊な車だってだけで、我々かつての少年たちはトキメクもんなのですよ。
007のボンドカーとか西部警察に登場したようなマシンとか言ったら伝わるかな?

あとは映像の緩急の付け方もうまいですよね。
ひたすら大きな嵐で押すでなく、風がやんだと思わせつつ「まだ目の中だ。この後もっと強いのがくるぞ」としてみたり。
ついに車ごと風に巻き上げられた〜と思いきや、竜巻を越えた天空で最高に美しい状況をインサートしたり。

とにかくそれらの要素がしっかりと散りばめられていて、退屈する間もないまま引っ張られていく89分。
ってか、これだけドキドキを味わいながら上映時間90分切ってるんだ。
それにも驚きました(笑)

映画としてのツッコミどころは非常に少なく、高揚感も満足度もかなり高め。
もちろん この手の作品は「そのうちDVDで〜」ではなく、劇場の大スクリーンで見て、体感した方がおもしろいに決まってます。

ただ、ラストシーンについては…
確かに人々の言葉からは希望を感じましたが、全壊となったガレキの街並みについては、それを経験した人にとっては少々辛いものかもしれませんね。

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25年後には復興できているのかな
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2014年08月30日

エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン

ゲレオン・ヴェツェル
フェラン・アドリア、オリオール・カストロ、エデュアルド・チャトルック
食の世界に旋風を巻き起こし続ける三つ星レストラン「エル・ブリ」の裏側に迫ったドキュメンタリー。
カリスマオーナーシェフのフェラン・アドリアとクリエイティブチームらが、斬新な一皿を生み出さんと多彩な食材に取り組む姿を追う。

“世界一予約のとれないレストラン”と言われる…いや、言われたが正しいのかな。
何やら2011年7月30日をもってレストラン業務を終了という話がありますので、過去形が正しいのでしょう。

料理を食べるのも作るのも好き、そして映画好きなわたくしであれば、この作品はやっぱり押えておかなくてはいけません。
などと言いつつ、公開当時に見に行っておりませんで、今回 DVDにて待望の鑑賞と相成りました。

席数わずか45席でありながら、年間200万件もの予約が殺到するスペインのカタルーニャ地方にある三つ星レストラン「エル・ブリ」。
三ツ星とは謳っておりますが、そこで提供される料理はかなり挑戦的とも実験的ともいえるもの。
さらには、年間のうち約半年間を営業。残りの半分はレシピを考案するための“研究期間”とするそうで。

そんなレストランの裏側とは果たしてどんなものか…
期待して見てはみましたが、残念ながらテンション上がらんかったですねぇ。

早い話が ここには何も写されていないという印象で。
レシピを考案する、料理を作る。そういった具体的なモノが出てこないんですよね。
肉を切って 野菜を炒めてとか、調味料振って 盛り付けてとか。そういうの一切なし。

そして我々には馴染みの無い食材をよくわからない作業を施すその様子を、遠巻きに写すという。ほぼほぼお皿の上はアップになりませんし。
もっと料理番組とまでは言わんけど、「料理の鉄人」みたいな場面も見たかったなぁ。

エンディングに流れるコース料理の数々の写真が非常に美しくて その幻想だけは高まるんだけど。本編の中に、それをひも解くようなテイストがあまりになさすぎで。
やっぱり残念な映画だったですわ。

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エル・ぶり大根
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2014年07月19日

怪しい彼女

ファン・ドンヒョク
シム・ウンギョン、ナ・ムニ、パク・イナン、ソン・ドンイル
女手一つで優秀な一人息子を育て上げた70歳のマルスン。いまや口の悪さと頑固さとで、家族からも煙たがられる始末。
そんな彼女が不意に立ち寄った“青春写真館”で写真を撮ると、不思議なことに20歳のころの自分に戻っていた。

わたくし的韓国映画の魅力の一つに「女優さんがキレイ」というのがあります。
しかし 残念ながらこの作品の主人公は(チラシで見るかぎり)タイプではなかったのでスルーしてましたが、あちらこちらで感想を見たところ結構な高評価。というわけで見てきました。
そのうえでの率直な感想は、ものスゴ良かったですよ(^-^)

70歳のばあさんが謎の写真館で写真を撮ることで20歳の姿に若返ってしまうというトンデモ設定。もちろん現実にはそんなことはありえないわけで。
そういう意味では劇団ひとりの「青天の霹靂」と似たニオイも感じましたが、実際 作中に「青天の霹靂かしら?」なんてセリフもあったりして(笑)
意識してる?それとも単なる偶然!?

そんな 見た目は20歳、心は70歳のヒロインが あらためて自分のための人生を生きていくという物語。
その過程の中で密かに憧れていた歌手活動を始めたりするんだけど。

そこで歌われるのは(おそらく)韓国の懐メロなんでしょうかね。そういう視点での受け止めはできないけれど、不思議なもんで なんだか沁みました。
素晴らしい楽曲、最高の歌声というのはいろんなものを越えて響くもんですね。

また韓国映画には病気やら事故が付きものだなんて言われますが、ここに於いては 腑に落ちる設定だったのでそれもヨシとしましょう。

と同時に 人が人を思う心というのも上手く表現されてました。
3世代が関わっているので、母と子、父と子、ばあさんと孫。いろんな関係が出てきます。
息子が母に語り掛けるシーン。それに対し自分を誇らしく応じるシーン。泣けましたね。
さすがに 嫁と姑はどうかと思いましたが、そこもラストにはアレでしたし(笑)
丁稚くんのお嬢様への一途な思いもアクセントになっていたし。

元々 主人公がタイプでは無いとは言いましたが、でもこの作品の中でイキイキした彼女を見ていると どんどん楽しくなってきて。その魅力も伝わってくるもので。引き込まれていきました。
それから主人公の孫娘(出番少な目)が大島優子ちゃんみたいでカワイかったんだけど、こちらも最後には華麗な転身を遂げまして。細かいところまで漏らさないなと感心。

わたくし的エンターテイメント度で言うなら、限りなく100点に近いですよ。
インド映画にはアクション・恋愛・ホラー・ダンスなど様々な要素が入っていると言いますが、この映画もそれに近い感覚で。いろんな要素を楽しむことができました。
エンドロールのラストの字幕もいいんだよね。
おススメな一本です。

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羽鳥さんを写真撮ったら あのプロデューサーになるのかな
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2014年07月10日

宇宙人王(ワン)さんとの遭遇

アントニオ・マネッティ、マルコ・マネッティ
フランチェスカ・クティカ、エンニオ・ファンタスティキーニ、ジュリエット・エセイ・ジョセフ
高給につられ緊急案件だという仕事を請け負った中国語翻訳家のガイア。目隠しをされたまま連れてこられた謎の施設で通訳をすることとなるのだが、その相手は流暢に中国語を話す宇宙人、王(ワン)さんだった。

劇場公開時にひそかに気になっていた作品。先日テレビで放送していたのを観ました。
2011年制作のイタリア映画。

イタリアの国家施設に捉えられた宇宙人。しかしその宇宙人は中国語を話すため、翻訳家の女性ガイアが緊急招集され その交渉の通訳を任されると。

イタリア映画で なぜ宇宙人が中国語?と思いきや、人口比率からして 地球では中国語がもっとも多く使われているであろうというのがその理由。
ふむふむ。それはそれで理に適っているぞ(^-^;)

当初はガイアに恐怖心を抱かせないよう、暗がりの中にいた宇宙人の王さん。しかし彼女の要請で照明を灯したところ…
そこには なかなか安っぽい作りの宇宙人が(笑)

いや、ちゃんと口を動かしたり まばたきもするので安っぽくはないのだが。
なんかそのツルンとした質感とか、イカのような触手がなんとも。さらにはそのイカがイスに縛られちゃっているという憐れみも涙を誘います(!?)

確かにその設定は面白味たっぷりなんだけど、尋問の中で“彼”から聞きたい要点が さほど緊張感を感じられず。また堂々巡りのような会話もイマイチ深みを得らえなかったかな。
そして“オチ”についても、わりとそのまんまと言えなくもない感じで。
全体を通しての衝撃度に関しては弱いよね。

本来ならもっとスケールの大きな問題であるだろうに、こじんまりとした交渉劇に終始している点は なんか もったいない。惜しいって感じ。
ですがシンプルであるが故、感情の起伏や物語はとてもわかり易かったんじゃないかな。本編83分という尺も相まって。

さて、王さんが中国語をしゃべるというのは、ズバリ国家としての中国を表しているのかな。
そのうえで、このような世界観にするというのは何をかいわんや。

あまり世界情勢には詳しくないですが、2014現在 中国と近隣諸国は様々なトラブルを抱えております。でイタリアと中国も何がしかの摩擦があるんでしょうか。
それがあってこそ、中国語の宇宙人だと思うんだけど。そこがちょっと気になりました。
そこがわかっていれば また一段と受け止めやすかったかもしれんね。

それはそれとして、中国語翻訳家のガイアさんがキレイでよかった。
彼女を見てるだけでも この映画、満足よ(^-^)

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あのイカ野郎には 一杯食わされたわ。イカだけに…
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2014年07月09日

オール・ユー・ニード・イズ・キル 3D

ダグ・リーマン
トム・クルーズ、エミリー・ブラント、ビル・パクストン
謎の侵略者の攻撃の前に、人類は成す術もなかった。実戦経験の無いウィリアム・ケイジ少佐も戦火の中へと送られるが、すぐに絶命。
しかし その瞬間、彼は出撃前日へと戻っていた。そして出撃と戦闘、死を繰り返すうち、特殊部隊のリタと出合いタイムループに巻き込まれていることを知る。

「ALL YOU NEED IS KILL」直訳すると「あなたが必要とするのは、殺すことです」となるらしい。
ちなみにこれは邦題で、原題は「EDGE OF TOMORROW」。訳すと「明日の端っこ」だって。んーなんとも(苦笑)

戦争なんてまっぴらだと思ってる主人公が 無理矢理に戦地へ送られて。武器の使い方もわからないままに銃弾を乱射。そしていとも簡単に…死ぬと。
すると突然、出撃の前日にタイムリープ。

当初は“リアルすぎるデジャブ”に戸惑っていた主人公も徐々にルールを把握して、何度も何度もその日をやり直していきます。
その回数たるや…(笑)

まぁその戦地というのが過酷な状況なので 何度やっても生き延びれないわけで。
かと思えばトレーニングの隊列からエスケープしようとして戦車にひかれるという無駄死にもあって笑えたけど。

個人的にタイムリープものは好きなジャンルなのでそこそこ楽しめましたし、途中でその能力が〜というイレギュラーも面白いですね。
ただ、決着のつけ方が好みではないんだけど。ホント、これは好みの問題。

でもゲーム好きな人なら「ここで敵がこういう段取りで攻めてきて」というノウハウを重ねてその場面をクリアし、次のステージへ上がっていくという。そういう展開は より楽しめたんじゃないでしょうか。
そして非常に戦闘能力の高いモンスターに最終的なボスキャラまで。ひと昔のゲームのまんまかなって。
それ以外の交渉術もロールプレイングを何度も何度もやっていってるみたいだったし。

ただ わたくしはゲームやらない人間なので、そういう意味での面白味はヒットしてこなかったけど。

それでも死を繰り返していく中で、徐々に頼もしい雰囲気をまとっていくトム・クルーズの演技は この映画の見所のひとつでしょうし、それなりにキャリアを(年齢を)重ねながら あんな戦闘スーツを着てアクションをするってのもね。
それもトップスターの条件?いや、これぞトム・クルーズかな。

ちなみに、たまたま3D版で見ることになったのだけれど、その必然性は感じられずで…(-_-;)

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ルーブル美術館がロケOKしてたら(爆)
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2014年06月22日

円卓 こっこ、ひと夏のイマジン

行定 勲
芦田愛菜、伊藤秀優、八嶋智人、羽野晶紀
大阪のとある団地に暮らす小学三年の琴子(通称こっこ)は、大家族に囲まれ 愛情に包まれながらいつも不満だらけで、孤独に憧れていた。
家と学校という小さな世界の中で悩み、考えるこっこは、祖父・石太が教えてくれた“イマジン”という言葉を胸に少しずつ成長していく。

「きいろいゾウ」などで知られる西加奈子の同名小説を、「世界の中心で、愛をさけぶ」の行定勲が映画化。
そしてこれが映画初主演となる芦田愛菜。チラシにもあるんだけど“普通が大っ嫌い”な女の子。
独特の感性を持ってるというべきか。そもそもヘアバンドからして“目の付け所が違う”わけで(笑)

さて、映画本編の冒頭、夏休み前の教室でのスキット。
“一人を除いて”決して演技も上手いわけではない、結構 ベタなキャラの子供たち。
大阪の子なんで、こういう感じもアリかな〜と思わなくはないけれど、表現としては ちょっと苦手な感じ。
正直、ちょっとサムいな。ハズレかなと。

その後の食卓。いわゆる円卓での家族の食事シーンも 似たような印象。
個性的な登場人物たちが“どかどか”とキャラを押し付けてくる感じに、やっぱりサムいな。やっぱりハズレかなと。

そして普通の大人の感覚からすると、主人公・こっこの感性についていくのは大変かも。
良い例えをするなら「アメリ」みたいな空想で遊ぶ女の子とも言えるかもけど、ちょっと観客へのアプローチがずれてるような。そんな違和感。

なんというか失敗してるコントみたいな。映画として所々で間延びしてるような場面も見受けられて。そんな部分もあり、とにかく前半は かなり居心地悪い映画だったですね。

だけど…これも表現しにくいんですが、少しづつ少しづつ こっこちゃんの感情とシンクロしていくことができまして。
カルピスの濃さ。“しね”というメモ。変質者。ぽっさんの優しさ。いろんなことが自分の心に理解でき始めてね。

気付けば 引きこもり気味だった成海ちゃんが笑った時には何故か涙ぐんできちゃったりして(笑)
結局 普通の大人の感覚で見ていたのが、小学三年生当時の好奇心とか発想に追いついたからなのかな。
これでも わたくしだって昔はこどもだったんだからさ。

映画の中ではイマジンという言葉がキーワードになってるけど、こっちはこっちで想像力を働かせて、小学三年生の感性に戻ってこそ〜ということかな。
そこにハマれば十分に楽しめる映画ですよ。

さて あとはいろいろ気になったことを書き記しておきます。。。
ここには いろんなキャラが登場するんだけど、こっこの親友と呼べる ぽっさんもほのぼのとしてて。そしてゴックんという子もなかなかでしたよ。大阪のおっちゃんをそのまま小学生にしたような(笑)
そして最大のインパクトは変質者・鼠人間。コイツの体くねくねに対し、上映中にあちこちでざわめきが(苦笑)

それからちょっとビックリだったのは、こっこの姉で三つ子ちゃんが出てくるんですが、メチャメチャそっくりなんよね。
この子らなんやろ?と思ってエンドロール見てたら…ひとりで三役やってました。うあー映像に違和感なかったので。やられましたわ。

最後に、レポーター役でタキシード姿のタージンさんが登場。
もう、それだけでシアワセです(^-^)

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予定日は新日・東京ドームの日です!
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2014年05月22日

相棒 -劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ

和泉聖治
水谷豊、成宮寛貴、伊原剛志、釈由美子
「馬に蹴られて男性死亡」なる事故が起きた鳳凰島。「この島での妙な噂が絶えない」との依頼を受け、杉下と甲斐は鳳凰島へ渡る。
実業家が所有するその島では、元自衛隊員が集まり訓練に励んでいた。右京は男性の死亡は事故ではなく殺人であると確信し、本格的に捜査を始めるが、突如何者かの襲撃を受けてしまう。

「相棒 -劇場版-」もこれが3作目。一応 劇場版は全部見てきてますが…テレビシリーズは見たことないんだな。わたくし。
まわりにも「相棒」のファンはチョイチョイおりまして、そんな皆さんに共通しているのは、「相棒」への思い入れの強さ。
ホント、みんなこだわり持って見てますよね。

そしてもう一つの共通項。「劇場版はイマイチ」という声。この場合 面白いか否かと同時に「そりゃないわ〜」という、シリーズ上の展開、キャスティングのチェンジといった面も含まれております。
というところで「相棒」への思い入れのない、イチ映画ファンのわたくしが見てまいりました。

まず初めに触れておきますが、この作品は 全編を最新の4Kカメラで撮影されております。
周囲を美しい海に囲まれた密林の孤島が舞台となっていて、それらを映し出す映像は確かにキレイでした。
3Dや特殊な趣向こそありませんが、映像の美しさは間違いないです。

今回の事件の中心となるのは元自衛隊員からなるの民兵の集団。そんな彼らが活動する孤島に警察が入ると。
ただ そのいきさつの描写の中で、警察と自衛隊は必ずしも相成れない関係だと語られる場面もあったりして。

言われてみれば そういうものかと思うと同時に、いくらフィクションであっても「それらの組織にはこんな側面があるんだ」と危険な描き方はできんだろうとドキドキ。
いや〜実際にはギリギリアウトじゃね?って行動を起こすシーンもあってヒヤヒヤ。
そんなことを思いつつも、ドラマとして楽しませてもらいました。

ですが最後の最後で、かなり生々しい主張があらわになっていきますね。
つい先日、安倍総理が集団的自衛権についての会見を行って持論を展開されまして。日本人がひとりひとり、その件について考えなきゃいけないようなそんなご時世でございます。

果たして 日本の自衛隊はどこまで関わっていいのか。世界の中にあって、日本は有事の際に どう行動すべきか。何をもって“自衛”足りえるのか。
それらを比喩ではなく ズバズバと語ります。

元々「相棒」には時事ネタを絡めたメッセージがあったりするとも聞きます。今回もそういうテーマの元に製作されたのでしょうが、いささかタイムリー過ぎて かなりズシンときてしまいました。
しかしまぁこういう主義主張を嫌う人もおるでしょうし、反発するする人もおることでしょう。でもわたくし自身は満足してました。
多くの人の前でこのような議論を交わすことは決して悪いことではないし。あとは見た人がどう受け止めて、何を感じるかでしょう。

このアツさとカタさの信念を持った民兵集団のリーダー役、伊原剛志さん似合ってましたね。これ今井雅之さんだったら ちょっと味が濃くなり過ぎそうだけど(笑)
そして女兵士役の釈由美子さんも良かったです。美しくてカッコよくて、いざとなったら戦いそうな面構えしてますし。胸だけでなく良いカラダしてますしね。

トータルでは結構満足度高かった「相棒 -劇場版-」でしたが、果たして「相棒」シリーズのファンからはどんな風に見られているのかな?

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みんなに天然痘キャラって言われるんですよぉ
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2014年05月08日

ウォルト・ディズニーの約束

ジョン・リー・ハンコック
エマ・トンプソン、トム・ハンクス、ポール・ジアマッティ、コリン・ファレル
パメラ・L・トラヴァースは「メリー・ポピンズ」の映画化について話し合うため、ロサンゼルスへとやってくる。しかしウォルト・ディズニーに心を開くことなく、脚本家や音楽担当者のアイデアには「NO!」を突き付ける。
ついには映画製作が暗礁に乗り上げ、トラヴァースはイギリスへと戻っていってしまうのだが…

世界中の人々から愛された傑作「メリー・ポピンズ」。その原作者はなかなかの堅物であったということで。

テレビで人気の歌手やタレントさんが、映っていないところでは「性格悪いらしいよ」なんてウワサが流れること、あったりしますわね。
この映画に登場するパメラ・L・トラヴァースもそんな感じでしょうか!?

ここに描かれているトラヴァースは まさに“ああ言えばこう言う”を地で行くオバハン。
本来 何がしかの作品を作るにあたっては、意見が衝突することはありますが、それが仕事のパートナーだったり、交渉相手やったらしんどいわね。

そういう感覚がわかるから、よりピリピリとした緊張感をもって見られたと言えなくもないけど(笑)

この映画のキャラクターがどこまでリアルかはわかりませんが、最後に登場するトラヴァースさんの肉声からすると…実際にそんな感じだったのかな。
こう言っちゃうと元も子もないけれど、どんなに良い作品であったとしても、作者が赤ちゃんに向かっても憎まれ口叩くような人やったら、その時点で幻滅しちゃうんだけど。

でもそんな彼女がウォルトに向かって「金儲けしか考えていない」みたいな言葉をぶつけるのには よくぞ言ってくれたと(苦笑)
いやまてよ。彼女というよりも、そういうセリフを入れた脚本家が勇気があるってことなのか!?
なんだか余計な事ばかり書いてるな。。。

これは映画「メリー・ポピンズ」ができるまでを描いた作品です。どんなことがあれ、最終的には映画ができるというのはわかっています。
でもそこに至るために、ディズニーランドで童心に帰る瞬間があったり、ホントに楽しい曲と歌詞とメッセージが合わさった時、知らず知らずにリズムを刻んでしまう瞬間があるんだよね。
それがホントの魔法ですよ。人の心を動かすというのが魔法なんですよ。
なんか、そういったことを再認識できましたですね。

招待してないのにプレミアに押しかけ、素晴らしいミュージカルシーンに目を潤ませたかと思いきや「アニメを使われたのが悔しい」と言ってのける。
さっきまでは融通の利かないオバハンと思ってたのが、ちょっと可愛らしく感じてしまったのも、わたくしがこの映画の魔法にかかったからなのかな(笑)

そんなトラヴァースをエマ・トンプソンが好演。
トム・ハンクスは「キャプテン・フィリップス」とは一転して、ぼってり体系で深みのあるウォルトを体現してくれました。

少しづつひも解かれていく少女と父親のストーリーにもウルッときちゃいますし。
見て良かったですわ。

余談ですが、舞台となった1965年当時。ディズニーランドの門の前で「やぁ待ってたよー!」とウォルト・ディズニー本人が手を振って迎えてくれたら、確かにビックリしますわね。
AKBの劇場の前でアキモトさんがお出迎えしてくれるのとは…ちょっと違うか(笑)

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じつは「メリー・ポピンズ」未見のわたくしです(汗)
posted by 味噌のカツオ at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月06日

アクト・オブ・キリング

ジョシュア・オッペンハイマー
アンワル・コンゴ、ヘルマン・コト、アディ・ズルカドリ
1960年代にインドネシアで行われた大量虐殺の加害者たちにその再現をさせながら、彼らの心中や殺人の実態に迫るドキュメンタリー。
だが、そうした再演劇が彼らにある変化をもたらしていく。

1960年代ということは、今から50年ほど前のこと。インドネシアで大量虐殺されたと。その被害者は100万人に上るとか。
その虐殺で、自らが多くの人を殺してきたとのたまうアンワル・コンゴは、インドネシアでは英雄のような扱いを受けている。実際にテレビ出演して当時の様子を意気揚々と語る姿も紹介されています。

製作者はその虐殺の取材の一環として、アンワルらに どのように虐殺を行っていたのかを、映画という形で再演してほしいと依頼。
「そうかそうか」と自身の取り巻き等と共に、カメラに応えていくアンワル。
そして“ユーモア”を交えながら、再現フィルムとして演じていく面々。

「大量虐殺の当事者が、嬉々としながら再現をしていくドキュメンタリー」と聞いていた?勝手に抱いていた印象?
横柄な語り口の悪党らが これ見よがしに「こんな風に人を殺したんだぜ!」とイキがるのかと思いきや、実際は マンデラさんに似たおっさんがフワフワ〜っと様子を語り、その横におる太った男が女装して「キャー!」とかやってて、思いのほかユルい感じ。
結果的には思っていたイメージと全然違う〜というのが素直な感想。

正直もっとえげつない映画というスタンスで見に行ってまして。重たく受け止める前提だったことを思えば、正直拍子抜けでした。

この作品を見た人の多くが驚き?衝撃?あるいは怒り?とにかく何かを感じることで、映画としての評価も上々なのでありますが…
でも わたくし個人としては、この映像から“虐殺”のおぞましさが伝わったかと問われても、素直にはうなずけなくて。

ひとつ思うのは、事前にもっとこの虐殺について知っておくべきなんでしょうな。
その歴史を学んでおくとか、パンフレットを読むとかでも良いでしょう。
どんな立場の人が どんな謂れがあって大量虐殺が起こったのかとか。なぜ(ドキュメンタリーの)対象者が被害者側ではなく、加害者なのか。

結局のところ この2時間の映像を見ただけでは全容がわからないし、それがわかっていないと、リアリティを感じられないし。

冒頭では飄々と語っていたアンワルが、気付けば言葉少なになってきて。
最終的にはそれらと向き合ってゲーゲーと“えづく”までなるのだが。

そういう一面での変化はわかるけど、もっともっと本質の核心部分まではたどり着けなかったと。
わたくし的にはその印象のが強いですね。
なんか、惜しい感じです。
posted by 味噌のカツオ at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月29日

あなたへ

降旗康男
高倉 健、田中裕子、佐藤浩市、ビートたけし、大滝秀治
富山の刑務所で指導教官を務める倉島のもとに、亡き妻が遺した絵手紙が届く。そこには“故郷の海に散骨して欲しい”という妻の想いが記されていた。
道中でさまざまな人々と出会いながら、長崎県平戸の漁港へと辿り着いたとき、彼に届いた妻の本当の想いとは…

高倉健さんの代表作は1965〜72年に制作された「昭和残侠伝」シリーズと言われております。ちなみに大方わたくしが生まれる前の映画ですな。
それで健さんが確固たる地位を築いてきたのだとしても、わたくし自身にはその印象というのはないわけで。

イメージという言い方であれば、ちょっとカタい昭和の男。カタいと言っても頑固者ではなく、優しさを奥に持った不器用な…がしっくりくる。
作品であれば先日“午前十時の映画祭”で見た「ブラック・レイン」ということになっちゃうわね。

そんな健さんが、齢80になって撮られたのがこの「あなたへ」。ちなみに公開は2012年8月。ビデオで鑑賞しました。
監督はその「昭和残侠伝」シリーズの降旗康男。

ウチらが若いころは歴然とした“アイドル映画”というのがありまして。作品のクオリティよりも、主役を売るためだけの企画ってのがあったわけです。

ぶっちゃけこの映画も、“今の”高倉健を撮るのが第一の目的だったのかもしれませんね(苦笑)
いやいや、だからといって映画のクオリティが低いというわけではないのだけど。

確かにツッコミどころもあるけれど。設定的には70歳前の主人公を80歳の高倉さんが演じるの、ちょっと厳しくないか〜とか。
草なぎくんの演じたキャラも人としておかしいだろとか。ビートたけしはストーリー上、いなくても成立しちゃうんじゃないかとかとか(苦笑)

でも主人公と亡き妻との絆とは何だったのかを考えるのもそうだし、主人公が託された一枚の写真にも、「あなたへ」の意味があったりするという。
そんな楽しみ方も味わえる、映画らしい映画でもあるんですよね。

さて、何気に共演陣がバラエティに富んでおるのも注目点。言うてもいずれもゲスト出演的に、健さんの作品に華を添えてる感もありつつ。
みんなで“わっしょい わっしょい”健さんを讃えてるように見えなくもないけれど…

その健さんをして新たな発見を導いたのが大滝秀治さんの存在。
出演シーンもセリフも決して多くはないけれど、その人にしか出せないモノがあるという事を再認識させてくれます。

結果的に大滝さんの遺作となってしまったそうですが…
であればなおさら、健さんにはこれからも映画で存在感を示していってほしいなと思ってしまいますね。

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草なぎくん、酒の飲み過ぎにはご注意を
posted by 味噌のカツオ at 01:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月26日

ある過去の行方

アスガー・ファルハディ
ベレニス・ベジョ、タハール・ラヒム、アリ・モッサファ
協議離婚のため4年ぶりに自宅へ戻ったアーマド。そこではマリー=アンヌの新しい恋人サミール親子との新生活が始まっていた。
近く再婚をすると聞かされたアーマドだが、どこか不穏な空気を感じ取る。そんな中、マリーの長女リュシーから衝撃の告白を受ける。

監督・脚本のアスガー・ファルハディ。「別離」以来2年ぶりの新作公開。
前作はイランを舞台に、様々な証言が入り組んで“どよ〜ん”とした空気感でありながら、観客の心を掴んだ作品でしたが、こちらもスタイルとしては近いものがございます。

そもそもは4年越しで別居状態の夫婦が、妻の再婚のため正式な離婚協議を行う…としたものですが、その裏で様々な思い、事件、嘘、現実が横たわって、気付けばドロドロの状況を見せられる映画。

映画が始まって間もなく、夫婦が車に乗ってバックで駐車場を出ようとして「おぉ危ない!」という描写があったり。走行中の車内の映像にもバックミラーが映りこんでいたり。
バック、後方、つまりは時に危険で 時に見失いがちな過去を見据えた物語。

キャストの誰かが口を開く度に 新たな何かが提示されます。
ただ そこには事実もあれば、憶測もあり、個人の感情も含まれているので、それらを整理しつつ事態を把握しなくてはなりません。
おまけに、序盤は誰が誰の子かも解りにくいし、中盤で突然の嘘つきキャラも登場するので その都度注意が必要。

で ストーリーが落ち着いたとしても、決してスッキリするわけではないし、ラストシーンがまた心を締め付けるんですよね。

わたくしが小学生の頃。学校の道徳の時間にNHK教育テレビの「みんななかよし」とか「明るい仲間」を見せられて、こんな場合あなたはどう感じますか…というのを突き付けられているみたいで。
それぞれの立場で見えるものも知りえる情報も、はたまた感じ方も違ってくるので、「コレっ」という答えは出せません。
もちろん始めからそういう作風で脚本が書かれているわけですからね。

しかしあえて言うなら、ちょっと詰め込み過ぎな印象も無きにしも非ずで。クリーニング屋の姉さんまで巻き込まなくてもいいじゃないかと。
絡み合うのは家族だけで良かったんじゃないかとは思ったけどね。

泥沼離婚の経験があったり、ややこしい再婚をなさった方なら共感できるかもですが(苦笑)
一般のピュアな人にとっては荷が重い作品ですわね。

個人的には嫌いじゃないけど(^-^;)

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香水は付ける人で変わってくるものなのよ
posted by 味噌のカツオ at 00:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする