2016年11月05日

湯を沸かすほどの熱い愛

中野量太
宮沢りえ、杉咲 花、篠原ゆき子、オダギリジョー
銭湯を営む幸野家。しかし 父が1年前に出て行って以来、銭湯は休業状態。母の双葉は持ち前の明るさと強さで、娘の安澄を育てている。しかし双葉がパート先で倒れ、検査の結果末期ガンの告知を受ける。
それから双葉は“絶対にやっておくべきこと”を決め、実行していくのだが…

このタイトルのセンスに文字フォント。決してピンとこなかった。
あらすじ読んでも、銭湯を舞台にしたホームコメディかと思ってた。
わたくしと同年代の宮沢りえさんも“見たい”という引きは弱い女優さんなんですよ。

そんなこんなで全くノーマークの作品だったのですが。
いやいやいや〜やられちゃいました。

「序盤から ずっと泣きっぱなしだった」なんて感想も事前に目にしていましたが、確かにそんな感じ。
シリアスとユーモアと“泣き”がローテーションのごとくやってきて。退屈することが全然なかったですね。

それぐらいに引っ掛かる部分がとても多くて。

銭湯に貼られた休業のお知らせに始まり。
母と娘の愛ある口論。
ホイコーロー(?)だけでなく、なんでも美味しそうに食べる娘。
無理やり連れ帰ってきた父ともうひとりの娘。
パンツをドアノブに掛けての「鮎子ここにあり」という名言。
旅先で出会った若者に「あの人から生まれてきて…」で顔を伏せる鮎子。
ところが、安澄も。
ところが、ところが、双葉も。
突然のビンタの瞬間、劇場内が「えっ?」ってなってたね。

それからカニ、手話、エジプト旅行、母の面影 などなど。
様々なミスリードや伏線が散りばめられつつ、流れるようにそれらが回収されていきます。
ホント、見事な見せ方で。

わたくし的には ラストの手前。夫と探偵さんが缶コーヒー飲みながら交わす会話が、なんとも良かったですね。
具体的なこと何も言っていないんだけど。

そんな役者陣の演技もみな素晴らしかった。
宮沢りえのとても強く あたたかい母親像。前半がそんなだったから、終盤にかけて弱っていく様がとても辛く感じました。
そして どこかゆるくて飄々としたオダギリジョーのお父さん役も良かった。

松阪桃李演じた世間と向き合うのにやや臆病な若者も雰囲気出てたし。
駿河太郎の怪しさと可笑しみを感じさせる子連れ探偵もいい感じ。

それから娘たちもね。鮎子の涙ながらのしゃぶしゃぶにはもらい泣き。探偵さんの娘もかわいかったし。
あとは安澄役の杉咲花は裏MVP。実の母娘関係を告げられて受け入れられない場面であるとか、非常に難しいシチュエーションが多かったけど、いずれも見事だったですね。
今後にも期待です。

皆に慕われながら、よくよく見ると誰とも“血”のつながっていない双葉。
でも それよりも大切なものと知っているから、あそこまで尽くすことができるんだろうね。
幸野という苗字が表す通り、家族たちから観客から、幸せにしてくれる母ちゃんだったです。

とてもいいもん見た〜という感想はありつつ。
どうしても いじめ問題の着地の仕方は、やっぱ納得できないな。ホントに陰湿なものだとしたら、アレはアレでヤイヤイ言われる行動だと思うから。

そして、ラストのあの湯は。
美談?ファンタジー?それともホラー?
見方によるけれど。

嫌悪感は全然ないのだけれど。
あんなん見せられたら、正直とまどうよね(苦笑)

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もはや りえがママだもんね
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2015年12月08日

水の声を聞く

山本政志
玄里、趣里、萩原利久、中村夏子、村上 淳
在日韓国人のミンジョンは、友人に誘われて巫女を始める。初めはほんの小遣い稼ぎのつもりであったが、救済を願う信者たちが増えていき、やがてそれは宗教団体「真教・神の水」となり、さまざまな思惑を持つ人々が集まってくる。

(単館系ですが)公開当時、ちょっと気になりつつもスルーしてしまっていた作品。
ですが、2014年キネマ旬報ベストテンで第9位に選ばれたということで「あぁ見ておけば良かった」と。
そんなこんなで、ここにきてDVDにて鑑賞。

「水の声を聞く」という少々スピリチュアルなタイトルだけど、あらすじ的には もうちょっと下世話なのかなという印象。

その昔「教祖誕生」なんて映画がありました(監督・天間敏広、原作・ビートたけし、主演・萩原聖人)。
イメージとしてはそれに近いのかな。

でも この作品に登場する“教祖様”は端から割り切った“バイト教祖”の感覚で。決して、変に祀り上げられたものではなかったですね。
初めはそうだったのが、彼女にセンスがあったのか 次第に信者が増えていき、やがては後戻りできない状況に。

結局のところ、バックに広告代理店が付いておりまして、それなりの“ウラ”があることはわかるんだけど…
なんちゅうか、露骨にそろばんをはじくような絵が無いので、この取り組みが金儲けのためだけなのか、もしくは如何ほど儲かるのかが伝わらないので少々モヤっと。

そうやって状況が変化していくことに対し、まっとうなプレッシャーを感じたのが教祖役であるミンジョン。
彼女が姿をくらまし、これでは立ち行きいかないとばかりに教団は2代目の教祖を立てるんだけど、それが方向性の分かれ目として後々問題となるわけで。

その行き詰ったミンジョンは向かったのは、自身の母と祖母のルーツを探る旅。
いきさつは ちょっと唐突だったようにも思うんだけど、そこで知らされる済州島の真実は 我々が見ても驚きはありました。

そこで心を揺さぶられ、大自然の声を聞くことで思いを新たにしたミンジョン。
教団に戻り、似非宗教から本当に人の心を救うこを目指します。

終盤、水の滴、川の流れ、滝の音を受けながら、多くの信者を前に その思いをフルにオープンにしたところ、大きな裏切りに遭うんですが。
あの程度の 真実なのか虚言なのかわからない訴えで、それまで付いていた信者があっさり寝返ってしまうのは、正直リアリティに欠けるかな。

信仰って狂信的になると教祖様の罪ですら受け入れてしまうものだからね。
かと言って“カミングアウト”した彼女にミンジョンほど惹かれる要素があるようには思えなかったので。運営サイドはさておきね。

とまぁ解せない部分もチョイチョイ気になりつつ、ですがテーマとしては興味深いものがありましたし。
宗教的?スピリチュアル?とにかく引き込まれる要素はありました。
映画として、思いのほかハードであるのは間違いないです。
見て良かった作品です。
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2013年01月23日

YOSHII CINEMAS

山本 透
吉井和哉、品川 徹、大野拓朗
2001年1月8日のTHE YELLOW MONKEY活動休止以降、ソロ・アーティストとして活動をスタートした吉井和哉。そんな彼のソロ活動の軌跡を追ったドキュメンタリー。
監督は『グッモーエビアン!』の山本透。

「悲しきASIAN BOY」を聴いて以来、THE YELLOW MONKEY にハマりまして。
ライブも何本も行きました。大阪ドームも行きました。東京ドームで行われたビデオ上映イベントも足を運びました。

ですが、ソロの YOSHII LOVINSON にはハマらなかった。
理由は…ファーストアルバムが暗過ぎたからかな(苦笑)

わたくしテレビゲームとか全くやらないんだけど。その理由は、やりだすと止まらなくなるからで。
それに近い理由もあるのかな。聴いてしまうとCD、DVD、ライブ、全て押さえないと気がおさまらないし。かと言って それほど(いろんな意味で)余裕がない。
結局 積極的に情報を追う事はなく、イチ音楽ファンとして入ってくる情報だけで、距離を保っておりました。

そんな中で伝わってきた この映画の企画。
ソロとして10年間の軌跡を映画というカタチで上映するというのは他のアーティストでも聞いたこと無い。
特別料金(2,300円)ではあるけれど、この機会に・・・と鑑賞。

前半は最新ライブの映像。中盤からインタビューの様子が。
とは言っても ひとつのインタビューではなく、所々のフレーズを切り抜いてイメージ映像に被せたような。そんな その時々で語られた言葉たちが ひとつひとつ積み重ねられていきます。
こんなドキュメンタリーも珍しいよね。

とにかくソロの活動をつぶさに追っていたわけでもないので、曲はほとんどわからない。
であるのに、ライブ映像を見てながらグイグイと その世界に引き込まれていきました。これは自分でも意外なほどに。
元々がTHE YELLOW MONKEYのファンなので、決して遠くはないのだろうけど、それでも始めて聴く曲がスッと入り込んできましたね。

それらの曲を聴きながら、その都度 熱くなったり、カラダがノッてきたり、時には涙がこぼれそうになったり。
近ごろの音楽番組って歌ってる時より、MCとのトーク部分のが視聴率が高かったりすると聞いたことがあります。
確かにアーティストのドキュメンタリーも、ライブシーンよりバックヤードやオフショットのが楽しかったりするんだけど、この作品は違いました。とにかくライブが素晴らしかった。

THE YELLOW MONKEYがいなくなって、日本からロックバンドは消えたと言った人がおりましたが、日本でロックしてるアーティストが間違いなくここに存在していました。
見てよかったです。

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ロビンの息子がロビンソンなのかな!?
posted by 味噌のカツオ at 00:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ヤ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月12日

映画 妖怪人間ベム

狩山俊輔
亀梨和也、杏、鈴木 福、筒井道隆、観月ありさ
妖怪人間ベム、ベラ、ベロの3人。彼らのたどり着いた街で連続して不可解な事件が発生。被害者は全てMPL製薬の社員。
事件の謎を追う中、ベロは少女・みちると出会い恋心を抱く。みちるの父はMPL製薬の開発研究者。そして母は自動車事故にあった後に行方不明になっていた。

あの「妖怪人間ベム」が実写ドラマ化されると聞いたとき、多くの方が 失敗・失望・残念…という言葉をイメージしたはず。
しかし意外や意外。そのバックに流れる不条理さに切なさに どこかもどかしい感情に共感を経て、少々難アリ的な声も払拭し、まずまずの成功を収めました。
ちなみにわたくしも第1話だけは見ております。

そのドラマ「妖怪人間ベム」の劇場版です。オールドファンが文句つけるとしたら、キャラクター的なとこでしょうか。
柄本明さんがオリジナルのベムのビジュアルっぽくなっておりますが、映画版の主人公は亀梨和也演じる髪の長い若者。
その時点で拒絶反応を示す人もおるかなと、ダメな人にはダメなんでしょう。

でもわたくしがこの映画を見て感じたのは「亀梨くん、色気あるな〜」でしたね。まぁセリフしゃべらすと藤原竜也みたいなわざとらしいクサさが出ちゃうんだけど、この映画の雰囲気を間違いなく作り上げているんじゃないかな。

ベラ役の杏さんはモデル出身なので役者としての心配もあったけど、そもそもトップモデルさんって一般の人と違う存在感持ってるじゃないですか。キレイ過ぎて本当にこの世に存在してるのか疑っちゃうような。
そんな人の口から必要以上にクールで覚めたセリフが発されると、妖怪人間のそれに見合ってるんじゃないかと思うわけですよ。

そしてベロの鈴木福くん。ぼくらがアニメで見てきたベロちゃんは 無邪気で正義感も強いけど、見た目がチョイ悪の顔立ちで。
それに比べたら福くんは かわいいなぁと。それにちっちゃいなぁと。衣装だぶだぶやんって(笑)
ただし、それを上まわる演技力に表現力。これには敵わないです。

あともうひとつ。変身したあとの3人の姿。さすがにあれはチャチだよね。なるべく暗い場面でアラが目立たないような登場の仕方がいいとは思うけど。
でも 今の日本のドラマの力では、ギリギリセーフとしておきましょうか。

とにかく そんな土台のうえで映画版を見たわけですがね。善と悪の間で揺れる登場人物。悲しい過去。そして覆す事のできない現実。
それらを噛みしめながら戦うというのはそれはそれで意義はありましょう。「妖怪人間ベム」の世界観として。

ただ、わざわざ映画でやるにしては〜弱いかなって。
起承転結があるのは当然ですが、プラスアルファとかどんでん返しとか。そういう要素を盛り込んでこそ‘映画版’イコール‘直接お金を払ってる客’に見合う作品なのではと思った次第。
この程度のストーリーならテレビのスペシャル版でもいいだろうと。さらに言えば124分という上映時間も、なんとか2時間以内に押さえほしかったかな。

カラーのトーンを押さえた映像も雰囲気良かったし、鑑賞した人の満足度も高いこの作品ですが。であるだけに ちょっと惜しい…かな。

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チョコ好きだけど 餃子とは別で…(笑)
posted by 味噌のカツオ at 21:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ヤ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月09日

夢売るふたり

西川美和
松たか子、阿部サダヲ、田中麗奈、鈴木砂羽、笑福亭鶴瓶
東京の片隅で小料理屋を営む貫也と里子。しかし調理場からの失火で店を全焼させてしまう。もう一度やり直そうと前向きな里子に対し、貫也は酒に溺れる日々。
ある日 貫也は店の常連客だった玲子と再会し、酔った勢いで一夜を共にしてしまうが、翌朝すぐに浮気が発覚。しかし里子はその出来事をキッカケに、夫を心淋しい女たちの心の隙間に忍び込ませて金を騙し取る結婚詐欺を思いつく。

「ディア・ドクター」以来3年ぶりとなる西川美和監督の新作。微妙な心の機微と滑稽さを織り交ぜたスタイルでファンも多い西川監督。
さらに松たか子と阿部サダヲが主演となれば、これは期待せずにはいられません。

結構‘○○組’と称される監督さんはいつも同じ役者さんをメインキャストに起用するんですが、「ディア・ドクター」では笑福亭鶴瓶&瑛太。「ゆれる」ではオダジョー&香川照之と西川監督はそこんところ変えてきますね。
それについては新鮮さとちょっとした意外性があって、毎回 楽しみな要素でありますね。

今作における松たか子&阿部サダヲは誰もが知ってる芸達者なふたり。
観客の期待値、あるいはそれ以上の芝居で応えてくれてます。個人的には田中麗奈さんのファンでもあるので、彼女の起用も嬉しかったし、結婚に焦りのある‘お年頃’チョイ上的な役もある意味ハマってましたね。
あぁ役者といえば、後半に登場した鶴瓶さんも存在感ありましたわ。若干「スジナシ」っぽいニオイもあったりなかったりだけど(苦笑)

とにかくその状況設定はとても興味をそそられるもので。
全てを失った夫婦が再生のために結婚詐欺に走っていくと。ただその影には夫の浮気に対する妻の嫉妬・・・念が絡んできてるという。
果たしてどこまでが未来でどこまでが復讐なのか。

わたくし自身、セレブな独身熟女さんや風俗嬢を騙すくだりは、まぁ世にありえるエピソードとして捉えられたのですが、スポーツアスリートをターゲットにした点ではちょっとした嫌悪感が湧いちゃいまして。
そもそもドッシリ体型でもてそうもないし、ああいう世界の人って俗世に疎かったりするし。しかもスポンサーさんからの援助でささやかな生活してるのがアスリートさんたち・・・というイメージがあるのでね。
そんなピュアな人から搾り取らんとする描写がどうも。。。

一方の貫也(阿部サダヲ)も彼女の記録に純粋に拍手を送っているようにも見えるし、行動としては‘カモ’としか見てなさそうだし。
んー受け止め方がとても難しかった。

そして里子(松たか子)も実際は何を考えていたのか。彼女の無表情さが度々インサートされるんだけど、その心の内がどうも読みきれない。
わかる人にはわかるのかもしれないし、わたくしのような独身男性ではなく既婚女性の方が共感できることだったのかもしれない。
しかし結果的には煮え切らないまま物語が進んでいってしまった・・・と そんな印象。

アスリートさんの辺りでググッと嫌悪感高まりつつも、その後のシングルマザー(木村多江)さんとは中途半端(女ではなく一家を騙していた)で終わってしまったのもその要因かなぁ。

前述の通り、監督の巧みな心の機微の表現に期待していた者としては、やはり少々物足りなく。
でも演者としての松たか子と阿部サダヲは十分に見応えありました。追い炊きするお風呂から出られない貫也〜のパートはすごく面白かったです。
ただし 松さんの必要以上に性とかの生々しさを感じさせる描写は意見分かれるようですね。

最後に。「夢売るふたり」というタイトルも、イマイチ ピンとこないかな。。。ume-uru.JPG
自転車ふたり乗りはいけません
posted by 味噌のカツオ at 13:43| Comment(0) | TrackBack(0) | ヤ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月20日

指輪をはめたい

岩田ユキ
山田孝之、小西真奈美、真木よう子、池脇千鶴、二階堂ふみ
製薬会社の営業マン・輝彦は、営業先のスケートリンクで転んで頭を打ち、一過性の健忘症となってしまう。
やがて輝彦は鞄の中から婚約指輪を発見。しかし、誰に渡すものなのかは思い出せないまま。そんな輝彦の前にタイプの違う3人の女性が現れる。

この映画のチラシを目にしたとき、正直思ったのは「イマイチそうだー」という印象。あくまで感だけど。

冒頭 いきなり‘水森亜土’さんが登場!
わたくしが幼少の頃、NHKの教育番組で軽妙に歌いながらクリアボードに両手でペンを走らせ、時にスプレーで色付けしながら絵を描いていた あの‘亜土たん’ですわ。懐かしいわぁ。
あの頃と変わりなく、どこかかわいらしいそのお姿にお目にかかれて、思わず嬉しくなっちゃった(笑)

さて、わたくしを微笑ませてくれたのは その冒頭部分だけで。それ以降はなんとも取っ掛かりのないストーリー。
ところどころに‘狙ってる’描写とかもチョイチョイでてくるんですが、面白くない。笑えない。
物語の中にスケートのシーンも出てくるんですが、それとは違う意味でスベリまくってましたね(爆)

また主人公に対し 思わせぶりに振る舞う3人の女性。
申し訳ないが これらがいずれもそそられない。ようは微妙に狙い過ぎなのか面白味のないキャラになってしまって。
こういう部分で共感を得られないと、「本当の花嫁は誰?」という点に興味がいかないんだよね。さらに申せば「誰でもええやん」か「誰もアカンわ」という感じで、もはや映画の面白味すらも薄まってしまう。

それでなくても‘一人の男性に取り巻く複数の女性’というシチュエーションは、先に「モテキ」がやっちゃってるし。
しかも「モテキ」のヒロインはみな魅力的だし(真木よう子さんが被ってるけど キャラが全く違う)、エピソードも共感できるし。おまけに笑えるときたもんだ。
もはやこの映画に勝ち目は無いのだわ。残念ながら。

最終的な着地点もあえて表現するなら「ピリッとしない」ということになりましょうか。
氷上のエミは確かに妖精のようで、そのあどけなさが良い感じだったけど、大人になった笑美はふてくされた表情ばかりで 全くかわいげがなくなってしまったのも不満だね。
あくまでヒロインは美しくあってほしい。彼女には死ぬまで妖精の様な雰囲気を纏い続けるべきなのに。

そのスタンスとしてはコメディであり、ファンタジーであるんだろうけど、ぶっちゃけどちらの視点で考えて見ても成功してるとは言い難いデキで。
チラシを見て感じたインスピレーションが 悪い意味で当たっちまったかなぁ。

映画のストーリーに惹き付けられなかった分、余計なことに意識が行きまして。
山田孝之は博多華丸さんに似てるなーと そんなことばかり。
一度「アタックチャーンス!」ってやってくれんかね。。。

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指をはめたい
posted by 味噌のカツオ at 18:41| Comment(1) | TrackBack(0) | ヤ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月10日

八日目の蝉

成島 出
井上真央、永作博美、小池栄子、森口瑤子

21年前、野々宮希和子は不倫相手の男とその妻の間に生まれた生後6ヶ月の恵理菜を誘拐。偽りの母娘として各地を転々とするが、4年後に小豆島にて逮捕されてしまう。
大学生となり、両親とは離れて一人暮らしを始めた恵理菜。そんな彼女の元へ「あの誘拐事件を本にしたい」と、ルポライターの千草が訪ねてくる。

いきなりですが、出演者の通信簿。
井上真央も永作博美もすごく良かったです。そして何より この手の作品は子役のクオリティが作品の完成度に直結するんですが、やぁ子役の渡邉このみちゃんも素晴らしかった!!
森口瑤子さんの揺れ具合も見事でしたし、余貴美子さんの怪演っぷりも印象に残りました。

小池栄子さんは結構どんな作品見ても「上手やなぁ」と思うんですが、もっと違うところで見てみたい。
昔見た「日本沈没」の柴崎コウとか、「岳」の長澤まさみとか、そういう「体力必要だろ」って役をやって欲しいな。
ここでは幼少時に奇妙な環境で育ち、社会に適合できていないオドオドした女性だったんで。そういう役こそ、もっと華奢な女性に演じてほしいなぁ。
でも小池栄子さんは上手だと思う。

あと劇団ひとりもここではないなと。
何とも言い表せられない違和感があったし、真央ちゃんとのキスシーンなんて「お前がイイ思いしとるだけやんけー!」と無駄に腹が立った(爆)
真央ちゃんがもぅ一肌脱いでくれてるならいざしらず・・・


イントロダクションでは被害にあった母親の告白に始まり、容疑者の告白にリレーされます。
って中島哲也監督の「告白」みたいだね(苦笑)

それはさておき、本編は現在の恵理菜の姿と、誘拐・逃亡生活を送っていた当時の希和子と薫の足跡を織り交ぜながらの展開。
しかし数奇な運命にもてあそばれてきた恵理菜は人を愛するどころか、ささやかな感情ですら表に出さない主人公で。

もちろん辛い思いをしてきたから、過去と向き合わないことを選んで生きてきたのはわかるけど。
ここで見る限りは、実の母に父に。そして希和子に対して どんな心情を隠していたのかもイマイチつかめなかった。

ぶっちゃけ見ている観客側には、彼女の思いがどこにあるのか、最後の最後まで分かりにくかったんじゃないかしら。
それを演出としてしまうのもひとつでしょうが、(原作を読んでいない)コチラとしては 主人公が無感情ではちょっとキビしい。

そしてラストのシーン。
幼い頃に見た懐かしい街並みと空気に触れ、初めて恵理菜が己の感情に向き合うこととなります。しかしそこで吐露される感情が・・・やはりどこかモヤっとしてて。
ようは希和子への感謝を飛び越えて、これから生まれる子供に対しての愛に向かっていったみたいで。。。

希和子が薫を愛していたこともよーくわかります。
でも所詮は誘拐という罪を犯して結ばれた絆。さらにその要因が不倫であるとするなら、100%救いが無いようにも、美談で済ませてはいけないようにも思える。
なのに希和子と薫の関係が尊いものとして表現されていることに、小さな引っ掛かりを感じてしまう。

血の繋がっていない親子と言っても、例えば貧乏で育てられないがゆえに里子に出したとか、同じ日に生まれた子供が病院で取り違えられてたとか、そういうエピソードであれば同情もできそうなのだが。。。


チョイチョイ恵理菜がイヤホンで何かを聞いている姿が見て取れましたが、こんな複雑な生い立ちを持った女の子が、どんな音楽を聴いているのかが気になりました。
というのも、たとえ近くに仲間がいなかったとしても、せめて音楽や映画や演劇なんかに 生きる希望を見つけていてくれてたら。そういう救いって現実にありますから。

ちなみに中島美嘉が歌ってるエンディング曲は良かったです。元々この映画用に作家さんが作った曲みたいだけどね。

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「みつばちハッチ」は見せちゃダメよ。
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2010年12月11日

酔いがさめたら、うちに帰ろう。

東陽一
浅野忠信、永作博美、市川実日子、香山美子
戦場カメラマンの塚原安行はアルコール依存症が原因で離婚。「来週は素面で家族と会うのです」と言いながらウォッカを飲んでは吐血をし、そのまま3ヶ月の入院。
元妻の売れっ子漫画家・園田由紀は 安行に抗酒剤の服用を薦めるのだが、それでもアルコールを口にしてしまい またも倒れてしまう。

漫画家・西原理恵子の元夫で、2007年にがんで亡くなった戦場カメラマン・鴨志田穣の自伝を映画化。
ちなみに西原理恵子と鴨志田穣の関係については、小泉今日子と永瀬正敏の共演が話題の「毎日かあさん」実写版も控えておりますね。

さて、戦場カメラマンといっても、決してゆっくりしゃべったりしないよ〜などと余計なことは書きません。

それは書きませんが、正直 浅野忠信の酔っぱらった演技というのは あまりにベタな感じがしてね。見ててこっちが気恥ずかしかったなぁ(苦笑)
果たしてホントに酔っぱらいが人に絡むとき、あんなしゃべり方するかなぁ〜と少々気になったわ。

物語の中盤から精神病院、そしてアルコール依存症の病棟へと移っていきます。
序盤はどうもピンとこなかったんだけど、その辺りはいくらか興味深い展開。
そういった場でどのような治療行為があり、どんな人間関係が築かれているのか。

しかし、ざーっと見てはみましたが 必ずしも大きな驚きや発見は無かったなあ。大半が淡々としたもの。

酒で生活が乱れて、その治療のために入院。やがて酒との縁は切れるが、また別の病が・・・と ただそれだけのストーリー。
もっと何かヤマ場と言えるようなエピソードがあっても良いように思えました。ちょっともったいない。

淡々と言うなら 浅野忠信の演技自体が基本淡々。
永作博美は やっぱりどこか男心をくすぐる要素を持ってるけど、この作品に限っていえば 別に永作さんでなくても・・・って感じ。生かしきれてなかったかな。

一方で 子役の二人がイキイキしてたのと、アルコール依存症の病棟の百佳(ももか)さんの存在にトキメキました。
あんな看護士さんに 男って弱いのよねぇ〜(苦笑)

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洗浄カメラマン
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2009年07月04日

山形スクリーム

竹中直人
成海璃子、AKIRA、マイコ、沢村一樹
女子高の歴史研究会の一行が落ち武者の里・山形県御釈ヶ部村を訪れる。
そこで行なわれた 落ち武者の霊が眠る祠(ほこら)を倒すイベントのおかげで 本物の落ち武者たちが復活。ついには村人たちを襲い始める。

竹中直人さん6本目の監督作品。企画段階では女子高生をが登場するホラー作品ということだったのが、なぜかコメディ要素満載のくだらない映画にしちゃおうと思ったとか。

よく「あなたの●●度を測定」という企画がありますが、この映画では あなたの「竹中直人度」が測られますね。あー恐ろしい。
この映画を楽しめたあなたは竹中直人だ!!と、それぐらい竹中さんの昔っからのギャグとかが散りばめられていました。あと変な歌とかも。

ちなみに・・・わたくしの竹中直人度は低かったよ(爆)

予告編を見た段階で薄々感付いてはいましたが、作品的には批評するのもバカバカしいってくらいにメチャクチャで、しかもそんなに面白くも無いというタチの悪さ。参りました。
ただし竹中監督は これまでにもちゃんとした作品を世に送り出してる人だからねぇ。その反動なのかしらん!?

一番気の毒なのは、とにかくこの作品に関わった皆さん。「面白い作品ですよ」って言わなきゃならないんだから。
頑張っていただきたいものです。

主演の成海璃子ちゃんってデビュー時(ドラマ「瑠璃の島」とか)のイメージからするとエラいことになっちゃってますね。
周りの女子高生役の子と比べても明らかに顔デカイし。
先だって公開の「罪とか罰とか」に続いてコメディー路線とも言われてますが、わたくし的にはすっかりデブキャラ路線ではないかと(汗)

先生役のマイコさんも 清楚なイメージを飛び越え、かなりぶっちゃけた演技に挑戦。無理してるとまでは言わないけど、決してハマってたとは思えず。
ただ、この作品の中で竹中さんが輝くのは当然としても、存在感で食われてなかった生瀬勝久さんはさすがでしたね。

かなりキツく書きましたが、この分であれば おそらく、多分、きっと、竹中監督の次回作は素晴らしいものになるんじゃないかなぁ?

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「ものスゲー痛てー!!」(笑)
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2009年03月17日

ヤッターマン

三池崇史
桜井 翔、福田沙紀、深田恭子、生瀬勝久
毎週のように悪のドロンボー一味と闘うヤッターマン。彼らの元に、伝説の秘宝を追い求める最中に行方不明となった父の行方を捜してほしいと 一人の娘が現れる。

わたくし自身、小学生当時には思いっきり「ヤッターマン」を見て育ったアラフォー世代。
期待値も高く、見る目も厳しくの鑑賞でしたが、率直に言って、よくぞここまでという程に作り込んでくれていましたね。

もちろん現在放送中の「ヤッターマン」を見ている子供たちも一緒に楽しみを共有できるような作品だったんじゃないでしょうか。
確かに子供にはわかりにくい表現も登場しますが、このような作品に触れることこそが(下世話な意味で)大人に近づいていくステップだと思っているので。
自分自身がそうだったんで。

アニメ、コミックの実写映画化は 原作の完成度が高ければ、比例してそのハードルも高くなるもの。
そうした場合の成功の秘訣は、登場するキャラクターに合ったキャスティングをそろえて、原作の持つ世界観をどれだけ再現できるかと。

その点で言うと「ゲゲゲの鬼太郎」や「20世紀少年」はよく出来ていると思うし、「ドラゴンボール」や「忍者ハットリくん」なんかは厳しいかな。

この「ヤッターマン」のキャスティングの注目はなんといっても例の悪役トリオ。
ボヤッキーが生瀬勝久、トンズラーがケンドーコバヤシとわかったときには「そうきたか」と良い意味で唸らされました。
ただドロンジョに関しては、もっと長身でスレンダーなイメージも持っていたので、深田恭子というのはやや違和感。個人的には小雪さんみたいな印象だったのでね。

しかし、結果的にフカキョン・ドロンジョは正解でした。
彼女の持つSEXYさと、「富豪刑事」などで見られた可笑しさが絶妙なバランスで生かされてましたね。
きっと単にスタイルが良いだけの女優さんだったら、ここまでの愛くるしさとヒューマニズムは出せなかったことでしょう。

さらにはどこかで聞いた声の人のカメオ出演にニヤリとさせられ、エンドロールを見ていたら「こんな人 どこに出ていた?」という発見も。

それとは別に、わたくし的に最も感動したのは、山本正之氏が「ヤッターマンのうた」を歌われていたこと。
テレビ版の主題歌でひと騒動あったりもしたけど、「やっぱりこの声でしょ」と再認識。

一つ難を言えば、ドクロベーは声だけでよかったかな。チョコチョコと貧相な姿を現すより、「おしおきだべぇ〜」という声だけの方が存在感を残せたんじゃないかな。

とにかく書きたいこと、印象に残るシーンが山盛り。
女子高生に埋もれるボヤッキーの妄想。トンズラーの夢に出てきたミスターイエス(!?)
サソリの毒を吸い出すヤッターマン1号。よしもと新喜劇バリに イイ話の中に織り込まれるギャグ。弱点はのどちんこ。etc・・・
ホント書ききれませんわ。

全体を通じてアクションあり、ドクロストンの謎もあり。さらには小さなギャグから(今どき言わない)お色気ネタまで。
平成の時代になって、テレビや映画からはばかれていたエログロナンセンス(この映画の場合エロゲロナンセンスだったか)なニオイも感じさせつつ、ありとあらゆる点で遊び心にあふれていて見どころ満載。
オススメな一本でした!

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ヤッターマン珈琲ライター
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2009年01月01日

40歳問題

中江裕司
浜崎貴司、大沢伸一、桜井秀俊
とあるスタジオに集められた3人のミュージシャン。それぞれがおよそ20年前にデビューし、現在40歳代である彼らに言い渡されたのは「テーマソングを作る」というものだった。

フライング・キッズも真心ブラザーズもウチにCDがあったりしまして。割とお好きな方なんですわ。
ただ大沢伸一さん(MONDO GROSSO)は存じ上げませんで。そんなスタンスで見てきました。

年代は近くとも、活動のベースも音楽性も異なる3人によって、いったいどんな作品が完成するのか・・・
そういう興味よりも、ドキュメントである以上は、どんなプロセスを経て物事が進行していくのか。それが一番重要だと思います。映画としてはね。

とあるミュージシャンが行なう大きなライブよりも、そこに至るまでの過程やリハーサル風景を追ってる番組のが気になったりしませんか?
あと音楽番組とかで歌ってるところよりも、その前のフリートークのが楽しみだったり・・・ってそれはちょっと違うかね(苦笑)

とにかく、どんな化学反応が起きるのかも期待していたんだけど、正直 何か違和感。
あまりにもすんなり行きすぎじゃないかなってね。
しかも2回目の顔合わせでレコーディングしてみようとか。「そんなもんなんだ」という印象も。

複数で一つのものを作ろうとすると、主義主張やイデオロギーのぶつかり合いがあるんでないかと思いきや、半ば商業的?ってぐらいに淡々と進んでしまって やや拍子抜け。
というところで、小さな波風も立ったりするんですが、果たしてどうなっていくのか。ですわ。


どうなんでしょ、もしかすると 40歳代って出てきたモノをたいがいやんわりと受け入れることができて、協調性を持った優しい年代ってことなんかね(!?)

そして最後に残された作品(音源)であり、お披露目のライブパフォーマンスに込められたのは 破壊なのか、創造なのか。
それはアーティストそれぞれだし、見た人、聞いた人 各々の感覚しかないんだろうけどね。

全くの余談ですが、桜井さんが「サッポロ黒ラベル」とか「キリン一番搾り」飲んでるシーンがあったんだけど、真心が「サントリーモルツ」のCMやってたのも昔の話だなぁ〜としみじみ。
あと大沢さんは ずっと何か食ってましたですねぇ。スタジオのお弁当とか お菓子とか。
3人の中で一番尖ってる雰囲気を漂わせつつも、食いもんはしっかり受け入れる。。。やっぱり優しい年代なんじゃないかと(爆)

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「破壊なくして創造なし」 by 破壊王
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2008年10月12日

容疑者Xの献身

西谷 弘
福山雅治、柴崎コウ、松雪泰子、堤 真一
顔が潰され 指紋を焼かれた男性の死体が発見された。捜査の結果 被害者の身元も判明し、別れた元妻・靖子にも事情を伺うも、彼女には完璧なアリバイがあった。

フジテレビ・月9枠で大ヒットした「ガリレオ」の映画版。ただ、今作のタイトルには「ガリレオ」とは入っていませんが・・・

例によってテレビドラマを全くと言っていいほど見ないわたくし。
伝え聞く所によりますと(笑) 「ガリレオ」というのは普通では起こりえないような難事件を、科学的視点から解明していく物語が人気だったとか。
この映画のオープニング。じつに仰々しい実験シーンから始まるんですが、本編にそんなテイストは皆無。
基本線はヒューマンストーリーといったもんでしたね。ちょっと期待と外れてましたなぁ。
いや、だからタイトルから「ガリレオ」を外したんかいな?

しかしまぁ福山雅治はクールなキャラで、堤 真一は人付き合いの苦手な数学教師。松雪泰子も負い目を追ったシングルマザー。
見ていてドンドン気分が暗〜くなっていっちゃいましたよ(苦笑)

「ドラマなんてそんなもんだ」と割り切ってしまえばそうなんでしょうが、事件現場の不合理な点をガリレオ先生が突いていきます。
遺体の指紋を焼きながら遺留品の自転車の指紋はそのままだったとか、なぜ新品の自転車だったとか。
その程度の推理・推測というのは警察はできんのでしょうか?

被害者がわずかひとりの殺人事件で マスコミのヘリコプターが4台も飛ぶのかな?とか、あんな数十人体制で刑事が捜査に関わるのかな?など、個人的にリアリティーの感じられない部分もあったり。

当然 事件の真相については あるトリックもあるんだけど、それはそれ。科学・物理学とはちょっと違うもので、2時間ドラマ並と言っては失礼かな。
その分 おそらく映画的に重きを置いた人間ドラマ的にも、イマイチ感情移入する要素も乏しく、大して共感できずじまい。
結局 誰も幸せになれないし。。。
こんな観かた厳し過ぎるかしらん?


柴崎コウも嫌いじゃないけど、長身の福山雅治、堤 真一、北村一輝らに囲まれると ただのちびっ子の印象。
それよりも問題なのは 事件解決にも映画の流れにもぶっちゃけ関わっていないという・・・
テレビ版でもそうだったのかいな?

ただ、男のわたくしから見ても福山雅治はイイ男だし、湯川学というキャラクターは気になる存在ですな。

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容疑者、エックス線で検診
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2007年11月17日

4分間のピアニスト

クリス クラウス
モニカ ブライブトロイ、ハンナー ヘルツシュプルング、スヴェン ピッピッヒ
ピアノ教師として刑務所にやってきたクリューガーは、所内でも問題児であるジェニーのピアノの才能に目をつける。
二人は時にぶつかり、時に打ち解けながら コンテストを勝ち抜いていくのだが。。。

ドイツのアカデミー賞で作品賞・主演女優賞を受賞した作品。
心にキズを負いながら 殺人犯として刑務所で収監されているジェニー。
ある種 冷徹なピアノ教師でありながら、じつは若き日の苦悩を引きずっているクリューガー。
そんな二人の想いが揺れ動きながらもコンテストに向かっていくのですが、見ていて難しいところもあったなぁ。

本筋とは関係の無い部分に、微妙な回想シーンが挿入されていたり、その感情の動きがストレートに響いてこなかったり。
おそらくですが、ドイツ語の言い回しがわかってたりしたら もっと細かい心の動きも伝わるんじゃないのかな?と感じましたわ。

天才ピアノ少女を演じたハンナーは 1,200人からのオーディションで選ばれた無名の女優だったそうです。
ジェニーという少々複雑なキャラクターを見事に演じておりましたし、ピアノの演奏シーンは圧巻でしたねぇ。

後ろ手で手錠をかけられながらの演奏シーンや、自由を手にした4分間。ものスゴい迫力でした。

最後のカットがまた印象的でしたね。
「お辞儀なんか」と言っていた彼女が・・・
これはゾクっとさせられる"絵"でしたわ。


この作品のピアノ教師・クリューガーのモデルとなった女性は80歳だとか。で、それを演じたモニカは実際には60歳ぐらいだとか。
そんな役作りで挑んだらしいんですが、申し訳ない!
どうしても見た目が 加藤茶さんがおばあちゃんの役をやってるようにしか見えなくって(爆)

でもいい作品だったですよー!

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ドイツもコイツも過去があるんだ
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2007年08月24日

夕凪の街 桜の国

佐々部清
田中麗奈、麻生久美子、堺 正章、藤村志保
『夕凪の街』原爆投下から13年後の広島。皆実(みなみ)は会社の同僚・打越から愛を告白されるが、素直に受け入れられずにいた。
『桜の国』平成19年の東京。七波(ななみ)は 不審な行動を続ける父・旭を尾行する。行き着いた先は広島。そこで七波は家族や自分のルーツと向かい合う。

広島へ投下された原爆にまつわるお話。ちなみに同名の漫画が原作です。
原爆をテーマにした漫画といえば、わたくしも子供の頃「はだしのゲン」に大きな影響を受けたもんですよ。

邦画・洋画を問わず このようなテーマの作品って戦争の悲惨さを描くものが多いですが、この作品は"戦後"がその舞台というのがちょっと意外でもあります。
が、終戦後にもそれらに苦しんできた人々がいる事を教えられます。そしてそれは現代にまで続いてきます。
原爆によって多くの方が亡くなられたのは知るところですが、それ以外にも当時 被爆してしまった人たちは一生をかけてその後遺症や偏見を背負って生かされていたんだということ。
いや、直接被爆はしていなくても 被爆者の子供であるというだけでも・・・

これまでに そういう苦しみというのを恥ずかしながら知らなかったので、為になりましたですね。
「戦争はアカン」というのは誰でもわかりますが、「なぜアカンのか」をさらに考えさせられる作品でした。

『夕凪の街』で被爆した主人公を演じた麻生久美子。ある人に言わせると「綺麗だけど どこか薄幸なイメージ」。確かに(苦笑)
そういう意味ではハマリ役だったんでないでしょうか。
一方、『桜の国』の主人公は田中麗奈。この人はホントすごい女優ですな。
あるときは盲目の女性。またあるときは妖怪・猫娘。そして今回は 今どきっぽいお茶目さを持つおねえさん。
あどけなさも感じますが、実際は27歳。へぇ〜もっと若く見えますなぁ。
ちなみに サントリー"なっちゃん"のキャラクターは9年前だそうな。懐かしいね(笑)

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女優とは妖怪みたいな存在ですよ
posted by 味噌のカツオ at 10:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ヤ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月10日

キム ギドク
チョン ソンファン、ハン ヨルム

釣り船の上で客をとって暮らしている老人と少女。
その老人は少女が17歳になったら結婚式を挙げるべく、日々を過ごしていた。
が ある時、少女が釣り客の青年と恋に落ちてしまい、ふたりの世界が揺らいでいくことに。。。


上映終了間際、最終の上映回で見ることができました。
キム ギドク監督の作品はいろいろ見ておりますが、毎回 心に"ズシン"とくる作品ばかりで…

細かい設定では、少女は10歳のときに老人に連れてこられて、それ以降は陸に上がっていない。
そして老人は、少女にちょっかいをかける釣り客には容赦なく弓を引いて威嚇する。それぐらいプラトニックに、大事に少女と過ごしていると。

やがてふたりの関係が崩れかけていく中で、老人が縄で首をくくろうとするシーンでわたくし泣けました。

さらにふたりが結ばれる場面がまたなんとも・・・

前作の「うつせみ」でも主人公の男女は ほとんど言葉を発する事はありませんでした。
そして今作。主人公の男女(老人と少女!)まったくセリフはナシ。
佇まいだけで感情表現を成立させてしまうというのは「うつせみ」同様、役者の力量。そして監督の技量が伺われます。

さらに密室劇という言い方とは違うけど、全編 小さな釣り舟の上で話は進んでいきます。
とにかく言葉にも絵にも頼ることなく、それでも見ちゃうんですよ。
いや、ごまかしがないからこそ、こっちもグイグイと引き込まれるのかもしれません。


少女役のハン ヨルム。なんとも素朴だったり大人びてみたり。笑顔が小西真奈美っぽくって魅力的やったね。
こんな娘やったら囲いたくもなるわ(苦笑)
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2006年07月29日

やわらかい生活

廣木隆一
寺島しのぶ、豊川悦司、松岡俊介、妻夫木聡
橘優子 35歳。独身、一人暮らし。家族も恋人もなし。ちょっとだけ心に病を持っている。
"『粋』が無い下町" 鎌田に引っ越してきた彼女。そんな彼女が、都議会議員候補、痴漢男、チンピラ、幼なじみ らとふれあいながら生きていく。

鎌田という下町で ゆっくりと流れていくストーリー。派手さも激しさもないけど、何故か心に染みてくる作品でした。
(ウソもホントも含めて)ネガティブなエピソードがいろいろ出てくるんだけど、とにかく全体を通して「やさしさ」に満ち満ちた映画です。
心が疲れたときに見たら、スゴく癒されるだろうな。
作品として良かったですよ!それしか言いようがない!

作品としてはそれしか言いようがないんですが、役者には言いたいこと山積み。寺島さんとトヨエツさんの二人がめちゃめちゃ素晴らしかった!

トヨエツさんの映画もよく見てますが、どれも冷たい作り物みたいな演技で、わたくし的には ぶっちゃけツマラナイ役者さんだったんです。
が、この作品では 実にやわらかく、やさしさと人間味のあふれる男を演じています。
"こんな男にそばにいてほしい"という反響もうなずけます。

そして主演の寺島しのぶさん。この人はいつ見てもハズレなし。今回もいい女でした!
見た目は好みのタイプではないんですが、映画を見ていくうちに 気持ちが入っていってしまう・・・ちょっとした魔性?いやいや、これぞ女優ですよ!

さて、寺島しのぶと豊川悦司といえば、おじさまたちにはウワサの‘愛るけ’こと「愛の流刑地」でも共演が決まっております。
この「やわらかい生活」では 激しい絡み!はありませんでしたが、‘愛るけ’ではエライ事になっていそうですので、そちらの完成にも期待しております!

監督は廣木隆一。
以前、寺島しのぶ主演で「ヴァイブレータ」という作品があったんですが、コレも感情をビシビシ刺激する良い映画でした。
でも 先日見た「恋する日曜日」はアレでしたなぁ(苦笑)

やっぱ良い作品って監督、役者、本、スタッフ・・・様々な要素が揃ってこそなんやね。
映画は総合芸術と言われるわけですわな。

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「おんな」も「おとこ」も優しくなれます。
posted by 味噌のカツオ at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | ヤ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月24日

ゆれる

西川美和
オダギリ ジョー、香川照之、真木よう子、伊武雅刀
母の一周忌で東京から帰ってきた弟の猛。実家で家業を継ぐ兄の稔。そこで働く幼なじみの智恵子。
3人は昔懐かしい場所である渓谷へとドライブに出かける。
その渓谷にかかる吊り橋から智恵子が転落死してしまう。そこには吊り橋の真ん中でへたり込む稔の姿が・・・

まず 当たり前のように書いちゃうけど、オダギリ ジョーと香川照之の演技は最高でしたね。
たいがいの作品に於いて評価の高い二人ですが、それが共演した相乗効果と言うべきか、ぐいぐいと引き付けられました。
それ以外に脇を固める役者たちも素晴らしかった。新井浩文の存在感とかキム兄のイヤらしさとか。
当たり前のように書いちゃうけど、なかなかできない事ですよ。

田舎町の実家のわずらわしさを兄に任せ、東京でカメラマンとして有意義に暮らす弟。
‘兄の存在があるから弟は自由にできる’と言うのはままあることですわ。
そういうシュチュエーションについては、わたくし的にもズキズキ感じたり耳が痛かったり。
ちなみに彼らの父は弟が田舎に残り、兄が東京で弁護士をしてたっけ。似て非なる状況。

そして事が起こってしまう。
でもそれがホントは事件なのか事故だったのか・・・これはどうにも捉えられるし、それによって響き方も違ってくる事でしょう。

兄から見た弟、弟から見た兄。
生活、仕事、男女関係。嫉妬もあれば罪悪感もあり。でもどれが本音でどこが嘘なのか・・・
でも、当事者でもわからない感情ってのもあるよね。だからこその「ゆれる」なんだろうけど。

設定としてはそんなに派手じゃないけど、とことん登場人物の感情に迫って、見ている人の感情もゆらす。
こういうのって映画だからこそできることの一つだと思うし、近頃 そういう作品があまり無いのでね。
(エンターテインメントな映画を否定はしませんが)この作品、じつに映画らしい映画だったと思います。

様々な原作を映画化するのが多い中、この作品は完全なオリジナル。しかも、30代前半の女性監督が作ったっていうんだから。
この西川監督、長編の監督はこれが2本目。それでこのクオリティ。凄いわ。
ちなみに前作の「蛇イチゴ」も面白い映画でした。それも兄と妹の関係が軸になってたっけ。
監督のスタンスなのか偶然なのかな?

yureru.jpg わたくしもゆれました。
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2005年10月14日

妖怪大戦争

三池崇史
神木降之介・豊川悦司・栗山千明・菅原文太
夏祭りで 世界を守ると言われる『麒麟送子』に選ばれた 気弱な少年タダシ。
しかし、加藤保憲率いる悪霊たちが活動をし始めたために、本物の『麒麟送子』となって戦いを挑むことに!

結論から先に言うと、「ゲゲゲの鬼太郎」とか大昔の映画「妖怪大戦争」とかを真剣に見てたわたくしとしては大満足の作品でした。夢がありますよ!
ダコタ・ファニングがすごいのもわかるけど、降之介くんもあのキャストの中にあって存在感は見事だよ。
キャストで言えば、河童の川太郎を演じた阿部サダヲさん最高でした。他にもいろんな人がいろんな妖怪になってたので要チェックです。
意外と重要な役回りでもあるナイナイの岡村さんは見てて「誰?」って感じ。雨上がりの宮迫さんとの競演は個人的には感慨深いモノも・・・
そして男性客としましては、栗山千明と高橋真唯に目が奪われちゃうですよ。
他にも遊びごころ的な流れや笑いも満載。
なぜかキリンビールが出てきたり。。。『麒麟送子』があの装束で闘う理由とか、鬼太郎スタイルで空を飛ぶ妖怪たちには感涙でした。
後半にはこれでもか!という程の妖怪たちが出てきます。ただ、闘いの結末はちょいとズッコケますが「宇宙戦争」よりは許せるかな。
何でも100億円を超える制作費というウワサもうなずけるかな。ってぐらいエンターテイメントしてましたよ!
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四日間の奇蹟

佐々部清
吉岡秀隆・石田ゆり子・尾高杏奈・西田敏行
とある事故で指の神経を失ってしまった敬輔、(脳に障害がある)サヴァン症候群でありながらピアノの才能を持つ少女・千織。そして、二人が訪れた慰問先の職員の真理子。
演奏の翌日、戯れる千織と真理子を襲った落雷のショックで二人の肉体と心が入れ替わってしまう・・・という感じのお話しです。

わたくしのよく見る映画批評のサイトでは大半が不評でございまして、どのくらいダメダメなのかを確かめるために見てきました。
とにかく「暴漢に襲われる」「事故」「病気」「離婚」などなど、登場人物み〜んな何か背負わされちゃってるし、見てたらわかるけど 普通そんな判断しないでしょ?という行動のオンパレード。
たぶん、泣かせたいんでしょう。でもストレートな感動とかではなくて ありとあらゆる小手先の手段を使うことで焦点がボケボケになっちゃってましたね。全体としても「入れ替わる」ことの必然性が無いし、何がどう奇蹟なのかよくわからんお話しでした。
個人的に石田ゆり子さんは好きなのですが、吉岡秀隆のウジウジした演技は見ててイライラ。そら内田有紀のファンは怒るわ。そんなことより少女役の尾高杏奈は頑張ってたよ。入れ替わったとき 石田ゆり子風なしゃべりになってたしね。
いろいろ書きましたが、泣き入ってるお客様も居られましたので、ぜひ皆その目で奇蹟を確かめてきて下さいな!
posted by 味噌のカツオ at 10:12| Comment(0) | TrackBack(0) | ヤ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

約三十の嘘

大谷健太郎
椎名吉平・中谷美紀・妻夫木聡・田辺誠一

6人の詐欺師が寝台列車の中で繰り広げる密室劇。
丁々発止の心理戦がメインかと思いきや、結果的には恋愛的な方面でのやり取りが中心でしたです。そのわりには 誰もイイ男・イイ女に見えなかったですね(苦笑)
posted by 味噌のカツオ at 01:47| Comment(0) | TrackBack(0) | ヤ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする