2017年02月22日

ザ・スライドショーがやってくる!「レジェンド仲良し」の秘密

伏原正康
みうらじゅん、いとうせいこう
1996年から 20年間にわたり開催されている「ザ・スライドショー」。
みうらじゅんが全国で撮影した写真をスクリーンに映し、いとうせいこうが突っ込むという。そのステージの模様とインタビューを交えて、これまでの歴史を振り返る。

「ザ・スライドショー」。わたくしは実際に会場で見たことは無いのですが、DVDで何作か見ておりまして。
どんなイベントなのかは一応知っております。

この企画が始まって20周年ということで実現した 今回の映画版。
過去の名場面と みうらじゅん、いとうせいこう それぞれ別収録のインタビューの模様とで構成された94分。
あぁ過去だけでなく、2016年開催の最新版の映像も入ってたけどね。

もちろん 面白いのはわかっていますが、こうやってあらためて見ても、やっぱり面白いわ。映画館内でも結構 笑い声が起きてたからね。
中でも「8人の食いしん坊」で始まるアレは超ワロタわ。

そういう“ネタ”の面白味と同時に。
それぞれがインタビューで語ったことが また興味深かったですね。

はじめて会った頃の相手の印象にはじまり、このイベントの自身の役割・スタンス、何が求められて どう応えていくべきか。
互いの考えが大方一致してたもんね。

そもそも こういう関係性って…だいたいわかってるじゃないですか。感覚的に。いいオトナなんだから。
それをわざわざ言葉にして説明するのって 気恥ずかしいと思うんだけど。

でも そういう部分を越えた恥ずかしい二人だけの写真なんかも登場して。
それがまた笑いを誘ったんだけどww

とにかく。いとうさんはツッコミであると。
みうらさんはボケであると。

でも本当は みうらさんがツッコミの立場で発見したものを写真に撮りつつ、それをここで見せる側となることでボケの立場になると。
そういった 部分にまで言及しているのが新鮮でしたね。

さてさて、実際の「ザ・スライドショー」は開催のペースが伸びてきているようで。
ネタが溜まったら行われるとかなんとか。

どうしても首都圏にいないとそれらの情報も得にくいし、チケットも取りにくいんだけど。
やっぱり会場で見てみたいなぁ。

でも今回のような映画版がイケるのであれば、ライブビューイングみたいので見ることができたらいいんだけど。
いずれにせよ みうらじゅんさんのネタの集まり具合によりますかね。

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入場時にもらったマグネット、いらんわ〜(笑)
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2017年02月14日

サバイバルファミリー

矢口史靖
小日向文世、深津絵里、泉澤祐希、葵わかな
東京に暮らす平凡な家族、鈴木家。ある朝、目を覚ますと突然全ての電化製品が停止。それは鈴木家だけでなく、近所中で同じことが起きていた。
復旧のめども立たず、困り果てた父は東京脱出を決断。生き残りを賭けたサバイバルライフがはじまる。

矢口監督の作品ということで、少々ハードル高めの期待で見に行ったのですが。
くぐっちゃいましたね。ハードルの下側。

少なくとも お客さん誰も笑っていなかったし、エンドロール始まって みんな即行で帰っちゃったし。

序盤の電気がつかなくなったくだりは 結構ドキドキでどうなるんだろうかと見守り。
西へ向かって自転車で走りだしてからは その過酷さを見守り。

終盤のブタとの出会い、犬との出会い。これらは どう受け止めるべきかわからず終い。
そして一応の着地点に辿り着くのだけども。

結局のところ笑えるポイントも無かったし、訴えかけるものもなかったなぁ。
現実的な状況に即している反面、ポンと跳ねる展開が無いというか。

停電の状況があって。何やら“電池”もダメということになって。
それに準じてガスも水道もダメになって。

だからああなる。それでこうなる…といった展開の中に、驚きが無い。
途中に登場した時任三郎と藤原紀香は それとなくサバイバルのライフハックに長けていて。

その一方で、小日向さん演じるお父さんにそれはなく。家族の信頼を得られず、通天閣で決定的なこと言われちゃうんだけど。
それ まさにその通りで、小日向さんが何もできないオヤジってこと、端からわかってるじゃん。

だったら三浦友和さんみたいに、誰が見てもよくできた親父かと思いきや、実はグダグダみたいなほうが良くないですか。

前述のブタやら犬やらに遭遇するパートも、「スゥイング・ガールズ」でのイノシシ登場のバカバカしさ欲しかったなぁ。

何か そういった物足りなさの数珠つなぎの結果、全体がぼんやりしちゃったのかもですね。

軸となるテーマとしても 電気にまつわる文明からの脱却なのか。
ダメオヤジの威厳を取り戻す、家族の再生の物語なのか、人としての成長を見せたいのか。それもぼんやり。

密かに気になっていた停電の原因というのが、太陽フレアによるものと 報道されまして。
実際にそこまでの影響が出るのかは未知数ですが、可能性としてあることなんですよね。
でも その設定って、面白くはないよね。

なら 地下に潜伏していた宇宙人が地球上の電気を吸い取って…とかにしちゃった方が卑怯で良かったんじゃないかな?

本作のイマイチな理由の一つは 役者陣の弱さもあるんじゃないかな。
メインとなる鈴木家も小日向文世さんは当然なんでもこなせるでしょうが、深津絵里さんは決して生かし切れていなかったし、泉澤祐希、葵わかなの二人はコメディ要素も、いや役者としての経験も乏しかったと。どうしても映画としての説得力は弱まるよね。

映像の中で気になったのは、全てが止まってしまった街の描写に高速道路の情景。
「どうやって撮影したん?」と思いきや、実際に環八や東名高速などを封鎖してロケを行ったとか。
スゴイな、よく許可取れたな(笑)

でも映画撮影で封鎖されて遠回りを余儀なくされたドライバーがいたとして。
その作品が こんな感じでは、ちょっと複雑じゃなかろうか?
そんな心配もしたくなりました。

以上、結構 厳しく書いたけど。見る人が見れば面白いんだと思います。
ただ わたくしには合わない映画でした。

ちなみに、大地康雄さんがいた家って、「ウッジョブ」で出てきた家とは違うよね?

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ズラあってもなくても大差なくない?
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2017年01月23日

新宿スワンU

園 子温
綾野 剛、浅野忠信、伊勢谷友介、椎名桔平
新宿バーストの勢力拡大のため横浜へ送り込まれたスカウトマンの白鳥龍彦。しかしそこは横浜ウィザードのタキが支配する、難攻不落の王国だった。
警察やヤクザとも裏取引をするタキの謀略で窮地に追い込まれる龍彦たち。やがて新宿と横浜は全面戦争へと突入していく。

中心のキャストは前作そのままで製作された続編。
新しく追加となってるキャストも意外と豪華な顔ぶれで。

その前作から約1年半で公開というのは 余程1作目の手応えがあったのか。けっこう早いスパンに思えますね。
映画のテイストそのままに、勢いを感じるのも確かですが。

あえて言うなら それだけ早い分、作り込みが弱いのは否めない。

確かに1作目は思いのほか作品のパワーにあふれてて。イケイケ的に面白かった印象は残ってます。
ですが今回は、その良さがずいぶんと薄まってたなぁ。

前作の良さってアツくて 時におバカで 純真な龍彦のキャラであり、それを演じてる綾野剛も良かったんだけど。
今回はキャストが増えて龍彦の真っ直ぐさに焦点が当たりにくかったこと。

そしてメインストーリーとなる“新宿×横浜”というのも、観客として 正直のめり込ませる要素にまで高まっていなかったなぁ。

ツッコミどころとしては 広瀬アリスの踊りのダサさが ほぼほぼ罰ゲームレベルでたまらないとか。
あれが勝負の決めてとかだったら驚くが、それほどの重要度ではないのでひと安心。

そして終盤出番のなかった上地雄輔の存在感も謎やったなぁ。
なんなら この人、横浜高校出身じゃなかったけ?(苦笑)

独特の存在感を放っていた浅野忠信と綾野剛のバトルシーンは なかなかムチャしてて面白かったです。二人ともケガとかしていないか心配になったし。

そんなこんなで気になる点もチョイチョイありましたが、見るべきところがなかったとは言いません。
ただし それらが大きなうねりとなって映画としてのパワーを生みだせていたかと言われると、弱かったね。

強いて言うなら もったいないという思い。
得てして続編はパワーダウンしてしまうものですが、やっぱ惜しいなぁ。

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不思議な踊りのアリス
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2017年01月11日

人生フルーツ

伏原健之
津端修一、津端英子、ナレーション・樹木希林
愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンの一隅にある、雑木林に囲まれた一軒の平屋。そこで自給自足に近い生活を営む建築家の津端修一氏と妻の英子さんの日常を追ったドキュメンタリー。

近年 良質のドキュメンタリー作品を劇場公開させている東海テレビの製作。
じつは わたくし、名古屋在住でありながら、この地元 東海テレビの一連の作品を見てきておりませんで。
結構 映画ファンの間では注目されてるのにね。

登場するのは90歳の修一さんと 87歳の英子さん。
自宅の庭で様々な野菜や果実を育て、それらを収穫し 調理し、自給自足に近い生活を営んでおられるという。

もうひとつ目を奪われるのが その住まい。
修一さんはそもそも建築家であり、師であるアントニン・レーモンドの自邸に倣って建築したのだとか。
わたくしも建築の分野はかじったこともありますので。このようなデザインの家には目を奪われてしまいます。

さて、こうまでして映像に残されるお二人ですから。
その日常の暮らしぶりの中にも、驚きやら 気付きやらがいっぱいで。

何よりも、その元気っぷりったら。お二人とも 姿勢正しくスタスタと歩かれて。修一さんは ちょっとしたお出かけには自転車を利用。
その年齢で自転車を普通に乗りこなすんや!!

健康の秘訣は何なんでしょう。畑仕事で足腰鍛えられてるのか、外のものではなく 自分たちでこしらえたもの、決まったお店で購入したものを自炊して食べてるから?
これっぽっちも添加物とか摂取していないでしょうしね。何よりよく食べることは基本かも。

それから笑顔を絶やさないこと。ふとした心配り。チョットしたことであっても、夫婦間であっても感謝を伝え合うこと。
自分たちでできることは自分たちでやること。料理、食事だけではなく、お孫さんのために“おうち”も作っちゃったってのは驚いた。

あとは真っ直ぐな信念を持ち続けることですか。
わたくしのようなモノには到底及ばない点が、いろいろあるんだろうなぁ。

個人的には台北に渡って、かつてお世話になった友人からいただいた“印鑑”をお返しする場面にグッときてしまいました。

映画の序盤に果物も登場しますが。正直言って「人生フルーツ」というタイトルは、この映画の全体の流れを表しているように思えないんだけど。
強いて言うならば。繰り返し伝えられるナレーション。

「風が吹けば枯れ葉が落ちる。枯れ葉が落ちれば土が肥える。土が肥えれば果実が実る」

やがて果実の実った木の葉が次の肥料となり。ずっと、それが続いていくのでしょう。
もちろん人もそうなのでしょうが。

修一さんは 人生をかけて自分が得てきた信条を、ある場所に委ねて残していきます。
また今後 長い年月をかけて、その思いが実を結ぶ時が来るのでしょうね。

以下余談ですが。
内容はいくらか異なるけども、なんとなく趣として「あなた、その川を渡らないで」が浮かびました。
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2017年01月10日

14の夜

足立 紳
犬飼直紀、濱田マリ、門脇 麦、光石 研
1987年の田舎町。悶々とした日々を送る中学生のタカシはある噂を耳にする。町に一軒だけあるレンタルビデオ屋にAV女優のよくしまる今日子がサイン会にやってくるというのだ。
噂の真偽を確かめるべく、タカシは柔道部の仲間と共にレンタルビデオ屋へと自転車を走らせる。

舞台は1987年ということで。モデルとしては現在 43〜44歳の世代ですかね。
わたくしも ほぼ同世代であるので。わりとシンパシー持って鑑賞に至ったわけですが。

中心となる中学生たちを演じてるのは新人が多いけど、光石研、濱田マリ、門脇麦といった面々が脇を固めてくれいてます。
主人公タカシと姉の門脇麦とが なんとなく雰囲気似てたね(笑)

学校ではとりあえず悶々とし。家では親父のクズっぷりに辟易し。外に出れば鬱陶しいヤンキーに絡まれて。
彼らのエネルギーの向かう先は…おっぱいであったと。

そう言ってしまえば早いのだが。
なんか、しっくりこない。

確かに 多くの中学生が通ってきた道でしょう。こういう青春は。
なので 周囲の状況や行動パターンとしての理解はできます。
ある種の あるあるパターンではある。

ただ、ハッキリ言って、笑えないんだよね。
実際そうなんだけど、その実際に〜を笑いにまで高められていないのかな。

クスクス、ウフフ…の感じはあるけど、「うぉ〜そうそう!」とか「バカだね〜ゲラゲラ〜」というレベルまでには仕上がっていないのね。

もう一点、親父の狼狽ぶりもわりと普通で。「あぁそうだろうな」とは思っても、やっぱりカッコ悪いおっさんを見てるだけで。笑えるまでには至っていない。

別にコメディをやりたいと、笑わせようというわけではなかったとしても。
それほど共感を得るまでの“引き”の強いエピソードでもなかったよね。

おバカでエロくて。でもなんとなくデリケートに未来を憂いている“中二時代”を正しく描けていたとしても、映画としての強さ、パワーはイマイチで。
結局 見終わってコチラのテンションは上がりきらなかったかな。

ビデオ店から出た後「お前なんで鼻血出してんだよ。もしかして揉んだのか?」みたいなやりとり期待したんだけど。
やり方ひとつなような気もするので、ちょっと惜しいって気持ち。

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盗んだ自転車で家帰る?
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2016年12月06日

SR サイタマノラッパー

入江 悠
駒木根隆介、みひろ、水澤紳吾、奥野瑛太、杉山彦々
レコード屋もないサイタマ県の片田舎に暮らすヒップホップグループ“SHO-GUNG”。仕事もないニートのラッパー・IKKUは自分たちの曲でライブをすることを計画するが、かつての同級生・千夏との再会をきっかけに、メンバーたちの夢はバラバラになっていく。

2008年製作。後にシリーズ化もされる その1作目。DVDにて鑑賞。

見ての通り低予算で。有名な役者はでておりませんで。
あぁ男子ならたいがい知ってる女優さんがひとりおりますか。
あの場面は 今回収録したのか、あるいは既存のDVDからの引用か。どうでもいいことが気になりましたが。

舞台は 何の変哲もない地方都市。北関東はサイタマ県の片田街。
冒頭からラップ歌ってて。全く何も持っていないわけじゃないんだね。彼ら。
ただ そこを起点にしようと思うと、どうしてもハンディはあるんだろうけど。

とにかく その閉塞感であり、突き抜けない感じ。よくわかります。
ただし、それが全て街のせいなのかといえばそうではなく。
現に東京に出て行くという選択肢はあるわけで。

結局、イマイチ踏み出せないヤツらがウダウダとしてる物語。ほぼほぼね。

かろうじて、なんでもいいから動き出そうとした先が、少々お堅い面々の前で。頑張ってる若者としてラップを披露する場面がね。何とも寒々しいというか、痛々しいというか。
そんなとこで「税金払わねぇ、年金払わねぇ」とか歌われてもねぇ(苦笑)
でも アレは名シーンだと思います。

正直、ここに登場する彼らが何かを突き抜けられるようには到底思えず。
そんなくすぶってる状況を延々見せられ。結局は仲間はバラバラになり、主人公もバイトを始めると。

しかし そんな場所で仲間と再会。あふれだす感情が言葉となり、ラップを始めるんだけども。
さすがにここは、響きましたね。

この映画が支持される理由というのがよくわかりました。
それまでは もっと社会性を表現するべきだとこだわってたけども、じつは伝えるべき言葉は そこにあったんだなと。
これもまた、さっきとは全く違う意味合いでの名シーンでしたね。

地方都市で 何かを夢見ながら、飛び越えられずにいる若者ってスゴく多いと思います。
バンド、演劇、お笑い。いろんな表現を夢見つつ、くすぶってるの、多いと思います。

まぁそんなヤツは東京へ出ても、それがゴールで結局 何もできずに終わるパターンも多いんじゃないかな。

とにかく、いろんなアプローチはありつつ。テーマがヒップホップだからこそ。
漠然とではあるけど、そんな風に感じました。

さて、結構 長めのワンカットが多かったり。さらにそこにラップもあったり。
こういうのって役者の技量が問われるよね。でもその点も素晴らしかったです。
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2016年11月30日

世界の果てまでヒャッハー!

ニコラ・ブナム、フィリップ・ラショー
フィリップ・ラショー、アリス・ダヴィッド、タレック・ブダリ、ジュリアン・アルッティ
プロポーズを計画し、悪友たちと恋人ソニアの父親が経営するブラジルの高級リゾート地を訪れたフランク。
ところがソニアの祖母らと共に出かけた秘境ツアーで行方不明に。唯一発見された1台のハンディカメラには、とんでもない実態が映っていた…

普通に「これは見ないかな」と思わせる安っぽい邦題ですが。
結構オモロいとの噂を聞いて見てきました。

ちなみに原題「All Gone South」というフランス映画。
直訳すると“みんな南国に消えちゃった”みたいなことだけど、go south は隠語でオーラルセックスという意味があるとか(苦笑)
まぁそれを思わせるシーンも当然ありますから。

ブラジルのリゾート地で主人公たちが行方不明に。その後 彼らが持っていたはずのカメラが見つかり、手がかりを探すべく カメラに残された動画を見てみれば…というプロット。

カメラの映像を見るという点では「ブレアウィッチ」的であり。
謎の一夜に何が起きたか…は「ハングオーバー」のようであり。
バカバカし過ぎるトンデモ展開は「ジャッカス」を彷彿させる。

その結果、確かに今まで見たことないようなコメディになってましたね。

この手の作風って これ見よがしに「おかしいでしょ、おもしろいでしょ」の押し売りみたいなパターンもあるんだけど。
バカなキャラたちの いかにもな行動はもちろん。そんなバカなという展開をサラリとスルーして。さらにはスカイダイビングという、ガチでヒョエー!な状況まで。

それだけでなく、ダメ押し的に彼女のオトンの映像まで入ってて。
とことんやってくれたって気になりますね。

ヨーダ、ジャバ・ザ・ハットみたいのもあれば 「127時間」が出てきたり。ビレッジピープルってのも いかにもって感じで。
そんな中で わたくしがお気に入りだったのは、シニアカーで爆走するばあちゃん。
スカイダイビングで モロ出しとなった体の一部がなびくシーン。
そうそうは拝めない、プチ衝撃映像でしたね。

いろんな意味で“振り切ってる”映画だと思います。
邦画でも頑張ろうとしてるコメディあるけども、さすがに ここまではできないだろうね。
それぐらい見応えある おバカ映画です。

余談ですが、リゾート地ならではの自然の美しさ、カメラの映像の美しさも 隠れた見どころですよ。

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あぁ目玉焼き…
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2016年11月09日

ザ・ギフト

ジョエル・エドガートン
ジェイソン・ベイトマン、レベッカ・ホール、ジョエル・エドガートン
夫の故郷で新生活を始めたサイモンとロビン。偶然、買い物中にサイモンの同級生だったゴードから声をかけられる。
再会を喜び、二人に1本のワインをプレゼントするゴード。しかし次第にエスカレートしていく彼からのギフトに、二人は違和感を覚える。

率直に、胸クソ悪い結末の映画。でも映画としての見応えは十分。
ちゃんと日常の延長線上の中で、不穏な見せ方ができているので、とてもイヤな気分にさせてくれます。
もちろん映画としてですよ。

夫の故郷で新生活を始める夫婦。長めのいい住まい。そして新たな職場で歓迎を受け、まさに誰もがうらやむような夫婦のカタチ。
ただし、序盤で印象付けられるのが、なかなか子供ができないということ。

“赤ちゃんは天からの授かりもの”であるとするならば、それも“ギフト”のひとつと言えるのかな。

そんな夫婦が、偶然に夫の昔の同級生に出会います。
見てる観客側からすると、間違いなく怪しいその男なのですが。その期待に見合った行動で不穏な空気を深めていってくれます。

一方的な贈り物。「普通ならダンナ仕事に行ってるだろ」って時間帯での訪問。「ホントに?」というほどの邸宅へのお誘い。
真意がなかなか読めません。

その後も夫婦の周辺で危険な兆候が見え隠れ。
やがて、あれやこれやと“化けの皮”がはがれていき、この夫婦に決定的なことが起きてしまうと。
ねぇ。

よくもまぁこんな物語を思いつくな〜というトコですが。
監督・脚本はジョエル・エドガートン。ほうほう、この怪しげな同級生を演じた人の作品だったのね。

ある登場人物の印象を変えていくスイッチの入れ方とかが絶妙で。
いきなり“ドーン!”のビックリ箱的な見せ場も入れつつ、ジワジワと人間の秘めたいやらしさを突き付けていくという。それも満足度を高めてる要因でしょう。

言ってしまえば この着地点、どう転んでも真の幸福ではないような感じがしてね。
だからより胸クソ悪いと思えてしまうんだが。やっぱり映画としては面白いですわ。

映画ファンとして多くの人に見てもらいたい作品だけど。
こんな悪趣味なストーリーをおススメするなんて、ワシの人間性が疑われるかな(苦笑)

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隣人はホントいい人
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2016年10月11日

少女

三島有紀子
本田 翼、山本美月、真剣佑、稲垣吾郎
それぞれが闇を抱える高校2年生の由紀と敦子。転校生の紫織から「親友の死体を見たことがある」と聞き、ふたりは人が死ぬ瞬間を見たいと思うようになる。
やがて夏休みになり、由紀は小児科病棟で、敦子は老人ホームでボランティアを始めるが…

原作は湊かなえの小説。これまでにも「告白」や「白ゆき姫殺人事件」が映画化されております。
それらは それなりに話題にもなってましたが。今作は巷の評判がイマイチみたいですね。実際わたくしが見に行ったとき、他に1人しか客おらんかったし。

ぶっちゃけさ、みんな わざわざ金払って暗〜い映画を見たくないんだと思うよ。
作品の良し悪しはさておき、暗いの見たくないんでしょ。

そう言いきれるぐらい、チラシから予告編から辛気臭さが漂ってて。
本田翼が山本美月をジワジワいたぶって殺す映画なんか…ねぇ。

というとこですが。
実際には そんな感じの映画でもあったり、なかったり。
少なくとも あんな笑顔が見られるとは…と思ったわけで。

んで逆に「人が死ぬところが見たい」と思って見に来た人には、ちょっと違和感あるかも。
こういう書き方すると なんだか誰にも見向きされなさそうな作品だよね。

でも、でも、考えようによっては「聲の形」にも通じるようなテーマ性もあって。わたくし的には そんなに悪くはなかったです。

事前のイメージとは違って 友情だとか、前に進もうという思いだとか。
終盤、全部の登場人物の関係性がつながっていく展開は、映画的にも(なんとなく)面白かったし。

そして男性目線で言えば、本田翼が山本美月をじっくり見られること。
二人が手をつないで駆けていくスロー映像は…よかったです。

冒頭に、舞台・お芝居のワンシーンのようなものが出てきます。
その時点で、これはお芝居の延長なんだなと思えばすんなりと入っていけるでしょう。

そもそも三島有紀子監督は、かつて「しあわせのパン」で沁みる作品を作ってて。
ところが 続く「ぶどうのなみだ」はリズム感の悪いファンタジーで全く受け入れられず。

それを思えば今作は、その中間かなぁ。
なんというか、我々が生きている社会とはちょっと違う日常ベースで描かれてるので、真正面から受け止めようとするといくらかしんどいね。

本田翼演じる由紀がどんなキャラなのかは、一貫性が無く見えて、少々つらいな。
闇の中から半開きの眼差しで全てを見てるのかと思いきや、普通に可愛らしい笑顔もみせるし。
そもそも現在24歳の本田翼と 25歳の山本美月が女子高生役なんだから。
全部受け入れられる人じゃないと楽しめない映画かな。

最後に、稲垣吾郎がいい雰囲気もってて。
自身も映画好きというのは聞きますが。映画俳優としての吾郎ちゃん。今後も期待したいですね。

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まさかのタッチー&昴
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2016年10月03日

SCOOP!

大根 仁
福山雅治、二階堂ふみ、吉田 羊、滝藤賢一
伝説的スクープ写真を撮ってきたカメラマンの都城静。今では借金に追われつつ、芸能スキャンダル専門のパパラッチとなっていた。そんな彼が、写真週刊誌「SCOOP!」に配属された新人記者・行川野火とタッグを組むことに。
この仕事に疑問を持っていた野火だったが、次々とスクープを連発するうち その魅力に取り込まれていく。

大根仁監督が福山雅治と初タッグで描くは、芸能パパラッチが主人公という。そもそもスキャンダラスなテーマなので、エンタメとして面白くなりそうだけど、下手すると奇をてらっただけになる可能性も。
ところがところが。そんな心配は杞憂に終わります。
率直に、こんなに泣けるとは思わなんだ(笑)

その福山演じる都城静という男。借金を抱え、笑顔を忘れ、下ネタまみれで自堕落なカメラマン。しかも他人のスキャンダルが食いブチという。
が、意外にも このキャラクターが福山雅治にどハマリで。

近年は“陰”な役が多いですし、カメラが趣味であり 下ネタ好きであり。
それらの情報が見る側としてリンクしてる一方、芸能スクープの対象になったことが無いので、役に対しての“あてつけ”感がないのもまた良し。
そういうところが人間味として魅力があって、ビジュアルの良さが主役感を放っていて。

そんな芸能スクープのあり方について、一部ではゲスいイメージもあるけれど。それが話題として日常の中で存在しているのも事実。
突然 現場に付き合わされた野火が「サイテーな仕事」というのもわかります。

でも大きな獲物を捕らえたならば「この仕事サイコー!」と言ってしまう感覚。
その両方持ち合わせているのが この仕事なんでしょう。

さてさて、以下だんだんネタバレ無しでは書けなくなってしまいますが。
終盤、芸能スキャンダルだけではなく、昔のように社会・事件のスクープを撮ってほしいとなっていきまして。
静がカメラマンを目指すきっかけとなった ロバート・キャパの報道写真が引用されます。

そんな折に飛び込んできた リリー・フランキー演じるチャラ源さんの事件。
そして衝撃的な展開へと向かっていきます。

この辺りまでの雰囲気は、ずいぶんと昔に見たドラマ「探偵物語」や「プロハンター」などに感じたコメディ&シリアスを彷彿とさせ。
あの場面については「太陽にほえろ」シリーズの殉職シーンに覚えた哀愁と色気が垣間見えました。

その瞬間を野火が捉えた写真が また印象的で。見ようによっては、先のキャパの兵士の写真にも重なるものがあって。
あの写真が微妙だと その後の説得力が無くなってくるものなので。そういう意味で素晴らしかったと思います。

それに続く、その写真の扱いについての編集部での場面。そして涙ながらに語る馬場ちゃんこと滝藤賢一がたまらない。

もうホント、こんなに泣かされるとは思わなんだというのがこの辺りでして。
確かに ちょっとやり過ぎな描写もあったり、いくらなんでも現実には…と言いたくなる部分もあります。
でも そこは映画ですからと乗り越えさせてもらってね。

下世話であり、思わず笑えたり。静と野火のバディムービーであり。
気がつけば社会派なメッセージも突き付けられたりもして。
それらのテイストを上手く配しているので、映画としての満足度がとても高くなっています。

あとどうしても書いておかなくてはいけないのが、リリーさんの怪演っぷり。あれは怖い。
もちろん、当然、実生活であんな人と接したことは無いけれど、ああいう人はそうなんだろうなと思わせる絶妙な具合が、より恐ろしさを突き付けてきます。
もっと言うなら、よくもあんな“芝居”ができるなと(苦笑)

そして 吉田羊さん演じる定子も芯のある女性編集者然としていて。
映画には描かれていない静との過去もにおわせる雰囲気は上手いと思いました。

映画って役者が演じたものをカメラに収めて、編集して音楽つけていって作っていくわけだけども。
何を写して どう仕上げていくか。結局のところは監督のセンスだと思うんですよ。

であるとするならば、観客を一時も退屈させないような大根監督の作風はやっぱりスゴいよね。

余談ですがね。ホントに見応えのある作品だったので、「探偵はBARにいる」みたいに続編ができたりしないかな。
でも静があぁなっては無理か。。。

でも その前日譚として、静と定子の関係や、チャラ源さんと間に交わされた物語を掘り下げるのはありなのかな。
やっぱスケジュール的に無理か!?

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ましゃ=キューピー
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2016年09月22日

スーサイド・スクワッド

デヴィッド・エアー
ウィル・スミス、ジャレッド・レト、マーゴット・ロビー、ジョエル・キナマン
世界崩壊の危機が到来。政府は 死刑や終身刑となった悪党たちを集め、減刑と引き換えに自殺に等しい任務を強制する集団スーサイド・スクワッドを結成。
人類の危機を救うため、彼ら“最凶悪チーム”を戦いの最前線へと送り込む。

アメコミ系ムービーもアレコレ公開されておりますが、昨今では様々なキャラクターのコラボした作品が多いですね。
マーベルの「アベンジャーズ」は もはやそれがシリーズとなってますし。今年はDCコミックの「バットマンvsスーパーマン」も大きな話題となりました。

この「スーサイド・スクワッド」はDCコミックに登場した悪役が一堂に会して地球のために?それぞれの夢のために?戦うという。
ありそうでなかったこの発想。確かに なんか面白そう。

ではありますが、正直 日本での反響は中ヒットという手応えなのかな?

先の戦いを経て、今はスーパーマンはいないという世界。
バットマンの敵だったキャラが多いのかしらん。実際にバットマンも今作にチョイ役で登場してます。

悪役オールスターズといわれると それなりに興味は湧きますが。よくよく気付けばジョーカー以外は知らないキャラであり。その肝心のジョーカーは このチームには入っていないし(苦笑)

日本人的には“悪役が主役”というのも受け入れがたいのかな。
ダークヒーロ―というカテゴリーもあるけれど、バットマン自体がダークヒーロ―という側面あるしね。

なんて小難しいこと言ってはおりますが。
そういうことヌキに見てみれば、それぞれのキャラも立っているので 十分に楽しめましたよ。

何よりエロ・キュートでスタイル抜群なハーレイ・クインには目を奪われちゃいますわね。
ウィル・スミス演じる百発百中のデッドショットも頼もしい感じはあったけど。

それぞれの物語もサラリと踏襲しつつ、どのようにしてこのチームが誕生するのか。彼らは何を守って何と戦うのか。
その見せ方がスマートでわかりやすかったです。

ただし“悪党チーム”と謳っている割には、みんな そんなに悪党に感じられなかったり。
結局もっと悪という存在が出てきちゃうので、そもそものお題目が薄まっちゃうかな。
それぞれのキャラクター自体、バットマンのような特別な人間なのか、スーパーマンのような特殊な存在なのか。それらを気にしちゃうと話が成立しなくなっちゃうか。

それからカタナというキャラも気になったね。なかなかのビジュアル。日本代表(?)がここにいるのはちょっと嬉しい。
ただし、あの日本語の微妙さはなんとかならんかと。それに仮面を外している絵もなくていいだろと思ったけどね。
安っぽい濡れ場以上に仮面を脱ぐ必然性がなくないか?

いろいろツッコミたくなる感はあるけども。
基本的にはオールスターお祭りムービーとして、ドッカン ドッカンやってくれればいいのかな。この手の映画は。

また次作につなげるシーンもラストにあるでよ。

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あいつよりキミの方が“プリンプリン”だよ
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2016年08月02日

シン・ゴジラ

庵野秀明、樋口真嗣
長谷川博己、石原さとみ、竹野内豊、高良健吾
東京湾アクアトンネルが崩落する事故が発生。政府は緊急の会議を招集。その席で内閣官房副長官・矢口は巨大生物による事故の可能性を提言するが、一笑に付される。
しかし 海上に巨大不明生物が出現。やがて首都に上陸し、甚大な被害を及ぼし、日本政府はその対応迫られる。

2014年に世界的にヒットしたアメリカ版の「GODZILLA ゴジラ」。
その公開後に発表になったのが、2016年に12年ぶりに日本製のゴジラが復活というニュースでした。

正直「GODZILLA ゴジラ」に煮え切らないものを感じていたこともあり、これはこれで素直に歓迎。
数百億とも言われるアメリカ版の制作費に対し、予算で敵わないのであれば 頭をフル回転させて、日本でしか作れないゴジラ映画を見たいと。そんな期待を込めておりました。

それから1年半。ついにベールを脱いだ「シン・ゴジラ」。
まずは、素晴らしかった。とにかく見応えありましたよ。
怪獣映画として素晴らしいのではなく、映画として素晴らしい出来になっていると思いました。

東京湾の海底トンネルで事故が発生。政府が集まっての会議が行われ、正直 どこかゆるい雰囲気を感じさせるその場が、事態が動くとともに、(当然ながら)後追いで政府も対応を協議。
しかし、責任の所在や決断力の曖昧さで、みるみる事態が悪化。

その場で適切な対応を行えなかったがために、その後に更なる被害が…という感じ。
ストーリーとしてそれは理解できますが、要は そこまで政府内や様々な場で行われる会議というヤツを、イチイチ見せることでの緊張感。
また事態の変化を見守るうち、ネット上には巨大生物と思しき動画がアップされていくなんて現代のリアリティ。

そしてそれらの状況を、テンポよく紡いでいくことで、進行度の早さと焦燥感が表現され、観客としてはグイグイと物語に乗せられていきます。

この映画の基本スタンスは、今ゴジラが現れたら日本はどう対応するのかという、壮大なシミュレーション。
今回の有事に際し、専門家、奇人変人、はみ出しもの、鼻つまみ者が収集されてチームが作られまして。これはこれで面白味ありますわ。
そのチームによる分析で明かされるゴジラの生態。そして対処方法が検討されていきます。

それとは別にアメリカが動き、アジアが影響を受け、フランスも反応し…
まさに この辺りも「なるほど〜」とうなずいたり、「そりゃそうなるわな」とニヤニヤしながら見入ってしまいました。

事の顛末としては、未曾有の自然災害に見舞われた街であり、東京に原発があって それが異常をきたしたらであり、もしも核兵器を使用するとなればであり。
それらを乗り越え、関係各所と連携を図り、日本という国家がいかにして存続を目指すのかの軌跡でもあります。

そのモチーフは かの震災と原発の事故。広島と長崎の記憶。日米安保や憲法の扱いなど。
それらをゴジラというフィルターを通して問題提起しているとも言えます。

結局それらをテーマに置くことって日本でしか描けないことだと思うんですよ。
だからこそ僕たちは考えさせられ、共感を得られるわけで。

もしかしたら「インディペンデンスディ」がUSAバンザイと叫んでも、日本人は本気でノレないのと同様に。この作品を他国の人が見ても、本質の部分についてはピンとこない可能性はありますね。

かの「GODZILLA ゴジラ」も、前半は“それらしい”問題提起をしつつ、後半は怪獣同士のドッカンドッカンで評価を得たいわけじゃないですか。
それに比べると 今作のゴジラ殲滅パートは地味といえば地味。鉄道ファンは「あっ!」と思うかもだけど(笑)

そして全編CGで製作されたゴジラのベースとなるモーションキャプチャーを、狂言師の野村萬斎が担当。
この発想から表現も、どんだけ制作費があってもたどり着けないであろう、日本独自の〜という部分の象徴ではないでしょうか。

これまで怪獣は“着ぐるみ”じゃないと認めない…という、頭のカタいスタンスだったわたくしも、今回のゴジラはCGであっても大満足。
その佇まい、迫力、リアリティ、非の打ち所がない仕上がりです。

さて、一部では今作の石原さとみのキャラに賛否が出ておりますが。
イーオン仕込みの英語の発音でチョイチョイ「ガッジーラ!」がインサートされるのは、少々難解なワードや堅苦しそうな会議場面の数珠つなぎで力み過ぎそうな世界観のなかで、程よい箸休め効果があって。
浮いていないとは言えませんが、悪くはないと思ってますよ。

それとは別に気になった点は、矢口がなぜに荒唐無稽な“巨大生物説”にこだわったのか。
普通に考えたら、あの場であのような発言はそぐわないようにも思うけれど。

それから なぜゴジラが東京に?という点。
生物的に考えれば、やはり核保有施設のある場所に反応するなど、何がしかの理由が欲しいところだけど。
強いて言うならば、ゴジラの存在自体が日本に向けられた“念”のようなものだとするならば、首都を狙うのはありえる話だけど。

とまぁアレコレ書きつつも、映画としてのクオリティは非常に高い。
んで一時期のゴジラ映画は、怪獣好きな少年需要を見込んだ作品であったわけですが、今作は小中学生が見ても イマイチわからないものになっていると思われます。

ある意味“その当時の”少年ファンがオトナになり、作る側になって実現させた創作だといえるかも。

でも1954年の第一作の当時は、そもそも映画というものが大人の娯楽であって。
そんな大人たちが「ゴジラ」を「おそろしいもんだ」と見ていたはずなんですよ。

それらを合わせて考えるならば、この2016年の「シン・ゴジラ」は「あの日に子供だった オトナたちの映画」であるのかもね。

とにかく、今の日本が誇ることのできる作品となっています。
素晴らしい!!

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自衛隊にできるのは攻撃だけではない…ね。
posted by 味噌のカツオ at 23:44| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月01日

セトウツミ

大森立嗣
池松壮亮、菅田将暉、中条あやみ
高校2年生の内海想と瀬戸小吉。放課後に河原で話をしながら、内海が塾に行くまでの暇つぶしている。
そんなふたりの“しゃべり”による青春ストーリー。

上映時間は75分。
基本的には川べりで2人の高校生がただただ だべってるというもの。

とても面白い。
なにがどう面白いかというと・・・まったくと言っていいほど覚えていない。

でも そんな、その場だけで交わされて消えていく会話の面白さ、バカバカしさ。
誰もがそんな他愛もない時間ってヤツの大切さを知ってるはずなので。

無理なく笑えます。

ネタの運びや笑いの取り方は漫才っぽいのだけど、あくまで感覚としては漫才では無くて、日常会話のそれで。
まぁ関西人は日常会話自体が漫才みたいとも言われるけどね。

でも主演の2人に関して言うならば、そのシナリオを日常だべりの体(てい)で演じるのって、結構難しいと思うんだよね。
それをナチュラルに、見るものを楽しくさせながら表現してみせたのは、やっぱ素晴らしいですわ。
あと いい感じで季節感を織り交ぜてるのも印象的やね。

厳しいことを言うならば、わざわざ映画というフィールドでなくても。
テレビでも成立するんじゃないの〜とは思うけど。

無理やり擁護するならば、スクリーンで このゆるい笑いを体感することの贅沢さと。そんなところかな。
映画館で上映されるもの、それすなわち、映画という事でね。

面白かったです!

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“セトナイカイ”じゃないのね
posted by 味噌のカツオ at 22:38| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月18日

シング・ストリート 未来へのうた

ジョン・カーニー
フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、ルーシー・ボイントン、ジャック・レイナー
1985年のダブリン。大不況により父親が失業し、荒れた公立校に転校させられた14歳のコナー。
街で見かけたモデル志望のラフィナの美しさに惹かれ「僕のバンドのPVに出ない?」と口走ってしまう。慌ててバンドを組んだコナーは、ロンドンの音楽シーンを驚愕させるPVを製作することを決意する。

監督は「ONCE ダブリンの街角で」や「はじまりのうた」など音楽が関わる作品を手掛けてこられたジョン・カーニー。

そのジョン・カーニー監督の半自伝的映画とのことらしいのですが。
監督は1972年生まれとのことで。1971年生まれのわたくしとはモロ同世代。
だ・か・ら、この作品に描かれている時代背景、文化、そして音楽は直撃世代でありまして。

そりゃあもう、たまらない作品でございましたよ。

舞台となっている1985年。
いわゆるMTV(三重テレビじゃないよ)が勢いを増して、MVというツールとともに注目が広がっていった時期でした。
音楽が映像を伴っていくことで、音楽的センスだけでなく、ビジュアル面、あるいはMVのクオリティも競われはじめた頃でした。

主人公コナーは両親の関係が悪化することで、学校を変わることを余儀なくされ、また移った学校が非常に環境が悪かったと。
学校に居場所を見つけられない、また両親のケンカで家でも落ち着けない。そんな彼の唯一の楽しみが、兄と一緒にロンドンのMVをテレビで見ることだったんですね。

わたくし自身にもバンドやってたアニキがいて。
当然アニキの聞く音楽をこっちも耳にするもので。そういう影響って少なからずありますわね。

このコナーのお兄さんってのが またセンスがあって。
もちろん音楽の面だけでなく、青春の扉をひとつひとつ開くサポート役だったのも素晴らしい。

ひょんなスケベ心(?)からバンドを組み、PVを撮ることとなったコナー。
あの最初の曲の衣装のチョイス。誰ひとり“そういう”ことの理解していない中、各々の自宅にあった一番派手な服を持ち寄った感がまたお見事。
そんな場面を始め、当時のアーティストを揶揄ゆるようなセリフや音楽の話題で、結構 劇場の中に笑いも起こっていました。

「カバー曲なんてダサいぜ」とオリジナルの製作に挑むコナーたち。
今バンドが置かれている状況、コナーの思い、それらを作品に盛り込んでいく過程も面白かったし。
歌詞の表現や音楽のスタイルも、じつに当時を思わせる“らしい”曲調。

そんな、80年代っぽいオリジナルと、実際に当時流行っていた曲が交互に流れるのも嬉しい演出で。

オリジナル曲も増えて、学校で行われるパーティでギグ(この言い方すら涙モノ)をやろうぜと。ここからのラストまでの畳みかけにもいろんな名場面が詰まってて。

彼女が一人で空き地でデモテープを聞き涙ぐむシーンなんか、そのままカセットテープのCMになりそうだったし。
「ここでバラードは盛り下がるぜ」「いや、やろう」。「ここでこんな曲やったらもう演奏できなくなるかも」「もうどうなってもいいよ」。
そんなやりとりも未来を信じていればこそだし。

そして「サイコーなヤツだぜ」と歌詞を送り、コナーと彼女の旅立ちをもろ手をあげてサポートするアニキの姿なんてのもイカしてるわ。
この辺りの終盤の展開、おもいがけず もう目がウルウルきちゃって。
いやぁたまんなかったなぁ。

そもそもシング・ストリートが最初に音を出した時の不安定感にヒヤヒヤしつつ。
新たな作品も作りながら様になり。気付けば その音も洗練され、ビジュアルも垢抜けて、ハートも強くなっていって。

わっかりやすい成長の物語でありながら、そこにあざとさを残さないのは監督の手腕なんでしょうか。
またまた良い作品に出会えました。シング・ストリート、サイコーの1985に乾杯です!

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“人生”という名のバンド、あったよ
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2016年07月17日

青春100キロ

平野勝之
上原亜衣、ケイ、タイガー小堺、智子
引退を発表した人気AV女優の上原亜衣。その最後の作品に出演する素人100人が集められたが、その中の一人・ケイくんに とある条件が与えられた。
それは2日間で100kmを走りきれたら上原亜衣と会う事ができる、というものだった。

たいがいの男子がお世話になったであろう上原亜衣ちゃん。その彼女が様々なランキングで1位を獲得。
それを受け「目標が持てなくなった」として引退を表明。

その最後の作品に出演できる多くの素人が集められました。その中の一人、ケイくん(仮名)はマラソン経験者である事。またスタッフの中から「彼は何かを持っている」と見初められ、とある条件を言い渡されます。
それが、2日間で100kmを走りきれたら上原亜衣と生中出しができるというもの。

2015年の年末。新宿の都庁前をスタートし、亜衣ちゃんが最後の撮影を行っている河口湖までの100キロを、2日かけて走るという企画。
今作の監督であり、自転車でケイくんと並走するのが「監督失格」の平野勝之。

滞りなくスタートしたものの、スタッフ間から「これ、見てておもしろいか?」との疑問が。
そこで あれやこれやアイデアを出し合っているうちに、思ってもみなかったトラブルが発生。

ある意味 起こるべくして〜的な。さらにフォローの甘さも手伝ってなかなか面白かったですわ。

やがてトラブルも解消し、大きく時間ロスをしながらも ふたたび走り出すケイくん。
時間、距離、そして寒さと闘いながらゴールを目指して走ります。

まぁ言ってしまえば“忍耐”という文字の似合う過酷な展開。
しかしケイくんのピュアな思い。楽天的な監督。そこに挿入される天使・上原亜衣。
なんやかんやで見入ってしまいました。

しかし特筆すべきは ケイくんのひたむきさ。
見る側からすると、これはかなりキツいんじゃないかと。足が動かないんじゃないかと。そんな風に見ているんだけど、一貫して「亜衣ちゃんに会いたい」その思いのブレなさたるや。
今の若者が…いや、自分自身も含めてここまで真っ直ぐになれるものかと。おもわず問い掛けてしまいます。

そして訪れる感動のひと時。
目頭も、股間もアツくなると言っても過言では…

「最後の相手が彼で良かった。一番、目を見つめてくれた」という言葉も印象的。
また最後の撮影を終えて「青春が終わった」なんて言葉も。

方やゴールをクリアし、フィニッシュを迎えたケイくんの全ても、やはり青春を感じさせてくれて。
まさに「青春100キロ」とはこういうことなんやね。。。

とまぁ上手いこと言えないけど、テーマがテーマではあるけれど、なんかいいもん見たなと思わせてくれる作品であります。
100キロ走ってることヌキにして、率直に「うらやましい」と思ったりしてね(笑)

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亜衣ちゃん、お世話になりました。
posted by 味噌のカツオ at 20:21| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月22日

貞子vs伽椰子

白石晃士
山本美月、玉城ティナ、佐津川愛美、安藤政信
見たら2日後に死ぬという“呪いのビデオ”を手にしてしまった女子大生の有里。ビデオを見た親友の夏美を守るべく、大学教授の森繁と共に、悪霊祓いを受けるのだが…
女子高生の鈴花は、失踪した小学生の姿を見かけ、無人であるはずの“呪いの家”へと入ってしまう。
異端の霊媒師・経蔵は、ふたつの呪いを激突させ、同時に消滅させる計画を立てる。

小説や映画のシリーズ化で長く親しまれて(?)きたホラーシリーズ「リング」と「呪怨」。
それらのヒロイン(??)であるところの貞子と伽椰子が共演という事で、大きな注目を集めている作品。

古くは「キングコング対ゴジラ」「マジンガーZ対デビルマン」。映画では「エイリアンvsプレデター」「フレディVSジェイソン」なんてのもありました。
近いところでは「バットマンvsスーパーマン」も。

たいがいヒーローモノの場合、前半に対決シーンがありながらも、後半は協力して悪と戦うパターンが定番だけど。
この ふたつの“呪い”の共演。はたしてどうなるか。

映画では「リング」のストーリーと「呪怨」のストーリーが交差するんだけど、「リング」比率のがやや多め。
かつてはビデオを見た1週間後に〜というものだったけど、ここでは2日後に〜とルール変更。

あと以前見た“呪いのビデオ”には、井戸の中から貞子の怨念が這い出して来る場面があったはずだけど、これも変わってましたね。
貞子さん、新作撮ったのかな?

主人公・有里の親友・夏美がビデオを見てしまい、呪いのビデオを研究している大学教授の森繁と共に悪霊祓いへと向かうのですが…
この女性霊媒師が わたくし的にはかなりツボで。トキメキました。

やぁ〜いかにもって感じで。こんなおばちゃんいそうだわ。
んで念仏を唱え、夏美を引っ叩き、強引に水を飲ませとかなり荒っぽい&怪しい(苦笑)

ところが残念なことに これがモノホンの設定で。結果、貞子を怒らせてしまい、物語は一気に前進。
さらなる助っ人として異端の霊媒師・常盤経蔵と その相棒で強い霊感を持つ盲目の少女・珠緒が登場。

なんかよくわからんが、これまたいいキャラで。
なるほどブラックジャック&ピノコがモチーフなのか!?
正直 このふたりの芝居が微妙でね。でも それすら非・現実感につながって、なかなか良いキャラだと思えた次第。

一方の「呪怨」パート。ってか、わたくし「呪怨」シリーズ一本も見ていないな。
なので、オカルト系にはありがちな設定ではあるが、それなりに新鮮に追えました。

以下ネタバレチックになっていきますが。
経蔵の提案による荒療治開始。「バケモノにはバケモノをぶつけるんだ」という名言もGood。

呪いの家にビデオを持ち込み(電源はどこから?)、再生することで貞子と伽椰子を呼び出すことに成功。そして夢のような直接対決がついに実現。
普通のバトルものって序盤に一度軽いバトルがありつつ、ラストに決着戦となだれこみます。

ここまで両者のあらすじを辿る展開がメインで、怖いシーンって そんなになくって。
それもあって 見せ場が少ないようにも思えたんだけど。
その分 この状況で、山本美月と玉城ティナが一緒に絶叫するシーンはインパクトありました。

薄暗い居間に貞子と伽椰子がたたずむ絵は なかなかシュール。
ただし 両者そんなに“技”があるわけじゃないので、尺としては短め。

結局 家では決着がつかず戦いは外へ。そしてここで井戸が登場。
でも今作では、井戸が貞子のホームという事ではないらしい。

その井戸に飛び込んだ有里を追う形で、貞子と伽椰子がクラッシュ!!
すかさず井戸を封印したのだけど…


全編を通して チョイチョイ気になるツッコミどころもありました。
トータルで2〜3日の出来事のはずだけど、有里のヘアアレンジが微妙に変わってたり。
自殺を試みる夏美を助けるなら、ドアのガラスを割って行けば…と思ったり。

白石監督はフェイクドキュメンタリーなんかも多く撮られているので、そういう手法を使えば もっとリアリティを追及できそうだけど。
いや、でもそれよりも、ここは貞子と伽椰子の邂逅が全てであって。
そこに至る 不合理は目をつぶるべきかな(苦笑)

このふたりのキャラの勝利であり、共演という企画の勝利でもあり。
そして現代のホラー作品として、白石監督に委ねたのも正解だと思います。

結末として、どちらかが、あるいは両者が消滅なんてのは考えらえないので。その意味でも納得です。

ただひとつ懸念する点があるとするならば…
あの動画、どうなっていっちゃうの!?

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井戸端怪談
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2016年06月20日

すれ違いのダイアリーズ

二ティワット・タラトーン
スクリット・ウィセートケーオ、チャーマーン・ブンヤサック
電気も水道もなく 携帯電話さえ繋がらない僻地の水上学校に、教師として赴任した体育会系青年のソーン。子供たちに振り回され、街に残してきた恋人にもフラれ、思い悩む日々を過ごしていた。
ある日、ソーンは一冊のノートを発見する。それは前任の女性教師エーンが心の内をつづった日記帳だった。

密かに評価を集めているタイ映画でして。「フェーンチャン ぼくの恋人」にも携わった監督の作品とのこと。
こういう評判の集め方は、だいたいハズレが無いはず〜と期待して見てきました。

やぁやぁ、確かに。いいラブストーリーだったね。

さて、2分ほど遅刻して入ったら、もう本編始まってて(予告なしだったのかな)。
どアタマの導入部が見られなかったんだけど。まぁなんとかついては行けましたね。

舞台はボートでしか行き来できない水の上の学校。数えるほどの生徒と共に ほぼほぼ共同生活。
ソーンはその教職を受け持ったものの、本来は それほどのスキルは持っていなくって。

思うような指導ができず、子どもたちとのコミュニケーションも上手くいかず。さらには恋人にはフラれ、思い悩む日々。
そんなときに 前任者のエーンの日記を見つけ、指導のヒントを得たり、同じ孤独感を共有したり。

この水上分校での生活に希望を見い出すとともに、エーンへの恋心が芽生えていきます。

そんな日記を通して、まだ見ぬ相手とシンパシーを感じあう…というくだりが もう一周(笑)
こういうこと言っちゃうとアレだけど、二人の物語を重ね合わせて見せてくれるから、深みが出るよね。
これ時系列通りに見ていったら、だいぶ印象変わるかな!?

とにかく そんな脚本の上手さはもちろんですが。
「そうきたら そうなるよね」という多くの人が共感を得られるであろう展開と、まだ見ぬ相手と心がつながるという ピュアなストーリー。
そして 無邪気な子どもたちとのエピソードは、ついつい頬も緩みます。

直接会うことのない二人の思いが、日記というアイテムを通して交錯します。
韓国映画の「イルマーレ」を彷彿とさせるファンタジックさもあるけれど、こちらは現実的にありえる設定であって。
実際「水上学校」と「日記を読んで恋をした男」という2つの話が元ネタとなっているとか。

昨今の日本のラブストーリーって 間違いなく制服モノでね。
こういう世代を描いたストレートな作品ってピンとこないっちゅうか。
それでなくても今どきのせっかちな風潮の中ではこういう作品は作れないかなぁ。

ベタといえばベタかもだし、でもやっぱり爽やかな気持ちになれる映画はいいなと思うし。
見て良かった一本です。

余談ですが、主題歌の訳詞もいい感じだったんだよねぇ。

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星印を消したんやね。のりピーといっしょやね。
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2016年06月16日

世界から猫が消えたなら

永井 聡
佐藤 健、宮崎あおい、原田美枝子、奥田瑛二
突然の頭痛に襲われ、病院に駆け込んだところ、脳の腫瘍により余命わずかだとの診断を受けた僕。そこへ僕と同じ容姿をした“悪魔”が現れ、身の回りの大切なものと引き換えに一日の命をくれるという。
そして悪魔は「まずは電話を消す」というのだが…

大ヒットベストセラーの映画化。
「感動した」「泣けた」という声が多く、たいへん好評なんですが。
結論から言うなら、わたくしは泣けませんでした。もっと言うなら、映画としてもそんなに感じるものがなかったですね。
残念ながら。

佐藤健は確かに上手いと思います。しかも二役やってますしね。
それに輪をかけて、濱田岳も素晴らしい。わりとオタク系なキャラであって、そんなに他者と目を合わせないような役ではあるんだけど。それでも感情とか、意志が伝わってくるもんね。

それ以外にも、宮崎あおい、原田美枝子、奥田瑛二というキャスティング。
それらは間違いないです。

それにプラスして、猫ちゃんたちも素晴らしかった。
自転車の前かごで(E.T.みたく?)あんな風にしてる猫は初めて見ました。かわいかったよぉ。

それはそれとして。わたくしには響かなかったのです。
何がアカンかったのか探りを入れてみました。

ちなみに原作本は読んではおりません。
んで原作のあらすじをザッと読んだところ、当然ながら 所々マイナーチェンジをしてあるのはわかりました。
元は猫がしゃべったりするそうですが、そういうのは省いたりとかチョイチョイしてあるようで。

そのうえで気になったところなんだけど。
そもそも あの悪魔のキャラがイラッとしちゃったんだな。健くんの芝居は上手いと思うが、受け入れ難かった。こりゃもう好みの問題。

あと「電話を消そう」と言った次の日にみんなが普通に電話しててビックリしたんだけど。
しばらくして気付いたのは、翌日に電話を消すということだったんだね。こりゃもうコチラの勘違い。

そして元カノ登場。煮え切らない会話。さらに別れた後もお母さんとは会ってたって…そんなことあるか?
だんだんストーリーから わたくしの心が離れていきます。

そして いよいよ悪魔が電話を消すわけですが。握りしめていたスマホが砂のように無くなっていきます。ほぼホラー描写。
やっぱ、一晩寝て 目覚めたら電話のない世界って風がよかったなぁ。これも好みの問題か。

そして突然インサートされるアルゼンチン旅行。エピソードとしては衝撃的なんだけど、突然すぎて。
そしてブエノスアイレスのイグアスの滝に至っては“観光ガイドVTR?”というか。
「生きてやる!」の叫びと共に、取って付けた感が拭えず。

終盤の回想シーン。グダグダの家族旅行はさておき、旅館に子猫入れて大丈夫なのかと。そりゃホテルも断るわなと。

確かに大切なものを失うことで、大切なものに気付くというテーマはわからんでもない。
でもそれ以上に日常として、文化として、電話が無い、映画が無いという状況がイメージできなさすぎて。
電話が無いのにどうやって救急車呼ぶの?とか。アイツとコイツが出会えていなかったとか言う前に、世界が成立してないよね。

そして大切なものに気付いた僕は、結局 今日、30歳で亡くなるんだよね。
そんなことをイチイチ考えてたら、感情移入できませんでしたわ。

ん〜こういうスタンスだったら実写よりもアニメの方が ハマるんじゃないかなと漠然と思ってみたり。
ホントに申し訳ない。感動した人、泣けた人、それぞれあってよいけども。
とにかく わたくしには響かなかったですわ。

ちなみに監督は「ジャッジ」作った人だと知ってビックリ。
あれはメチャ面白かったのになぁ。

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一瞬のロールキャベツ
posted by 味噌のカツオ at 00:24| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月12日

シチズンフォー スノーデンの暴露

ローラ・ポイトラス
エドワード・スノーデン、ローラ・ポイトラス、グレン・グリーンウォルド
ドキュメンタリー映画の監督ローラ・ポイトラスの元に“シチズンフォー”と名乗る人物から暗号化されたメールが届く。
それは国家安全保障局(NSA)が米国民の通信データを秘密裏に収集している、という衝撃的な告発だった。

第87回アカデミー賞、長編ドキュメンタリー賞受賞作。
国家による違法なプライバシー侵害行為。その事実を暴露したのが、かつてCIAとNSAに所属していた29歳のエドワード・スノーデン。

2013年6月。ローラ・ポイトラス監督は旧知のジャーナリストであるグレン・グリーンウォルドとともに、スノーデンの滞在する香港へ。
グリーンウォルドの動きは早く、取材したそばから記事をUP。
瞬く間に世界中を巻き込み、大反響を巻き起こした。

この話題は確かに見た覚えはあります。
そんなこんなで、実際どんなことがあったのか。それを確認するべく見に行ったわけですが。

わたくしには全くダメでしたね。
ほぼほぼ何も伝わってこなかったです。

もちろん国民のプライバシー侵害は大変なことかもなんですが。
具体的に どのような経緯で、誰が何を、どんな目的で〜的なのがなくって。

取材する側も 何を聞き出しているのかがわからず。
確かに告発者と対面してはおるのですが、インタビューという風でもなく。
なんだろう、あまり具体例を挙げても、それはそれで別のの問題が生まれる可能性もあるのかな。

眠気もかわしつつ、ある程度はついていけてたんだけども、残念ながら全く伝わってこずで。
あと しいて言うなら、BGMなんかは無くってよかったかな〜とは思ったけど。

なので以下余談でお茶を濁しますが。
このような最先端の情報戦であったりサイバー犯罪に関わるような輩って、ぽっちゃり丸顔で黒縁のメガネで。
ネルシャツを着こんで、微妙な色合いのリュックを背負ったオタク系お兄ちゃんのイメージなんですが。

ここに登場するスノーデン氏は 結構なイケメンですやん。
なんですのん。思ってるのとぜんっぜん違いますやん。
それにがっかりしたわ。

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絶妙な非常ベル
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2016年05月03日

ズートピア

バイロン・ハワード、リッチ・ムーア、ジャレド・ブッシュ
(声)上戸 彩、森川智之、三宅健太、高橋茂雄、玄田哲章
動物たちの楽園ズートピア。ウサギとして初めて警察官になったジュディが、ひょんなことから連続行方不明事件を追うことに。街で出会ったキツネの詐欺師ニックが その手がかりを持っていることがわかり協力を依頼。
しかし その事件が、さらなる大きな陰謀へとつながっていく。

これまでにもディズニーの作品に携わってきた3人が共同監督。さらには7人がかりの共同脚本とのことで、ディズニーの本気度?あるいは本気の遊び心が込められていると言っても過言ではないでしょう。

とにかくそんな作品ですから「誰が見ても間違いない!」と言いたいとこですが、ひねくれもののわたくしには、どうも首をひねりたくなる描写もチラホラ。

たとえば導入部で親が子どもの夢を引き留めるよな発言にはちょっとビックリ。
あれこそ心配性の親心とも言えるけど、ちょっと悪しき親のエゴっぽくも見えてしまいました。

小さいことだけど、ジュディがトレインに乗り込む際に大きさに合わせた3種類の扉が〜なんてシーンがあったんだけど、ズートピアに到着したら普通に大きな扉から下りてきたりとか(苦笑)

警察署長のスイギュウが一方的にジュディの可能性を閉じ込め、さらには難事件を48時間以内に解決できなければクビだというパワハラ展開。あぁ恐ろしい。
なぜそんなに厳しく当たったのか、理由らしい理由は説明無いので、ただチビのスケは鼻クソほどにしか思っていないのでしょう。
あのスイギュウ署長に軽くイライラ。

また「お昼までに駐禁200件挙げてやる」というジュディの容赦のなさを見せられると、キツいなぁと。
終盤には列車を操縦して大破させるわ、博物館を抜ければ早いといって(警察バッジの無いまま)侵入するわ。
いろいろとアカンやろと。

かつて「ポニョ」を見たときと同様、社会のルールを踏みにじった上での美談作りに思えて、どうにも乗り切れませんでした。
そういう倫理を振りかざすと、エンターテイメントを楽しめなくなるという面もありましょうが、個人的にはちょっとダメなのですわ。気になって。

基本的に展開が早いですね。“溜め”という言葉を知らんのか〜ってぐらいの勢いで進んでしまうので、物語全体の深みとかは味わえなかったね。
その分 ナマケモノのパートはオモロかったけど。

さて この世界観のモチーフについてはチョイチョイを見聞きしてわかりました。
人種のるつぼとも言われるアメリカなら、なお楽しめる設定でもあるんだね。

近年のディズニーアニメではそういったメッセージを盛り込んで、大人が楽しめる…というか 大人じゃないとわからないテイストに仕上げる傾向があるとか。

基本、子供の集客が見込まれるアニメ映画ですが、当然ちびっこだけで映画館にはやって来ません。大人が子どもを連れてくるのが常。
であるなら、割りと大人目線で映画を作っておけば、大人も普通に見られるし、子どもは派手な映像見てたらそれだけでもイケるもんね。
このスタンスは「映画 クレヨンしんちゃん」とも理論は同じ。とはいえ、圧倒的に違う部分も感じます。

こちらは“大人が普通に見られる”作品ですが、クレしんの場合は“大人が童心に帰って楽しめる”ものじゃないかと。そのアプローチの仕方が大きく違うような気がします。
しいて言うなら「トイストーリー」は感情移入という部分では後者の部類に入るでしょうけどね。

とにかく、多くの方が どうやら絶賛されているようですが、わたくしには合わない作品でありました。
ただし、ラストシーンの大オチはオモロかったけど。

いろいろ難癖つけましたが、上戸彩の吹替え版はすごく良かったです。
声質のイメージも合ってたし、感情表現も上手いな〜と思いましたよ。

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動物にはサバンナがよく似合う
posted by 味噌のカツオ at 22:38| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする