2017年12月11日

探偵はBARにいる3

吉田照幸
大泉洋、松田龍平、北川景子、リリー・フランキー
相棒の高田が持ち込んだ行方不明になった女子大生の捜索という案件。探偵たちが調査を進めていくと、モデル事務所の美人オーナー・マリにたどり着く。
やがてモデル事務所の実態、背後に浮上する組織の存在が明らかになり、探偵たちは大きな事件に巻き込まれていく。

「探偵はBARにいる」「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」に続く4年半ぶりのシリーズ3作目。ですがタイトルは「探偵はBARにいる3」でサブタイトルは付けていないのね。

前2作の橋本一から変わって吉田照幸が監督を担当。
橋本監督は刑事ドラマなんかを多く手掛けていましたが、今作の吉田監督はNHKの社員として番組に携わり、映画では「サラリーマンNEO劇場版(笑)」「疾風ロンド」を製作。もうNHKは辞めてるのかな?
とにかくコメディの線が濃い感じはするけども。

実際にこれまでシリーズが築き上げてきたハードボイルド感はベースにありつつ、最もコメディの質は高かったように思います。

行方不明となった女子大生の捜索という依頼が あれよあれよとヤバい方向に進み始めて。
その都度 探偵が厳しい局面に陥るんだけど、そこにちょっとばかりのユーモアを挟み込んできて。

言うなればその加減こそが このシリーズのテイストであり、踏み込んで言うなら「僕らが期待しちゃう大泉洋」を見せてくれるという。良し悪しはさておき、そんな面白さ。

特に今回は松田龍平演じる高田の存在が前面に出てたようにも思えましたね。
そもそも この作品って「あぶない刑事」や「相棒」のような“バディ”モノではないんだよね。
2人の探偵というではなく、探偵と助手という主従関係がハッキリしてる風でもなく。ぶっちゃけ高田の存在ってどういう立ち位置かアレだし。

ちょっと思ったのは 探偵のピンチにさっそうと現れ、背中合わせのままに敵を迎え撃つ姿が とてもWライダーでしたね。1号2号彷彿としました。
まぁそれはそれとしてで。

ただし過去作よりも高田の“意思”がわかるシーンがありますし。
ラストのバトルで相手をペンギンみたいにしちゃう奇策はオモロかったです。

舞台となるのは当然ながら札幌、ススキノ。
やぁ“冬の”であり“雪の”というのもセットですか。

そして本スジのヒロインは北川景子なんですが。
普通にキレイかったし。回想シーンでの“美少女感”も良かったですね。

彼女の持つ“クールビューティー”然とした雰囲気はこの作品には合うよね。舞台が冬の札幌なんだから。
太陽のような南方系の女優さんではイメージ合わないもんね。

ただし 全般的なストーリーは少々地味だったようにも思えたかな。
事件は起こりますが、エグい感じではなく。事件に至った動機の部分も 地味というか。
近年では「相棒」の劇場版なんか、巧妙なトリックや意外な協力者が絡んでいたりするもんだけど。

それらと比べると、作り込み感は薄め。
だからこそ やるせない涙につながるのだろうけど。
それを差し引いても、心にグッとくるまではなかったか。

それでもこのシリーズが持つ心地良さ、らしさは十分に味わえますので、結果 満足のいくデキでしたよ。
いろいろと大変だとは思うけど、4作目にも期待したいです。

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うにいくら丼ならしょうがない
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2017年10月15日

ドリーム

セオドア・メルフィ
タラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイ、ケヴィン・コスナー
1960年代初頭。アメリカは国家の威信をかけて、ソ連遅れを取っていた有人宇宙飛行計画に乗り出す。
NASAの頭脳として重要な役割を担った3人の黒人女性、キャサリン、ドロシー、メアリー。差別や偏見と闘いながら、彼女らも計画の成功のため奔走し続けていた。

アカデミー賞の 作品賞、脚本賞、助演女優賞にノミネート。全米で大ヒットとなり 興行的にも成功を収めた作品。
これまた実話をベースとした物語でありまして、エンディングにはモデルとなった3人の写真も登場します。

原題は「Hidden Figures」。直訳では「隠された人たち」というものであり、Figuresには“数字”との掛け言葉でもあるとか。

日本公開にあたって原題ではわかりにくいとして「ドリーム 私たちのアポロ計画」というタイトルが用意されまして。
ところが実際に作中で描かれているのが“マーキュリー計画”であるにもかかわらず“アポロ計画”とはなんなん?とのツッコミが入り、サブタイトルが消されて「ドリーム」というタイトルで日本公開となりました。

まぁ宇宙計画だから“アポロ”ならニッポンジンにもわかるだろうという考えがあったのかな。それ自体がアホくさいけど。
どの結果 落ち着いた「ドリーム」だけでは、これはこれでイメージ付きにくいんだけど。
なんか変な さじ加減。

そんな日本の配給会社なのか誰かは知らんけど、微妙なことになっておりますが。
唯一の救いは、作品自体が高評価を得られるものであるという点ですかね。

前述の通り、アカデミーでも評価を得て、日本での見た観客の満足度も高水準。

ただし。
わたくし的には、それほどでもなかったというのが正直なところ。
目を奪われるような描写も、グッとくるシーンも、いくらか弱かったかなと。

ストーリーの軸となるのは3人黒人女性。
その中でも中心となるのは天才的な数学者のキャサリン。

彼女が計画に際してとても重要な部署に回されるんですが、当初は正当な評価もされず。卓越した技術力(計算力)も発揮できず。そして有色人種であることでの周囲の対応。
いずれも恵まれない状況下にあると。

やがて彼女を受け入れてくれる人、理解を示してくれる人が“点”として現れて。ケヴィン・コスナー演じるボスの配慮(あるいはソ連への対抗心?)により、それまで日の目を見ることのなかった実力を発揮していきます。

そのストーリー展開はわかるんだけど。
その計算力の優れた要素。どんな公式を用いて難局を乗り越えたのか。他者ができずに彼女が成し得られた計算とはどんなものだったのか…というのが、伝わらなくって。
ようは、ちゃんと計算ができたということなんだろうけど。

新たな必殺技をあみだした。新たな細菌を発見した。人類史上最も早く走った…のような結果が提示された感じではなく。
そういう意味で、彼女が認められた要素というのがぼんやりしているがために、何がしかのカタルシスを得られなかったという思いが残りました。

映画に於いては、これまでにも黒人への差別をテーマにした作品。同じく実話をベースにしたものも数多く制作されております。
これまで わたくしが見てきたそれらの作品と比べるならば、痛快さとか、感情を高ぶらせるものは弱かったかなと。

また1960年代のNASAでそういう動きがあったにもかかわらず。
2017年の大統領が何を訴えかけているのかと。それを思うと虚しさが残るというのが率直な気持ちでしてね。
それとこれ(作品のデキ)とは関係ないけども。

作品の作りは丁寧で、程よい軽妙さもあって楽しめる作りなのは間違いないけれど。
「これで良かった」と言い切るのには抵抗があるんだな。
ホントに私論ではあるけどね。

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NASAには差別はNAISA
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2017年09月18日

ダンケルク

クリストファー・ノーラン
フィン・ホワイトヘッド、ダミエン・ボナール、アノイリン・バーナード
1940年。フランス北端の海辺の町ダンケルクに追いつめられた英仏40万の兵士たち。
ドイツ軍の侵攻が迫る中、イギリスでは軍艦だけではなく民間船までもがダンケルクへ向かい、史上最大の救出作戦が始動していた。

クリストファー・ノーラン、初の実話ベースの実写化。もちろん映画ファンなら押さえておくべき作品かなと思うわけですが。劇場で席に座って気がついた。

この映画のことを知らなすぎる。あらすじもキチンとチェックしていないし、こちとら歴史に疎いもんだから、史実としてのダンケルクでの撤退作戦も そもそも理解できていない。
それなのに いきなり鑑賞して楽しめるのかと。そんな疑問を抱えつつ始まったわけですが。

ベタな邦画のような説明もなければ、そもそもセリフ自体も少なめ。
であっても、今がどんな状況で、おそらくこんなことが起こっているのだろうと。その点はついていけましたね。
さすがの映像表現力。

ただし事前にわかっておくとより楽しめただろうと思う設定が(キャプションで登場するけれど)海岸での1週間。民間船の1日。戦闘機の1時間の物語であること。
それを同時並行で見せつつ、要所でクロスしていく感じなのかな。

過去作でもそうらしいけど、ノーラン監督はリアリティを追求しまくる作風で、3Dを使わず実際にとんでもないセットを作ったり、撮影用に強大な畑を作ったり、無重力状態を作りあげたり。
そこで よりリアルな映像を撮影していくと。

今作に於いても、よくもこんな…と思わされる映像の迫力は素晴らしかったです。船であったり、橋の銃撃であったり。特に戦闘機は機内も、見上げる映像もハイクオリティで。
もうひとつ言うなら、音ですね。爆撃や銃撃の音は ほぼほぼガチで怖かったし、なんなら嫌悪感情すら覚えましたし。

これまでにも戦争映画を見て、良くも悪くも緊張感を体感することありましたが、間違いなくこの作品もそういった思いはありました。
が その反面、ドラマ性が やけに薄いなというのが正直なところ。

物語の主軸がコレというよりも、陸・海・空、様々なパートがあっての群像劇というべきか、登場人物の立ち位置があるんです。
んで、群像劇であればそれぞれにもストーリーをつけそうなものだけど、ここではグイと感情移入をできるほど、人物をクローズアップしていないんですね。

映画の作りとして様々なシチュエーションでの危機を 時間軸を違えて(106分で)見せるので、ドラマ性よりも映像のスゴさが印象に残るのはしょうがないのかな。

これまで目にした大半の戦争映画は、冒頭に“つかみ”の戦闘シーンがあって。それから主人公がどんな思いで、何を背負って戦地にいるのかが語られ。クライマックスの戦火の中、主人公は生き残れるのかと。
映像にドキドキして、ドラマにハラハラするものが多かったと思うんですよ。

だからそれを思うと、どうしても感情を揺さぶられるところまではいかなかったなと。率直な感想であります。

無理やり結論付けるなら。
映像が示す通り戦争ってとことんシビアだけど。誰かが助かって、家族の元に帰って来られて良かったとか。そこに英雄がいただとか。そういった美談に昇華するものでもないのかなと。
そもそも無いにこしたことはないのかなと。戦争なんて。
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2017年05月07日

帝一の國

永井 聡
菅田将暉、野村周平、竹内涼真、間宮祥太朗
4月。赤場帝一はある夢を胸に、国内屈指の名門校である海帝高校へ入学する。その夢とは、総理大臣になり自分の国を作ること。
海帝で生徒会長をつとめたものには、将来の内閣入りが確約されると言われており、2年後に控えた生徒会長選を見据え、帝一も野望への第一歩を踏み出した。

映画にはコミックス原作の映画も非常に多くて。
この後にも名のあるコミックスの実写化作品がズラリと並んでおります。
今作もそんなコミックス原作の一本で。

ただし わたくしはマンガは読まないので、今作がどのように人気なのか、支持されているのかまではわかりませんが。
それよりも映画「ジャッジ」の監督の新作であると。そちらに引っ掛かって見てまいりました。

要は、内容とか設定とか知らんかったんだけど。
いやいや、それでも十分に楽しめましたわ。

ゆくゆくは総理大臣となり、自分の国を作るという野望を持った帝一が、その手始めとして 名門高校で生徒会長を目指すという。それだけといえば それだけのことのなのだが。
そこで行われるのは ただの学園ドラマだけでなく、まさに政治ドラマ的な面白がり方もできるんよね。

んで主人公とライバルの闘争という図式だけでなく、ルーム長と副ルーム長という2人を立てることでバディ感を醸すことにも成功しているし、2年生という先輩をメインの対立軸とすることで、主人公の自由度が増しているように思えました。

そんな政治ドラマ的生徒会選挙に 程よいバカバカしさを重ねてあるんだけど。
全般的に ハズしていないのも素晴らしい。

ギャグのセンスに役者たちの上手さも相まってのことだろうけど、実際に思わず声出して笑っちゃうシーンもしばしば。
特に、帝一と父親がテストの点数を発表していく場面のすさまじさ(笑)

もはやあれは菅田将暉と吉田鋼太郎の役者としてのハイテンションバトルとして面白かったけどね。

今の時期もいろんな作品が公開されております。
中には大きなスクリーンで見るなら、もっと派手なアクション映画がいいって声もあるだろうけど、これはこれで満足度の高いバカバカしさで。
わたくし的には見て良かった作品です。


というところで、以下余談として。

なんだかエリートという前提でありながら 傍から見てるとバカかと思えたり。
法被にふんどしでウロウロする描写なんかもそうなんだけど。

わたくしが子供の頃に読んだ 小林よしのり氏のマンガ「東大一直線」が頭によぎりました。
それも好きな一因かも。

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永野芽郁のギタープレイが…♪
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2017年04月30日

タレンタイム〜優しい歌

ヤスミン・アフマド
マヘシュ・ジュガル・キショール、パメラ・チョン
ある高校で、学内で催される芸能コンテスト“タレンタイム”が開催される。
ピアノの上手な女子学生、二胡を演奏する優等生らが、宗教や民族の違いによる葛藤を抱えながら、タレンタイム当日を目指す。

2009年に製作されたマレーシア映画。
作品自体は評価は高かったものの、監督のヤスミン・アフマドが完成後に51歳の若さで脳内出血で急逝。

それから8年の時が流れ、晴れて日本での劇場公開となりました。

さて、そもそもマレーシア映画と言われても…なんならマレーシアと言われても…あまり予備知識もなく、手応えとして少々つかみにくいところはあるのですが。
それに加えて、作品内の設定が、やや ややこしい。

女性高校教師が“タレンタイム”の開催を提案。
そのタレンタイムとは、学校内でのいわゆる音楽コンクール。

腕のあるものたちが選ばれ、演奏を披露します。
当初は一部の教師も出場することになっていましたが、なんとなくなくなります。

物語は そのタレンタイムに出場することになった生徒たち、そしてその家族らによる群像劇。

さて、問題はここからなのですが。
その登場人物が、マレー人、インド系、中華系、お父さんがイギリス人? となんだか複雑なうえ、ヒンドゥー教にムスリム(イスラム教)と、各々の生い立ちから宗教の違いまで。
さらに 裕福な家庭、悲劇を背負った家庭、さらには母親が入院中という生徒まで。

その辺りは 決してハッキリと説明されないし、そのルーツの違いや宗教観など、日本人にはすんなりと分かりずらいものであるのは確かで。
また字幕だからわからないけど、どうやら マレー語、タミル語、英語、広東語が登場しているとか。

かと思えば、挨拶も返さない 不愛想なバイクの少年は、これまたある“病”を抱えていたりして。

そのいろんなわからない設定、わからない相関図を ぼんやり見ているうちに、だいぶ眠たくはなってきたけども。
果たして そんなバラバラな登場人物たちがわかり合うことができるのか。
その前に、わたくしが この作品世界をわかることができるのか!?

そんなところでしたが…
そのバイクの彼が 何故に不愛想なのかがわかったり。
タレンタイムの直前に不幸に見舞われた彼が演奏を披露する際に、ひそかにライバル心を持っていた子が二胡でサポートする場面であるとか。

ほんの17〜18歳という高校生でありながら、とても重い状況や環境と向き合うことを余儀なくされる。そんな描写には胸を締め付けられる思いがいたしました。

国境を越えて、言葉を越えて、思想も越えて。
感情とか 音楽なんかは、あっさりと国境を越えて伝わるものがあるんだなと。
とてもあたたかい映画。まさに“優しい歌”でしたね。

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マツコさん似の女性教師
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2017年03月17日

チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話

河合勇人
広瀬すず 、中条あやみ、山崎紘菜、天海祐希
県立福井中央高校に入学したひかりは、中学からの同級生の孝介を応援したいためだけにチアダンス部へ入部する。
しかし顧問の早乙女が掲げるのは全米大会制覇というもので。早々に退部者が出る中、チームメイトの同級生・彩乃の存在もあり、チアダンスに打ち込むひかり。全米大会制覇を目指し、チアダンス部の挑戦がはじまった。

わりと評判良いみたいで。
タイトルからして起承転結は予想はできるわね。んで実際にそんな展開だったし。
広瀬すずの明るい女子高生姿を見てて、昨年の「ちはやふる」を連想せずにはいられない。

そんな感じで見始めたのが、これホントになんかイイじゃない?
それどころか所々でウルウルきちゃって。
なんだかやられちゃいましたわ。

今の時代にガッツリとしたスポ根路線というのは、なかなかうまくいかないかな。
それよりも これぐらいのスタンスの方が現実的で。共感を得られるのかも。

早々に語られるチアダンスとはどんな競技か。そして ここにいる部員がどんなキャラなのか。
この辺りの導入部が上手くて。観客はまんまと見知らぬ競技の部員に同化させられたような。そんな感じで。

それからコメディ要素の部分が また上手やったなと。
あの先生また同じこと言ってるな〜という見せ方だったり。県大会の2年越しの天丼だったり。
あと ネタのフリがあって、オチた後を引っ張らず、スッと次のシーンに進めてしまう潔さ。こういうのが気持ちよかったですわ。

広瀬すずって、それらのコメディパートも意外とイケるんだよね。“おたま”を持ってフニャフニャ踊るトコなんかたまらなかったし(笑)
もちろん天海祐希さんも 普段からハキハキとしたコメント力あるの見てますからね。

その天海さんが演じた先生役。あらすじ的にはスパルタ鬼教師と書いてあるんだけど、そういう風には感じられなかったよね。
でも この作風に於いては、これぐらいのスタンスで正解だと思ったな。変にステレオタイプの堅物先生過ぎたら、ちょっと浮いてただろうね。

それ以外のキャストも個性光ってましたね。
そこにいるだけでニッコリしちゃう 富田望生演じるぽっちゃりの子とか。

今まで一人で踊ってて 笑顔を作れなかった子なんかは多くの共感を得られるんじゃないかな。
んで その子を演じた山崎紘菜にはなんだか視線を奪われまして。今後オファーが増えそうな予感。

物語としては、彼女たちが順調にステップアップを果たし、全米大会にまで上り詰めるわけですが。
ここで 最強に厳しい判断が待ち受けていて。

わたくし自身 似たような経験もしてきているので、すごくよくわかるんですよ。あの先生の決断が。
ここまで頑張ってきた彼女たちにもショックだったり、先生にとっても大変なことなんだよね。

でも そこで「端っこでもセンターのつもりで!」という言葉が生きてきたり。
「あの子、笑顔だけは…いや、笑顔だけじゃない」というヤツがいたりするんだよね。
あの辺りは超共感せずにはいられなかったし。だからこそ泣けてきてたまらんかったですわ。

そんな苦境を経て…知ってるから書いちゃっていいでしょう。彼女たちは優勝の栄冠を勝ち取ります。
その歓喜の場面でもウルっときたのだが。

よくよく思えば、近頃のこういう系統の映画って「優勝まではできなかったけど、何じゃ大切なものはつかんだ」的な着地点が多いような印象があって。
リアルでは優勝を手にできない人の方が圧倒的に多いですから。そんな結末の方がシンパシー感じる人は多いのかもですね。単純に。

でもね。映画として見るうえでは「ヤッター!1位だー!」という場面を見るのも、素直に気持ち良かったですわ。
というわけで。結構広い年代の人が見ても案外共感を得られそうな。そんな気がします。

最後に、中条あやみ演じた彩乃が ああいうことになって。素直に喜べるのかなという疑問もあったけど。
いやいや、だからこそCAという夢を叶えたよ〜というエピローグで救われました。
最後の最後まで上手い映画やなぁ(笑)

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明るく、素直に、美しく!!
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2017年01月28日

沈黙 -サイレンス-

マーティン・スコセッシ
アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形
17世紀、江戸初期。幕府による激しいキリシタン弾圧により、宣教師フェレイラが捕らえられ棄教したとの知らせを受け、弟子ロドリゴとガルペは、マカオ経由で長崎に潜入。弾圧を逃れた“隠れキリシタン”たちと出会う。
しかし幕府の取締りは厳しさを増し、ロドリゴたちも捕らえられてしまう。。

原作は遠藤周作の小説「沈黙」。そして監督は「ウルフ・オブ・ウォールストリート」「シャッター アイランド」などの巨匠マーティン・スコセッシ。
江戸時代初期の日本に於けるキリスト信仰がテーマ。

チラシには『「人間にとって本当に大切なものとは何か」を描き出す渾身の超大作』とあります。
宗教・信仰ということをそこに置きますと、難しいものではありますね。ぶっちゃけ。

ちゃんと勉強をしてこなかったわたくし。
それらの歴史的背景も、遠藤周作の伝えたい思いもわからないところで 素のまま感じるしかないのですが。

何かを信じることは尊いことではありますが、自身の思いと相反するものを封じ込めるのも違うとは思います。
今のトランプ大統領の行っていることも やはり眉をひそめてしまう部分はありますが。

でもトランプ氏のやってることは政治であって。宗教やそういう類での弾圧とはまた意味合いが違ってきてしまうかな。

結局 人それぞれが“オレ様教”という言い方もアリなわけで。
自分はキリスト教を信じる。日本人は仏教だ。いやイスラムだって。
あるいは キチジローのように神に背くようなことをしつつ、その都度 告悔(こっかい・自分の罪を告げること)を繰り返しては、みそぎをしてOKというのもそれな気がする。

なんとなくだけど、この作品は そのいずれも否定はしていないのかな。
場合によっては 己の中の信仰こそと唱えているようにも。

たとえばキリスト教の宣教師が日本で拷問にあうという、単純に“イイもん”と“ワルもん”を配した方がわかりやすいわけで。
決して それだけをクローズアップした作風でもないので、エンターテイメントとしては物足りないかもしれない。
バランスが良いとも言えるけど、悪く言うと“無難”なおさまりでもあるわけで。

んで最終的にはね、誰にも心根を告げず、自分の中にだけ信じたものがあったという意味で“純愛”という言葉を使ったら安っぽくなるかな?

製作国はアメリカ。日米の合作というカタチではありませんで。
日米 多くの役者さんが登場しておりますが、ひと昔であれば このような場合、日本人キャストが弱かったり 超・大根だったりしたもんですが。

日本人キャストがいずれも良かったですね。
まぁ海外の作品で活躍されてる方も多かったけどね。

浅野忠信さんは十分に怪しさ纏ってたし、イッセー尾形さんも飄々とした威厳を見せつけてくれましたし。
塚本信也さんらの海での拷問シーンは…ガチだよね(苦笑)

そんななかで窪塚洋介さんの存在感は異質で。だからこそ光っていました。

特筆すべきは時代劇としての描写も素晴らしく、衣装や江戸の街並みも 違和感なくアラもなくで。
聞いた話では 多くのシーンが台湾で撮影されたとのこと。
台湾にあのセットこしらえたんかね?

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隠れ仕切担
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2017年01月16日

たかが世界の終わり

グザヴィエ・ドラン
マリオン・コティヤール、レア・セドゥ、ヴァンサン・カッセル、ナタリー・バイ、ギャスパー・ウリエル
人気劇作家のルイは「もうすぐ死ぬ」と家族に伝えるため、12年ぶりに帰郷する。
母、妹、兄、そして初対面となる兄の妻。ぎこちない会話に阻まれ、そのことを打ち明けることができないルイ。やがて兄の激しい言葉を合図に、それぞれが秘めていた思いが噴出する。

第69回カンヌ国際映画祭でグランプリに輝いた作品。

主要キャストはわずか5人。
いずれも名のある役者たちですが、単純に“豪華キャスト”とは言い切りにくい。どこかクセあるなあって印象の方が強いかな。

自身の死期が近づいてきていることを伝えるため、12年ぶりに故郷へ帰る主人公。
出発の飛行機で離陸を待っていると、不意に後席の子ども(?)に目をふさがれ…

そして辿り着いた“家”には 近くて遠い母、兄。通じ合いそうだが過去を持たない妹と義姉。
しかしよく見てみると、本当は誰もが分かり合っていないように感じられて。

そこには5人の親族がいるはずなのに、カメラは常にワンショットで。
そんな所からも コミュニティとしての家族ではなく、とてもパーソナルな個の集合体のように思えました。

この映画はこれだけで一応の起承転結の体を成しておるのですが。
全てを語るのは野暮なことと認識したうえでですが。その“起”以前の物語が見えないので、正直 全てを飲み込むのは難しい。

んで、とてもデリケートなテーマでもあって。そもそも論になっちゃうけど、字幕では伝わりきらないよね。
たとえ映像で表情はわかっても、言葉のイントネーションなど、ネイティブでないと伝わりにくいニュアンスはあるでしょう。
昨今では字幕も文字制限があったりして、台詞そのものが ざっくりとしたものにされてしまうわけだし。

基本 会話劇である以上、そういう意味での伝わりづらさは否めないですかね。

実際のところ、兄と弟の間に何かあったのか。
思い出の中の彼女と何かがあったのか。
でもルイはゲイという話もあったし。

本来なら 最も近しい存在として描かれる家族ではあるけれど、近しい存在のハズだからこそ、時として残酷な関係になってしまうものなのかな。
お互いに本心では わかっていながらもね。

命の終わり、イコール世界の終わり。
でもそれよりも家族と向き合うことの方が…

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まさかの♪マイアヒ―
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2017年01月02日

ちょき

金井純一
増田璃子、吉沢 悠、藤井武美、和泉ちぬ
和歌山市の商店街で美容室を営む直人。5年前に先立った妻の仏壇にコーヒーをあげ、仕事へ向かう直人。
妻・京子は美容室の2階で書道教室を開いていた。そこに通う7歳の少女サキを 二人は自分の娘のように可愛がっていた。
それから10年後、直人の美容室に高校生となったサキから電話がかかってくる。サキは視力を完全に失っていた。

和歌山の商店街…その裏通り的な場所にひっそりと存在する小さな美容室。このロケーションがたまらない。

レコードとコーヒーが好きな直人。そして住民たちからも好かれる直人。
5年前に先立たれた妻への変わらぬ思いが、彼のやさしさのベースなのかな。

彼の元にかつて娘のように可愛がっていたサキからの電話が。
普段通りのやさしさで彼女を受け入れる直人。

10年ぶりに再会したサキは視力を失っていた。
もうひとつ言うなら、17歳になっていたってことだよね。

やがて学校を出て 新たな進路、新たな一歩を踏み出さなくてはならないサキ。

わたくし的には彼女の思いが、伝わりきらなかった。
今後の暮らしのために直人が必要だったのか。そもそも直人への淡い想いがあったのか。妻が亡くなっていることを知っていたのかも。

ある出来事により視力を失ったサキ。その時点で彼女の過去も止まっているとも言えるけど。
直人からすれば、あの日小学生だった女の子が、成長して自分を頼ってきて。

「一緒に暮らそう」にはどんな思いがあるのか。
やっぱり娘として受け入れるのかな。彼とすれば他の誰かと再婚なんて考えられないけれど、サキならば妻も受け入れてくれるとの思いもあるのか。

なんとも言い切ることのできない感覚が残ってしまって。
やや消化不良な部分もあるのだけど。

戸惑いの一因であるのが、チラシにあるビジュアルで。
その写真の中のサキは赤い服を着ているんだけど。

実際の映画の中のサキは赤を纏うような女性じゃないんだよね。
それとも この写真は、映画の後日談の情景として割り切っていいのかな。
いずれにせよ この赤色は自分の中ではミスリードな要素になってしまったですわ。

やさしくて、物静かで、ふんわりとした映画の雰囲気と、チラシのビジュアル。
登場人物たちに秘められたホントの思い。

わたくしの中でそれらが同期できなくって、ちょっと戸惑っちゃったなぁ。

でも吉沢悠さんはもちろん、今作が初主演という増田璃子さんも素晴らしい雰囲気を醸していたことは間違いないです。

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ウルフじゃいじめられるよね
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2016年12月27日

ドント・ブリーズ

フェデ・アルバレス
スティーブン・ラング、ジェーン・レヴィ、ディラン・ミネット、ダニエル・ゾヴァット
訳あって盗みを重ねる3人の若者が、事故で娘を亡くし、多額の示談金を受け取った盲目の老人宅へ忍び込む。ところが この男、退役軍人としての“腕”を持ち、どんな“音”も聴き逃さない異常者だった。
当初は簡単な仕事だと思っていた若者たちが、暗闇の中で追い詰められていくことに…

決してメジャーな作品ではないけれど、全米ではジワジワ評判が広がって今年の夏の大ヒットとなったという作品。

日本でも公開館数は多くは無いけれど。その分 わたくしの見に行った回は満席状態。
冬休み需要で高校生だか大学生だか若者がいっぱい。

それだけ客がおったら 上映中に会話が聞こえたり、集中力を削ぐような客もチラホラ出そうなもんだけど。
まったくそれがありませんで。

ひとつは 映画としての緊張感が張り詰めていた事実であり、もう一点、作中の設定として 声を出せない、なんなら Don't Breathe“息もできない”作品だったからでしょう。

わたくしの率直な感想は…泣けました。
ただし初めてでした。怖くて泣けてきたのは(笑)

こちらから相手は見えている。向こうは見えていない。でもこっちの存在には気付いてる。
それだけでも怖いのに、地下室の真っ暗闇の中に場が移っちゃったら。こっち敵わんやん(涙)

オバケやモンスターの怖さとは違って、狂気を孕んだ人間とストレートに向き合う怖さ。
ところが、その直接対決の怖さに加え、別要素の“胸クソ悪さ”も迫ってきたり。意外な展開がチョイチョイ差し込まれるので。
(悪い意味で)ものスゴ楽しかったですわ。

基本的には一軒の家だけで、わずか88分で。これだけの見応えあるのは素晴らしいっす。

サスペンス系であり、ホラーの要素もあり。
一応おススメですが、怖いのダメな人にはホントにダメだと思うよ(^-^;)

ちなみに続編も企画されてるってウワサなんだけど、どうなるやら!?

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体液軍人とはよくいったもので
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2016年06月23日

デッドプール

ティム・ミラー
ライアン・レイノルズ、モリーナ・バッカリン、エド・スクライン
特殊部隊の傭兵として活躍したウェイド・ウィルソン。今では今は悪党を痛めつけては金を稼ぎ、相性バッチリの恋人との結婚も決まっていた。ところが突然 末期ガンだと診断され激しく落ち込んでしまう。
しかし ある組織からガンを根治できると聞き、彼らに同行して人体実験を受けるのだが…

字幕版にて鑑賞してきました。
そもそも昭和の“仮面ライダー”や“ウルトラマン”育ちなもので。正直 アメコミヒーローがそれほど得意では無いのですが、これはこれで面白そうだったので。

このデッドプールという男。初めは“スパイダーマンのにせもの”かと思ってたんだけど。実際、何者かというのは見ていればわかります。

いったいなぜこんなに強いのかというのは、特殊部隊出身ということやね。
いったいなぜこんなによくしゃべるのかは、性分としか言いようがないか。
でも多少の基本情報として、ミュータントという存在。そして「X-MEN」のキャラクターってのは知っておいた方が、映画を“より”楽しめたのかな。

さて、序盤の橋の上でのバトルシーン。おしゃべりも交えて楽しくエグく。
まさに このキャラクターを知らなくても、見応えのある作りになってます。
やぁホントやんちゃなヒーローだね。いや、ヒーローではないのか。

ところが。その後、なぜこんなキャラになってしまったのかという回想シーンを経ていくと、ちょっと印象変わります。
ただ口が悪い乱暴者なわけじゃないんだ。ホントはいいヤツやん。映画としては純愛やん。
思ってたのとちょっと違う路線入っていくけれど、これはこれでいい感じ。

人間関係でもあることですが、第一印象と その後に知る人となりで、さらに魅力が増すなんてね。
そんなところも この作品の魅力なのかも。

あと映画ファンには様々な作品をモチーフにしたセリフや行動なんかも多々あるので、その辺りをチェックするのも楽しいよね。
わたくしは「127時間」のくだりが お好きです。

さて、ちょっと気になったのが この映画のバトルシーン。
さすがに不死身の、無敵のミュータント同士が戦うと、なんでもありを越えたなんでもあり加減で。

ボッコボコに殴る蹴る、ナイフが刺さっても戦い継続。まあ何があっても死なないってのがわかってるので、その意味でのドキドキ感は乏しくなりがち。
もちろん何がしかの決着はつくのだろうが…と思っていたら“ズドン!”ってのがあったけど。

えっ、アレでホントにやっつけたん!?
それまでのドッタンバッタンではそんな感じ無かったのにね。

そんなこんなで少々思い切った攻撃をするシーンがあって、「R15+」作品になってます。15歳未満の入場・鑑賞を禁止です。
R15+なら「ヒメアノ〜ル」と同じじゃん。全然こっちのが軽いと思うけど。
それでも中学生は見られないのか。なんだかねぇ。

全編通して音楽もノリがよかったり、しゃべりもテンポ良かったりはしますが。
クールさでは「キックアス」のヒットガールに軍配。まぁ好みの問題だけどね。

そして第四の壁を越えて観客に語り掛ける描写も随所にみられるんだけど、裸眼ではなくマスクの白目で見ているので、カメラ目線感がやや伝わりにくくなってます。そして今回は字幕版だったので、ニュアンスがストレートに伝わりにくくって。
その分 ややハンディだったか。

でもアメコミ不得手なわたくしにも十分及第点の楽しさであり、その楽しさはエンドロールのその後まで続くので。
客電つくまで、なるべく席は立たないように。

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ワム!最高!(笑)
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2016年05月23日

ディストラクション・ベイビーズ

真利子哲也
柳楽優弥、菅田将暉、小松菜奈、村上虹郎
愛媛県松山市の港町で暮らす泰良と将太の兄弟。ケンカに明け暮れていた泰良は、ある日突然姿を消してしまう。
北原裕也は路地裏でケンカをしている泰良に興味を持ち「おもしろいことしようや」と声をかける。二人は無差別に暴行を働き、車を強奪し、乗り合わせていた少女・那奈も巻き込んで走り出す。

何やら映画ファンの間でちょっと「ざわついてる」感のある作品。
確かにコイツは…

中心となる柳楽優弥、菅田将暉。いずれも今 テレビドラマでも活躍してて。
そちらでファンになった人なんかがこの映画観たら人間不信にでもなっちゃうんでないかな(苦笑)
それぐらいの衝撃あったけど。

柳楽優弥演じる泰良(タイラ)はひたすらケンカをしています。
冒頭こそ多人数にボコられるシーンなんだけど、それ以降は誰か相手を見つけては ただひたすらにボコボコにして、されて。

ターゲットを決めたら後をつけていって襲い掛かるとか。ほぼほぼ野生の動物なみ。マジ街中ですれ違っても絶対に目を合わせたくないヤツ。
しかも街のチンピラ相手にも臆せずに…いや、嬉々として殴りかかるとは。
こんなキャラ、今まで存在しなかったよね。

それでなくても この行動の目的が見えない。誰よりも強くありたいとか、焦燥感とかそういうのを感じさせず。
唯一語ったのが「楽しけりゃええけん」とは。

一方、その泰良と行動を共にするのが菅田将暉演じる裕也。
初めは なんか“調子のいいヤツ”と見てたんだけど。泰良と組んでから本領発揮。
すれ違う女性をボコる蹴とばす。やぁなんなら女しか殴っていない。

わたくしもいろんな映画見てきましたが。訳あって女に手を出すシーンはあっても、無差別に女性をボコるヤツなんて見たことない。
んで クズとしか言いようがない。映画だと、作りものだとわかっていても、こんなに嫌悪感が湧くとは我ながら思わなかった。

事前の予告編でどんな感じの作品でどんな展開なのかは入ってはいたけれど。それ以上の進展はなし〜といってもいいのかな。
彼らの行き付く先というのも決して…

とにかく衝撃的な作品ではあるんだけど、本質を読み解くのはなかなか難しいよ。
そのうえで気になったところとしては、おそらく、たぶん、東京ではちょっと成立しないのかな。
愛媛県松山市という地方都市だからこそなのかもしれない。

そして泰良と裕也の服が入れ替わるというのは、何がしかの意味合いがあるのかな。
あと演出面では全般的にセリフが聞き取れません。セリフ以上に他の音がかぶせてある場面があったり、泰良は終始 言葉を必要をしていないからね。

そんな印象に残ったところもありつつ、でもやっぱり泰良が何を考えているのかは やっぱりわからない。
だから怖いし、だからシンパシーも感じてしまう。

しかし柳楽優弥のダークヒーローっぷりは凄かったです。役者として。ホントまざまざと見せつけられたって感じがします。
弟役の村上虹郎は この中にあってはさすがに弱かったかな。でも目つきの悪さは あの兄あっての弟だと見えました。
最後に余談ですが、菅田将暉の顔面は高畑充希とちょっと似てるね。

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破壊する赤ちゃんたち
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2016年05月05日

ちはやふる -下の句-

小泉徳宏
広瀬すず、野村周平、真剣佑、松岡茉優
強豪・北央学園に勝利し全国大会出場を決めた瑞沢高校競技かるた部。千早は かつての仲間・新にその報告をするが、帰ってきた言葉は「俺、かるたはもうやらん…」。
ショックを受ける千早だが、最強のクイーンと呼ばれる詩暢の存在を知り、彼女に勝って新に「強くなったな」と言われたいと、懸命に仲間たちと練習に打ち込むが…

“上の句”から間1ヶ月を置いて公開の下の句です。
上の句が なかなか佳作だったこともあり、今回の下の句に期待したのは 物語のクライマックスと今作から登場の松岡茉優。

その点で言うなら、 松岡茉優は良かったです。
テレビのバラエティに出てても非常に反応のいい子なので表現力ってのは備わっているのでしょう。その良さなのか何なのか、キャラクターもビジュアルも大満足。女優として素晴らしいですね。

ただし、もう一点のクライマックス感は やや弱いと言わざるを得ないかな。
物語の軸となるのはチームワークの大切さと“君はひとりじゃない”ですね。

でもそんなのはこれまでの数多の映画・ドラマ・音楽 等々で伝えられてきてるメッセージなわけで。
だったら それをどれだけスマートに訴えかけられるか〜なんだけど。

まぁ今の瑞沢高校競技かるた部だけでなく、幼い頃の3人もチームだよと。さらには対戦相手の詩暢までも その括りに入れるのは良いでしょう。
でもそこまでの積み重ね方が、イマイチ響いてこなかったかなぁ。

千早・太一・新の絆は前作でもまぁまぁわかってることだし。
意外性とかどんでん返しとかについては弱かったですね。

今回は完全に“上の句”あっての“下の句”という設定なので、登場キャラや相関図の説明は一切なし。
「もちろん前作は見てるよね」というスタンスであって、上の句を見てない人からは まるっきり感情移入できない構造。
それはそれでは ある意味潔いとも言えるけど。

でもひとつの物語を二つに分割した分 中身が薄まっちゃったような。
いろいろおいしいキャラ揃ってるのに、各々の見せ場が少なかったもんね。

でも全体に流れるコメディ感は嫌いじゃないですよ。
マンガチックな絵作りであったり、(笑いで最も重要と言われる)緊張と緩和の切り替えとかは素直に楽しめましたです。

ぶっちゃけ どんな映画でも1作目よりも落ちるものですから。2作目って。
それを差し引いたら、これはこれで…と思ってたら。

過日3作目の製作が決まったとのニュースが。
大丈夫かいな!?(苦笑)

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ちはやふるにつみきみほ
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2016年04月29日

太陽

入江 悠
神木隆之介、門脇 麦、古川雄輝、村上 淳、古舘寛治
21世紀初頭。ウイルスにより人工は激減。生き残った人類は 健康で高い知能を持つ一方、太陽の下では生きられないノクス。太陽の下、貧しいながらも自由に生きるキュリオに分かれて生きていた。
2つの世界で生きる人間たちの行く末は、対立なのか融和なのか…

あらかたの設定、SFテイスト、舞台でも上演された作品。
それらはチェックしたうえでの鑑賞。

特異な環境ではあるけれど、それをどのように理解するか。
韓国と北朝鮮。社会主義国と共産主義国。あるいは映画そのままに近いけど、都会と地方の集落とか。

いろいろ考えて照らし合わせながら、この映画の向かうべき方向を考えていたけれど。どれも似て非なるような。

いつか あそこに行きたいと願っていた少年はそれが叶わず。
なんとも思っていなかった少女が そこに安住の地を見つける。
因果なものにも思えるけれど、案外似たような事例は身近にありそう。

ところが少年は 誰もなしえなかった新たな融和という希望を見い出す。
登場人物は決して多くは無いけれど、いろんな思い、願い、そして可能性が見て取れる映画なのかもしれません。

キュリオからノクスへ変わるには、人工透析よろしく赤い血を紫に入れ替え、そして一瞬の痛みを伴うものらしい。
それが可能なら、逆にノクスからキュリオになることもできるのかな?

でも太陽があろうがなかろうが、裕福な暮らしから わざわざ貧乏になろうって発想は出てこないかな。

派手な展開なんかは無いわりに、退屈することなく。グイグイと物語に引き込まれました。
ただ、個人的には あのレイプシーンは必要なかったかなぁ。

それだったら、あの一件で彼女が妊娠してしまって。その後にノクスとなった母がキュリオの子供を産んでしまうとか。
そうなったらどうなんだろうという展開も想像してたのでね。

ストーリーとは関係なくですが、神木くんを麦ちゃんが19歳の設定で“子ども扱い”というのは ちょっと無理があるように見えました。
あと神木くんの演技のやりすぎ感っちゅうか、少々浮き気味だったですね。
もちろん作品として悪くはないんだけども、ちょっと気になっちゃったかな。

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ずっとここにいタイヨウ
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2016年03月29日

ちはやふる -上の句-

小泉徳宏
広瀬すず、野村周平、真剣佑、上白石萌音
いつも競技かるたで遊んでいた千早、太一、新。しかし小学校卒業を境に離れ離れになってしまう。
競技かるたに情熱を燃やす千早は高校で太一と再会。ともに競技かるた部を作り、全国大会を目指す。

原作は様々な賞も受賞している大人気コミックス。それを広瀬すず主演で実写化。
よくよく見てみると、意外と有名なキャストは出ていない。舞台が高校という事もあり、まだ これから〜という若いキャストさんが中心。

こう言ってしまうと やっぱりキャスト、演技の弱さは否めないかな。
ただ後半にかけて各々のキャラとか現場のチームのノリができてきたのか、徐々に盛り返してきたけどね。
後に公開される“下の句”では期待しても良さそうかな。

見た人の評判は意外と良いみたい。わたくし“競技かるたの映画”という程度で、事前の情報を ほぼ入れないままでの鑑賞。
しかし序盤のかるたのシーンから「おう、そういうことか」と。「わりとコメディのテイストなんだね」と。
見る側としてのスタンスのスイッチ、入りましたわ。

そういう目で見れば、これはこれでなかなか面白かった。
千早がガチでポスターを張りまくってる場面はまさにマンガ。
集中力が途切れると 白目をむいて寝込むのもなかなか。んで終盤のシリアスな戦いの直後に“死んだ!”なんて緩急の付け方はお見事でした。

そういった面白味はあるんだけど、競技かるた部としての“スポ根的”なストーリーは やや安易な気がしないでもない。
新たな部活として結成 数か月でそんな“簡単に”優勝できちゃうのかと。
まぁ3人が勝てば〜というルールだからそれはそうなんだけど。

もう一つ気になったのは・・・ズバリ、広瀬すずちゃんかな。
それはそれでカワイくって。ただこれまでの彼女への印象からすると、今回のキャラは唐突な感じがしてしまう。ちょっと無理してないかと(苦笑)
コメディ路線もアリはアリなんだろうが、言ってしまえば この役は能年玲奈で見たかったですわ。

能年ちゃんが「あまちゃん」や「海月姫」で見せたコメディエンヌとしての才能は、この作品にピッタリだと思うんだけどなぁ。

なんて言いたいことを言ったところで。
見た人の満足度が高いのはわからんでもない。
その秘訣は 失点が少ないということのような気もする。良かったポイントは普通の青春映画と大差ないのでは。
その一方で「これは…」というツッコミどころもそれほどないと思えました。
決して つまらないわけでもなくってね。

それもこれも2部作の1作目というスタンスあってなのかな。本当の意味でのクライマックスは次作で〜と。
その“下の句”では 密かに気になる松岡茉優が登場となりますので。
それも含めて期待しておきましょう。

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あの人気タレントの妹なん!?
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2016年01月13日

映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年

高木 淳
(声)TARAKO、中川大志、劇団ひとり、渡辺直美
花輪君のお願いで、世界5カ国から来た子どもたちが クラスメイトの家でホームステイをすることに。
「どうしても まる子の家に滞在したい」というイタリア人のアンドレアに 初めは戸惑うまる子だったが、彼が日本へ来たかった理由を知ってしまい…

アニメ版の放送開始25周年を記念しての劇場版第3作。
こう言ってはなんだけど「ドラえもん」や「しんちゃん」の劇場版みたいに突拍子もないものはできませんわね。まる子は。

確かに有名タレントが吹き替えをやってるとか、主題歌が別バージョンになってるとかはありますが。
だからって「こんなんテレビで拡大版でやりゃいいじゃん」なんてことを言い出しては元も子もないわね。

ここは素直に 映画館で見られる まる子の世界に浸るべきでしょう。
嫌やったら見に行かなきゃいいだけで(苦笑)

でもこの作品は原作者・さくらももこ みずからが脚本を担当しているので、正当な映画版と言ってもいいんじゃないのかな。

要点としては世界の子供たちとまる子たちのふれ合い。
みんなが暮らす清水の町を飛び出し 大阪・京都への旅行。
そしてアンドレアくんの思いを成就させると。そんな感じ。

のっけから「ボクは、マルコが、スキです」というセリフには唸らされました。そうだね、イタリアであればマルコは馴染みありそうだもんね www

そしてまる子たちが向かった大阪。
「たこ焼き食うなら この店が美味しいで」「花月行くんなら割引券あげるわ」「その人やったら隣のおっちゃんが知ってるで」。
普通やったら なんでそんなに優しいの?と言いたくもなりそうだけど、大阪人の気の良さは ある意味リアリティ。
そうやって話がつながっていく描写は まるで「探偵ナイトスクープ」かのごとくで www

そして終盤。上手く物語がつながっていってのエンディング。
必要以上のミラクルや やり過ぎ感もなく。その分 すんなりと良いオハナシとなっていて。
演出が過剰すぎると逆に嘘くさくなっちゃうから。それを思えば この展開は わたくし的には好感。素直にいいもん見たな〜と思えましたよ。

大原櫻子が担当した「踊るポンポコリン」と挿入歌の「キミを忘れないよ」。
世界の子供たちが歌う歌。そしてエンディングのウルフルズと 音楽もとても効果的だったですね。

特に「キミを忘れないよ」は物語とリンクしてて思わずウルウル。
わたくしの泣きポイントとしては、味を受け継いだスパゲッティを食べるところもね。

泣いて笑って ほんのちょっとノスタルジー。
ちびまる子ちゃんらしい映画版だったと思いますよ。

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カウス・ボタン、仁鶴、寛平も…
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2016年01月02日

DENKI GROOVE THE MOVIE? 〜石野卓球とピエール瀧〜

大根 仁
石野卓球、ピエール瀧、砂原良徳、CMJK
2014年に結成25周年を迎えた電気グルーヴ。これまでのライブ映像や関係者へのインタビューを交え、唯一無二の存在感を放つ電気グルーヴの歴史を総括する。

わたくしの電気歴は初期の頃ですね。アルバムはインディーズ版の「662 BPM BY DG」から「VITAMIN」まで持ってます。
時にムチャクチャで悪趣味で楽しい感じの方向性から、「VITAMIN」で大きく一気にテクノ寄りでの一つの完成形を見せたところですな。

映画としてはそれ以降のストーリーもそうですが、自分が聴いていた時期の知られざるエピソードも興味深かったですね。

証言者として登場したCMJKが丸くなってたことに驚き。長く電気として活動してた まりんの証言に「こんなにしゃべるんだ」とやっぱり驚きつつ、まりんなりの電気愛も感じられ。なんか癒されました。
その まりんによる「Shangri-La」のウラ話。そういう流れを知ったうえで あの曲を聞くと こっちまで「この曲ヤバいわ」と言わずにはいられなかったし。
その後の海外進出のくだりも興味深かったです。

世界的に評価の高い DJ卓球さんの姿を見てると、本来はそういうプレイヤー志向なのかなと思うんですよ。でも それとは裏腹に、電気では積極的に歌ものとかもやっておられて。
んで 気持ちよさそうに歌ってる姿を見ると、それがなんか嬉しかったり。

そして悪魔のようなニッコニコのスマイルで客をアジテートする瀧さんのパフォーマンスも目が離せません。
そして今回見て気付いたのは、この二人の声も好きなんだなと。
まさにこの二人でこそ、電気グルーヴなんですな。

電気グルーヴを表現する際 テクノという言葉が使われるんだけど、スタート時はもうちょっとバンドっぽかったり、HIPHOPっぽかったり あるいはラップだったり。
ん〜なんだかどれも正解であり、どれもしっくりこないようにも思えて。

おそらく活動時期によってスタイルの変化があるからなんだろうけど。
でも それでありながらコレっぽっちも「ブレてる」と思わせないということは、音楽のジャンルとか くくりを越えた存在が電気グルーヴだからなんでしょうね。

たぶん おそらくそれに似たことやってるミュージシャンは多いのかもしれないけど、電気に 卓球さんに 瀧さんには及ばないんだろうね。
それぐらい完成されてますよ。電気のパフォーマンスは。

こうやって25年のストーリーを見ていて再認識したこと、思い知らされたことが多々ありました。
もひとつ言うなら、それを可能にしたのは大根監督の手腕によるところも大きいですわね。
とにかく、これはドキュメンタリーのジャンルでありながら、見る価値のある映画であります。

膨大な資料映像、そして新録インタビューのなかから、ファンにとっては堪らないヒストリーであり、そうでない方にとっても伝わりやすい構成へと仕上げられておりました。
また各アルバムジャケットや、かつてのメンバーショットの見せ方に大根監督らしい技法も垣間見えましたから。

かつてのファンとして、この作品とも前後して最近のライブ映像とかも見たんだけど。今現在はデビュー直後の暴れっぷりとはまた違う魅力がビシビシ伝わってきました。
卓球さんと瀧さんには いつまでもカッコイイ電気グルーヴあってほしいですし…

ステージを降りたら いくつになっても悪ノリしまくるオトナであってほしいですな。

余談ですが、公開日である2015年12月26日は卓球さんの48歳の誕生日でして。
♪Happy Birthday ステキなプレゼント おめでとう自分〜
ってかな…ww

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「富士山」って、三・三・七拍子だったんだな
posted by 味噌のカツオ at 00:35| Comment(0) | TrackBack(0) | タ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月20日

天空の蜂

堤 幸彦
江口洋介、本木雅弘、仲間由紀恵、綾野 剛
1995年の夏。最新の巨大ヘリが 一人の子供を乗せたまま、遠隔操縦により奪われてしまった。そのヘリは原子力発電所・新陽の上空でホバリングを開始。犯人からは「全原発の即時廃棄」要求が届く。
8時間後、ヘリの燃料が尽きればそのまま原発に落下し日本は壊滅状態に。タイムリミットに向け、ヘリ開発者の湯原らはあらゆる手段を模索するが…

堤幸彦監督というと今年は「イニシエーション・ラブ」なんて面白い作品が公開されてたわけですが。
今作は打って変わって、相当シリアスなテーマ・演技の作品であります。

ただ「イニシエーション〜」は80年代。そしてコチラは1995年が舞台という事で。
登場する車両とか小道具とか、いろいろ気を使われたのでは…

それはさておき、結論めいたこと言うなら、これは思ってた以上にハイクオリティな出来栄え。
脚本、ストーリー展開、キャスト、登場人物の熱量、いずれも高い。

原作は東野圭吾氏が20年前に発表した小説。
諸々のレビューでも「原作が台無し」的な苦言が見られないのは、20年も経過しているからなのか、あるいは原作に忠実な映画だったからなのか。
仮に後者だとするならば、いろんなことを経験してきた日本ではあるが、20年経ってもその問題点や体質はコレっぽっちも変わっていないことの証明となってしまうのだが。

原発の是非、そこに横たわる政治の問題。さらにパーソナルな家族や仕事を絡めながらも、ゴチャゴチャした印象がないどころか、グイグイ引き込まれます。
あらすじを見た段階では、ハードなテーマに無理矢理 子供のピンチを絡めてるとしか思っていなかったんだけど、子供については中盤で見事解決。

あの段階で大きな山場を持ってくることで、中だるみをさせない二重構造は見事。
個人的には高所恐怖症なので、ソワソワしっぱなしの映像だったけどね(苦笑)

それ以降はもう一つ、いや本筋の解決に向けていくわけですが、これまた群像劇ではないけれど、それぞれが絡まないポジションで同時進行で見せていくのも良かったですね。
下手するとチンプンカンプンになる危険性も大いにあるんだけど、トリッキーな見せ方の上手い堤監督ならでは〜ですかな。

映像については、あまり未知のメカが出てきたり派手なドンパチやってしまうと、日本の予算の限界か安っぽく見えてしまうんだけど、そうならないギリギリのところのアクションで。
いい意味で見応えのあるものに仕上がっていました。

主演の江口洋介は優しい顔立ちの奥でアツさ持っているんだろうなと感じさせるキャラとしては打って付け。今さら“あんちゃん”呼ばわりは失礼かもだけど、観客の期待は裏切りません。
一方のモックン・本木雅弘は何を考えているか ややつかみきれない怪しさを覚えてこちらも好演。スーツの下が妙にマッチョに見えたのも個人的には 何がしかの幻想を抱かせる意味でGood。

そこに程よく佐藤二朗のトボケ具合が絡むのも堤流か。
ただ手塚とおると松島花の方言責めだけは やり過ぎかな。

というわけで、こんな感じのクライムサスペンス映画は多々ありますから。ストーリー展開も映像も、海外で上映してもウケそうなレベルだと思うんだけど。
ただし、ただし、原発の設定。もっというなら原発の成り立ち、歴史、危険性、存在感、意義、それらを知っている日本だからこそ、その問題提起やメッセージが伝わるところあるけれど。

ん〜でも それを含めて。エンターテイメントを通して、日本の原発政策の問題点を見てもらう意味でも、世界に送ってほしい作品だと思いますよ。
とにかく、見応え抜群の作品です。

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最後の最後で“S”っぽくなった
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2015年07月06日

天の茶助

SABU
松山ケンイチ、大野いと、大杉 漣、伊勢谷友介
天界では大勢の脚本家が地上に住む人々の“人生のシナリオ”を書いている。
天界の茶番頭の茶助は、下界の女性ユリに思いを寄せていた。しかし ユリが交通事故で亡くなる事実を知り、茶助は彼女を救いたい一心で地上へ向かう。

何度か書いているんですがSABU監督の作品は元々お好きではあるんですよ。
近いところでは「うさぎドロップ」「蟹工船」なんかを見ているんですが、それぞれ微妙だけど嫌いじゃないって感じで。

上記の2つは原作があるんですが この作品は全くのSABUオリジナルとのこと。
ぶっちゃけチラシであらすじを読んだ時点では“微妙”な印象だったのですが。。。

イントロダクション。数多(あまた)の天界の脚本家が、地上人のシナリオを書いていると。人はそれに沿って生きているわけだ。
ただ、そこから始まっていくストーリーがなんか一貫性が無いというか、必然性がないというか。

天界から見ていて気になる女性がいると。ちょっとしたシナリオの“あや”で、その彼女が命を落としてしまうことに。
「こりゃえらいこっちゃ」というわけで、天界でお茶くみ係だった茶助が地上に降り、天界の脚本家のサポートを受けながら彼女の運命を守ろうとします。

なんでその子だけ?そもそもそんなことができちゃうの?
なんていう そもそも論にツッコミ入れると物語が進まんのでそれは目をつぶろう。

様々な人生が影響を与え合っているので、“バタフライエフェクト”よろしく誰かのシナリオを変えると、他者のシナリオも変化する…との説明があります。
う〜ん、シナリオを“書いてる”人がいるのに変えられると変わるって?

そんなこんなで茶助が彼女を救おうという前に、どんどん人生のシナリオが変わっていっちゃって。結局何もできていない。
それどころか茶助の出生の秘密(前世?)の設定が入ってきて混沌。

さらに天界人・茶助の持つ不思議な力で人助けをする展開が絡み、ヤクザに追われる状況が大げさになり、白い顔したヤツからも狙われる。さらに舞台となっているエイサーの踊り(?)が映像の邪魔をすると。

それぞれの設定や展開がリンクすることなく回ります。
天界でこんなやりとりがあって地上でこんな変化が現れるとか、そういうの一切ナシ。
それでハチャメチャ感がスイングしたり、ちょっとしたギャグで笑えるとかならまだ救いはあるけれど。
脈絡の無い状況がつながっているだけなので かなりしんどい。

なんなら夢オチの方がまだ飲み込めるんじゃね?ぐらいの勢い。

最後の最後で彼女が叫ぶことが物語を締めるのは なんとなしに読めるので感動につながらない。
うん、そもそも そのために声を無くした設定なんでしょってぐらいに説得力も弱い。

全体がファンタジーであるにしても、もう少し、もう少しでいいので うなずける要素が欲しかったなぁ。。。
演じている役者さんたちの力量、そして エンドテーマの Ms.OOJAの歌声の迫力は感じるものあっただけに、惜しいなぁ。。。

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天ぷらの茶漬け
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2015年07月05日

チャイルド44 森に消えた子供たち

ダニエル・エスピノーサ
トム・ハーディ、ゲイリー・オールドマン、ノオミ・ラパス
1953年、スターリン独裁政権下のソ連で子供を狙った連続猟奇殺人事件が起こる。しかし「理想国家を掲げる体制のもと犯罪は存在しない」とする上層部からの圧力で、事件そのものが闇に葬られてしまう。
やがて親友の息子が犠牲となり、秘密警察の捜査官レオは 単独で調査に乗り出そうとするのだが…

2009年度版「このミステリーがすごい!」海外編で第1位に輝いた原作の映画化。
タイトルから察するに、頻発する猟奇殺人犯に迫ろうとするも手掛かりがつかめず、あと一歩のところで取り逃がし、激しい格闘の上なんとか犯人確保。犠牲となった44人の子供たちを被害者家族とともに弔う。
そんな緊迫感漂うミステリーであることは容易に想像がつきますわね。

しかし、しかしですよ。冒頭部分は そういうのとはちょっと違う。
まぁそういう時代背景だというの理解しないとね。
軍の上下関係はいろいろ厳しいもんだね。
ほうほう偽名だったんだ。

ん〜なんか違う。なんか違う。でも…

あぁこの善良そうなおじさん、アヤシイな。でも 最初に出てくるクサいヤツはたいがいシロなんだよね。それがミステリーの常識。
あらっ、この人なん!?

なんだか激しい状況に巻き込まれとるけど。
やっぱそういうことでしたか。

というわけで、結論からいうならば複雑な時代に於ける、猟奇殺人を軸にした人間ドラマでした。ミステリーちゃうやん。
注視するべきは事件のトリックやいきさつではなく、人間関係とかそっちやったんや。
という感じで、ノリきれない映画でしたね。

といったコチラの期待とのズレ以外にも ノリきれない要素というのもあって。
そもそも暗い雰囲気の漂う時代背景。そして実際の映像も暗めに撮影されているので、見る側としては気力が必要ですよね。
あと2時間17分という やや長めの上映時間も。

個人的に気になったのが、嫁さんが「妊娠した」と告白するエピソードについて。
あの後、夫婦関係ってギクシャクせえへんのかと考えてしまったんですが。
普通にしてるように見えたけど、何と言うか信頼関係が少〜しグラついていないかと。余計なこと気にしてましたわ。

とかいろいろ言いつつ。ラストは冒頭部分と直結する、しかもハートフルな展開だったんよね。
だからなおさら 本編の混迷具合がもったいなく思えたんだけど。

というわけで 様々な要因ありつつ。もうちょっとアプローチの仕方を変えたら、映画らしいドキドキを味わえたり、観客として考えさせられたりできたんじゃないかな。
なんか惜しい。そんな映画でしたね。

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CLD44
posted by 味噌のカツオ at 23:39| Comment(0) | TrackBack(0) | タ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする