2014年01月13日

永遠の0

山崎 貴
岡田准一、三浦春馬、井上真央、夏八木勲
健太郎は祖母・松乃の葬儀の席で祖父・賢一郎とは血がつながっていないことを知る。血縁上の祖父は松乃の最初の夫で、太平洋戦争時に零戦パイロットとして特攻隊員となり散った宮部久蔵という人物だった。
健太郎は祖父がどんな人物だったか調べようと、彼のかつての戦友を訪ねまわり、やがて久蔵の思いも寄らない真実を知ることとなる。

今期のお正月映画のNo.1ヒットと言えるのかな。
そもそも2006年に発表された原作も大ベストセラーとなっており、そんじょそこらの作品以上に 原作と映画版とリンクさせて読んだり観たりされている一本ですね。

いつもながら映画は見れど、全く本は読まないわたくし。ズバリ比較して論ずることはできませんが…
様々なレビューを見ると大方の意見は汲み取れます。

当然ながら壮大なストーリー、繊細な描写を144分の映像の中に完璧に落とし込むのは不可能。
ですが 原作のファンの方からも、満足度はそれなりに高い仕上がりとなっておるようです。

ここからはわたくしの印象で…
まず主演の岡田准一は見事だと思いますよ。「図書館戦争」の時と(立場的に)被るキャラでもありますが、面構えなんかは非常にカッコいいですよ。背は低いけど。

そして脇を固める役者陣も上手な人を揃えましたね。
濱田岳、新井浩文、染谷将太と映画向きな若い役者がズラリ。田中泯、橋爪功、山本學といった味のあるベテラン勢がズラリ。
中でも昨年亡くなられた夏八木勲さんの佇まいは、それだけで深みを感じてしまいます。

その一方で、ストーリー展開になんとなく慌しさを覚えたのはわたくしだけなんでしょうか?
確かにいろんな証言、エピソード、感情が表現されておるのですが、それらを網羅してジワジワ込み上げてくるものは乏しかったのかな。

原作未読のわたくしですが、ああなって こうなって、徐々に宮部久蔵という人物が明らかになるんだな〜というのは予測がつきますし。
またそれらを凌駕するようなどんでん返しも弱かったかな。

別にこれを“駄作だ!”と一刀両断するつもりはありません。ましてや「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズで素晴らしい映像とヒューマニズムあふれる作品を作ってきた山崎貴監督なので、それ相当のクオリティであるのは間違いないです。
ただ年間に何本も映画を見てる映画ファンであれば、これぐらいのレベルの作品はそれなりに存在すること理解してましょう。

それもあって、映画サイトにて「最高の映画でした」という感想が羅列されているのをみると、それほど騒ぐほどでもないかなと思ってしまいます。
また季節に1本ぐらいしか見ないライトユーザーとか、普段 余程ロクな作品見てないような方々が「感動しました。泣けました」と言ってるのかなと。余計なことが気になっちゃいます。
心に響くのは悪いことではないけれど、「泣ける映画 イコール 良い作品」ではないからね。

ずいぶんと偉そうなことのたまってるわたくしですが、ラストで健太郎の目で前をゼロ戦が飛んでいくシーンは印象に残りました。あれ、いい映像だったなぁ。
そしてサザンオールスターズのエンドテーマもね。

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堀越二郎がいたから零戦が生まれたのだよ
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2013年10月29日

エリジウム

ニール・ブロムカンプ
マット・デイモン、ジョディ・フォスター、シャールト・コプリー
貧困層は地球に、富裕層はスペース・コロニー“エリジウム”に住む近未来。地球のイチ労働者・マックスは作業中の事故により余命5日の宣告を受ける。
何としても「生きたい」と願うマックスは、不治の病も完治させる医療ポッドのあるエリジウムに渡ることを決意する。

2009年に「第9地区」でデビューしたブロムカンプ監督の新作。

舞台は2154年のロサンゼルスという設定。140年後…ですか(笑)
そんな先の地球がどうなってるかはわからないので、基本的にはやりたい放題な映画にも思えますが。でもそこを突っついてはアレですから。

とにかく荒れ果ててスラムと化した地球に貧困層が住み、富裕層はスペース・コロニー“エリジウム”にて悠悠自適、セレブなライフをおくっていると。
時々地球からエリジウムに向かって ギュウギュウ詰めで人が乗り込んだ宇宙船がやってきます。しかしあっ気なく当局に捕まり、えらい目に遭うことに。

現代でも富裕層と貧困層の住み分けはハッキリしてるところもありますし、国をたがえての密入国や亡命を望む人はいくらでもおるわけで。
その辺りは素直に2つの世界を表現してあります。

さて、エリジウムには医療ポッドなるものがありまして。それを使えばどんな病気も怪我もアッという間に治療してしまうスグレもの。
現代で言うなら高度医療については それこそ富裕層・お金のある人の為のもの…的な状況に置き換えられますか。

そしてこの映画の主人公・マックス。悪辣な環境の中 低賃金で働かされているのですが、作業場のアクシデントで放射能のようなものを浴び、余命5日と診断されてしまいます。
そこでマックスは生への執念から医療ポッドを目指し、エリジウムへ渡ることを決意します。
そんでもってバタバタとした展開になっていくわけですが…

近未来のバトルをスタイリッシュに描いた作品もありますが、今作は基本的には泥臭い系統。
ってか荒廃した地球の現状はそこそこ描かれてますが、ユートピアであるエリジウムの生活がチョロっとしか出てこないので、主人公の日常との対比はしにくかった。
早い話が感情移入するポイントが薄い印象。

正直 様々なマシンたロボットが登場したり。大リーグボール養成ギブスみたいのも付けちゃったり。あとルンバみたいのが空飛んだり。
それらメカにまつわる映像やバトルシーンがスゴイ割りに、人間ドラマが弱かったんじゃないかな。
リアリティの裏打ちがされていないアクション映画などと言っては元も子もないか(苦笑)

「第9地区」は良い意味で悪ノリ感を味わえて面白かったように覚えがあるけど、今回は「ふ〜ん。それで」的な手応えで終わっちゃったな。

さて、以下ネタバレになりますが…
余命わずかな体を治癒させるべくエリジウムに渡った主人公。激しい戦いで体はボロボロになり、ついに息絶えてしまうのです。
でも医療ポッドで復活とかはできないのかな?死んだらもうアウトなの?
顔面ふっ飛んだアイツは再生したけど。死んでなかったの!?

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待っとって、慰問
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2013年10月09日

R100

松本人志
大森南朋、大地真央、寺島しのぶ、松尾スズキ、渡部篤郎
有名家具店に勤務する片山は、途中退会不可の謎のクラブ“ボンデージ”に入会する。以降、様々なタイプの女王様が片山の日常生活の中に現れ、彼を恍惚の世界へと誘う。
しかしその内容は次第にエスカレートし、片山はプレイの中止を求めるのだが…

決して評判の良いとはいえない松本人志監督の4作目。
過去の作品と大きく違うのは、メジャーな役者さんが多数登場していること。ある意味で意欲作とも取れるのですが…

如何せん面白くはない。
基本的なストーリーもあるにはあるし、この先どうなる?と惹き付ける要素もあるにはある。
でも それらの興味というのがスッと腑に落ちるような瞬間がないんだよね。ずっと「なんだろう?なんだろう?」で進んでいくんですが。

普通の娯楽作品なら 小さな疑問を謎解き謎解きしながら、クライマックスへいくもんです。
またいくつものストーリーが絡み合ってわかりにくい映画でも、ラストにそれらが一本のスジにつながってカタルシスを得ることができるんだけど。
そこまでたどり着けないんだよね。

この作品にもしっかりとした答えはあるんですよ。
芸術作品って解りづらいものが多いけど、見た人が好きなように感じるものが芸術・アートだと思うんですね。
でもこの映画はアートと違って、他の思考を受け入れないんですよ。監督の意向という答えがひとつだけあるんですが、その ひとつしかないんですよ。
でもそのひとつというのが難しいんだわな。

だからこの難問を解けた人は「松ちゃんは天才だ」となるし、わからない人たちは「もぅ映画を撮らないで」となるわけで。
「しんぼる」も同様だと思います。

当然ですが わたくしもこの作品で表現されていることは…さっぱりわかりませんで(笑)
それでも、松本監督には今後も映画を作り続けて欲しいなぁ。日本にもこういう作風の監督がひとりぐらいいた方がね。

映画の内容とかメッセージはわかりにくいけど、間違いなくキャスティングは100点満点。全員イメージ通りでしたよ。

あと松本監督、何気にプロレスの要素を上手く取り入れますよね。
「しんぼる」も同様だと思います。

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恍惚の表情がホマキっぽかった(失礼)
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2013年09月16日

アップサイドダウン 重力の恋人

フアン・ソラナス
ジム・スタージェス、キルステン・ダンスト、ティモシー・スポール
富裕層が暮らす星と貧困層が暮らす星が、上下で接近するように引き合っている世界。
下の世界に住むアダムは上の世界のエデンと出会い恋に落ちる。しかし二人は星の境を監視する警備隊に見つかり、逃げようとしたエデンは頭を強打し意識不明に。
それから10年後、アダムはエデンが生きていることを知り、彼女に会うために命がけで上の世界に潜入するが…

太陽の周りを回りながら、真反対に引力が作用する双子惑星。
富裕層が住む「上の世界」と貧困層らの「下の世界」が向かい合うものの、互いの世界の交流は禁じられ、唯一 大企業の「トランスワールド社」が二つの世界を繋げている。

というそんなSFチックな設定。
下の世界に住む主人公の青年は、幼い頃に山頂で上の世界の住人である少女と交流を持つ。
障害があるほどに恋は燃えるものではありますが、この異世界間の恋愛も決して上手くいくはずもなく。やがて二人は引き離される運命に。。。

しかしひょんなことから彼女の居所を知った彼は、危険を冒してまで彼女の元へ駆けつけます。まぁ純愛!
おまけに彼女は‘事故’の影響で記憶喪失になっており、過去に彼と出会っていたことは全く覚えていないという。「冬ソナ」のヨン様のような状況。

そんな二人の恋の行方は!?というオハナシ。

そもそもの設定が超現実世界でありまして。超越しちゃってるのね。
なのでアレコレとツッコミを入れるのもどうかと思ってダラダラ見ちゃったわけで。

上手く言えないけど、もう少し設定を生かすこともできたように思うなぁ。
あるいはサスペンス要素をもうちょっと強めるとか。なんだかそこそこのイイ話で終わっちゃってるみたいでね。
そもそも、ヒロインのキルステン・ダンストがタイプではないので、わたくしも感情移入仕切れなかったのも…

ただし 上と下に存在する世界やオフィスの映像というのはちょっと見ものです。まさに普通の映画では見られない絵でしたね。

さてさて、この後にも若干似たようなシチュエーションの作品も控えております。
「エリジウム」と「サカサマのパテマ」というものなんですが。
また機会があれば見てみたいと思います。

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ドリフの無重力コントも懐かしいね
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2013年08月09日

ABC・オブ・デス

15カ国から選抜された26人(組)の監督が それぞれアルファベット1文字を与えられ、“死”をテーマに5分間の短編を製作するというプロジェクト。
すなわちアルファベット・A〜Zまで26本のホラーオムニバス作品集。

通常映画って90〜120分ぐらいの尺があるものですが、わずか5分の短編でひとつの世界観を提示しなくてはならないと。なお且つ 自身の企画ではなく、テーマを与えられての製作。
となれば おのずと実験的な作風が出てきたり、着地点のよくわからないもの、観念的な映像みたいのも登場します。

面白かろうが 趣味が合わなかろうが、5分弱で次から次へと作品が展開していくので、わたくし的にはお得感があって十分に楽しめました。
ただし、あくまでテーマが“死”ということで。。。

テーマが“死”ということで決して美しい映像は期待できない。
確かに表現方法は様々ですが、枠としてはグロいものから下品なものまでってことで。

しかし驚いたのは、便所・便器・ウンコ系の多さ。
安易と言えば安易だが、ショートでインパクトを出すには手っ取り早いのかも。
もちろん“恋愛”がテーマだったら そんなことはなかっただろうが。

一方、似たような方向性でありながら便器ではなく「Fart おなら」で勝負したのは井口昇監督。
作品には激しくガッカリだけど(笑)、井口監督のブレない方向性には素直に感動を覚えました。

同じく日本人・西村喜廣監督はアルファベットのラスト「Zetsumetsu 絶滅」という作品。
アングラスタイルで非常に危険な映像です。シメがこれで良かったのか!?
いやいや、オムニバスは全て並列の作品群です。こりゃもぅしょうがない。

冒頭のA「アポカリプス」の衝撃。B「ビッグフット」、C「サイクル」のストーリーはいずれも面白かった。
D「ドッグファイト」はスローの映像が素晴らしい。L「リビドー 性欲」は…
T「トイレ」、クレイアニメであのような残酷映像ははじめて見ました。繊細に作りこんであったなぁ。
M「流産」は短かったけど、わたくし的にはインパクトありました。一番好みだったかも。
X「ダブルエックスエル」もエグさと美しさがクロスされていて良かったです。

繰り返しますが、テーマが“死”なので見る人を選ぶような企画ではありますが「映画」というジャンルが好きな人であれば見て損は無いと思います。
欲を言えば、決して世界的に有名な監督が参加していないという弱さは否めない。

しかーし!!
現在企画が進行している第2弾には、園子温監督や『CUBE』のヴィンチェンゾ・ナタリ監督に声がかかっているそうなので、実現したら更なる注目を集めること間違いなし!!
期待しましょう!!

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自慰はGにあらず
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2013年07月11日

インポッシブル

フアン・アントニオ・バヨナ
ナオミ・ワッツ、ユアン・マクレガー、トム・ホランド
2004年、タイのリゾート地で休暇を楽しむマリアとヘンリーと3人の息子。しかしクリスマスの翌日、スマトラ沖で発生した大地震による巨大津波がタイにまで押し寄せ、彼らはもちろん、多くの人々を一瞬にして飲み込んでいった。
一家は離ればなれになり、傷だらけになりながらも、再会を目指して第一歩を踏み出す。

2004年。多くの人々やリゾート地界隈が被害にあったスマトラ沖地震による津波。そこで起こった ある家族の物語を映画化。
今から8年半前にもなるのか。確かに当時のニュースなどで見た実際の映像に、驚きと恐怖を覚えたものです。

確かに津波は恐いけど、地震が起こった影響で、しかも しばしの時間が経ってから、こんなムチャクチャな津波が襲うのだと。
その6年後、日本も同様の津波で多くの人命が奪われたわけなんだけど。

なんだか日本人として、東日本震災の痛みを持っているのは確かだけど、それ以前にも こんな大きな津波被害があったこと。忘れていたのかも知れないですね。
ちなみに、この津波がベースとなっているであろう、イーストウッドの「ヒア・アフター」という映画がまさに東日本震災の時期に上映されていたっけか。

事象としては ひとつのディザスタームービーであるけれど、こういうのを見るたびに「作り物として こういう映像を撮る作業って大変だろうな」と「すごい技術があるもんだな」と。そんな感心もしてしまいます。

エンドロールの際に1枚の家族写真が出てきますが、この作品は実際に この津波の被害に遭われた一家の体験を元に描かれております。
なので災害の規模の割りに、映画のスケールとしては こじんまりとした印象を受けなくもないです。
言ってしまえば 離ればなれになった5人の家族が、また会えるのか…というただそれだけの物語。

でもシンプルにまとめ上げたことで、いろいろストレートに伝わってきましたよ。
やはり すんなり言葉の通じなければ 書かれている文字を読む事もできない異国の地での災害。その心細さをヒシヒシ感じました。見るのが苦しくなるほど痛々しい映像もありました。
一方で 同じ境遇に置かれたもの同士の助け合いの心、もちろん家族が一緒にいる事の心強さもわかりました。あとは 恐がりな次男の成長もね。

実話ベースということで、必用以上なまでのクサい演出はなかったし。その点もスッと受け止めることができた要因かな。
もちろんナオミ・ワッツ(アカデミー賞・主演女優賞ノミネート)以下、主要キャスト(子供たちも)の演技も素晴らしかったですよ。

ちなみにインポッシブルは‘ありえないさま’や‘不可能なこと’の意味があります。そんな状況下での奇跡のストーリー。

この地球上で起こった出来事として、同様の災害に見舞われた日本人として。見過ごしてはいけない作品とも思いました。

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せめて おんぶで集落まで行ってくれたら…
posted by 味噌のカツオ at 21:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月28日

アフター・アース

M・ナイト・シャマラン
ウィル・スミス、ジェイデン・スミス、ソフィー・オコネドー
伝説の兵士サイファと息子キタイらを乗せた宇宙船にトラブルが発生。機体は大破し、1000年前に人類が捨て去った地球へ落下してしまう。
ほかのクルーたちは死亡。サイファも重傷を負い、帰還に必要な緊急シグナルを捜すため、キタイは予期せぬ危機が待つ 荒れ果てた土地に足を踏み入れる。

ウィル・スミスと息子のジェイデン・スミスが、「幸せのちから」以来2度目の共演を果たす話題作。
ですが、わたくし全然関心なかったんだけど。。。

えっ!?全く前面に出てないけど この作品ってM・ナイト・シャマラン監督なの?それはぜひ見なくては!!
というわけで、ある期待を込めて劇場に足を運んできました。

1999年に「シックスセンス」で大ヒット。一気に名を馳せたシャマラン監督でしたが、その後は…
鳴かず飛ばずならまだしも、ゴールデンラズベリー賞に2度も輝くというダメ監督のなを欲しいままにしております。

我々観客も良いものを見て目を肥やすのも大切ですが、その逆もまた大切で。アカンものは何がどうアカンのか、リサーチする事も必要なのです。
って、始めっからダメダメ作品と決めてかかっているわたくしなのですが…

未来の地球。過去 そこに存在していた人類は、既に他の惑星に移住している〜という設定は先だってのトム・クルーズ「オブリビオン」と同等の設定。

冒頭、お約束のナレーションが入ります。
何やらモンスターがおりまして、そいつは目が見えない変わりに恐怖心というフェロモンを読み取って人を襲うと。
多くの人が犠牲になったけど、ウチの父ちゃんは そんなバケモノに恐怖心を抱かないので、簡単にモンスターをやっつけちゃうんだそうな。

なんと あまりに生き物として不自然。まるでそういう存在がないと映画としてなりたたないみたいなローカルルール。思わず苦笑。

この物語をリードするのは少年の方で。ただしこの少年、体力はあるけど思考能力にいささか乏しく、人の忠告を無視して勝手な行動をしたりウソをついてみたり。その挙げ句に心細くなっては泣きそうな顔になっちゃう。
そんな感情移入をさせてくれないダメ息子さんで。正直 見ていてイライラ。

案の定、後半には立派な戦いもしてみせて、兵士として成長したんだなと思った直後には、息子として父親に寄り添っていく場面があったり。
どこに向かおうとしているのか、何を拠り所にしたいのか ピンとこない展開ですよ。

水に近づけない猿。少年を助ける鷲。何かに反応してざわめく草木たち。
それらも謎でしたが、もしかしたら監督からのサインなのかもしれない。

「危険は目の前にあるが、恐怖はお前の中にある」というメッセージも一理あるような。恐怖に打ち勝つ心というテーマがあるのかもしれない。

ただ それらのメッセージや主張を映画という手法に込めるのが下手なんじゃないかな。シャマラン監督は。
過去の作品も そんなイメージあるもんなぁ。

サスペンスをエンターテイメントに昇華したヒッチコック。ちょっと異質だけど考えさせられる部分が残るスティーヴン・キングの世界観。
それっぽい方向へ向かいたいんだけど、あまりにポンコツなのか ただの自己満足なのか。
ホントにシャマランは惜しい監督です。

でもそのダメさ加減に浸ってこそのシャマラン作品。
今回はそこにウィル・スミスの親バカ?ごり押しキャスティングが追い打ちをかける形で、さらに我々の期待を‘上回る’ガッカリ度合いが実現しております。
これなら3度目のゴールデンラズベリー賞も狙えちゃう?

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アフター・あざーす!!
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2013年06月02日

オブリビオン

ジョセフ・コシンスキー
トム・クルーズ、オルガ・キュリレンコ、メリッサ・レオ、モーガン・フリーマン
2077年、エイリアンの攻撃を受けて半壊した地球。人類は他の惑星へ移住したが、ジャックとヴィクトリアは地球に残り、監視活動を継続していた。
そこに一機の宇宙船が墜落。ジャックは仮眠状態になっていたジュリアを救出するのだが、目覚めた彼女は会ったこともないジャックの名前を口にするのだった。

トム・クルーズ主演の最新作は遠い未来の地球を描いた SF…アクション…スリラー…サスペンス…
なんちゅうかそんな感じ。でも本当は ひねられた愛のストーリーってかな。

トム・クルーズって多くの作品に出ていますが、シリーズものって「ミッションインポッシブル」ぐらいなもので、いろんな役を演じておりますわね。
個性の強い役者になると、何を演じても その人にしか見えないなんて弊害もありますが、トムの場合はそれも許せてしまうと思っちゃうのはわたくしだけかしらん!?

主人公のキャラだけでなくアクションにメカにシチュエーションに、予算がいろいろ使われてるから それが気にならないって側面もあるのかもしれないけど。

わたくし この手の未来のお話ってそんなに得意ではなくて。
どうにも勝手にルール(文化や設定)を決めたうえで物語が始まりますやん。
今を生きているわたくしからすれば説得力の無いトコからスタートになっちゃうので、イマイチ乗り切れなくて。

確かにこの作品もそんなではあるのですが、思いのほかゴチャゴチャさせることなく、シンプルになっていたので入っていけましたね。わかりやすかったですよ。

メカだっていくつも登場するでなし、画面に写るのは地球の自然の情景が多かったし。
登場人物も決して多くは無いので、そういう意味で見やすい作品ではあります。

その一方で、あまりにシンプル過ぎて物足りない感が無きにしも非ず…みたいな。
やはり未来の荒廃した地球とか、異星人に狙われるとか、そんな映画って多いわけで。
結局、この作品に登場する設定って、どこかで見たことあるようなものばかりなんよね。

元々予告編を見た段階で、この映画がどういう方向性なのか‘ピン’とこなかったのですがね。
アクション映画的なものを期待して見ると、残念なデキに映っちゃうけど。
60年をかけた純愛ストーリーとして見たならば…

それでもやっぱ、ラストシーンは少々ムズ痒かったなぁ。

ちなみに「OBLIVION オブリビオン」とは忘れられている状態・忘却という意味らしいです。
なんだか ある意味そのまんま(苦笑)

広い砂漠、トムのコスチューム、メカ全般の白いカラーに、敵の黒、大自然の緑。
そんなシンプルな色使いも印象的。

それ以外の どうでもいい情報としては、ジュリア役のオルガ・キュリレンコは真木よう子に似てるなと。
主人公のジャック・ハーパーという名前はジャックダニエル&IWハーパーでウイスキーっぽいなとか。ドローン見てたらガンダムに出てきたボールを思い出したとか。
ホンマどうでもいい(笑)

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オクリビト
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2013年04月01日

アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち

サーシャ・ガバシ
スティーヴ・“リップス”・クドロウ、ロブ・ライナー
1980年代の音楽シーンに影響を与えた、かつての人気バンド・アンヴィル。現在では地元トロントで別の仕事をしながらもバンド活動を継続中。
そんな彼らのトラブル続きのヨーロッパ・ツアーやアルバム製作の様子とともに、男たちの友情と絆を描き出すドキュメンタリー。

プロレスラーのザ・グレート・サスケは一時期 映画のキャラクターにインスパイアされることがチョイチョイありまして。
それが時に「ダークナイト」であったり、時にミッキー・ローク「ザ・レスラー」のランディであったり。
そして「アンヴィル」モードに入った事もあったんですよね。

それほどまでに多くの人に影響を与えたこの作品。密かに気になっておりましたので、今回 DVDで見てみました。

冒頭、1984年の夏に日本のスタジアムで開催されたフェスの模様が映し出されます。
スコーピオンズ、ホワイトスネイク、ボン・ジョビ、そして アンヴィルと。

‘当時は’それらと横並びになるぐらいに人気もあり、ファンだけでなく他のアーティストにも多大な影響を与えたアンヴィル。
しかし何がいけなかったのか…その後に彼らはセールスも落ち、活動も縮小。

オリジナルメンバーのヴォーカル&ギターのリップスとドラムスのロブは、'95年以降加入のギタリスト、ベーシストとともにバンドを続けるも、50歳代になった現在では バイトしつつライブも行なうという状況。
しかし彼らのバンドには、もっとビッグになってやるという熱い思いと無限の可能性があったわけです。50歳を過ぎてもなお。。。

そんな書きかたするとちょっと滑稽な感じも拭えないのだけど、いやいや、このドキュメントを見ていると あまりにピュアなその思いに感化されていく部分もあって、こちらとしても気持ちが入っていっちゃうんだよね。傍観者として(苦笑)

人って誰だって夢を持ってると思うんですよ。でもその夢って最終的にはちゃんと叶うか、どこかで諦めるかしかないんじゃないかな。
でもリップスとロブはまだ夢に向かって突き進んでるんだよね。まだ終わっちゃいないんだよと。
そんな姿に思わず微笑んだり、時に胸が熱くなったり。

これが劇映画ではなく、ドキュメンタリーだから よりストレートに胸に伝わってくるんだな。バイブレーションが。
そぅ、歳がいくつだったとしても、夢を追いかける姿ってのは 美しいものなんだよね。

冒頭、日本の映像で始まったんだけど、ラストもなぜか日本の映像になっていきます。
これは日本向けの演出ってわけでもないんだろうけど。だとすれば日本人としてなんだか嬉しい気持ちにもなりますし。
極東の地、日本には 彼らにとっても大きな‘可能性’があるってことなのかな(笑)

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東海ラジオには あんびるとよぞう というアナウンサーがいます
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2013年03月25日

偽りなき者

トマス・ヴィンターベア
マッツ・ミケルセン、トマス・ボー・ラーセン、アニカ・ビタコプ
離婚と失業の試練を乗り越え、幼稚園の教師という職に就いたルーカス。そんな彼が親友の娘・クララの作り話によって、変質者の烙印を押されてしまう。
無実を証明できる手段のないまま噂は町中に広がり、ルーカスは仕事も親友も信用も失ってしまう。

『子供と酔っぱらいは嘘をつかない』−デンマークの諺
という表記がチラシにありました。そういえば この映画には子供も酔っぱらいも出てきてたっけ。

子供ってのはピュアだし、酔っぱらいは‘素’だし〜ってとこですか。
でもピュアであるからこそ、悪意ではなく いたずら心が動いてしまうことがあるんですね。

この映画、リアルに同列にしてしまえば嘘をついた子供がアカン事になってしまうんですが、さすがに子供相手にそんなことはできないので。
結局 周りの大人たちによって作られた悲劇なんですね。

ひとつは 子供の純真さのみを信じた幼稚園の先生。わたくしに言わせれば あぁいう場で働いてる人って自身がピュアすぎるんじゃないかな。子供の口から そんな言葉が出るわけがない…的な幻想というか。
普通に下ネタ好きなわたくしからすれば、もっと冷静に受け止められるし、その奥にあるものや その言葉の出所に向き合うべきだと。。。

そしてクララのママ。彼女の発した「ルーカスは何もしていない」という言葉を、擁護する形でスルーしてしまって。

最後に、クララの思いをはねつけたルーカス自身も、罪はあるのかもしれない。
ケンカを繰り返す両親、ヤンチャな兄とは違い、やさしく真正面から語りかけてくれるルーカスに対し、感謝や敬愛の気持ちを抱いたクララ。
そんな‘彼女’の思いを無下に扱ってしまったことも、この事態の引き金だったのかもしれないね。

だからといって町の人々の対応が正しいのかとは言えないが。
その中でしっかりとルーカスを支えてくれた息子や一部の仲間たちの存在、警察の(最終的な)判断これには 見ていて救われましたね。
ホント、それがなければ 作品としても一方的な絶望と暗さだけになってしまうところ、観客としてもあたたかく見届けることができましたです。

全体、明るいカラーにも乏しいし、派手な見せ場が無いにも関わらず、スクリーンへの集中力を途切れさせない展開・演出が見事でした。
見てよかったと言える作品ではありますが、最後のワンシーンが また心を揺さぶりますね。

ここからは完全な余談。
日本でも冤罪事件というのが数多く存在します。また、逮捕・起訴されながらも裁判で無罪となることもあります。
が 結果無罪となって、新たな気持ちで社会生活をしようとしても、多くの一般人のアタマ中では「逮捕=犯罪者」ということで決まってしまってて。
無罪で、無実であるにもかかわらず「逮捕された」ことでその後一生 色眼鏡で見られるてしまうという。

このような認識が改まっていくよう願いたいですね。
そして誤認逮捕はもちろん、推測による捜査も改まってほしいものです。

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シカたがないでは済まされない
posted by 味噌のカツオ at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月18日

愛、アムール

ミヒャエル・ハネケ
ジャン=ルイ・トランティニャン、エマニュエル・リヴァ、イザベル・ユペール
パリに暮らす音楽家の老夫婦、ジョルジュとアンヌ。ある朝、食事を摂っていたアンナに異変が起こる。
病院での手術も失敗に終わり、徐々に不自由な暮らしを余儀なくされるアンナ。そして医者嫌いの彼女のため、ジョルジュは自宅でアンナと暮らしていくことを誓うのだが…

アカデミー賞の作品賞にノミネート。同じくアカデミー賞の外国語映画賞に輝き、カンヌでもパルムドールを受賞という話題作。
いや 話題とかそういう観点よりも、ある種のリアリティを追求した作品でもあり、ある意味では問題作なのかも知れません。

監督のミヒャエル・ハネケはこれまで、悪意・不条理・狂気などの感情を 幾分かエゲツナイ手法で描いてこられました。
今作品ではそれが影をひそめ、シンプルに染み渡る夫婦愛の物語を完成させました。
はたしてそれが良いのか悪いのかは悩ましいトコなのですが。。。

言ってしまえば ストーリーの中に大きな波はなくって。右から左へ時が流れていく。もちろん 流れていく中で否応なしに病は進行し、そして老いという時間も流れていきます。
その舞台も老夫婦の暮らすアパルトマン(フランスで言うところの家具付きアパート)のみということもあり、映像も展開も退屈といえば退屈。

そこで起きていくことを、時に美しく、時に残酷にではありますが丁寧に映し出していきます。いや、ところどころ何があったのか映し出さないエピソードもありますが。
観客はその流れを静かに見つめていくわけですが、最後の最後にハネケ流の着地点が提示されるのだけどね。

これは深い愛の話であるのか、悲しき問題作であるのか。その部分は量りかねますね。
というのも、少なくとも高齢化社会と叫ばれる日本では、老々介護という問題は度々話題になりますし、この映画の結末も現実のこととして報道されることもあります。

なのでテーマとしての斬新さや真新しさは感じ取れなくて。
はたして海外でもこのようなことが‘当たり前のような’事例なのか、はたまた‘えっこんなことが!’なのか。そこが気にはなるのですが。。。

元々はハネケ監督自身の経験から作られた映画だとも聞きます。
なんというか「ゼロ・ダーク・サーティ」や「遺体 明日への十日間」を見たときもそうでしたが。観客として、映画としての善し悪しの評価と、リアルエピソードとしての評価の受け止め具合が難しいですね。
「こんな映画つまらん!」と‘作品に対して’言ってしまったその先には、現実に(モデルとなり)苦しんだ人々の思いに向けても「つまらん!」と投げかけるみたいで。

元のエピソード自体があまりに近年のものであると、余計にデリケートになるしねぇ。

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鳩も名演技してます
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2013年03月16日

UDON

本広克行
ユースケ・サンタマリア、小西真奈美、トータス松本、鈴木京香
香助はコメディアンを目指しニューヨークへ渡ったものの挫折。うどん屋を営む香川の実家に、借金を背負っての帰国を果たす。
が 親友の紹介で働くことになった地元のタウン誌で、讃岐うどんに関するコラムをスタートさせ、やがてそれが大きなブームへと広がっていく。

DVDにて鑑賞。 本広克行監督&亀山千広プロデューサーという「踊る大捜査線」でおなじみのコンビが手がけた作品。
本広監督が香川出身ということで、その思い入れを並々と注いで製作されたような一本ですね。

実際 香川の方では うどん屋さんの数がたいへん多いということで。
また街道沿いのメジャー店だけではなく、裏通りであったり 地味な住宅地に突然 うどん屋さんが存在していたりするもので。

それらのローカルなうどん屋さんをハシゴしていく行為と、四国八十八箇所巡礼のイメージを重ね合わせるのも面白いですね。
とにかく、地元民にとっては あって当たり前の存在であるうどん屋さんを、地元のタウン誌がピックアップしていくことで、ジワジワとその輪が広がり ブームが作られていくという展開もありえる話ですわな。
少々強引な面も無きにしも非ずでしたが。。。

そんなブームがどうなっていくのかと思いきや、あっという間に終息。そして後半はガラっと物語が変わって、主人公と父親とのストーリーになっていきます。

2006年、フジテレビとROBOTが製作に関わった作品ですので イチ地方都市のローカルフードがテーマでありながら、どこかバブリーな臭いを感じてしまうのはなんなんでしょ(苦笑)
非常にストレートな作風で、決してつまらないとは言いませんが、何かもうひとひねり ほしいなという思いと、バブリー臭が鼻につくって印象かな。ちょっと偏見入ってるかもだけど。

しいて言うなら‘キャプテンUDON’のくだりとか、いらんのじゃないってね。
その一方で「サマータイムマシンブルース」の面々がチョイチョイ出てたのは嬉しかったけど。でもそれも出し過ぎだったかな。

作り手側の‘うどんLOVE’や‘うどんリスペクト’はよくわかるんですが、提供し方として空回りしちゃってるのかもしれないですね。なんとなくですよ。

ユースケさんも小西さんも好演されてますが、それ以上に素晴らしかったのがトータス松本さん。
ミュージシャンがお芝居してます的なヨソ行きの雰囲気は皆無。違和感なく主要キャストとしての役割りをこなしてたのは驚きでした。
もっとトータスさんの役者してるとこ見たいと思いましたです。

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UDONの中にラーメンズが混ざってたぞ!
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2013年03月14日

遺体 明日への十日間

君塚良一
西田敏行、佐藤浩市、柳葉敏郎、筒井道隆
2011年3月11日、巨大な地震により発生した津波が岩手県釜石市を襲い、多くの方が犠牲となった。
やがて遺体安置所となった体育館に 次々と遺体が運ばれてくるのだが、警察や市の職員も戸惑いを隠せないでいた。そこへ、かつて葬儀関係の仕事に就いていた相葉が、安置所のボランティアとして働くことを願い出る。

この作品のラストに「死者・行方不明者は19,000名以上」という字幕が映し出されます。
地震の影には それだけ多くの人々の悲しみがあり、また家が崩れ、津波が押し寄せ、原発が停止し…と次々に影響は広がっていきました。
おそらく様々な舞台設定で東日本大震災をテーマにした映画というのが、今後とも製作されることはあるのでしょうね。

そしてこの作品は、地震が起きて間もなく 多くの遺体を収容することとなった廃校後の中学校体育館での物語。
ベースとなっているのは、ノンフィクション作家・石井光太による遺体安置所を題材としたルポルタージュ「遺体 -震災、津波の果てに-」。

本来の映画とは起承転結のあるエンターテイメントですが、ここでは その体育館に次から次へと運ばれてくる遺体と、行方不明となった家族や仲間を探しに来る人たちの姿を、淡々と描き出しております。
終始、スクリーンは重苦しい雰囲気ですすみ、我々観客はただただ その光景を見守るだけ。

当初 この体育館の立会いとなった市の職員らは、泥だらけの遺体が運ばれてくる状況に、何もできずに ただ立ち尽くすのみ。いや、自分もその立場であったら同じかもしれないですよ。
そんな中にあって 黙々と検案を続ける医師、検歯を続ける歯科医。そして以前に葬祭関連の仕事をしていた民生委員の相葉の存在により、少しづつ周りの状況にも変化が訪れます。

相葉は自身の経験から、ひとりひとりのご遺体に言葉を語りかけます。「冷たかったでしょう」「がんばったねぇ」「もうすぐ家族が迎えに来てくれるからね」と。
それを見た市の職員の一人が「僕たちには言葉がある」「亡くなられた方に向けても語りかけることができる」〜と少しづつ前向きになっていくんですね。

その一方で あまりに大きすぎる悲しみに直面し、心を閉ざしかけた人が立ち上がるのに 言葉を要しなかったんですよね。
なんだろう。悲しみに暮れる相手を言葉で励ますということは、物語として 映画の一場面としてあるとは思うんですが、そうではなくて。
たとえ長い時間がかかっても、自らの心で現実を受け止めて、立ち上がって動き出すということ。
深いリアリティを感じると共に、余計に胸が締め付けられるような思いでした。

映画って所詮は役者が演じるものなんですがね。このような現実にあった、いや まだ進行形といっても過言では無い悲しみを演じるってどんなもんだろう…って考えたんだけど。
志田未来演じる市の職員が「なんでこんな小さい子まで…」と取り乱すように涙する場面を見て、演じるとか役作りとか抜きにして そういう風になるよねって。
それはきっと多くの人が同じ思いとなるであろう出来事なので、観客にもストレートに伝わる感情だと思いました。

一時は足の踏み場も無くなるほどの状況でしたが、棺や火葬場の目処もつくんだけど まだまだ発見された方々が運ばれてくるのだろう…そんな遺体安置所の10日間。
映画として 決して希望の見えるラストではありません。でも本当の希望を見い出すのは、現実世界の我々の務めなんですよね。

わたくしごとき 何もできることはありませんが、せめて こんな映画があるんだということだけでも発信させていただきたい。

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主演が西田敏行さんでよかった
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2012年11月15日

悪の教典

三池崇史
伊藤英明、二階堂ふみ、染谷将太、林 遣都
蓮実聖司は‘ハスミン’というニックネームで呼ばれ、生徒に慕われる高校教師でありながら、自身の目的のためなら殺人もいとわない生まれながらのサイコパス(反社会性人格障害)だった。
校内でのトラブル、自身に降り掛かる障害を取り除くため、平然と殺人を犯していく蓮実。が 彼自身のささいなミスを隠すべく、蓮実が導き出した解決策はクラスの生徒全員の殺害だった。

「教師が生徒を皆殺し」というプロットを聞きまして、いったい何がどうして そんな事態になっちまうのか…と、ちょっと期待してた作品です。
伊藤英明が そんな殺人鬼をどう演じるのか。そして二階堂ふみ、染谷将太、林 遣都ら チカラのある若い役者さんがどんな芝居を見せてくれるのかも注目しておりました。

正直、前半はイマイチ乗り切れなかったですなぁ。思わず「えっ!?」と食いついてしまうような描写もありましたが、相対的にはテンポが悪さみたいのが気になりましたね。

しかし‘ハスミン’が覚醒して以降、グッと求心力が増しました。
ところが、グンとそれらを上まわるほど エゲツないシーンが続きまして。さすがのわたくしも辟易してしまったほど(苦笑)
アメリカで時々発生する学校での銃乱射事件って こんな感じっぽいのかなとか思いつつで。

あぁ恐るべしは三池崇史監督か。
いやいやこのサイコパスな主人公を演じきった伊藤英明も見事でしたよ。
ハスミンの引き締まった表情は、非常に凛々しかった。んでその眼差しが生徒たちに向けられていることが非常に恐怖感高まったし。

とにかく容赦の無さは素晴らしかった。命乞いやら説得するようなセリフを挟む余事なく、一方的に殺しまくってて。
ここまでやり切っちゃうのは、伊藤英明の事務所的に大丈夫やったんやろか?と心配になるほど。

そして やられていく生徒さんたちも いちいち上手かったですね。リアリティありましたよ。いやいや、別に人が銃で打たれて死ぬところを見たことはないけども。
(必要以上に)華やかに飾られた文化祭の装飾の中で、この惨劇が繰り広げられるというギャップ。キツイ映像でしたね。
「バトルロワイヤル」が公開された時も それはそれでセンセーショナルでしたが、今現在の映像を作り出す技量というのはこれほどまでにUPしているわけなんですな。

ただ‘お涙頂戴’やらセンチメンタリズムの付け入る隙を与えなかった分、非常さは高まったけど ドラマ性としては少々弱かったかも。全般的な印象として。

見た人によって「この作品はアリかナシか」評価は真っ二つに分かれるでしょうね。
「海猿」を引きずったまま見ちゃうと そのギャップについていけないだろうし、一方でここまで作り上げた役者&スタッフの技量は大したもんだとも。
それから なんでそんなにお尻出すのかと…(笑)

ハスミンの物語はまだ続いていくんでしょうが、はたして映画としての続編はありえるのかな?

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東大? To Die!
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2012年11月08日

黄金を抱いて翔べ

井筒和幸
妻夫木聡、浅野忠信、桐谷健太、西田敏行
幸田は大学時代の友人・北川から、銀行の地下にあるという240億円相当の金塊強奪計画を持ちかけられる。
それぞれの役割りを担う6人が計画を進めんとしていたが、彼らの周囲で次々と事件が発生。やがて彼らの意外な過去や裏切りが浮上していく。

ベストセラー作家・高村薫の原作を井筒和幸監督が惚れこみ、今回 映像化されたこの作品。
ちなみに同小説が発表されたのが1990年というから、結構な寝かせ具合と言えましょう。

展開としては、6人の男たちの織り成す犯罪群像劇とでも言うべきか。それぞれの物語を背負った登場人物たちなのでありまして。
彼らのキャラクターをなぞりつつ、銀行の地下に眠る大量の金塊を盗み出さんとするのがメインのクライムストーリー。

個人個人の過去や関係性、あるいは罠・トラブル・裏切り…それらが絡み合う部分は、本当に計画が上手くいくものか、次はどんな障害が起こるのかと、なかなか見応えありました。
しかし肝心の銀行に乗り込んでからは、まぁまぁこの手の映画にはありがちなアクシデントぐらいで、そんなにドキドキしなかったんだなぁ、これが。
失礼ながら 映画としては後半失速という印象は拭えなくて。

ジイちゃん(西田敏行)の抱えてた秘密が明かされた時も、そんなに驚けなかったし。それまで伏線も張られていなかったし、それより金塊!ってモードだったから。こちらは(苦笑)
北川(浅野忠信)の家族が狙い打ちされたのは 結構ショッキングな描写だったんですが、それも後に続かない悲しみで。
嫁さんが「2人目ができたみたい…」という話と、おたふく風邪で精子がやられるという話は 繋がらないのかな?というのも気になりました。

どうなんでしょう、原作ではこういった辺りは もぅ少し掘り下げられているのかな?

そんな いくつか気になったことを挙げさせてもらいましたがね、基本的にわたくし 井筒監督の作風って お好きなんですよ。
大阪の空気とか味わいを知り尽くした監督が、その街の持つ面白味を所々に散りばめてありまして。

その最たるものが チョイチョイ絡んでくる大阪のおばちゃんたち。
ハードボイルドなやり取りの中に、当然のごとく会話を挟むおばちゃんたちの存在感が、大阪らしさと妙なリアリテイを演出してたように思いますわ。

作品中、トラックを襲撃するくだりのトコで、車が爆発するシーンがあるんだけど、この爆発のタイミングがちょっとビックリで。
あれ、今の妻夫木くんギリギリやったぞーと思ってね。ちょっとした見せ場ですよ(苦笑)
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シネコンで「エクスペンダブルズ2」かかってたね
posted by 味噌のカツオ at 22:53| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月02日

アルゴ

ベン・アフレック
ベン・アフレック、アラン・アーキン、ジョン・グッドマン
1979年11月、アメリカ大使館にイランの過激派が突入。混乱の中脱出した6人の外交官は、カナダ大使の私邸へと身を隠す。
この事態に対し米の国務省はCIAに応援を依頼。要請を受けた人質奪還のプロであるメンデスは、架空の映画を企画し 6人をロケハンにやってきたスタッフに仕立て上げ、脱出する作戦を立てる。

1979年にイランで起きたアメリカ大使館人質事件を、ベン・アフレックが監督・製作・主演を務めて映画化したというこの作品。
物語のいきさつとしては、イラン国民の支持を得ていなかったパーレビ前国王が、ガン治療の名目で米国へ渡ったと。しかしイラン側は「パーレビを引き渡せ」としたものの米側はそれを拒否。
そこでエキサイトした過激派がイランのアメリカ大使館になだれ込み・・・ということです。

大使館内では52名が人質となったが、6名のアメリカ人外交官が脱出に成功しカナダ大使の私邸に身を隠し、その奪還のために呼ばれたCIAのトニー・メンデスをベン・アフレックが演じます。

結論から申しますと、人質は無事にアメリカに渡ります!
まぁ実話をベースにしているのでその点はそうなんですがね(笑)
基本、この手の映画って実話を越える物語に昇華できないことも多くて、個人的にはあまりのれないんですが、いやーこの作品は結構ドキドキしながら 見入ってしまいましたね。
結論がわかってるにもかかわらず(笑)

世の中 恐い映画っていっぱいありますが、モンスターや殺人鬼の登場するような恐さと また違いましてね。
民族間にある‘過激派’とされる人の恐さ・殺気みたいなものが、しっかり表現されていると思いました。

すぐ隣にいる人、目の前にいる人たちが いつ‘豹変’して襲ってくるかもしれない。銃口を向けるかもしれない。
そのギリギリの危さの上で、上映中にピーンとした緊張感が続いておりましたわ。

これ結果的に成功したから良かったものの、架空のカナダ人映画スタッフの振りをするという、一見グダグダになりそうな作戦。
かなり無理繰りだとは思いますが、そこにある状況と時間のなかで命がけで遂行する姿が映画らしいエンターテイメントになっておりましたね。
搭乗手続きから離陸の瞬間まで、どこまでリアルでどこから演出かはさておき、見応えあったのは確かです。

シュレッダーされた資料の中から、モンタージュのごとく脱出した6名の写真を合わせていくなんてのも面白かったですね。

作品としても良かったですが主演としてのベン・アフレックも、良い意味で抑揚を押さえたキャラクターで良かったと思います。
キャラクターといえば。エンドロール時に実際に脱出した6名の写真が登場するんですが、いや〜映画の出演者らは 実にそっくりなビジュアルに作り上げられていたということがわかります。笑えるほどにクリソツで。
まぁ「猿の惑星」のメイク担当した人も作戦に入ってるから、そのあたりはお手の物か(笑)
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♪アルゴ〜 アルゴ〜 わたしは元気〜
posted by 味噌のカツオ at 12:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月07日

アウトレイジ ビヨンド

北野 武
ビートたけし、西田敏行、三浦友和、小日向文世
熾烈な下克上抗争を経て、関東の頂点を極めた暴力団「山王会」は政界にまで影響力
を広げていた。刑事の片岡は「山王会」の壊滅を目論み 関西最大の「花菱会」と対
立させるべく、裏で策略を仕掛けていく。
そんな中、獄中で死んだと思われていた元山王会配下の組長だった大友が出所する。

‘全員悪人’というのが この「アウトレイジ」の売り文句でもありますね。
じつは先日「ドラマや映画でヒーローが生まれないのは絶対的な悪役がいないからで
もある」なんて話を聞きまして。
ひと昔前は悪役商会さんみたいな顔立ちからして悪そうな専門の役者さんがおった
り、主人公を徹底していじめる汚れ役が存在したりしてたけど、ご時世なのか何なの
か。今はそういうキャラクターっていないですよね〜とそんな話。

しかーし!この作品に登場するのは まさに全員悪役。
西田敏行さんや塩見三省さんなんかも どこか人の良さが見え隠れする役柄が多いけ
ど、ここでは徹底した感じで容赦が無いワル役でしたね。
やぁなんかここまでやられると見ていて気持ち良かったですわ。

元々の親分を裏切ったことに対しての復讐。そして強大化し過ぎた組織が叩かれると
いうシンプルなストーリーライン。
場合によっては前作を未見でも、あるいは忘れちゃってても十分についていけると思
います。

この手の作品って、ヤクザを美化してるような風にも受け止められちゃう部分もある
んですが、そこは一つの映画として見てもらいたい。
そういうエンターテイメントの表現としては、いい具合の緊張感が終始張り詰められ
ていてね。これは近年にない感覚で。

室内で3〜4人の男が「なんだコラー!」「ふざけんなバカヤロー!」とか言い合う
場面を個別に撮ってるんだよね。
画面には一人しか映っていない状態。これで一人ひとりのセリフが際立つ効果もあっ
たし、全体の集中力も高まっておりました。

とにかく強面(コワモテ)のベテラン俳優の皆さんがアップになると、そこに刻まれた
シワの一本一本が味わいとか深みを出していてよかったです。
そんな中に近ごろの映画で、ヤンキーやらチンピラみたいな役柄でも活躍してる桐谷
健太に新井浩文なんかも入っていてね。それちょっと嬉しかったです。
ひと昔前の悪党だけでなく、若手も絡ませることで、映画としての未来も感じました
よ。

あと そんな悪党どもの中にあって、高橋克典の存在がカッコ良かったわ。できれば
セリフもほしかったです。
次回作(?)ではキーパーソンになってくるのかな!?

さてさて 全体を通して見てね、面白いかどうかと問われれば 素直に面白かったとは
言い難いトコではあります。ストーリーに捻りがないという点なんかを考えるとね。
その一方で、2時間に渡ってここまで張り詰めた空気を維持していたのは素晴らし
かった。それが見終わって一種のカタルシスとして感じましたですよ。わたくしは。
そんな見応えのある一本でした。

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ネジネジ中尾がネクタイしてたよ
posted by 味噌のカツオ at 01:14| Comment(1) | TrackBack(1) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月18日

アベンジャーズ(3D)字幕版

ジョス・ウェドン
ロバート・ダウニーJr、クリス・エヴァンス、マーク・ラファロ、クリス・ヘムズワース
ニック長官率いる国際平和維持組織の基地で研究されていた四次元キューブが、地球支配を目論むロキによって奪われてしまう。
キューブの力で異世界の軍隊を呼び込み、攻撃を仕掛けんとするロキに対し、ニック長官は“アベンジャーズ”結成を決意。最強ヒーローたちを召集するのだが、彼らはチームを組むことを拒否する。

説明不要なまでのアメコミヒーローがズラリ勢ぞろいの超豪華企画。
これは‘面白かった’とか‘楽しかった’とか言わないと「映画ってもんを知らんのか」などと罵られそうですが・・・わたくし的には、尺が長い割には退屈なものでしかなかったなと。

いやいや、子供の頃から仮面ライダーやウルトラマンとか見てきたわたくしですから。ヒーローたちが力をあわせて〜という設定にもトキメキますし、逆に敵の怪獣・怪人がいっぱい出てきてもドキドキしたもですよ。
しかしなぜかこの「アベンジャーズ」にはイマイチ揺さぶられるモノがなかったのですよ。あぁ。。。

その理由は、おそらく、ここに登場したヒーローたちの単体の‘主演作’を1個も見ておらんのですわ。ハルクもアイアンマンもソーもキャプテンも。
んーアメコミヒーローで唯一見たのは「ダークナイト」なんですが、あの人はこのお祭り騒ぎに合わなさそうだしね(爆)

とにかく単品のソレを見ていないので、ヒーローらそれぞれの背負ったバックボーンやキャラクターを理解できていなかった。やっぱりこれは痛いでしょうね。

野球を全く知らない人がプロ野球のオールスター戦を見ても感情移入の仕様が無いし、あのピッチャーとあのバッターは同じ高校出身だけどセとパに分かれて・・・云々の楽しみもできませんから(苦笑)

などと突き詰めていくと、決してこの作品が悪いんじゃなく、わたくしの方が「お呼びでない・・・」ということのようですな。
こりゃまた失礼しました〜(>o<)

いや、でもやっぱりわたくしのようなビギナー層も楽しめてこそ映画じゃないのかい?と思うのだが。
どうも会話の一つひとつに着いていけず。当初バラバラだった各々の思いが徐々に意思統一していくなんて「マジンガーZ対デビルマン」の時代からあった流れだし。
バトルシーンもそれぞれがバシバシやるシーンが延々続く印象で、そこにも真新しさは見い出せず。

やっぱり「ダークナイト」を見た直後では、ストーリー展開もアクションの部分も、どうにも乗り切れなくて。
良く言えばお祭り感覚の‘明るさ’なんだけど、わたくし的には‘軽さ’だったのですわ。

結局のところわたくしには合わない、見る資格のない今作でしたが、アメコミヒーローが好きな方に無条件に楽しみたい方には満足できる一本であると。それは断言しますわ。

あ、上映スケジュールがたまたま3Dだったんだけど、3Dである必然性も感じられなかったなぁ。
とことん合わない映画でしたわ(^-^;)

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オベンジョーズ
posted by 味噌のカツオ at 22:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月24日

おおかみこどもの雨と雪

細田 守
宮崎あおい、大沢たかお、黒木華、西井幸人
大学生花は、おおかみおとこと運命的な恋に落ち、やがて雪と雨という姉弟を授かる。都会の片隅で正体を隠しながら暮らす4人であったが、突然 父が命を落としてしまう。
2人の幼いおおかみこどもを抱えた花は、自然の残る田舎に移住することを決意する。

「時をかける少女」「サマーウォーズ」の細田守監督の最新作。となれば 自ずとそれらと比較したくなっちゃうんですが・・・
先の2作品は日常の中から徐々に非日常の方へと向かっていた感じだったけど、こちらは‘起’が非日常で そこから日常へ向かっていってるような。そんな印象を持ちましたですね。

何気ない形で花とおおかみおとこが出会い、じんわりと恋になっていく。
決して‘家族’に恵まれていなかったおとこ。そして花について、その辺りのバックボーンは語られていなかったけど、映像から察するに・・・
そんな二人だからこそ、より‘家族’を求めてたのかな。「わたしが‘おかえり’って言ってあげる」なんてセリフは個人的にキュンとくるツボでした(笑)

そして自らの境遇をカミングアウト。しかしそれを受け止め、受け入れる花。
でも、あれ以上描写が進んでたら かなりマニアックな映像に・・・(苦笑)

そして二人のこどもが産まれたものの、父親は亡くなってしまいます。
このおおかみこどもをどのように育てればよいのか?おそらく人目の少ない場所のほうが のびのびさせてあげられる・・・というのは確かで。半分野生だし。
そんなわけで残された家族3人、田舎へと居を移します。。。

子どもなんて何をやりだすかわからない。どんな動きをするか読めない。その点では人間もおおかみこどもも差異はないんじゃなかろうか。
また広い視野で考えれば、時々おおかみになってしまうというのも(極端ではあるが)個性と言える気もするわけで。
もっと広く捉えれば、異国とのハーフの子どもも似たような苦悩を抱えてるかもしれないわけだし。

やがて成長していく中で、先を見据えて どんな人生を歩むのか。本人が考えなくっちゃならない。
その点は、最近では香川照之さんとも少々ダブって見えまして。俳優として実績を積んできたけど、元々流れている血に従い、今後は歌舞伎の世界へ向かっていくという。

少々話がズレたかな。
ここでは おおかみおとこの子どもという設定にはなっていますが、根本としては結構 身近なテーマなんですよね。
無駄に大局に構えたり説教臭くなっていない辺り、ジブリの作品よりとっつき易いと思いますよ。

この独身・子どもナシのわたくしが見ても胸が熱くなるシーンもありましたから。
今現在、やりたい放題のヤンチャな子どもを育ててる方、近い将来 このように独立していくのかな〜なんて年頃のお子さんをお持ちの方であれば、たまらない映画でしょうね、これは。
どうですか?どこのおおかみの骨ともしれない先生に付いて行くとか言われちゃった日にゃ。そら心配しますわ(笑)

展開としてはとてもシンプルなので、インパクトだとか どんでん返し的なダイナミズムには乏しいと言わざるを得ないか。
ただし、その分 映像の美しさは絶品だし、花役の宮崎あおいの声・キャラクターが素晴らし過ぎます。
やっぱりこの人は大した女優さんですよ。

さて、子どもと言うのは親は選ぶことはできません。
でもその前段階。夫婦・恋人となるパートナーは互いの意思があってこそ。たとえ相手が変わった境遇の生まれ育ちであろうと、その意思を持って努力をすれば幸せはつかめるんだと。
ぜひ、宮崎あおいさんも花ちゃんみたいな幸せをつかんで欲しいものです。次こそは。

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おおかみこどものアメとムチ
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2012年05月03日

オレンジと太陽

ジム・ローチ
エミリー・ワトソン、デヴィッド・ウェンハム、ヒューゴ・ウィーヴィング
ソーシャルワーカーのマーガレットは、見知らぬ女性から「私が誰なのかを調べて欲しい」と訴えられる。
彼女は4歳の頃に多くの子どもたちと共に、イギリスからオーストラリアに送られたという。やがて調査を始めたマーガレットは、強制的な‘児童移民’が行なわれていた事実を知ることに…

なんともしっくりこないストーリーなのではありますが、これが実話を元にしたお話で。
ってか原作が「からのゆりかご−大英帝国の迷い子たち」という、 この作品の主人公であるマーガレット・ハンフリーズの著書だとのこと。
驚きであります。

19世紀から1970年代に渡って、イギリスは施設に預けられた子どもたちらをオーストラリアに送り、強制労働や虐待を行なっていたという。
その数たるや13万人ものぼるそうで。

(実在の)マーガレットが調査を行い、離れ離れとなっていた かつての子どもたちと その家族を再会させていったと。
そしてその活動とともに、悲しき事実が広く伝えられるようになり、2009年にはオーストラリアの首相が。2010年にはイギリスの首相が事実を認め、正式な謝罪を行なったと。

それがこの事件の、そして映画のあらましであります。

実話をテーマにしたものであり、尚且つ 今もって原作者の戦いが続いている問題で。
そういったことを映画化した点は意欲作とも言えますし、それだけにデリケートなものでもあって。

見た人の評価としては、こんな悲しい出来事が、しかもつい最近まで行なわれてたという驚き、そして憤り。
わが国にあっては北朝鮮の拉致事件とも重ね合わせて、よりその思いを深めた意見を目にしました。

で わたくし個人的な感想としては、もう一歩、もう半歩でも踏み込んだ話も期待したかった。
なぜこのようなことが起こったのか。具体的に誰がどのように主導して この‘児童移民’がシステム化されていったのか。誰が得をしていたのかがピンとこなかったし。

実の両親のスタンスはいかがなものか。
何かを得るために子どもを送り出したのか、政府に拉致をされたのか。
ちょっと その点が曖昧な感じで。

言い方は悪いけど、ただの悲劇としてしか、‘かつての子どもたち’の思いだけからしか描かれていなかったなと。
本質は もっともっと根深くて、もっともっと多くの人の感情も絡んでくるのだと思うからこそ。もう少し広い視野で多面的な背景も知りたかったなと。

あとは この子どもたちがどのような経緯で解放されたのかも気になったし。
決して悪い作品でもないし、甘っちょろい問題でもないのだけれど、だからこそもっと深い部分を知りたかったです。
というのは、下世話な感情なのかな?
でもそれが素直な思いです。

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俺んちに居たいよう
posted by 味噌のカツオ at 23:21| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする