2014年11月21日

紙の月

吉田大八
宮沢りえ、池松壮亮、大島優子、小林聡美
銀行の契約社員として働く梅澤梨花は、夫との関係に空虚感を覚え始めていた。ある夜、顧客の孫である大学生の光太と出会い、不倫関係に陥っていく。
やがて梨花は、光太が学費のために借金をしている事を知り、顧客から預かった現金を横領してしまう。

原作は角田光代、そして「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八が監督。
この作品自体は原田知世主演でNHKでドラマ化もされており、信頼のおける話題作とも思えます。

ザックリとした流れとしては、銀行で外回りをしてる主婦が(今どき言わない)若いツバメと恋仲になり、彼がお金に困っているということで、銀行の金を横領。その結果…
とまぁよく考えられそうな展開。

ある意味ではとても普通であり、リアルであるとも言えましょう。でもどこかのタイミングで飛躍し過ぎてるように思えます。もったいない。

確かに一瞬で恋に落ちるなんてこともありえますよ。だから ふとしたタイミングでホテル入っちゃうこともあるかもです。
例えば めちゃくちゃイケメンとか、何気に優しい人とか、酔った勢いとか。でも そういうアレでもなく。
ましてや顧客様のお孫さん。結構な年下。視線が不審。わたし旦那おる。。。

となると いきなりホテルってのは、どうにも説得力の無い展開としか思えない。
やはり映画という物語である以上、そこの心の揺れ動きがもっと示されないと、どうにも感情移入しにくいです。

そして横領に関しても同じくで、これまた説得力が乏しい。
ちょっとゴメンなさい〜って集金の1万円で建て替えることはありえましょう。いくらかの犯罪は“出来心で…”などと称されます。
でも二人の関係が そこまでのリスクを越えるものだったのかまでは甚だ疑問。
自分の貯金を崩して渡すならまだしも、職場で横領はないでしょ。

その後に豪遊しまくるというエスカレートの仕方も、あまりにも…な。

そして(おそらく)その梨花の行動の初期衝動とも言えるような、学生時代のエピソードもなんだか微妙で。
そのまま20年のブランクを経て紐づけるには、いくらか乱暴なような。

もしそうであっても、その20年の間に「ならぬものはなりませぬ」と、それぐらいの改心はできていないか?
ラストシーンについても言いたいことはありますが、とにかく映画全体として 煮え切らない印象だったですね。

一方、キャストについては非常に好感。
特に大島優子は一番印象に残ってるかな。

そもそもAKB48という女の園出身の彼女。あれだけの女が集っていれば、良い部分も汚い部分も踏みしめて笑顔を届けていたことは想像に難くないです。
そんな彼女ですから、一般的なOLの更衣室で展開されるウラ&オモテ話を表現するのは打って付けだったんじゃないですか。
素晴らしいキャスティングであり、また彼女も見事に期待に応えてます。

存在感でいえば小林聡美さんも同じく。そして主演の宮沢りえさんもしかり。ラストへ向かうこの二人のやりとりは見応えありますよ。
各キャストの芝居についてはこれっぽっちも文句はありません。

ですが 非常に失礼にはなりますが、宮沢りえには若かりし頃の健康的なイメージのが残っているもので。やはり「老けたなぁ」という思いもぬぐえない。
もっと言うなら、普通の主婦の役であったとしても、アラフォーであったとしても、主人公はもっと美しくあってほしかったですね。

あと梨花が罪を犯そうとする際にノイズ音が聞こえるのが、ちょっとツボだったです。
さて 余談ですが、舞台設定として我々の知らない銀行のカウンターの奥のことを丁寧に良く描いてると思います。
思わず「そうそう」と言ってニヤリと微笑んでしまうかも。前半は。

でも後半で「こんなこと誰もがやってます」というくだりについては…どうなんだろうと思いましたね。
そういう“調整”が本当に普通にありがちなことなのか。もしそうでなかったら、現役の銀行マンの怒りを買うんじゃないかしらん!?

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フリンとごっこ
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2014年09月24日

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

ジェームズ・ガン
クリス・プラット、ブラッドリー・クーパー、ヴィン・ディーゼル
銀河を駆け巡るトレジャーハンターのピーターは惑星の廃墟でパワーストーンのオーブを入手。そのオーブを換金しようと立ち寄ったザンダー星で暗殺者に狙われ大暴れ。逮捕投獄されてしまう。
しかしそこで出会った仲間らとある計画を実行に移す。

「アベンジャーズ」でもおなじみの「MARVEL」コミックのヒーローもの。
ん、ヒーローものってくくりはちょっと違うかもだけど“いかにも”な作りであるのは確かですね。

主人公は9歳当時、母の死の直後に未確認飛行物体に誘拐されてしまった男。すなわち地球人なわけだ。
がそれ以外のキャラクターは異星人だったり改造人間だったり。

なんとも形容のしにくい存在感だったり、肌の色が緑だったり青だったり。そして口汚いアライグマも。
ちなみに超人ハルクの頃から、アメリカのモンスターの肌が緑色なのは定番なんでしょうね。
あとチーム全体のバランスは「不思議の国のアリス」とかそんな印象も近いような。

とにかくそんなキャラクターたちが、序盤は反目しつつも次第にわかり合って大きな戦いに突入していくという。その流れは「アベンジャーズ」のそのまんま。
ってか起承転結、ほぼそういう作りになるのは当然だけどね。

正直、イイもんも ワルもんも解りにくい造形。固有名詞も馴染みの無いアレで頭のなかゴッチャになりますが、見ていくうちに慣れてくるかな。
それなりに楽しめる作品ではあります。

という ところですが、わたくし個人的にアメコミヒーローとかに熱くならないし、「スターウォーズ」とかにもハマっていたわけではないので、この手の宇宙戦争は心の底からノレるかっちゅうと…

もう一つ の見所…いや聴きどころとして、70年代を中心とした往年のヒットナンバーがフューチャーされているというのがあります。
が、これも半分ぐらいしかわからなくって。決してわたくしの どストライクな選曲でもなかったのですわ。

決してつまらなかったわけではないけれど、多くの映画ファンや音楽ファンが感じるような喜びを共有するまでには至らなかったですね。残念ながら。

でも映像やメカについては細部にまで作り込みが行われていて、そういう見応えはありました。
あとアライグマの映像も 実によくできておりまして。これなら「アライグマの惑星」だって撮れちゃうかも〜といえるベル。
若干 キャラの名前などわかりにくい点はあれど、トータルとしては そんなに気を張らずに楽しめる映画ではあるのは間違いないです。

早くも続篇の製作も決まっている(作中にも帰ってくると言ってます)ので、それも見据えて お好きな方はぜひどうぞ。

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カーディガンズ・オブ・ギャラクシー
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2014年08月11日

ガス人間第1号

本多猪四郎
三橋達也、土屋嘉男、八千草薫、佐多契子
不可思議な銀行強盗事件が頻発する。警察は一人の容疑者を逮捕するが、そこに真犯人を名乗る男・水野があらわれる。
犯行の様子を見せようと水野は警察と共に銀行へ向かうが、水野はガス人間と化し人々の前から姿を消してしまう…

東宝が製作した「変身人間シリーズ」という企画がありまして。
『美女と液体人間』(1958年)、『電送人間』(1960年)、そしてそれに続くのが この『ガス人間第一号』(1960年)とのこと。

本多猪四郎監督で特技監督が円谷英二となると、特撮を駆使した怪獣映画のイメージも濃くなりがちですが、この作品は「怪奇空想科学映画シリーズ」というカテゴリーで企画されたと。
怪獣モノというよりも『ウルトラQ』に近いという解説も。
なるほど。

“ガス人間”という存在はSFですが、ストーリーやテイストはサスペンススリラー。
さらにはラブロマンスも…いや、そんないいもんじゃないか。純愛、一途な悲恋ですかね。

そもそもガス人間の誕生にも生き様にも悲哀が滲んでおりますから。

ホント、特撮のテクニックは素直に素晴らしいものがありますが、それだけではなく。
そもそものドラマが、映画として素晴らしいものであります。

そしてもう一つ特筆すべきは、ヒロインである日本舞踊の家元・藤千代。そしてそれを演じた八千草薫さんの存在感。
美しく妖艶で、凛としていて。見た目だけなら沢尻エリカ様チックのキレイさですが、もっと人として奥行きがあるんですよね。

そんな藤千代が紡ぎだすラストシーンにも、とても重いものを感じずにはいられませんでした。

“ガス人間”というキャラクターにとらわれてしまうとアレですが、かの名作「ゴースト」だって普通ではありえないような設定を取り入れたラブストーリーなわけで。
それらと遜色ない作品を、1960年当時に送り出していたという事も驚きです。
見て良かった作品です。
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2014年08月02日

GODZILLA ゴジラ

ギャレス・エドワーズ
アーロン・テイラー=ジョンソン、渡辺 謙、エリザベス・オルセン
1999年の日本。ジョーは原発の事故により妻を亡くしてしまう。
それから15年後、米軍の隊員であるジョーの息子フォードは、父が原発跡地に不法侵入し警察に逮捕されたという知らせを受け、身柄を引き受けに向かう。
やがてジョーとフォードは、侵入禁止区域に於いて、思いも寄らぬ光景を目にする。

ついに公開されたハリウッド版の「GODZILLA ゴジラ」です。
冒頭の部分。この怪獣映画にジュリエット・ビノシュがどんな役回りで関わるのか疑問に思っていましたが、結果的に関わっていなかったので それはそれとして。

今から60年前に日本に降臨したゴジラというキャラクター。紆余曲折あり今現在、圧倒的な存在感と存在意義を持って君臨されております。
一方で、かつてアメリカで作られた「GODZILLA」というタイトルの映画があったんですが、その存在もめんどくさいことになっているように思います。

そりゃあ以前のアメリカ版「GODZILLA」に比べたらそりゃあもう素晴らしいデキですよ。
でも そもそも日本で生まれた「ゴジラ」と比べるなら…厳しい言い方かもしれんけど、中途半端って思いますね。

確かにテーマとして、人類が開発した破壊兵器等々も出てくるので、60年前の第一作と対にして語る人もおるけど、実際の内容は期待してたものとは違ったなぁ。

人間にとっては表裏一体の核燃料があり、それが我々以外の生命体に影響を与えるのは良いです。
生物の生態として、雌雄が種を残すために求めあうのは本能であり、十分理解できます。
ただ…

その人が生み出したエネルギーの残骸が影響を与えるのがゴジラではなく、別の怪獣ってこと自体が「えっ!?」って感じで。
情報統制もされていたようで、ゴジラと敵の怪獣が戦うってことは見て初めて知ったんだけど。この展開はいわゆる後期のヒーローとしてのゴジラなのかな。

ムートーは生物の本能で行動してたように見えたけど、ゴジラの行動原理がイマイチ ピンとこない。
そいつらが地球の人類の生態系を崩しかねないから、ゴジラがそれらを退治しに来るってことなんですか。
そして悪役を退治して、名も名乗らずに海に帰っていくと。
ゴジラって何様?神様?人間の味方なの?

ちょっとそこが理解できなかったことで…わたくし的には腑に落ちなかったですね。

造形、ビジュアル、映像も評価高いですね。それ自体は否定しません。よくできております。
でも やっぱりフルCGのゴジラは、何か違うんだよね。あえて言うなら“質感”って部分なのかな。
まぁこれは好みの問題なので、ずっと相容れないことかもしれないけれどさ。

それから全編を通した構成として非常に疲れました。
上映時間 2時間4分なんだけど、実質 ゴジラが登場するまでのドラマが1時間ぐらい。ちょっと長いかなぁ。それに付き合うのに結構疲れちゃう。

かと思えば後半は、ドラマ性はほぼ皆無。ゴジラらがドッカンドッカン暴れるド迫力の映像。
と書けば 響きは良いけど、これも延々と続くようで ちょっとクドいかな。それだけ濃い映像を長々見せられると、これはこれで結構疲れちゃう。

なんかドラマ性とゴジラ映画の見せ場を絡み合わせた構成のが、2時間流しやすいんじゃないのかなぁ。

そんな中で密かに嬉しく響いたのが渡辺謙さん台詞で、「We call it GODZILLA」ではなく「We call it ゴジラ」とそこだけ日本語で呼んでいたのは点で。
またそれが渡辺謙さんのこだわりだったというのも嬉しい話でしたね。

見ての通り大きな予算をかけ、見応えのある大作であるのは間違いない。でも 思い入れがあるから、またちょっと厳しく見ちゃうわけで。
何だかゴジラという存在に求めたい要素が、ちょっと違ったですわ。

コミックスが実写化されたとき、原作のファンが「ちょっと違う」とつぶやいてしまう感覚って こんな感じなのかね!?
でも 続編の製作も決定したとのことで。それはそれとして、期待だけはさせてもらいます。

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ゴジラ対キック・アス
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2014年07月13日

ゴジラ対ヘドラ

坂野義光
山内 明、木村俊恵、柴 俊夫、麻理圭子
海で相次ぐ船舶事故。それを写したTVカメラには奇怪な怪物の姿が捉えられていた。数日後、その怪物が駿河湾に出没。この怪物こそ、ヘドロの中で誕生した怪獣へドラだった。
工場の黒煙を吸い、スモッグを発生させ人を死に追いやるヘドラ。するとそこへゴジラが出現。強敵ヘドラとの一騎打ちがはじまる。

1971年の夏休みに公開されたゴジラシリーズの第11作。
Wikipediaなどによれば、当時はテレビが普及率を伸ばしていったことで映画業界が非常に厳しい時期であったと。それに伴い人気のゴジラシリーズも制作費の削減を余儀なくされていたとのこと。

そんな状況下で作られたこの作品。
それまでにはなかった方向性とアイデアを盛り込んだ結果、興行的に成功をおさめ、多くの子供たちにインパクトを与えたと言われております。

前作までは複数の怪獣が登場する作りだったのが、今作はヘドラのみ。そういったところから予算の厳しさを感じ取ることができます。
あとゴジラ自体の造形も着ぐるみ然とした印象もあったり、鳴き声(遠吠え)も使い回し的な。抜いてるなってね(苦笑)

そして作風についても ゴーゴー喫茶のような当時の文化をフューチャーしていたり、動物・生物がモチーフの怪獣ではなく環境問題から生まれた怪獣であるというのも 当時としては独特なものだったようです。
と同時に、それまでにないアプローチだったからこそ、様々なインパクトであり もっと言うならトラウマを与えたという作品であるんでしょう。

主題歌として使われている「かえせ! 太陽を」もサイケデリックで。
「♪水銀 コバルト ナトリウム〜 ナマリ 硫酸 オキシダン〜」という歌詞もじつにストレート。「レインボーマン」の「死ね死ね団のテーマ」ぐらい強烈ですよ。

こういう分析が正しいのかどうかはわからんけど。
子供たちにウケるもの、人気の出る要素ってのは それはそれであるんですよ。
その一方で、子供だましを超越した本気度とか熱度は世代を超えて伝わる…いや、子供たちも何かを感じ取るんじゃないですかね。

個人的には灰色のヘドロがドロドロとゴジラを覆い尽くしていく描写は、素直に“汚い”と思ったしわけで。そこは怪獣も人間も関係なく ただただ“イヤだ〜”ってね(苦笑)
正直 低予算の作品としての雑さに荒っぽさは隠しきれませんが、公害問題をベースにしたテーマ性や、怪獣ヘドラの存在感もドキドキしちゃうものであるし。

今でこそ公害が問題視されることも少なくなってきましたが、人間の慢心が厄災を招くという点については不変ですよね。
だから今見ても「異色の名作」として語られているんでしょうね。
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2014年07月06日

ゴジラ

本多猪四郎
志村 喬、河内桃子、宝田 明、平田昭彦
太平洋沖で船舶遭難事故が発生。生存者の証言からそれが巨大生物によるものだと判明。その生物は海底に潜んでいたものの、何度も行われた水爆実験により目覚めたゴジラであった。
やがてゴジラは地上へと上陸。一夜にして東京は破壊され、火の海と化してしまう。

コチラは今から1954年の、言わばシリーズの第一作。
それから60年の年月を経て、間もなく公開される ハリウッド版「GODZILLA」を前に予習の意味も込めてビデオで見ました。

やぁやぁ確かに昔の映画ですよ。現代の作品に比べれば雑であったりアラも無いとは言えないです。
でも1954年にこれだけの“特撮”映像を作り上げたというのはスゴいことですよ。

極端かもしれないけど、ビルや街並みが破壊されていくシーンは 今見てもドキドキできちゃいますから。

わたくしが子供の頃に見ていたのは 怪獣映画のゴジラでした。
でも 今この時代に一作目のゴジラと向き合うと、そこに託されたテーマ・メッセージを感じることができますね。

水爆実験の影響で怒りと共に目覚めたゴジラ。要はそういう存在であり そういうキャラクターですよ。
でも その発想というものは、世界で唯一 原爆による悪夢を…いや違う、現実を突きつけられた日本でしか生まれなかったんじゃないかな。

実際 この映画が製作されたのは終戦から8年しか経過していない時期であり、ゴジラの猛威で傷を負った人々の映像というのは、戦争によって傷を負った人たちのそれとオーバーラップしてしまいましたから。

この映画にはゴジラという恐ろしい怪獣が登場しますが、そのゴジラの姿を消したら 間違いなく戦争映画にしか見えないんじゃないかなと。
だからといって軽々に「ゴジラは反戦映画だ」と言い切るつもりはないけれど、この怪獣映画はもっともっと世界中がシビアに向き合う要素のある作品だと思いました。


ラストのシーンでは、そういったグローバルなテーマとパーソナルな切なさも相まって。素晴らしい映画ですよ。
なんだか「アルマゲドン」の元ネタ?って感じもあったりなかったりで。

余談ですが、菅井きんさんも登場してます(^-^)
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2014年06月22日

gift

宮岡太郎
遠藤憲一、松井玲奈
ホストに騙され借金を抱えたキャバクラ嬢の沙織。返済のためにスリまで行っていたが、輸入食品会社会長の篠崎に捕まってしまう。が篠崎は警察へ行く代わりに「お前の100時間を100万円で買う」とアルバイトを持ちかける。

この映画は「Mシネマ」という“地域発信映画”を制作・上映していくという企画で制作されました。
これはその第一回作品で、愛知県発の作品。なんと上映は愛知県内(7スクリーン)のみ。好評であれば、順次拡大ロードショーとなるらしい。ふへ〜(苦笑)

訳ありのお金持ちと 訳ありのキャバ嬢が、とある理由により東京を目指して車を走らせる〜というロードムービー。
でも そのスタート地点が愛知県ではない(長野県?)ってところが違和感っちゅうか、イマイチ乗り切れない。(元々そういう意図の企画らしいが)
製作経緯からして低予算であるのはお察しします。主演の2人以外は失礼ながら名前のある人は皆無ですし。

正直 この手の企画作品はパッとしなくって。厳しいんよね。
でも、そんなセオリーを覆してほしいといいますか。良くも悪くも見届けてやろうというスタンス込みで見てきました。

結果、率直な感想は、アタリやったですね。
確かにツッコミたいところもなくはないけれど、しっかり及第点以上ですよ。

展開がやや強引だったり、安っぽかったりしますが、その主演の2人と そこから感じられる雰囲気が実にイイ。
強面で時に子供のようにわがままで、それでいて時折みせる優しさがたまらない遠藤憲一さん。
そしてアイドル的スマイルを封印して、過去のある女性を演じた松井玲奈ちゃんも良かったですよ。

それぞれに過去があったり、この旅にも悲しい理由があったり。
基本的には終始 切なく重苦しい空気が支配してます。暗めの映像、小雨、雪、湿った道路、季節がその思いに張り付いています。
だからこそ、ふいに小さな希望が顔をのぞかせ瞬間とか映えますし、夕暮れ時に沙織が篠崎の腕を組んで歩く絵が非常に美しくて印象に残ります。

決して派手さはないし、奥行きにも乏しいかもしれません。
でもだからこそ、ストレートに伝わりやすい映画に仕上がってる気がします。

今どきの映画と比べると“弱い”かもしれませんが、必死こいて失敗してる映画なんかより全然良い作品です。
当初はピンとこない企画と思いましたが、ぜひ全国展開してほしいですね。

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愛知の次はギフと…
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2014年06月12日

グランド・ブダペスト・ホテル

ウェス・アンダーソン
レイフ・ファインズ、トニー・レヴォロリ、エイドリアン・ブロディ、ジュード・ロウ
1932年。グランド・ブダペスト・ホテルには伝説のコンシェルジュと呼ばれるグスタヴ・Hがいた。そんな彼の常連客であったマダムDが殺され、遺言によりグスタブは莫大な遺産を手にするが、同時に殺人容疑もかけられてしまう。
そこでグスタブはベルボーイのゼロとともに、ホテルの威信をかけて謎ときに挑む。

超豪華キャストによる謎解きミステリーであり、ポップな映像や美術も話題となり、世界中で大ヒットとなっているこの作品。
とはいうものの、わたくし的には正直そそられる要素は薄かったんですが、せっかくなので(?)見に行ってきました。

平日の午後でしたが、わたくしが見に行った回は100人ちょっとの劇場が満席。まさに空席ゼロ。
何がそんなに観客を引きつけてるのか、イマイチわからなかったんだけど。

単刀直入に言いましょう。わからず。
残念ながらわたくしには、楽しめる要素はなかったですわ。
ファーストシーンに登場したおじさんが誰なのか。やや人が少なくなったホテルのシーン、隆盛を誇っていたころのシーン。。。
もうこの時点で誰が誰なのか、時系列もサッパリわからず。間違いなく乗り遅れてしまいました。

さらには、字幕が最後まで読み切らないうちに変わっていってしまう場面も多々あり。重ねて乗り遅れ感がマシマシ。
そりゃあ字幕のひとつふたつスルーしたところでストーリーを追い切らないってこともないでしょうが、やっぱり集中力が持たなくなってきちゃうね。

結局 誰が誰に向かって語り掛け、誰が誰の立場なのかわからず。誰がイイもんとワルもんなのかもしっくりこないままの100分間。で…終わってしまいました。

ファーストシーンに登場したおじさんが誰で、ジュード・ロウが誰で、食事しながら話を聞いた相手が誰で等々。事前にキャスト、相関図、時代設定を予習していかないと、わたくしみたいにほとんど楽しめずに終わってしまいます。
あと、ついでに時代背景も意識しておくと、よりこの映画の伝えたいことがわかるかもしれませんね。
特にラストの電車内のシーンからすると、実はとても悲しい真実があるように思えますし。

というところですが、わたくし的には合わない作品だったので、これ以上の感想が書けないっす。
以上。

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エンドロールで踊るおじさんがカワイイ
posted by 味噌のカツオ at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | カ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月07日

渇き。

中島哲也
役所広司、小松菜奈、清水尋也、妻夫木聡
元刑事・藤島のもとに、別れた妻から「娘の加奈子の行方がわからなくなった」と連絡が入る。
再び“家族”を取り戻すべく、藤島はなりふり構わず娘の行方を追うが、その知られざる素顔が露わになるにつれ、藤島の激情も暴走をはじめる。

「告白」から早4年。中島哲也監督、待望の新作ですが…
事前のチラシなどに載っていた 劇薬、悪夢、凶暴 などのワード。そして あらすじを見ていて「ちょっとヤバいかな」と思いました。
たぶん悪い方向へと進んでいく作品なんでしょうが、この監督の場合 徹底的にやるのでヤバいかなと。結果、予想通りの印象。

「下妻物語」「パコと魔法の絵本」などはファンタジー要素があったから良かったけど「告白」は監督流のテイストながら、基本線はダークな復讐劇でしたから。
そして今回。もっともっと濃い口でキツい内容の物語なんですね。

先に知っておかないと少々わかりにくいけど、構成は現在と3年前(加奈子の高校時代と中学時代)の二重構造の映像になってます。
しかし、それぞれに描かれてる出来事がいずれも気分悪いものでねぇ。

もっと言うなら親父さんがムチャクチャな人格で、その娘も結構なバケモノで。
それだけに飽き足らず、ぶっちゃけ登場人物全員がクソであり、歪んだ行に関わっていて。
殺人、ドラッグ、いじめ、自殺、レイプ、浮気、隠蔽とか、ありとあらゆる悪い要素が登場します。
んで そんな胸クソ悪いストーリーをスタイリッシュな映像と音楽で上手いこと流し続けるから、目を背けるタイミングの無いまま ずっと見ちゃうんですよ。

ホントに ほぼ全編そんな感じなのでサラッと見つつも、後味はものすごく悪いです。
お米の代わりに鉛を使ったお茶漬けみたいなもんで。一見サラサラとお腹の中に流し込んでしまうんだけど、明らかに消化できんぞ〜ってな感じ。

「告白」も後味悪かったけど、まだギリギリでエンタ−テイメントしてたんじゃないかな。
それに比べて今作は かなりヘヴィーであり、なおかつエンターテイメントとして楽しめる要素はほとんどなく。さらに落としどころであり着地点が見いだせなかったです。
なにぶん このキツさを2時間で一気にぶつけてきますから。ハード過ぎてラストシーンまで集中力が持たなかったところもあるんだけど(苦笑)

園子温監督の「冷たい熱帯魚」なんかも かなりエグい描写多かったけど、悪人のストレートなおぞましさとか、物語として決着をつけている点とか。見応えはあったからね。
あとは「悪の教典」。あれも嫌悪感あったけど、それともまた違うんだよなぁあ。

人の内面にある悪とか正義とか、愛とか憎悪とか、描く術はいろいろとあります。でもこの映画の中の加奈子は「これは夢だから何がどうなってもいいの」と言ってしまってるので、理性も理屈も超越しちゃってるのかな。
だとするならば、この映画からヒューマニズムを見出すのは至難の業と言えるんじゃないの。

果たしてこの映画、観客はどういう心境で受け止めるべきか悩ましいですわ。
ちなみにR-15だけど、これ高校生に見せて大丈夫やろか(笑)

そんなハードでキツい映像作品ですが、ホントにキャストの皆さんはようやったなと。
役所広司さんも かなりズケズケと悪いことやって、ボコボコとやられちゃってるし。
とにかく素晴らしい演技をしておられた役者さんたちには悪いけど、やっぱこの映画はキツいなぁ。

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耳カッターはギャー!!
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2014年05月25日

キカイダー REBOOT

下山 天
入江甚儀、佐津川愛美、長嶋一茂、鶴見辰吾
日本政府はロボットの平和利用を目的としたARKプロジェクトを計画。しかし実験中に光明寺博士が非業の事故死を遂げ、対立する研究員の神崎らは本来の目的から逸脱したプロジェクトを実行に移す。
神崎は光明寺博士の残したデータを奪うため、博士の息子・マサルと姉・ミツコを狙うが、二人の前に良心回路を内蔵したロボット、キカイダーが現れる。

「仮面ライダー」の翌年にテレビシリーズがスタートした「キカイダー」。もちろんいずれも原作は石ノ森章太郎。
それぞれに改造人間の苦悩や善と悪の感情の葛藤が描かれており、根本には石ノ森氏のテーマ性やメッセージ性がうかがわれるものであります。

というわけで現代に新たに創造された「キカイダー REBOOT」。
そのビジュアルは“ギャバン”のようなメタリックヒーロー系でカッコよかったですね。もちろんハカイダーもしかり。

前半の説明チックな会話は気になりますが、そこは大目に見ましょう。
日本政府の主導で秘密裏に行われているプロジェクトなので大っぴらにはできないことで。そして博士の残したデータに目を付けて〜ということなので、姉弟がターゲットになるのもしょうがないです。
でも印象としては えらくこじんまりとしたミクロな世界に思えちゃいますね。

結局そのあたりがアメコミヒーローのダイナミズムに及ばない点と言えなくもないが。
さらに二人が命を狙われているのにも関わらず、ゲームばっかりやってる弟を残して「留学しまーす」って、姉ちゃん どんだけ危機感ないんだ(苦笑)

一方のバトルシーン。序盤のヘリポートのシーンは正直言って高所恐怖症のわたくしは違う意味でドキドキしっぱなし。それはそれとして。
キカイダーもハカイダーも たいした武器とか無いようで。基本 殴ったり蹴ったり投げ飛ばしたりに終始。かと言ってCGの予算もないので見せ場に乏しいと言わざるを得ない。長い。

ドラマ部分でも冗長に映るやり取りがあったし、バトルでもそんな印象が残りまして。
であれば もっとコンパクトにリズム感のある展開もできたんじゃないかな。そう考えるとちょっと惜しいかな。

そんな中、機械、良心回路・心、正義、悪に葛藤しながら戦うキカイダーの表情が、悲しげで泣いているように見えた瞬間がありまして。
青いマスクの黄色いラインが ふと涙のように見えたんだけど。偶然かもしれませんが、そういうことを感じ取れただけでもなんか良かったなと思えました。

さて、女性アンドロイドを演じた高橋メアリージュン。
ハーフなんですかね?セリフが若干カタコトだったんだけど、わたくし的にはそれがアンドロイドチックで良かったです。こういうの嫌いじゃないです。
あと 光明寺博士役の長嶋一茂さんが予想外に上手だったとも付け加えておきます。

最後に、ジローとマサルが交わす会話の中で「お笑い好き?」「ドリフが好き。シムラーウシロー!」などというやり取りがあります。
ちょっとシリアスな状況から、あまりに唐突な展開で頭抱えそうになりましたが…

実は1972年当時に「キカイダー」が放送されていたのは毎週土曜日の20:00〜20:30。つまり「8時だよ全員集合」の真裏だったんですね。
それをモチーフにしたドリフネタだったんでしょうね。一応これはこれで必然性のあったんだな。
でも「だっふんだぁ」は?

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エレキギターのアンプは自分自身?
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2014年05月02日

映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん

高橋 渉
(声)矢島晶子、ならはしみき、藤原啓治、こおろぎさとみ
マッサージに行った父ひろしが、なぜかロボットになって帰ってきた。何でも家事をこなすロボとーちゃんに しんのすけは喜び、母みさえは戸惑う。
しかしロボとーちゃんは、父親たちの復権をたくらむ「父ゆれ同盟」の陰謀で、やがて父親革命が起こり 父親たちが暴動を始める。

子供はもちろん、大人が見ても楽しめるアニメ映画「クレヨンしんちゃん」シリーズの第22弾。
過去、テレビでオンエアしたのは見たことあったけど、今回初めて映画館で見てきました。

ぶっちゃけワクとしては、しんちゃんをはじめとする野原家の面々が騒動に巻き込まれててんやわんや…といったものですよ。
その中で、どんなストーリーで見せ場を作り、楽しませるか。
結果的に、十分に楽しかったけどね(^-^)

多少シリアスな場面でも飛び出すしんちゃんらしいバカバカしいギャグ。
そして適度な下ネタも素晴らしいと思います。
「父よ、勇気で立ち上がれ同盟」略して「父ゆれ同盟」としちゃうなんて、ただ 言いたいだけやろってね(笑)

また公園で繰り広げられるモンスター●●に、居場所のない親父たち。
この辺りは、社会風刺のようなテイストもあります。

そしてクライマックス。とーちゃん・ひろし&ロボットのひろしに対抗するキャラがまたアホらしい。
その元ネタはロボットっぽい動きをするひろしという、そういうことなんですか(笑)
しかも こぶしの歌声が必殺技ってのも見事な設定です。

そうやって振り返ってみると、なんだか映画のいろんなテイストがごちゃ混ぜになってますね。
じつはインドでは、ドラマ、恋愛、ホラー、サスペンス、カーアクション…と様々な要素が入っていないと映画じゃない〜と言われちゃうとか。
まさに このしんちゃんも、そんなお楽しみが詰め込まれつつ、父と息子の物語という軸がぶれていないから良いのかな。

普段はおバカなしんちゃんが、家族を守るべく、苦手を乗り越えていく場面。ちょっとしたそんな頑張りも見せてくれるのも映画版の良さで熱くなります。
そして、なんといっても「子供の存在が親のパワー」といったセリフには、ハート鷲掴みにされましたよ。
独身・子供なしのわたくしですらそんなんですから、子連れで鑑賞してる親にしたらその比じゃないでしょうね。きっと。

冒頭とラストで語られることですが「どうして男はいくつになっても合体ロボットが好きなんだろ」というのも素直にうなずいちゃったし。
腕相撲勝負がちょいちょい登場したり。

親子というよりも、基本は“父と息子”を描いたものなんでしょう。母は少しおいてけぼり?
うん、これはこれでよろしいじゃないですか。

この際“母と娘”は思いきって「プリキュア」に任せるぐらいのスタンスでいいんじゃないかな(笑)
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2014年03月02日

キック・アス ジャスティス・フォーエバー

ジェフ・ワドロウ
アーロン・テイラー=ジョンソン、クロエ・グレース・モレッツ、クリストファー・ミンツ=プラッセ
ヒット・ガールを封印したミンディは普通の女子高生となり、一方のキック・アスことデイヴは かつての“なりきり”ヒーローではなく、仲間たちとホントのヒーロー軍団を結成。
するとレッド・ミスト改めマザー・ファッカーが父親を殺された復讐のため、悪党軍団を引き連れてヒーロー軍団に襲い掛かる。

予想外のスマッシュヒットを記録した「キック・アス」から3年。待望の続編が公開されました。
そもそも予想外のヒットで「続編イケる!」となったんでしょう。企画やらスケジュールの調整で、3年の時間を要したってことですね。
その結果キック・アスはたくましく。ヒット・ガールはだいぶお姉さんになったようで(笑)

当初のキック・アスは正義感はあるけど実際はヘタレな青年って印象だったけど、今回は ちょっとイイ体つきになってたみたいだし。
ヒットガールもイイ体つき…とかいうとアレだけどね(苦笑)

今回のストーリーでは、キック・アスに影響を受けた多くの人々が、等身大ヒーローとして地域の治安に目を光らせている設定。
その出没感は日本の市区町村に存在しまくってる“ゆるキャラ”と似たものを感じたり。でも「○○ジャー」とかご当地ヒーローとかも出てきてるので、そっち寄りか?
あぁなりきりヒーローという意味では「ゼブラーマン」とかもあったけど。

そんな正義感に裏打ちされた彼らの存在があるのなら、反対に悪をモチベーションとした連中がいても不思議ではないわけで。ただし こんなコスプレをするかどうかはさておきですが。

とにかく超能力者や改造人間ではなく、コスチュームに身を包んだ等身大の人間が正義と悪とに分かれて対決をするわけです。
そんな設定を意識しちゃうと、心のどこかで「所詮は普通の人間」といった思いで見ちゃうんだけど、結構ハードなアクションがあったり、かなり残虐な銃撃にバトルが行われまして。
コスは手作りだけど、戦いに関しては全然ゆるくなくて。正直かなり凄惨でむしろエグいぐらい。
R-15指定受けてるのはその辺りが要因なのでしょう。

裏を返せば 戦いはハードだけど、仮面の下にはクラスメートがいたり 過去に悲しい思いを背負ったものがいたり。ヒューマニズムがじんわり流れていて。
そんな人たちが協力し合って悪と戦うと。
構造としては「アベンジャーズ」と似てるけど、なぜかわたくしは こっちの方が胸がアツくなるんだよね。
そういう部分での見応えはしっかり感じつつ…

前作に及ばないと思わせてしまうのが、バトルシーンのカッコよさですか。これはかなり負けてるような印象。
1作目で突如僕らの前に降臨したヒット・ガールというキャラクターはスタイリッシュな映像と音楽の効果もあってインパクト絶大でしたから。
仮面をつけたパープルカラーの少女が、鮮やかに悪人たちを成敗していく様。シビれたもんね。
その前提で見てしまうと、前よりは大人しいと思ってしまうのはしょうがないのかな。

続編ってのは、どうしても前作と比較をしてしまいます。過去が美化された記憶として残っていれば、それ相当にハードルは高くなり、結果「パート2はイマイチ」という印象になってしまいます。
続編は難しいものです。

1作目未見の映画ファンが、先にこのパート2を見て、面白いとかカッコいいとか思えるのか。そういうのも気になりますわ。
わたくし的にはまぁ及第点のパート2だと感じましたがね。

前はビッグ・ダディ役でニコラス・ケイジが出てましたが、今回はちょっと懐かしいスターであるジム・キャリーが出演。
正義に目覚めた元マフィア、スターズ・アンド・ストライプス大佐というキャラクターは頼もしくて良かったですよ。

あとマザー・ロシアは神取忍と対決させたかったよね。
もしパート3があるのなら、2代目マザー・ロシア役で神取さんに出ていただいて。2代目ビッグ・ダディと一戦交えると。
もちろんビッグ・ダディには子供がいっぱいいて…

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ゲロゲリ棒、恐るべし!!
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2014年02月27日

銀の匙 Silver Spoon

吉田恵輔
中島健人、広瀬アリス、市川知宏、中村獅童
進学校で挫折を味わった八軒勇吾。自分の夢を見いだせないまま 北海道の大蝦夷農業高校へ入学し、これまで無縁だった農業の世界へ足を踏み入れる。
悪戦苦闘の日々の中、ニワトリ、ブタ、牛、馬…そして仲間たちに囲まれ、悩みながらも自分の進むべき道を見つけ始めるが…

「マンガ大賞2012」で大賞に選ばれた「銀の匙 Silver Spoon」の実写映画化。
原作についてのウワサは耳にしますが、実際にどんな内容なのか、何が人気の秘訣なのか よくわかってはいないままに鑑賞してきました。

農業あるある?でもそれは(農業に携わっていない)多くの観客には共感を得られにくいし。
かといって誰もが無条件に笑えるコメディータッチなのかといえば、決してそこまで高まってもいない。なんか惜しい。

実習用に飼っていた豚の豚丼のエピソードがありまして。これなんかも以前に「ブタがいた教室」なんかを見ているわたくしからすると、やはり薄いと言わざるを得ない。
ぶっちゃけ そこに絡んで若干ショッキングな描写もあってね。そういうのを見せるのであれば、もっとそのあたりを厚めにしても良かったように思いましたし。

やはり長いスパンで描かれているコミックが原作なので、それらを2時間弱の映画に落とし込もうとなれば、様々なエピソードのオムニバスチックになってしまうのはしょうがないのかな。
そういうストーリーでの線が作りにくいのであれば、せめて点ででも 面白味を伝えられれば良いのだけど…残念ながらそれらがイマイチ響いてこない。

農業のコト、部活のコト、青春ドラマとしてのワクワク感。。。
いろんな要素を詰め込み過ぎてるのか、映画全体のリズム感が鈍くなってしまってる印象。しかも いずれの要素も芯になり切っていなくて。
決して面白くないとは言わないけど、どうしてもそれぞれのエピソードが淡々と流れていく感じだったね。

原作のファンが見たらば もっと「フムフム…」とうなずきながら見られるのかもだけど、一見さんにとってはインパクトが弱いかな。
結果的に この映画を通して原作の魅力を探るトコまでは至らずで。やはりなんか惜しい。

主人公・八軒役はオードリーの若林くん…ではなくて、Sexy Zoneの中島健人くんですか。
いい意味でパッとしない高校生の役がハマってたと思います。

ヒロインはモデルの広瀬アリスちゃん。まぁまぁカワイイ子なので、今後もっと映画やドラマを経験すれば 第2の長澤まさみぐらいまでイケそうな可能性あるんじゃないかな。

そのライバルを演じた黒木華は「小さいおうち」とはまた違うテイストの役柄で。
あちらがしっくりきすぎていたので どうなんだろうか?と心配してましたが、これはこれでアリでしょってキャラクターに仕上がってたので。そこは素直に感心しましたよ。

そして不思議な存在感を放っていたのが上島竜平さん。とても可愛らしくて優しくて、いそいそとSilver Spoonを磨く校長先生の役。
スクリーンに映るだけで思わず微笑んでしまってね。バラエティ番組で見るテイストとはまた違うんだけど、竜ちゃんの新たな魅力発見でしたね。

とにかく役者の方々は皆及第点だっただけに、余計にストーリーとか構成がね。なんか惜しいのだわ(苦笑)

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農業高校の校長がダチョウ(笑)
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2014年01月08日

キャプテン・フィリップス

ポール・グリーングラス
トム・ハンクス、バルカド・アブディ、バルカド・アブディラーマン
ソマリア海域を航海中のコンテナ船、マースク・アラバマ号が4人組の海賊に襲われる。しかし乗組員らが海賊のリーダーを捕獲。金庫の中の3万ドルを渡し、救命艇で帰るよう説得する。
しかし海賊らは人質となっていたフィリップス船長も連れたまま、ソマリアへと救命艇を発進させるのであった。

ハーロック、ジャック・スパロウ、ONE PIECE、ゴーカイジャーなどなど、様々なキャラクターとして海賊が存在します。
ところがところが そんな物語とは裏腹に、現実世界でリアルに船を襲うガチの海賊ってのも存在するんですよね。
この映画の元になった2009年4月の海賊事件の報道は、まさにそんな驚きを与えました。

ターゲットである大きなコンテナ船に小さな船で接近し、武装した集団が乗り込んでいって船を乗っ取ってしまうと。
そのうえで金目の物を強奪したり、このストーリーであれば 船長を人質として身代金をせしめるというのが本物の海賊なんですな。

前述の通り、この作品は実際に起こった海賊事件を再現したような映画でして。
生命の危険性もさらされるような状況で、なんとかこの状況を打破しようという乗組員たち。そして生きるためにこの行為にすべてをかける海賊たち。その攻防であり駆け引きが、リアリティを持って描かれております。

終始漂う緊迫感の中で、映画としての見応えやドキドキは十分に堪能できます。
ところが、この事件のあらましを間近で眺めているうちに、いくらか複雑な思いも去来してきます。

海賊行為とは100%犯罪であることは間違いない。
しかし海賊たちがなかなかコンテナ船に乗り込めない場面を見ていると「もっと頑張らんかい!」と応援する気分になってしまったり。
海賊の一人が、裸足のまま割れガラスを踏んで出血が止まらなくなり気の毒に感じたり。
そう、この作品では海賊たちが非道な悪としては扱われていなんですよ。

そもそも彼らは漁師だったわけで。しかし他国からソマリアにやって来る漁船によって海域を荒らされ、漁業で生計がたてられなくなり、それでこのような活動をせざるを得ない事情があるわけです。
かと思えば、彼らが稼いだ金なども、ボスに上納しなくてはならないという現実もあったり。

結局この映画は、海賊事件を通して その奥にある別の問題を訴えかけてる部分もあるんですね。

一昔前であれば、海賊に捕えられたヒロインを、軍のヒーローが命からがら救出作戦を展開する…強いアメリカ万々歳!!って、それで成り立ちそうなんだけども。
ここでは軍の中には有名な役者さんなどは入っておらず。あくまで苦境に耐える船長と海賊とが共有した出来事が核となっているように思いました。

結構乱暴な内容ではあるものの、基本的に死亡者がでないというのも この作品らしいスタンスにも思います。ラストを除いてはですけどね。

そのラストまで見終えたところでも、清々しいまでのカタルシス100%〜というわけではなく。
事件は解決したように見えるけど、ほんの少しだけ、言葉にできない息苦しさみたいのが残ります。

実に映画らしい起承転結のフォーマットを踏襲しつつ、何かしら考えさせる要素を残す。
なんだかプラスアルファで「見てよかったな」と思わせてくれる作品でした。

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ヤッターワンの顔みたいな救命艇(笑)
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2013年11月28日

グランド・イリュージョン

ルイ・レテリエ
ジェシー・アイゼンバーグ、ウディ・ハレルソン、アイラ・フィッシャー
謎のカードによって導かれた4人のイリュージョニスト“フォー・ホースメン”。彼らはラスベガスでショーを行いながら、遠く離れたパリの銀行から金を奪ってみせる。
FBIのディランとインターポールのアルマは、次の計画を実行する前に食い止めようと捜査を進めるのだが…

派手ではないものの、見た人の評価が何気に高い作品。
公開から1ヶ月してやっと見に行くことできたんですが、意外にも…満席!!
ウワサがウワサを呼んでなのか、根強い人気ぶりを実感しました。

マジシャン、イリュージョニスト、催眠術師、そしてスリ(?)という四人組。その名も“フォー・ホースメン”ですよ。
いろんな超能力者とかアメコミヒーローがチームとなって活躍する映画はありましたが、トリックを駆使して人を騙すエンターテイナーのチームが主人公というのは ありそうでなかったですよね。
誰しもマジックといったものに胸ときめかせたことが一度はあると思うので、そういうキャラクターだけでもなんだかワクワクしてしまいますわ(笑)

その4人がステージにずらりと並び立つ姿が、これまたカッコよくってね。
そしてやることといったら“ねずみ小僧”でもないけれど、悪いヤツらが溜め込んだお金を奪い取り、庶民らにバラ撒くという。この設定もまた痛快。

そんな彼らが仕掛けるひとつひとつの強盗ショーも魅力的なのですが、なんと最後の最後に またビックリするようなどんでん返しがあるので気が抜けません。
騙す・トリックという意味では、その最後のタネ明かしまで十分に楽しめること間違いナシです。

ちなみに、ホンモノのマジックエンターテイナーであるデヴィッド・カッパーフィールドも協力しているそうなので、作中に出てくるマジックやトリックももちろん見応えあります。

ドキドキとスッキリ感を味わいつつ、程よく騙されて 最後にはニッコリできる佳作。
結末を知ったうえで、もう一度見てみたくなるようなそんな映画でしたね。クチコミで人気が出ていったというのもわかる話ですわ。

それはそれとして、個人的な見どころとして「イングロリアス・バスターズ」や「オーケストラ!」にも出演していたメラニー・ロランの美しさも要チェック。
ストーリーやトリックも見ものですが、わたくしとしてはメラニーちゃんに見入ってしまってたところもありまして(笑)
キレイな女優さんが見られるだけでも、嬉しくなってしまうわけです。

一方でフォー・ホースメンの紅一点、脱出の天才・ヘンリーはちょっと重みを気にしてたね。
ぽっちゃり系がお好みの方も増えてきてるけどね(苦笑)

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天功、マリック、司郎、審司…
posted by 味噌のカツオ at 18:55| Comment(0) | TrackBack(0) | カ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月26日

かぐや姫の物語

高畑 勲
朝倉あき、高良健吾、地井武男、宮本信子、高畑淳子
今は昔、竹取の翁が見つけた光る竹の中から女の子が現れ、翁は媼と共に大切に育てることに。
野山を活き活きと駆け回る女の子は、瞬く間に美しい娘へと成長。翁のすすめで都へと向かい、かぐや姫と名付けられる。

近年「白雪姫」や「赤ずきんちゃん」など映画化されていますが、日本のむかしばなしや民話の類を掘り下げていくという企画はなかったですね。
たかだか「かぐや姫」でしょ〜と知ったふりしてても、あらためてこの起承転結と向き合うことはなかったので。いい機会だなという思いも合わせての鑑賞。

アニメ作品というカテゴリーではあるけれど、そんじょそこらのアニメアニメした(苦笑)タッチではなく、ましてやウソくさいCGタッチでもなく。動く水墨画のような映像。
我々世代であれば幼少の頃に見た「まんが日本むかしばなし」で時々こんな雰囲気のあったかな〜みたいな。
こういう染み入るような温かみを感じられる映像は、日本でしか作ることができないんじゃないかな。

冒頭から いわゆるじじとばばが、赤子とたわむれる描写があり、子どもたちが自然の中で成長していく様があり。シンプルなことなんだけど、この世界観にグイグイと引き込まれていきます。

物語としては都へと出たかぐや姫が様々な身分の者たちから求婚を受けるも、無理難題を与えて断ってしまう。やがて月からの使者が現れて、月の世界へと帰っていくと。
それはだいたい知っての通りなんだけど、その意味合いというのは確かに掘り下げられてはいないし、またこのお話から受ける教訓めいたものもよくわからない。

そこで今回の映画化にあたっては『姫の犯した罪と罰。』というコピーが付けられおりまして。高畑勲監督なりの解釈というものが表現はされております。
そのうえで、わたくしがこの作品から感じたキーワードは、ズバリ“輪廻転生”というものなんだけど。

人はある日突然 この世に生を受けて、その生を受けた場で大切なことを学びます。この映画で言えば田舎というか故郷みたいな所ですね。
父親というのは仕事であったり社会の象徴。良いことも嫌な事も合わせて、世間とどのような形で相対していくのか。
一方、母親は家庭ですね。自身がどんな立場にあっても、平等に家事もついて回ったり、つらいときには優しく包んでくれるものですよ。

そしてこの世に背を向けた時、自分の故郷を思い出しつつ、やがて天から迎えがくるのかなと。
そんなことを思いながら見ておりました。

あのクライマックスのシーン。あの神々しさと音楽。あれは間違いなく月の使者ではなくて天からのお迎えでしょ。
ホントに目から耳から軽いトラウマになりそうな光景で。そう解釈しないと自分の中で消化しきれませんわ。

その昔 丹波哲郎さんは「人生は修行の場」と申されました。
それと同じく あちらの世界で罪を成したものが、罰としてこちらの世界におくられるようなことなのかな。
言うてもこの世界、美しい季節や歌もあって。必ずしも罪を償う場ではなさそうなんだけど。何よりの戒めは、それらの美しい記憶すら無くしてしまうことなんですかね。
思い出を奪われるって、つらいですもん。

仮につらい別れがあったとしても、それを上回るだけの美しさや、経験を得られる…いや自分次第で経験していくことができるのがこの世であって。
だから罪であろうが罰であろうが覚悟の上で、またこの世界に戻ってくる。。。

見た人それぞれで何かを感じるのが映画の楽しみであるとするなら、わたくしがこの作品で感じたものが“輪廻転生”ということになるんだけどね。
エンドに流れる「いのちの記憶」もそのイメージをより深くさせる曲だったですね。

この作品は映像に声をあてる形式ではなく、先に声を録っておいて 後に絵をあてるプレスコ方式で製作されておりまして。そこで驚かされたのが地井武男さんの存在。
2012年6月に亡くなられた地井さんの声が、この作品の中ではヒューマニズムがあふれんばかりに躍動しております。
収録は2011年の夏に行なわれていたそうで、つまりは その時点でストーリーは完成していたということなんですね。

そしてこの方式は通常のアフレコより、声優も映像作家にもハードルが高く思えますね。
それでもコレだけのクオリティのものを作り上げたことには脱帽です。

本来なら「風立ちぬ」と「かぐや姫の物語」は同時期に公開が予定されておりましたが、諸般の事情によりズレての公開となりました。でもそれで正解かな。
思えば「風立ちぬ」のエンディング「ひこうき雲」も命を歌ったものでした。このような作品が一緒に公開されてたら、ヘヴィー過ぎる気がするし。

「風立ちぬ」を観たときもいろいろ思うところあったけど、この「かぐや姫〜」はそれを軽く越えるほどの衝撃で。もっと言うならここ数年の映画の中でもトップクラスだと思います。
いろんな意味で とんでもない作品を観させていただきました。

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あの丸っこい女童(めのわらわ)、いいキャラだったね(笑)
posted by 味噌のカツオ at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | カ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月24日

清須会議

三谷幸喜
役所広司、大泉 洋、小日向文世、佐藤浩市
本能寺の変で明智光秀により織田信長が討たれ、跡継ぎ問題が勃発。筆頭家老の柴田勝家はは三男の信孝を。後の豊臣秀吉である羽柴秀吉は次男の信雄を後継者として指名。
跡継ぎ問題と領地配分を決する清須会議を前に、両派の複雑な思惑が交錯していく。

三谷幸喜が監督で、これだけ多彩なキャスティングとあらば注目しないわけにはいかない!
そんな期待も込めつつ…

一方で不安だったのが、わたくしが歴史にまったく疎いという点。

ぶっちゃけ前半はその不安が的中。なかなか物語にノッていけませんでした。
ですが、ストーリーの核となる話し合いの場はグイグイと引き込まれていきましたね。

各々の交渉に於ける駆け引きは いつの時代にも通じるような要素だと思います。誰がどんな思惑で動くのか、裏切るのか。
そして何より大泉洋をはじめとする役者たちの力量によるところ、大きいですね。

芝居の上手さに裏打ちされた面々が、ハッキリとしたキャラクターの登場人物を演じていく。皆イキイキしてと演じてるのが伝わってきましたし。
なので 歴史的な背景に明るくなくても、十分に楽しむことができました。

後半 大泉洋と浅野忠信とのくだりではメッセージ的な言葉も聞かれて。それも心のどこかがスッとしました。

とはいうものの、過去の三谷作品に比べるとムチャな笑いとかバカバカしさは薄口でしたね。
テーマとか舞台設定がこういうものでもあるので、笑いの部分のみを単純に比較するのも良くないかもしれませんが、やはり“喜劇”としての要素を期待してしまうので。

もしかすると、時代背景、登場人物の相関図、そして(映画で描かれている部分より)前後のいきさつ等々。理解していれば よりニヤリと笑えたのかもしれない。
少なくとも、より味わえたことでしょう。

観る人の歴史の知識によって受け止め具合も変わってくることでしょうが、わたくしにとっては惜しい…作品でした。
もちろんそれとなく楽しめたんだけどね。

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キオスク会議
posted by 味噌のカツオ at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | カ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月10日

キャリー

キンバリー・ピアース
クロエ・グレース・モレッツ、ジュリアン・ムーア、ジュディ・グリア
地味で冴えない高校生のキャリーは、学校では笑い者にされ、家庭では狂信的な母に厳しく監視され、幸せとはいえない日々を送っていた。
そんな彼女へのいじめを悔いた友人のはからいで、キャリーはトミーとプロムパーティーへ参加することに。だがその裏では、彼女への残酷ないたずらが計画されていた。

1976年製作、ブライアン・デ・パルマ版の「キャリー」は子供の頃に見て、鮮烈な印象を受けたわたくし。その後同作品を「午前十時の映画祭」にて鑑賞。
2011年12月21日付けで感想をアップしてあるのですが、その時には「今リメイクしても面白いような気がします」と締めてありまして。
それから2年。ホントにリメイク版ができるなどとは思いも寄りませんでした。しかも「ボーイズ・ドント・クライ」の女性監督さんなんだね。

やはり面白いストーリーですから。ただ引っ掛かったのは、主演がクロエ・グレース・モレッツだということ。
'76年版の主演シシー・スペイセクはホントに いじめられっ子然とした、イケてないビジュアルで。それも含めて この世界観を作ってたような気がします。
それに比べると、クロエちゃんはカワイイ。カワイ過ぎる。

カワイイ女の子を大スクリーンで見つめられるのはいいことですが、この題材に於いては役不足といえるかも。
冒頭のプールのシーン。水泳用のキャップをピッタリかぶると たいがいの人はヌメッとしてしまうんですが、クロエちゃんはそれでもカワイかったですから。
こんなにキュートなキャリーだったら、トミーが誘うのも思えてしまうので。これはちょっといただけない設定では?

逆に よくぞ!と思えたのは、母親役のジュリアン・ムーア。
この人は作品見るごとに「なんか怖い」とか「肌の質が…」とか気になってたのでね。

基本的な展開は'76年版と同じ。ただ現代版らしく、スマホの動画撮影、ネットの動画サイトとかそんなんも関わってきますね。自然な形で。

さて、気になるのはやはりクライマックス。豚の血をぶっ掛けられるあのシーンはさておき。
その後、顔にいくつもの血のスジがあるのはイマイチだったな。日本人的には ちびまる子ちゃんのタテ線を彷彿としてしまう。それでなくても素材が美形なので、情念やおどろおどろしさは表現されていないような。
いじめの対象者を切り裂いたり、自分を笑った人たちを焼き殺すなり、復讐心と逆上に裏打ちされたパニック状況で混沌と美を表現するならキレイだけど、見た目の美しさはもうちょっと押さえてほしいトコロ。

わたくし的な思い入れに寄るトコでもありますが、血のメイクではなく ただ血まみれになってほしかったと。あとドレスはピンクではなく純白であってほしかったかな

本やベッドを浮かせるシーンは安っぽいなと思えたり、逆にもうちょっとエグく深入りしてほしいポイントがあったりもしたんですが、今の時代にこういう作品がリメイクされるのは何となく嬉しいものでもあります。
あとはクロエちゃんのカワイさに尽きますね。「キック・アス」の続編にも期待しちゃいますわ。

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「全画面で見られるよ」のアイツはいいヤツだ
posted by 味噌のカツオ at 13:31| Comment(0) | TrackBack(0) | カ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月14日

クロニクル

ジョシュ・トランク
デイン・デハーン、アレックス・ラッセル、マイケル・B・ジョーダン
イケてない高校生のアンドリューは、マット、スティーヴとともに不思議な物体に触れたことで超能力を手にしてしまう。
不思議な能力を使い軽いイタズラを楽しんでいた3人だったが、人生のフラストレーションを募らせたアンドリューが暴走を始めてしまう。

当初は関東地区でひっそりと公開の予定でしたが、クチコミ人気がジワリジワリと広がって、スクリーン数こそ多くは無いものの 全国公開となった話題作。

誰かの視点というよりも時にビデオカメラであり、時に防犯カメラであり。全編がそんな映像で綴られております。
“クロニクル”には様々なニュアンスもありましょうが、全てがカメラに納められているという点で、ここでは「記録する」という意味合いのようです。

どこにでもいるような高校生が超能力を持ってしまうという設定。
当初は その超能力で女子のスカートをめくってみたり、駐車している車を移動させて 戻ってきた運転手の反応を笑いながら見たり。

やがてその能力の使い方が慣れてくると、サイコキネシスで自分自身を持ち上げることで空中に舞い上がることもできるようになったりして。
それをやってるのが3人の普通の高校生ってのがまたいいんだけどね。

そういったトコロは微笑ましいといっても良いようなものだったんだけど。
アンドリューが女の子の前で失態を演じたり、病気だった母親が亡くなったり。それらのバランスを崩すことで3人の関係にも悲しい変化が。
そして事態はだんだん大きな局面へと向かっていっちゃいます。

初めは彼ら3人に感情移入して見ておったのですが、後半のアンドリューにはさすがに「おい、ちょっと待てよ!」と言いたくなりました。
それらは自身が手にした超能力では いかんともし難いことであって。結局 心の成長が及んでいないということでね。
だからなんだけど、その崩れ方も安易過ぎて腹立ってきたし。

プラス、決定的な場面が映像になっていないのも、わたくし的に映画としてフラストレーションだったんだけど。
女の子と二人きりになった場での失態。母親との別れ。もうひとつ加えるならスティーヴの悲劇も。
それらがカメラに収められていないというのが少々不満。

そのうえで暴走をしていくアンドリューに感情移入できなくなったのと同時に、なぜか映画としても半歩引いてしまったわたくし。
映画館で見た画質がデジカメなどのそれではなく、普通の映画のクオリティと同等だったので、リアリティよりも映像がイマイチな映画に思えたこともなくもない。

どうしても個人的な好みとして「キャリー」や「キック・アス」の域まで届いていないと思っちゃうんだよね。
決して悪い映画でもないし、発想も面白いんだけどなぁ。
posted by 味噌のカツオ at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | カ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月03日

凶悪

白石和彌
山田孝之、ピエール瀧、リリー・フランキー、池脇千鶴
『明朝24』の編集部に獄中の死刑囚・須藤が書いた一通の手紙が届く。それは未だに捕まっていない、“先生”と呼ばれる事件の首謀者を告発する衝撃的なものだった。
記者の藤井は、須藤の証言の裏付けを取るうちに事件にのめり込んでいく…

『新潮45』に掲載された 死刑囚である元ヤクザ組長の獄中からの告発によるレポート。これにより不動産ブローカーの男が殺人罪で逮捕された〜という実話を元に映画化。

死刑囚である元組長をピエール瀧が。“先生”と呼ばれる事件の首謀者をリリー・フランキーが演じております。とにかく このキャスティングが見事。
元々 瀧さん、リリーさんはプライベートでも親交のある間柄で。見た目からしてホントに悪そうな瀧さんに、クールに殺人を扇動するリリーさんというイメージは、全く違和感ナシ!!

とか言っちゃうと、二人ともホントに殺人してるのか?ってことになっちゃうんだけど。そうでなくて、あくまで二人とも“やんちゃ”なんだろうな〜というトコロでのイメージでね。

そんな二人が「ぶっこんじゃう?」とか言いながら、時にライトに、時に楽しげに殺人を繰り返していくのですが、その描写に比べると雑誌記者・藤井役の山田孝之の暗さったらハンパないね。
決して明るくは無いキャラクターが事件の真相を思い知らされるうち、さらにダークさが増していくわけですが。

その暗さに違う角度で追い打ちをかけるのが、自宅での妻と母とのやりとり。
認知症の母とそれに振り回され続ける妻。夫は家庭の問題を顧みることなく、社会的に許すことのできないダークな事件と向き合い続ける。
やがて妻も家庭内に於いてヘヴィーな選択を求められていくという展開。

そう、確かに殺人は恐ろしく、社会的に許されないことではあります。
と同時に、認知症の義理の母に手をあげるというという行為も、たとえ一つ屋根の下での出来事であるにしても 当事者にとってはとても辛い事であって。
そんな時に一番近くにいて欲しい夫は、仕事にのめりこみすぎて取り合ってくれない。

一見すると、闇に埋もれた事件を暴き出すという大きな命題が本筋となるのだけど、いやいや妻の立場にしてみれば、それよりも耐えられない現実に直面しているわけで。
その辺りのバランスの危さを上手く描いた作品だと思いました。

ちなみにインタビュー記事によると、追い詰められた妻が認知症の母に手をあげるシーンも撮影していたとのこと。
結局その描写は使われることなく、セリフだけにとどめてあったわけですが。入れるか入れないかは難しい判断だったかもですがね。

全編通じて とても重々しくズンとくる映画であることは確か。
ただ若干 構成というか、見せ方に幾分かスッキリしない点もありまして。
プロローグとなる出だしの映像がやけに中途半端な印象。

つかみとなる部分でショッキングな映像を見せることはまぁまぁあるわけですが、イマイチしっくりこない。
須藤の罪の全てを見せるでもなく、いったい何?って感じで。映画としては須藤の罪も大きな要素だけど、その奥に“先生”の存在があるわけで。
感覚的なことかもしれないけど、余計なものがついてたように思えました。わたくし的にはね。

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今日空く?
posted by 味噌のカツオ at 18:16| Comment(0) | TrackBack(0) | カ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする