2018年06月16日

レディ・バード

グレタ・ガーウィグ
シアーシャ・ローナン、ローリー・メトカーフ、トレイシー・レッツ
2002年、カリフォルニア州サクラメント。自らを“レディ・バード”と名乗るクリスティンは、高校生活も残り1年となり 恋、友達、進路について悩む日々。
彼女は閉塞感溢れる片田舎のカトリック系高校から、大都会ニューヨークへの大学進学を夢見ているが、それを認めない母とはケンカになってしまう。

本年度のゴールデン・グローブ賞 作品賞&主演女優賞を受賞し、本年度アカデミー賞主要5部門ノミネートという話題作。

冒頭の母親と車内での衝突からの…腕骨折というシークェンスからもわかる通り、少々エキセントリックな印象の主人公。
そもそもクリスティンという名前があるのに、自ら「レディ・バードと呼んで」などと言うあたり。それ相当にイタい娘というのは想像に難くないね(苦笑)

ただし物語を見ていくと、映画的に? 2002年のアメリカとして? いくらか ぶっ飛んでる風でもありますが、基本は17歳の女子高生。

観る人が観れば ある意味で等身大の女の子かもだし。共感できる要素もあるのでしょう。
が…さすがに こちとら40代後半のおっさんとしては、そんなに物語にのめり込むことはできず。

こう言うとアレだけど。最終的に 成長という意味では、これはこれで等身大の着地点に落ち着く訳ですし。
なんというか、デリケートではあるが ちょっとイイ話のような。

不満かどうかというよりも、やっぱそういうことね〜としか受け止められなかったです。
40代後半のおっさんとしては、さすがに しゃあないわね。

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雌鳥
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2018年05月07日

レディ・プレイヤー1

スティーヴン・スピルバーグ
タイ・シェリダン、オリヴィア・クック、ベン・メンデルソーン
西暦2045年。貧富の差が激しくなった世界で、人類は夢のVRワールド「オアシス」で生活していた。
ある日、オアシスの創設者の遺言が発表される。それは オアシスの三つの謎を解いた者に全財産の56兆円とこの世界を与えるというものだった。その権利を巡って子供から巨大企業まで、全世界を巻き込む争奪戦が始まった!

VRワールドを舞台に人気キャラクターが“権利”の壁を越えて登場する夢の企画。
2011年に発表されたアーネスト・クラインの小説『ゲームウォーズ』が原作。
 
スピルバーグが日本の文化の影響を受けているいることは知られていますが、クラインさんも同じく日本とスピルバーグ作品の影響も受けていると。
そんな原作の映像化。権利的にはありえないことでしょうが、それこそ“世界の巨匠”スピルバーグであれば…ということで、現実のキャラクターを登場させることができたんだとか。

言うなれば、それこそが今作の“肝”ではあるわけですが。

わたくしごとですが、正直ここに登場したキャラたちに“のめり込むほど”のアレではないわけで。
普通にガンプラぐらいは作ってたけど、「AKIRA」は見ていない。男の子なので「キティちゃん」グッズを愛用してはいない。貧乏だったので家庭用ゲームにハマったこともない。
25年ほど映画鑑賞を趣味にしてはいるけれど、それ以前に公開された「バック・トゥ・ザ・フューチャー」見ていない。あの有名ホラーも残念ながら未見だったりして。

というわけで、取り立てて『激アツ』モードにスイッチが入ることはないっちゃあないんだけど。
それでも ある意味でのオールスターな楽しみは十分過ぎるほどに味わうことできました。

そんなキャラクターの中でも「ガンダム」が登場することはガンガン報じられてましたが。
なんとその登場シーンは あのメカ怪獣と戦うという。こんなことやられちゃったら「パシフィック・リム」は形無しだよね(苦笑)

ちなみに この辺りの作画、サンライズや東宝とか抜きで、スピルバーグサイドがやったのかな?
そういうの気になったけどね。

ひと通り「あんなキャラが出ていた」として書かれているものも見ましたが。
基本バットマンやらキングコングやら ほぼほぼアメリカのキャラクターと。あとは日本のそれだったりするんだけど。

それ以外の国にはそういうキャラってそんなにないのかな。
そうしたところで日本の“ポップカルチャー”の人気の高さを思い知ったりして。

とその反面で、登場したのは あくまでフェイマスなキャラクター達でね。
不遇なヒーローやニッチなキャラまでは登場してないので。

言うなれば、カルチャーアイコンをフューチャーしたものであって。ガチのオタからすると「そうですか」レベルのことかもしれませんな。

そもそも映画としても 実にスピルバーグらしいものでありまして。
夢のようなVRの世界の映像。少年・少女たちによる ほのかなジュブナイル感。KISSシーンの青臭さ。
悪いオトナも出てくるけど、残酷描写は控えめで。そして目的を達成して迎える大団円。

良し悪しではなくて、昔ながらの感覚で「映画を見た〜!」と思わせてくれる。これぞスピルバーグ作品の王道路線。
手応えとしてはまさに80年代の映画って雰囲気。もちろんそれがコンセプトであるけどね。

これはこれで映画のお祭りで。そんな企画が成立したのもスピルバーグの存在があってこそ。
ただし あまりにキレイ過ぎて、ヒネた映画ファンの立場で言うなら、心に爪を立てられたり傷を残す作品のが好みであって。

どうせなら登場キャラも もっとマニアックなトコに足を踏み込んでも良さそうだけど。やっぱり大衆に向けた映画ですからね。

及第点を遥かに超える作品ではありますが、好みでいうなら もうちょっと…と。
それが素直な感想ですわ。


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ゲームだから起動戦士ってか!?
posted by 味噌のカツオ at 01:07| Comment(0) | ラ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月28日

リズと青い鳥

山田尚子
(声)種ア敦美、東山奈央、藤村鼓乃美、山岡ゆり、本田望結
北宇治高等学校吹奏楽部でオーボエを担当する みぞれと、フルートを担当する希美。二人の最後のコンクールで演奏する「リズと青い鳥」にはオーボエとフルートが掛け合うソロがあった。
しかし普段は親友である2人のソロは上手く噛み合わず、距離を感じさせるものだった…。

テレビアニメでも人気の『響け!ユーフォニアム』のスピンオフ作品。
わたくし自身はアニメを知らなかったので…無料で公開されていた第1シリーズ(全13話)を見たうえで、鑑賞してきました。
厳密には今作の中心になるキャラクターは第2シリーズに登場するそうなんだけど…まぁそれはそれ。

オーボエを担当する鎧塚みぞれと、フルートを担当する傘木希美。
コンクールで演奏する自由曲「リズと青い鳥」にはオーボエとフルートによるソロの掛け合いがありました。

映画では積極的なキャラである希美と 彼女の後を着いていくような みぞれの姿が描かれています。
ただし あくまでその距離感を理解した ふたりの関係性であって。それはそういうものだとは思うわけですが。

それでも高校3年生として進路について。ふたりとは別の第三者との関係性に置いて。そして何より ふたりの掛け合いの演奏に関して。
それらを通じて、互いの想いが交錯していきます。

そんな彼女たちの姿と同時に、演奏曲「リズと青い鳥」の世界観についても表現がされています。
ちなみに そのパートに登場するリズと青い少女の二役を 本田望結が演じています。

子役として活躍はしていますが。ストレートに言うなら…この作品の中では異質な存在でしたね。
決してアニメ声じゃなくて。声の質、演技としての表現。いずれもアニメのそれとは違うというか。

ただし その部分はイメージでの描写でもあるので、本編とは違う雰囲気を醸すという点では その役割は十分に果たしていたと思います。

あらためて。
リズと青い鳥(青い少女)の関係性。みぞれと希美の関係性。
それらが ある種の対比になってはいるんだけど、必ずしもそれが そういうわけにもいかずで…

物語的には見る側が翻弄される部分でもあるけれど、でも女子高生の生態って意味では「そういうもんだよね」とも思わされ。
なんとも ヒリヒリとした部分を見せつけられます。

この作品、わずか90分の上映時間ではありますが、無駄なセリフが一つもないですよね。
核心を突くようなものだけではなく、彼女たちの日常の会話も、おどけたようなやりとりも。

それらすべてが 愛おしく、それらすべてが 彼女たちのすべてで。
そんな言葉で紡がれた少女たち。でも実際のそれぐらいの女の子たちも、ちょっとしたことに心揺れたり、わざと本音を伝えなかったり、思ってもみなかった本心に自分で気が付いたりするんじゃないですかね。

そういう曖昧さの上の緊張感。セリフ、表情、行動、音…いろんなところに散りばめられています。
ここまでの感情表現は、間違いなくアニメだからこそできたもので。心に響くもの、考えさせられることが多々ありました。

さて、表現という意味ではもう一点。
終盤にある練習中の演奏シーン。

そのソロパートの演奏に全員が何かを感じ取る描写があるんだけど。
これ小説やマンガであれば そういう説明でクリアできるでしょうが、映画の場合 ホントに“音楽”でそれを感じさせなきゃいけないんですけどね。
その演奏に説得力がなかったら、ドラマとして成立しなくなっちゃうんだけど。

ここでは それをやってるんですよね。
ホント、あの演奏シーンは じんわり涙にじんできましたから。

そんなこともありまして。
なんだか とんでもないもの見ちゃったなと。それぐらいクオリティの高い作品であります。

ただ この手の作品、見る側の感性も問われるところ多分にあるとは思いますが。
山田尚子監督、京都アニメーションの凄さ。やられましたです。
posted by 味噌のカツオ at 02:09| Comment(0) | ラ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月15日

ラッキー

ジョン・キャロル・リンチ
ハリー・ディーン・スタントン、デヴィッド・リンチ、ロン・リヴィングストン
90歳の無神論者ラッキーは、いつものように一人暮らしのアパートで目覚め、コーヒーを飲みタバコをふかし、いつものバーでブラッディ・マリアを飲み、馴染みの客たちと過ごす。
そんな日々の中、彼はふと人生の終えんが近いことを実感し、死について思いを巡らせる。

日本では“終活”という言葉も度々目にしますが、今作は90歳まで生きた男が、その人生のラストとどう向き合うかというトコロがテーマであって。
その主人公・ラッキーを演じたのが実際に齢90歳の俳優 ハリー・ディーン・スタントンさん。

プロフィールにはこれまでの出演作も多々ありますが、主演ってってのはほぼ無いのかな?
いわゆる名脇役、バイプレーヤーということで。わたくし自身はハリーさんの印象ってのが 不勉強ですがありませんで。

監督のジョン・キャロル・リンチはもともと役者さんで、これが初監督となります。
もしかしたら監督業というよりも、ハリーさんの生きた証を残すべく、監督を名乗り出たところもあるのかな?

そもそもこの脚本は主人公のラッキーの物語というよりも、ハリーさんの当て書きで作られたということで。
彼の人生経験や思想的な部分も反映されてたと聞きます。

そしてこの作品を終えた2017年9月15日に、ハリー・ディーン・スタントンさんはその生涯を終えており、まさにこれが遺作となったそうです。

そういう重みを…さほど感じさせず。ある種 淡々とラッキーじいさんの日常が描かれます。
朝目覚めてラジオを付けて、タバコ吸って、行きつけのダイナーでパズルに興じ。夜はバーで仲間と語らい…
そういうのをずっと見せられる「パターソン」みたいなイメージも湧きましたが。

基本、映画の雰囲気はユルめで。とんでもない事件や めんどくさいトラブルも起きるわけではなく。
友人の誘いで誕生日パーティーという(ごく小さな)非日常に触れたり。自宅で倒れて“老い”という言葉を投げかけられたり。
そうしてハリー自身が「人生の終わり」というものを意識していくわけですが。

これは寝不足だった自分のアレもありますが、ときどき意識がフワフワと。
チョイチョイ字幕の文字を見落としてしまいました(苦笑)

かろうじて気になったのは(他者を全く見かけない)最後のラッキーの散歩のシーン。
あれはもう、そういうことだったのかな。そして ひとり遠くへ歩んでいくという。

わたくし的に 何がしかのメッセージがズバン!ときたとは言えないんだけど。
「Alone・独りと Lonely・孤独は違う」「Aloneの語源は“All+One(みんな一人)なんだ」というセリフと共に。

ラッキーであり、ハリー・ディーン・スタントンさんの生き様を見届けさせていただきました。
ちょっと寂しさも漂いつつ、前向きな気持ちにもなれる映画でした。

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ラッキーは逝っても亀は長生き
posted by 味噌のカツオ at 14:33| Comment(0) | ラ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月10日

RAW〜少女のめざめ〜

ジュリア・デュクルノー
ギャランス・マリリエ、エラ・ルンプフ、ラバ・ナイト・ウフェラ
厳格なベジタリアンの家に育ったジュスティーヌは、姉も在学する獣医学校に入った後、新入生の通過儀礼としてうさぎの生の腎臓を食べることを強要され、口にしてしまう。
その行為により彼女の本性が露わになり、次第に変貌をとげていくことになる。

なんでもトロント映画祭では失神者が続出したであるとか、一部ではリバースしても良いように“エチケット袋”が配布されただとか。いろんな意味で話題が先行している今作。
気になってはいましたが、さすがに上映館数の少ないことったら(笑)
そんな中 時間を合わせて見てきました。

テーマは邦題に付けられている通り「少女のめざめ」ということでしょうが。
少女のめざめであり 成長を表現するのに、そのフィルターとなるのが いわゆる“カニバリズム”というのはなかなかハードル高いっちゅうか、前代未聞っちゅうか。

ちなみにこれ、監督は女性なんよね。
それでこんなの撮っちゃうの?って向きもあるかもだけど、実際には監督自身が成長していく段階のなかで、自分ではない何者かになっていく感覚をひ表現したものらしいです。

わたくしは、内容について事前に予習をしっかりしていたこともあり、衝撃度合いは ほどほどに押さえられていたわけですが。
それでも気持ち悪いシーン、いくらか不快なシーンもありましたね。
でも決してそればっかりってわけでもなくて。

冒頭の事故のシーンから驚かされましたし。学校の寮での“先輩”らの洗礼も なかなかのものでしたし。
一方で立ちションやら脱毛やらはどう受け止めるべきかと困惑しつつ。と思ったところで とんでもない事態に陥って。
やがて覚醒していっちゃいます。

あとは かなり衝撃だったのが、主人公のルームメイトが寝てるのかと思ったら あんなことになっちゃってたとは。
でもあの場面って、酔いつぶれた女子が目覚めた際にベッドに男の人がいてて。まさか記憶の無いうちに やっちゃったのかと。
ところが わたしは何事もなくって。実際はお姉ちゃんがやらかしてた〜という感じに受け止められなくもないかな。
そんな受け止めしなくてもいいか。

そんなこんなで見てる間中、ずっと複雑な感覚が着いてまわってたけど。
最後の最後で またとんでもない現実を提示されちゃうという。

マッシュポテトに肉が入ってた時にオカンが激怒してたけど。
あれはあれで怒る理由があったんだな。親心だねぇ。

でもやっぱり、どんな思いがあるにせよ。獣医学を学ぶ場に放り込むのは諸刃の剣だと思うけどな。

かなりエグいアプローチではあるけども、表現の仕方としては決してハズしてはいないので。下手なわけではないので。映画として楽しむことはできる作品ではありました。
当然万人におススメはできませんがね。
posted by 味噌のカツオ at 22:43| Comment(0) | ラ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月12日

ローガン・ラッキー

スティーヴン・ソダーバーグ
チャニング・テイタム、アダム・ドライバー、ダニエル・クレイグ
仕事を失い家族にも逃げられ失意のジミーは、戦争で片腕を失った弟クライドとカーマニアの妹メリーを巻き込み、モーターイベント開催中の大金強奪を計画する。
さらに作戦成功のため服役中の爆破のプロ ジョー・バングを脱獄させ、計画実行後に刑務所に戻すという作戦も立て、いよいよレースの当日がやってくる。

「オーシャンズ」シリーズのスティーヴン・ソダーバーグが引退を撤回して製作した4年ぶりの新作。
との触れ込みですが。映画監督なら何年も間隔が空くことあるもんね。それはそれとして。

確かに「オーシャンズ」みたいな犯罪チームプレーを楽し気に見せてくれる映画は好きですし。
ダニエル・クレイグの“007”ではない顔が見られるのも普通に楽しみで。

大まかな流れはわかります。主人公が弟妹を誘って大金強奪を計画。爆破のエキスパートに協力を仰ぐ。んでまたデキの悪そうな2人組が仲間に加わる。
そしてドタバタありながら計画が実行されるも…

大まかな流れはわかりますが、正直 細かい部分がイマイチ伝わらず。
主人公のジミーは元々人気の選手だったのがケガでその座を追われ。そのケガが遠因で仕事を奪われ。子供は懐いてるけど嫁には逃げられ。
その弟はバーテンをやってるけど、戦争で片腕を失っていると。

この兄弟の それらの設定だけでも いろんなメッセージや、社会でのポジションが読み取れそうなんだが、如何せん当方にはそこまでの知識はなく。

爆弾魔ジョーとその手下みたいな2人組にも物語ありそうなんだけど、それもぼんやり。
途中で登場するジミーと幼なじみと思しき女医にも、過去がありそうなんだけど それもハッキリとはわからず。

計画が実行され 何がしかのからくりがあって、うまいことなって。
でも保険があるのでチャンチャンという流れでしょうか。

アウトラインはぼんやりわかるけど、駆け引き込みの会話がね、字幕を読んでいても何だかわからない。
飲み込んでる感じはするけど、味が、味わいが全くわからない。

その辺りが理解できると、もっと粋で洒落たクライムストーリーとしてキレイに着地できたんだろうけど。

「ネイティブに会話がわかればもっと楽しめたのでは」とか「前半眠ってしまった」といった感想も目にしました。
おそらく 字幕の翻訳がイマイチわかりづらいところあったんじゃないかな。

オリジナルのセリフを直訳するか、意訳でざっくり進めるのか。
字幕の映る文字数に秒数など、いろんな条件あるのはわかるけど。
今作に限っていえば、そのあたり少々微妙だったのかもしれないですね。

でもわかる人、伝わった人。ソダーバーグ監督の作風という土台の上で楽しめる人たちからは好評価を得たという感じに思えました。

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老眼ラッキー
posted by 味噌のカツオ at 00:04| Comment(0) | ラ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月09日

RE:BORN

下村勇二
TAK∴(坂口 拓)、近藤結良、斎藤工、大塚明夫
石川県加賀市のコンビニで働きながらサチという少女と暮らしている男・黒田敏郎。彼の住む田舎町で不可解な殺人事件がおこる。それはファントムと呼ばれる謎の男からの警告だった。
かつて特殊傭兵部隊にいた敏郎には、自分の所属部隊を壊滅させた過去があった…

あらすじを読んでもピンと来なかったし。なんやよくわかりませんが、評判がよかったので見に行ってきました。
しかし、予想を上回るクオリティに驚くとともに、その支持率の高さに合点がいきましたし。

俳優を辞めてアクションの監修などを行っていた坂口拓が役者として復帰と。
同じくアクション俳優の経験を持つ下村勇二監督が、坂口拓 改め TAK∴のポテンシャルを最大限に引き出す映像を作りあげたという感じでしょうか。

あらすじというかプロットというかは、そんなにグイグイではないものの。
でもちゃんと機能はしてるかな。

サチという少女と暮らしている敏郎。
この 女の子も、なかなかいい目力してるなとも思ったし、こんな殺人マシン男と一緒におったら、そりゃ将来は武田梨奈になるわなと思ったり(苦笑)

そういった前フリはさておき。
やっぱり今作の最大の売りはアクション・バトルシーンであります。

突然 加賀の街中での銃での襲撃。後ろで見切れてるエキストラかと思ってた人がいきなり襲ってきたり。
元AKBの篠田麻里子サマがエレベーターや電話ボックスなんて密室バトルに興じたり。
コンビニ(というか昔ながらの商店風の)店内でのシーンは、その狭さ、陳列棚、アイテムを生かしたものになってるし。

ひとことで“アクション・バトル”とは言いますが、敏郎の…いや敏郎を演じるTAK∴の動きがスゴ過ぎて。
今までの戦う映画とは一味違った“エグさ”や“リアリティ”を感じましたね。

スティーブン・セガールも何やら格闘術に長けているとは申しますが、今作でTAK∴が披露しているのは、より実戦を想定した戦闘術‟ゼロレンジコンバット”というもので。
それを映画用に…ではなく、ガチで体得。そのスペックを披露しているというんだから。

そして終盤に対峙するアビスウォーカー役の稲川義貴は、ゼロレンジコンバットの先生でもあるそうで。
なので その直接対決のシーンは、かなりのハイレベルに仕上がっております。

さらに驚いたのは、通常のアクションシーンって 動きの型があるものですが、今作では“フリー”もあるそうで。
すなわち、敵役のスタントマンに「どう攻撃してもいいですよ」と「TAK∴さんが全ていなしますよ」というシーンもあるとか(笑)

それらを見て感じたのは、止まっていた車が動き出すのに時間がかかるように、体を揺らした状態から打つほうがスピードが乗るのかなだとか。

至近距離で銃を構えながら 誰も引き金を引かないのは、構えあったまま動かない剣道と同様に、隙が無いのかなと。
引き金を引こうという間合いが無いというか。引き金を引こうもんなら逆にやられそう…という気を放っているのかなと。

また撃たれた銃弾をスウェイでかわすシーンも、敵から視線を外すことのない完全な水平移動の仕方に、妙なスゴ味を感じて。
これもアリかと思わされましたし。

ホントに、それらのアクションの一つ一つから目が離せないという映像になっておりました。

そして その他のキャストでも加藤雅也、斎藤工、いしだ壱成さんなんかが出ていたり。
声優としてキャリアを誇る大塚明夫さんが“顔出し”で登場。それでも 声の持つインパクトであり、声が内包するラスボス感。大切だなと思わされた次第。

公開の劇場も少なけりゃ期間も短いけども。
これは多くの人に届けたい和製アクションムービーですよ。

やぁ最悪DVDでもいいので、このリアルな“戦闘”を体感してほしいですね。

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おら、戦いに戦(行くさ)!!
posted by 味噌のカツオ at 00:38| Comment(0) | ラ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月05日

リトル京太の冒険

大川五月
土屋 楓、清水美沙、アンドリュー・ドゥ、木村心結、眞島秀和
あの日以来、どこに行くにも防災頭巾を手放さない12歳の少年・京太。大好きなティム先生と単語帳を片手にカタコトの英語で会話することを楽しみにしていた。
ある日、アメリカからモリーという女性がやってくる。そのことがきっかけで京太はある行動に出るのだが…

本来は他に見たい作品がありながらも、時間が合わなくって 今作を不意に見に行ったわけですが。
そもそも この作品をチラシで見た印象は、頭巾をかぶった変わり者の少年の“よくある”成長のオハナシなんでしょうと。見終わったら ほのぼのとあたたかい気持ちになるんでしょうと。
そう思っておりました。

実際 そのイメージは決して遠くはなかったんだけど。
同時に どこか“一筋縄ではいかぬ”という、そんなことも思っちゃいました。

露骨な描写こそ無いものの、彼が防災頭巾を手放せなくなってしまったのは 震災の影響で。
確かに それは人々に大きな影響と、様々な傷を残していったのも事実。

だからといって万人が そこまでなのかと。周囲の人々が、学校の友だちが 汗かきながら頭巾を被ったまま生活しているのかといえば さにあらず。
ということは やっぱり京太は(良くも悪くも)どこか特異な影響を残した少年なのかな。

彼がなぜ英語を頑張っているのか。なぜティム先生と親しくするのか。
彼と仲良くなる詩織とその父親の存在。彼と母親との関係。

それこそ一筋縄ではいかないような、そんな思いが交錯していて。
少年主体の物語でありながら、広い意味で どこか身につまされる面もあって。

ただし 子ども目線も入ってたりするし、監督の作風も手伝ってか 変に深刻にはさせないのが、わたくし的には良かったですわ。

そして 途中でインサートされる回想とされるシーンにもチョイチョイ驚き。
回想シーン。もちろん 今回の本筋 以前の出来事なんだけど。

そこに登場する京太は 黄緑色の頭巾こそ被っているものの、今よりもちょっと小柄で。声変わりもしていない。
だけど 顔は間違いなく京太なんだよね。
これはいったい!?と思ったらば…

後でわかったんだけど、じつは2012年に「京太の放課後」という短編があって。
その後には同じく短編で「京太のおつかい」という作品が製作されていたんですね。

それを受けて、今回 大川監督初の長編作品として、キャストも同じくして、この作品が製作されたと。
何気に5年の歳月を経て至っているストーリーだったんですね。
アイツ、5年間も頭巾被ってたんやね(苦笑)
それはさておき。

当然 京太の成長は描かれますが、もしかすると 大人の中にも彼と似た不安や危機感を抱えた大人もいるはずで。
それらの要素を少年、そして頭巾というアイテムでわかりやすく伝えてくれた作品だと思いました。

ちょっと難を言うならば、過去の映像を入れるのはいいけど、多用しすぎてゴチャつく感もなくはなかったかな。
5年前の京太はわかるけど、大人たちは見た目がそんなに変化なかったりしてね。

でも京太の佇まいは何か独特の雰囲気があって。
じんわり気になるキャラクターでね。
素直に、見て良かったと思える作品でした。

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清水美沙さんはリアル アメリカ在住だって
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2017年05月09日

映画 立候補

藤岡利充
マック赤坂、外山恒一、羽柴秀吉
2011年11月。橋下徹が仕掛けた40年ぶりの大阪府知事・市長のW選挙。
世間的にも注目を集める中、その府知事選挙に立候補した泡沫候補たち。また日本の様々な選挙に登場する泡沫候補とされる彼らは、なぜ 300万円の供託金を支払ってまでして、敗北必死の選挙に立候補するのか。

選挙というのは 決まった数の議席に対し、誰がふさわしいのかを競い合うシステムであることに間違いはないことでしょう。
競い合ったうえで勝者・敗者が生まれるわけですが…

その反面、絶対に当選しないであろうという立候補者がいるというのもね。
んで“泡沫候補”という言葉が存在することがなんだろうかと思うわけで。

しかも誰でも手をあげればというわけではなく、供託金を支払って 言わば“負け戦”に向かうという構図。
これはいったい何なのかというのは、凡人には分かり得ないところであります。

過去にも選挙をテーマにしたドキュメント作品はありましたが、これらの泡沫候補を追うというのも確かに興味深いです。

そんな中、作品の軸となるのはマック赤坂候補と そのただ一人のスタッフである櫻井氏の二人。
彼がマックさんの選挙に関わることになったいういきさつには ちょっと笑ってしまいます。

どこか不可思議な二人三脚。
ホテルの部屋で政見放送を見て「面白い」と語るマックさん。マックマニアにはたまらない恰好をしておられます。
そしてツイッターの反応が好評ですよと櫻井氏。

やがてその選挙戦術はエスカレート。
駅の構内での立ち合い。果ては選挙区外の京都でのパフォーマンス。
いやいや、なんぼなんでも大阪府知事候補が京都でアレは荒れるでしょと。

ところが、公職選挙法には選挙運動としては、どこで何やっても良いらしく。
しかも 当該の選挙区以内のみ〜という縛りはないとか(推奨はしていないだろうけど)。

また選挙法により、警察・公安であってもそれを制止することはできないという。
無法?無秩序の無双状態。

秘書役となった櫻井氏も よくこんなイカレたおっさんについてくなと思いましたが。
その櫻井氏も 実際はなかなか難しい立場に於かれていて。その事実に迫った部分では驚きというかなんというか。

そして もう一人、マックさんの実の息子さんも登場します。
マックさんが立ち上げた貿易会社を切り盛りする息子さん。
彼の父の選挙に対するスタンスがまた。。。

一般的な会社員(経営者)で、父親にあんな形で動かれても、そりゃそやわなぁと。
それに関しては、いくらか同情してしまいます。

マックさんのスマイル体操だかなんだか知らんけど、あれはなんなんやろうか。
「候補者として もっとちゃんとするべき」という声は正しいと思う。

一方で「歌うとみんな見てくれるけど、真面目な話をしだすと みんなどっか行っちゃう」とマックさん。

パフォーマンスの合間に口にするのは水ではなく 小さなパック。そこには“鬼ころし”と書いてある。
おい、酒かよ! 確かに飲まなきゃ人前であんなことできないかと 微妙に説得力あったり。

通りがかった外国人が 一言「クレージー」だと。
単純に…いや ちょっと深くなるけど。

一般的には「当選するわけない」と思われる候補者が4人も5人も名乗りを上げたり。
選挙運動だとして 突飛もないゲリラパフォーマンスを繰り広げ、政見放送だと言って ギリギリの発言をテレビを通して訴える。
外国でこのように泡沫候補みたいな存在っておるんかな。

一部の危険な国家では 投票箱が強奪されたり、有権者が誰の名前を書くか見張りがいるとか。そういうのもあるんだよね。
それを思えば、マックさんのような存在が躍動するのは日本が平和であり、開かれた選挙制度に裏打ちされている証なのかな。

その反面、もっと敷居を高くではなく整備するべしとも思うけどね。

映画的なクライマックスはマックさんが 橋下氏と松井氏の街頭演説に直接挑んでいく場面。
あれを見て マックスゴイと見るか、あまりにも品がないと見るか。それぞれでしょうけど。
わたくし的には「マックさん、いつものやってくださいよ」とエールを送った橋下氏の懐の深さに 慣れたもんだなと思いましたが。

そんな大阪府知事選アフター。
マックさんの秘書の櫻井氏の姿。そして彼の長男が初めてある人と会う姿に 少し胸を打たれました。

長男といえば、もう一人。
ボーナストラック的に映し出される 彼の姿。
あまりにも意外な、むき出しとなった人の感情のぶつかり合い。

とても劇的なアングルでとらえられた映像。そこに響くマックさんの声。
見ていて なぜか涙があふれ出します。

まさかこんな思いで見終わるとは。
もちろん選挙・泡沫候補というテーマではありますが。
ドキュメンタリー映画というのは、何よりそこに“人”があってこそですね。
素晴らしい作品でした。
posted by 味噌のカツオ at 13:41| Comment(0) | TrackBack(0) | ラ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月12日

LION ライオン 25年目のただいま

ガース・デーヴィス
デヴ・パテル、ルーニー・マーラ、ニコール・キッドマン、デヴィッド・ウェナム
インドのスラム街に暮らす5歳のサルーは、兄と出かけた先で迷子になり、たった一人 回送列車で遙か遠くの町まで運ばれてしまう。やがて彼は、オーストラリアへ養子に出され、不自由のない暮らしをおくる。
その後25年が経ち、母と兄への募る想いから 本当の自分の家を捜すことを決意する。

アカデミー賞やゴールデングローブ賞にて それぞれ数部門ノミネートされつつ、受賞はできていないんだ。
でもわたくし的には 思いのほか響いてきましたけどね。

あるいきさつにより、わずか5歳にして たった一人で迷子になってしまった主人公サルー。
彼が25年という時間を経て、生まれ故郷に帰るという。

これまた実話がベースの物語と謳われていることもあり、邦題に野暮なサブタイトルがついていることもあり、その点については承知の上で。
さらに予告を見ると おおよその展開も想像ついたけど。
意外とさにあらず。
今は何不自由なく暮らす主人公が“告白的”にいきさつを明かすのかと思いきや、時系列通りに物語は進みます。

故郷で兄と共に、貧しいながらも知恵を使って生きていくサルー。
そして思いがけないアクシデントで迷子となり、様々 危機的な状況に近づきながらもそれらを回避し。
オーストラリアの夫婦から養子縁組の話が舞い込みます。

ん〜なんで突然オージー?とは思いましたが、その意味合いもちゃんと後々明かされます。

20年の時が経ち自分の道を進んでいくサルー。
しかし心のどこかで 自分のルーツを意識しつつ。しかし育ての親を前にそれを明かすことはできず。
といったところですかね。

前述の通り時系列通りの構成で、よりストーリーを掴みやすかったと思います。
また 本来なら主人公と恋人との恋愛パート、“弟”との複雑な関係あたり もっとコッテリ描けそうだったのを、できるだけあっさりとサイドストーリー化したことで、とても見やすかったです。

そしてクライマックス。
生まれ故郷を訪ねるサルーを迎え入れた現実。わかっていてもグッときちゃうし、知らなかったからこそ こらえきれないし。

この近年の出来事がモデルとなっているお話に関しては、ほぼほぼ慣例通り 実在の当事者たちの姿も見られるわけですが。
これがまた作品の重み、深みを増してくれますね。

幼少時のサルーを演じた子の顔立ち、声のかわいらしさ。そして純真なまなざし。
この作品に於いて、彼が果たした功績も大きいよね。
いい映画でしたよ。

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サルじゃなくてライオンね
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2017年04月11日

レゴバットマン ザ・ムービー

クリス・マッケイ
(声)山寺宏一、小島よしお、沢城みゆき、子安武人
敵意をむき出しにした悪者ジョーカーが悪の軍団を目覚めさせ、街を乗っ取ろうとゴッサムを襲来。
さすがのバットマンも一人では歯が立たず。ほかの個性豊かなヒーローたちと協力し合い、街を守るため立ち向かっていく。

「バットマン vs スーパーマン」に続く バットマンシリーズ1年ぶりの最新作…ってか、そういうふうにカウントしてもいいのか?
日本では、特に名古屋ではレゴランドがオープンし、レゴムービーとしては それに合わせた公開作。

というわけで、バットマンシリーズ視点、レゴムービー視点。
両方あるわけですが、結果的にはどちらのスタンスでも楽しめる完成度だったですね。

わたくし的には それほど期待…というかノーマークだったわけですが、なかなか評判が良いみたいで、日本語吹き替え版にて見てまいりました。

本編始まる前、配給会社等々のロゴが出たところから ぶっこんできまして。
思わず「お、そういうノリなわけね」と。引き込まれまして。

まるでおもちゃ箱をひっくり返したようなキラキラとした、なんならチャカチャカとした映像。
それでいて セリフや展開は大人が見聞きしても楽しめる感じで。

さらに細かいキャラクターや小ネタの部分でマニアもニンマリできるような。
そんな作りでしたね。

やけに“オレオレ”感が強く、とかく腹筋にこだわる自己顕示欲の塊。
悪と戦いゴッサムを守り、市民からチヤホヤもてはやされ。しかし帰宅すると、ひとりぼっちで大好きなロブスターを食い、扱い慣れないモニターで映画を見て…という寂しい日常。
これをリアリティと呼ぶのか何なのか(苦笑)

そんなバットマンを演じた山寺宏一のキャラづくりであり演技力はスゴイなと。終始それは感じてました。
一方、その“息子”となるロビンを演じた小島よしお。一部ではヤイヤイ言われてますが“らしさ”は前面に立っていなかったし。わたくし的には全然アリだったですね。

全編ハイスピードで駆け抜けていく楽しさ。銃を撃つ時の「ピュンピュン」という声のバカバカしさ。
それらについては十分に満足ですが、やっぱり そのスピードのままで105分ってのは、オジサンには少々しんどくて。

もうちょっとジックリみられる部分もほしかったなというのが正直なところ。
目も脳ミソも疲れちゃっただね(苦笑)

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トム・クルーズだよ(爆笑)
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2017年03月10日

LIVE FOR TODAY 天龍源一郎

川野浩司
天龍源一郎、嶋田紋奈
長きにわたりプロレス界を牽引してきた天龍源一郎の、引退発表から最後の試合までの日々を収めたドキュメンタリー。プロレスファンでもある俳優の染谷将太がナレーションを担当する。

13歳で角界に入り、26歳でプロレスに転向。以来40年近くプロレスラーとして活躍してきた天龍源一郎。
2015年2月の引退発表から、11月15日に両国国技館で行われた引退試合までを追ったドキュメンタリー。

わたくし自身 30年来のプロレスファンで、天龍にはたいへん影響も受けましたし。
オカダ・カズチカとの引退試合は当日ライブビューイングで観戦いたしました。

天龍プロジェクトの代表を務める愛娘・嶋田紋奈と大将・天龍との二人三脚の引退ロード。その流れについては、毎週購入している週刊プロレスで一応押さえておりまして。
ただし、控室の模様なんかは窺い知ることできませんから。それらの映像は興味深かったですわ。

プロレスファンとして、ノアの広島大会にて。かつての天龍同盟時代の仲間でもある小川良成、川田利明。そして小橋建太にスタン・ハンセンらと顔を合わせる場面はグッときましたね。

ウォーミングアップで四股を踏み、鉄柱に鉄砲を打つ姿。度々映されるシューズの紐を通すシーン。
そうしながら 周囲と優しく会話をしつつ、どこか漂う緊張感が やっぱりたまらないものがありました。

一度だけ入場ガウンを忘れるということはあったけど、総じてアクシデントもなく。
常に満身創痍ではあるが、試合ができないほどのケガに見舞われることもなく。

映画の中のドラマ性には正直乏しい気もするけれど。
40年間に渡ってリングでの闘いを積み重ねた65歳の男ですから。もはや無事であることが もはやドラマであるかも。

そうして迎えた引退試合の当日。「サンダーストーム」のテーマが鳴り、いざ…という映像に目頭が熱くなりました。
それだけの重みがありました。

後に年間ベストマッチに選ばれた 対オカダ戦。
こうした経過と共に 天龍サイドの目線で見ると、やっぱりそれだけの味わい深さを再認識。
プロレスファンでよかったなと。そんな思いも込み上げてきましたです。

というところですが。
プロレスファン以外にも このアツさ、届きますかね。
それでなくても、天龍さんのコメント、聞き取りにくいし(苦笑)
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2017年02月25日

ラ・ラ・ランド

デイミアン・チャゼル
ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン
夢追い人が集まる街、L.A.(ロサンゼルス)。女優を目指すミアは何度オーディションを受けても落ちてばかり。
ある日 ピアノの音色に導かれて入ったジャズバーでピアニストのセバスチャンと出会う。
やがて二人は恋におち、互いの夢を応援し合うが、セバスチャンのバンドが成功したことから、二人の心はすれ違い始める。

今年度のアカデミー賞の大本命。既に広く公開はされていますが、日本公開はわざわざアカデミー賞の発表に合わせたのか この時期で。
公開初日の初回上映に行ってきました。

久々に「これぞ!」と思わせるミュージカル作品とは聞きますが、事前にはグッとくる感覚はなく。
実際にあらすじとして、特段なにかがあるという風でもなく。恋?夢?そういう映画はありますからね。

果たして 見終えた感想は…「映画だな」と。
良かった?いや、これで良かったとは言いにくいが。それが人生であり、映画なんでしょう。
こう見えてネタバレなしでは語りにくいところもあるからねぇ。

「ヘアスプレー」なんかも好きですから。冒頭から心わしづかみ。
フラッシュモブは大キライだけど、人々のパッションが共鳴し合い、あんなところで歌い踊り出すなんてたまりません。

そんなオープニングが終わったかと思えば、切り替わることなく そのままストーリーに入っていったのも(いい意味で)卑怯だったね。

共同生活をしてる女優の卵たちが出会いを求めて出かけるパートもキレイでした。
赤、黄、緑、そして青のドレス。日本的には“スーパー戦隊シリーズ”チックだけど(笑)あれもワクワクするシーンだったね。

その後 距離が近づきつつあるセブとミアが、日の沈みかけた街を見下ろしながタップダンスをする場面も素晴らしかったです。

中盤はミュージカル要素は少なめで、二人が夢を語り、愛を深めていきます。
ただし 前に進むべく始めたことにより、その関係がかみ合わなくなり。
互いを信じあいながらも、それぞれの夢と向き合う時が訪れます。

幸せなはずの二人だけの「サプライズだ」の食事シーンでついに…
役者であり、ミュージシャンであり、表現者であるならば どうしても選ばなきゃいけない時があって。
あの時の互いの言い分は、愛があるからこそ間違っていないし。だからぶつかってしまうし。
だからこそ辛かったね。

やがて二人の関係に大きなうねりが起こり。
そして夢のような、ラストシーンが待っています。

二人の関係が近づきかけると、ちょっとした何かが起こり。すんなり進まないもどかしさ。
恋愛映画には そういう焦らしの展開はあって当たり前だけどさ。

ラストシーン見てどんどん切なくなっちゃったね。
もしあの場でキスしていたら…

泣きはしなかったけどね。だって今が そうなんだから。
でもやっぱ切ないわ〜(涙)

カラフルな映像美、役者、音楽、脚本なんてキーワードも出てきますし。
そもそも舞台がロサンゼルスの映画スタジオだったりするし。

映画愛にあふれていて、「これぞ映画!」と思わせてくれました。

夢、幸せ、愛はあるはずだけど
なぜか切ない、切なすぎるラストシーン。

幸せなんだけど、ちょっと欠けてるからいいんです。人生ってそういうもんですから。

わたくしごときにはアカデミー賞レベルなのかどうかはわからんけど。
素晴らしき映画と出会えたと。そう言いたくなるのは間違いないです。

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ラ・ラ・ライアン・ゴズリング
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2016年07月31日

ロスト・バケーション

ジャウム・コレット=セラ
ブレイク・ライブリー、オスカル・ハエナダ
人がほとんどいない秘境のビーチを訪れた医者のナンシー。理想的な環境でサーフィンを楽しんでいたのだが。
突然 一匹の巨大な人喰いサメが彼女に襲いかかる。必死に近くの岩場までたどり着くと、足からは大量の出血。やがて満潮になれば その岩場も沈んでしまう。危機的な状況に追い込まれたナンシーは…

楽しいバカンスのハズが大海原に取り残されてしまうパニック映画「オープン・ウォーター」と「オープン・ウォーター2」。
そんな孤独感と「ジョーズ」に代表されるような人食いサメの恐怖を掛け合わせたようなシチュエーション。
まぁ一作目の「オープン・ウォーター」にはサメも絡んではくるんだけど。

病気だった母親を助けることのできなかった医師のナンシー。父と妹を残し、一人で訪れたのは、地元の人がボチボチ足を運ぶ程度の秘境のビーチ。

海の上に浮かぶ大きなクジラの死がい。
そんなものを横目に見ながら、もう一本…というところをサメに襲われ 足から出血。
かろうじて岩場に辿り着いたものの、海岸までは200メートル。血の臭いが漂うのか、サメが離れる気配はなし。
果たしてナンシーの運命は!?

といったところですが。
登場するのは数名の人間と一匹のサメ。
本筋をしては、ナンシーとサメの一騎打ち。

そこにあるのは時間に限りのある岩場と少し離れた海洋のブイ。
というわけで、そないにメチャメチャ見せ場があるわけでは…ないとも。

その分、キレイな海の映像、サーフィンのシーン。そして主人公のお尻を狙ったサービスショットなんかも。
ちなみに主演のブレイク・ライブリーは「デッド・プール」ライアン・レイノルズの嫁さんでもあり、今話題の女優さんだとか。

それはさておき。
とにかく武器もない中で、そうそうサメとやり合うことのできない中、時間と闘い、絶望感を乗り越えと。そういう展開。
決して つまらないわけではないけども、あくまでドキドキ ハラハラしながら、その時間経過を見守るという映画だったかな。

悪くはないけれど、もうひとひねり。もうひとつ見せ場がほしかったですね。

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略して「ロスバケ」やね
posted by 味噌のカツオ at 21:47| Comment(0) | TrackBack(0) | ラ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月10日

レヴェナント:蘇えりし者

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン
アメリカ西部の未開拓な荒野。ハンターのグラスは狩猟の最中に熊の襲撃を受け、瀕死の重傷を負う。そして 狩猟チームの一人、フィッツジェラルドに同行していた最愛の息子を殺され、自身は置き去りにされてしまう。
一命をとりとめたグラスは フィッツジェラルドに復讐を果たさんと、約300キロに及ぶ過酷な旅に出る。

アカデミー賞に数部門ノミネート。結果、監督賞、主演男優賞、撮影賞を受賞した作品です。ちなみにディカプリオは5度目のノミネートにして念願の初受賞。
タイトルのレヴェナント“Revenant”はあまりなじみのない単語だけど、意味としては 帰って来た人や亡霊の意味があるとか。

物語としてはなんとも壮絶な内容。ですが、実話ベースだとのことで結構ビックリ。
実際には1823年の出来事で。このストーリー自体はアメリカではそれなりに有名らしく、これまでにも度々映像化もされているそうです。
映画の中では細かい説明はないんだけど、先住民の暮らす地で狩猟を行い、毛皮を取って商売をする集団がいたというのがそもそもの設定だとか。

そんな状況がイマイチつかみきれていない中、映画の序盤で始まる戦い。
人々が次々傷ついていくその描写は「プライベート・ライアン」の冒頭部分を彷彿とさせる激しさでした。

それから程なく描かれるのが、主人公グラスが巨大なグリズリーに襲われる場面。まぁ〜これがなんともスゴい迫力で、コワい、コワい。
噛みつかれて、引っ掻かれて。グングン振り回されて、よだれまみれにされて。見事なまでに恐怖と痛みの伝わる映像になってました。

映画という創作は 誰もが見たことのない映像を見せてくれたり、経験できないことを疑似体験させてくれるものですが。実際にこんなグリズリーにやられるなんてことは…
もし仮に体験できていたとしても、生きて帰って来られない状況だもんね。こりゃ。
まさにクマと鼻が触れあいそうな距離感のド迫力映像。これはスゴかった。

それ以降の中盤は グラスの過酷過ぎる旅がはじまり、終盤はフィッツジェラルドに対する復讐の物語。
もちろん序盤の激しさで十分につかまれたうえで、濃すぎる旅が続いていくので、157分の長尺でも ダレることなく見入ってしまいます。

その濃さというと…
一連のサバイバルの描写かな。捕まえた魚にかぶりついたり、倒れたバイソンの生肉をむさぼり食ったり。暖を取るべく“馬の中に入る”場面なんかは、それこそ生臭さすら漂ってくる感じ(苦笑)

それとは別に、ほんの一瞬ですが、雪の中から芽吹いてきている新しい苗の映像がありまして。
それが極寒の地で土の中から這い出すグラスの姿と重なっておりました。

これらの映像、極力CGに頼らず、ロケで雪の中で自然光を取り入れながら、順撮りで行っていったというから。
確かに たいそう厳しい物語というその奥に、実際の撮影も大変だったであろうこと、容易に想像つきますね。

グリズリーに襲われ、土に埋まり、雪の上を這いずり回って、河を流れて。生肉をむさぼり食って、崖から落下。
これでもかと言うほどのサバイバルシーンに挑戦しているディカプリオの主演男優賞受賞は納得です。

あと“マッドマックス”とはまた違うハードさを求められたであろうトム・ハーディも、いい感じでいやらしい悪役っぷりで存在感ありました。

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グリズリーに金熊賞を
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2016年04月20日

ロブスター

ヨルゴス・ランティモス
コリン・ファレル、レイチェル・ワイズ、ジェシカ・バーデン
独身者は、身柄を確保されホテルに送られる。そこで45日以内にパートナーを見つけなければ、自ら選んだ動物に変えられてしまう。
そんな世界で独り身になったデヴィッドもホテルに送られ、パートナー探しを始めるのだが…

おひとり様なわたくし的には たいへんにおそろしい設定の映画です(苦笑)
自分がその立場だったら何の動物になりますか〜なんてことを考えるほどの余裕の無いまま鑑賞。

ほぼほぼ傍観者のスタンスのまま。

結婚することを前提とした思想。
独身であること。恋をしようもんなら制裁を下さんとする思想。
もしかしたら、じゃまくさいから動物になりたいと考えるヤツもいるのかな。

でも動物だから安穏とできるわけでもなく。
(お父さんじゃなくて)お兄さんは蹴り殺されちゃうし、冒頭の場面では銃で撃たれちゃったりしてるし。

独身者のリーダーが気になるなぁと思ってたら、「アデル、ブルーは熱い色」や「007 スペクター」に出てた・・・
あぁやっぱいいオンナやわ。


パートナー探し中はオナ禁ということで。決まりを破るとえらい目にあっちゃうという。
ところで、成立したらやってもいいのかな?

どちらにせよ、厳しい世界だわ。

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ホモ・コースを選ぶのもアリなんだね
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2016年04月09日

ルーム

レニー・エイブラハムソン
ブリー・ラーソン、ジェイコブ・トレンブレイ、ジョアン・アレン
天窓しかない狭い部屋で暮らす男の子ジャックとママ。ママは7年前にある男に誘拐され、ジャックはそこで生まれ、外の世界を知らないまま育ってきていた。
ジャックが5歳の誕生日を迎え、彼に外の世界を教えるため、そして自身の人生を取り戻すため、部屋からの脱出を決心する。

TBSラジオ「たまむすび」で町山智浩さんがこの作品を紹介してから5か月。
その間には アカデミー賞でブリー・ラーソンが主演女優賞を受賞するなんて挟みつつ、やっと公開されました。やっと見ることができました。

小さな部屋に監禁された女性。そして そこで生まれ育ち、部屋の外を知らない5歳の子ども。

そんな設定を聞くと、どうしてそんなことに… そのままではいられないだろう… どうやって脱出するのか…
そういったドキドキを感じながら映画にのめり込んでいくわけですが。

後半、実際に部屋から出た先で、これからどうしていくんだろう…
それがついてまわります。

ほぼほぼ2部制というぐらいの展開で、観客を引っ張っていきます。

そんな今作の成功の最大要因は、なんといってもジャック役のジェイコブ・トレンブレイくんの演技ではないでしょうか。
昨今の日本映画における子役のクオリティの高さは幾度も感じておりますが、洋画の世界でもそれは同様ですね。
全編に渡って見事な“演技”を見せてくれます。

ブリー・ラーソンが主演女優賞を取りましたが、彼が映画賞に入っていないのは何故だと言いたくなりますよ。

外の世界の存在を知らない子ども。ママとぶつかる会話。天窓ではなく 大きな空を見上げる視線。
あとはしっかりと成長をしていく姿ですかね。

女性は終わった恋を忘れるために髪を切ったりしますが、彼が髪を切る場面も ママにパワーを送るためであり、なにやら過去から踏み出す儀式のようにも見えました。

また(本来であれば)忌まわしい あの部屋に行きたいというのもね。
彼の過去は、生きてきた証は あの場所にしかないからね。

我々がかつて通った小学校の校庭を見て「こんな小さかったっけ」と言ってしまうかのごとく。そんなセリフが出てくるのも彼の成長の証かな。

この年月で子を持つ母となった以上、強くあらねばという思いもあるでしょう。
しかし奪われた7年間の歳月に やりきれない思いに苛まれたり。
世間からの(メディアからの)心無い言葉に動揺したり。

その結果、良くない行いをしてしまうママの選択も見ていてツラかったですね。

前半のサスペンス込みのドキドキした展開と、後半の心を揺り動かされる感覚。
上手くまとめ上げた構成で見応えありました。

幼い子を持つ親の世代はもちろん、かつて5歳の子どもだった誰もが共感できる作品じゃないでしょうか。

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過酷過ぎる「はじめてのおつかい」
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2016年04月05日

リップヴァンウィンクルの花嫁

岩井俊二
黒木 華、綾野 剛、Cocco、原日出子
派遣教員の七海はSNS で知り合った鉄也と結婚。しかし、少ない式の出席者を補うため、なんでも屋の安室に代理出席を依頼する。
やがて鉄也の浮気が発覚。ところが七海が浮気をしたと義母に責められ、家を出ていくことに。行き場の無い七海に安室は奇妙なバイトを次々斡旋する。

そもそも“岩井俊二”なんて名前を聞くと「永遠の中二病の人?」とかつい思ってしまったり。
“リップヴァンウィンクル”なんてワードを使うことが鼻についたり。

そんな感じなんだけど、くやしいんだけど、映画はメチャメチャ良かった。
安易に“好き”と言いたくなんだけど、その作品の手のひらの上で コロッコロ転がされた感じ(苦笑)

180分の上映時間。超大作ってほどのスペクタクルな大冒険でもないのにこの長さ。
いやいや、1日24時間を生きてる普通の日常を切り取るなら、ある意味3時間では短いもんだわな。

どこにでも あり得る(東京であること前提だけど)物語なのかもだけど、実に冒頭の世界観と辿り着く場所は全然違うんですよ。
立場、環境、近くにいる人。最初は人前でしゃべるの苦手だった人が、ラストでは大きな声で手を振って見送るんですよ。全然違うんですよ。

本当の家族は おそらく離れたところに住んでいて。
それよりも“仕事”という名目で家族を名乗った人たちの方がなんか家族感を覚えてしまったりとか。

人生って常に動いてるとも言えるし、誰かに引きずられちゃってなのかもだけど。
いずれにせよ人生ってそういうことなんやね。

とまぁそんな風にほぼほぼ振り回される主人公の境遇を、我々観客も一緒になって、なすすべなく、それでいてちょっと面白く振り回されたみたい。
凄く悲しいこともあるんだけど、それも含めて成長していくということなのかな。

黒木華さんは・・・いいですね。
決して美形ではないかもだけど、薄幸な、ついつい助けたくなる顔なのかも。
「小さいおうち」などで見せた女中さん役なんかイメージ合うんだけど。その分 メイドコスもなんかたまらないね。
それはさておき、女優としてはますます魅力UPしてますよ。

そして途中から登場する、それでいて重要な役である Coccoさんが、これまた何とも言えない浮遊感。
観客として主人公・七海と同様に、いい意味で引っ張ってくれて、この人はどんな人なんだろうと思わせてくれて。
そして そのベールが少しづつ取れていくごとに…あぁ…と。

ウェディングドレス姿の二人が戯れる場面は独特な幸福感に包まれていました。
ウェディングドレスって やっぱり女性にとっては特別で、幸せの象徴でもあるんだろうね。
この段階で七海は2度目のドレス姿だったんだけど。何かを抱えたその姿と、解放されたうえでのドレス姿。これまた対照的だったですかね。

そしてもう一人 重要な登場人物が綾野剛演じる安室という男。このキャラクターが全く読めない。
そもそもどういう生業なのかも謎。七海を救ってくれるのかと思いきや“別れさせ屋”のくだりに思わず「?」。
はたまた七海を口説くのかと思いきや、最後まで手を出さずで。
こういう人って社会の全てを冷静に見て、感情の無い人なのかと思いきや、ましろとの別れに(嘘か真か)号泣。

ある意味での“不思議ちゃん”ですが(笑)、それらをトータルすると、それはそれで魅力的なキャラであったりする。
そんなつかみどころの無さを見事に表現してた綾野剛も素晴らしいっすね。

これは後で知ったことですが、タイトルにも引用されている「リップ・ヴァン・ウィンクル」という小説があるんですね。
その小説の設定・物語と照らし合わせると、この映画の根幹たる部分もより見えてきて。
うならされるわけなんですね。ふむふむ。

いや、元ネタを知らなかったとしても 十分に素晴らしい映画体験できますね。
良い作品でした。
posted by 味噌のカツオ at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ラ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月31日

リリーのすべて

トム・フーパー
エディ・レッドメイン、アリシア・ヴィキャンデル、ベン・ウィショー
1926年のデンマーク。風景画家のアイナーは、同じく画家の妻ゲルダに女性モデルの代役を依頼される。これをきっかけに、アイナーは自身の内面にある女性の存在を感じ取る。
それ以来、リリーという名の女性として過ごす時間が増えていったアイナーは、心と身体が一致しない自分に困惑と苦悩を深めていく。

監督は「英国王のスピーチ」などのトム・フーパー。「博士と彼女のセオリー」でオスカー俳優となったエディ・レッドメインがアイナーを。
そしてゲルダ役のアリシア・ヴィキャンデルは今作でアカデミー賞・助演女優賞を受賞しました。

原題は“デンマークの女の子”の意味である「the Danish Girl」。
今から80年も前の時代。「性同一性障害」である男性が本来の自分となるべく、世界で初めて性別適合手術を受けるまでのドラマ。実話がベースとなっております。

いまでこそ見聞きする性的少数者を指す LGBT。
レズビアン(女性 同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(心と 体の性の不一致)の頭文字をとった言葉ですが。

軽々に“受け入れられた”とは言えませんが、認知は進んでいるってかな。
ただしこの物語の当時は 単なる病気ということで。今ではあまり言わない 精神病院へ連れていかれたとのこと。
が「そうではない」と。性同一性障害の本質を尊重し、手術で体の方を修正しましょうという医師がおって、主人公がその手術を受けると。

単純に思ったのは とても繊細な心の物語だなと。
アイナー&リリーはもちろん、パートナーであるゲルダも細やかな心の動きや変化を、受け入れたり理解したり。そういうことがとても大切で。

今どきのスマホやネットで情報がどんどん手に入る世の中では「これは こういう症状なのね」で済んじゃうけど。
この何もない時代。ましてや身近に心と体の性別が違っている人なんて知らないだろうし。

その状況と ゆっくりと真正面から向き合って、愛を持ってわかり合うことによって、この物語はピュアに成立したんだろうなと感じました。
だから舞台が現代だったら ここまで感動できなかったんじゃないかな。

もう一点。
様々な感想を見ると男性と女性とで受ける印象も大きく違うようです。
そこはまさに 自分自身とどう向き合うか苦悩するアイナーと、大切なパートナーの悩める姿を どう見守るかのゲルダの立ち位置で。作品への感情移入の仕方が全然変わってきますよね。

でもラストシーンで 大きな悲しみの果てに、ずっと心の中にあったあの場所で自由に舞い上がる描写は、誰しもグッとくるものだったでしょう。

エディ・レッドメインは「博士と彼女のセオリー」のホーキング博士役も かなり難しかったと思いますが、今作でも微妙な心の機微を表現されていて。素晴らしかったです。
そしてアリシア・ヴィキャンデル演じたゲルダは等身大でありながら、時に強く、時に優しい女性でした。
ゲルダを褒める イコール アリシアへの賛辞ですからね。


さて、ホントにちょっとした余談ですが。
リリーのふとした表情が時々水原希子に見えたのはわたくしだけかな。
あくまで時々…ですよ。

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ナニもシュシュも取っちゃいました
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2016年03月02日

ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE

太川陽介、蛭子能収、三船美佳
2007年からテレビ東京系列で放映されている人気バラエティ番組『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』の劇場版。舞台は初の海外ロケとなる台湾。
路線バスのみを利用して、3泊4日で台北から台湾最南端にあるガランピ灯台を目指す。

近頃では舞台中継やコンサートなどもあります。
すなわち白いスクリーンに映し出してしまえば「これすべて映画」というわけですかね。
テレビ番組を映画館で見るという言い方もできるし、多少強引だけど 広い意味でドキュメンタリー作品と言えなくもないけれど(苦笑)

このテレビシリーズは昔から好きで。なんとなしに楽しんで見てたんですが、いつの間にやら様々な場で話題となり「やっぱり人気なんだ」と妙に納得した覚えがあります。

そんな人気番組のコンセプトをそのまんま映画化。舞台が海外であるという事以外はホントにそのまんま。
しかし こんなものをわざわざお金出して映画館まで行って見ようというニーズはあるのかしらん!?と思いきや…

ウチの地域では上映3週目に突入。しかもファーストディ(¥1,100)とはいえ、下手な作品より客入ってる印象。
かくいうわたくしも足を運んでしまったわけで。

この企画のルールは、移動は原則としてローカル路線バスを利用。インターネットでの情報収集は禁止。ルート決め、宿泊先や撮影の交渉も自分たちで行うというもの。
ただし今回は高速バスも登場したけどね。超・イレギュラーでw

台北からスタートして 最南端のガランピ灯台を目指す3泊4日の旅。
しかもロケ日に合わせて超巨大な台風が台湾を直撃という危機もあり。
天候だけは調整できないから。ある意味 持ってますよね。この番組って感じで、それも良いスパイスとなりましたね。

太川さんは安定のリーダーシップ。
ピンチでのひらめきやファインプレー。そして時折り垣間見せる包容力もたまらない。
“理想の上司”にランク入りする資格は十二分にあると思うんだけど。

そして常に自由な蛭子さん。
もっさり系のどうぶつのような風体から繰り出される奔放すぎるコメントは破壊力抜群。やぁホントに下手なコメディ映画よりも確実に笑えます。
どんなにヒドイ事を言っても「蛭子さんだからなぁ」と許される謎の存在感。
それでなくてもギャンブル好きで家族も泣かすぐらいなエピソード知ってても、憎めないんだから。

毎回変わるのが紅一点。“マドンナ役”ですが、今回登場したのは三船美佳さん。
若くして結婚されて、そのままニコイチみたいなタレント活動も多かったので、この人自身のイメージってそんなに強くないんだけど。
今回見て感じたのは、メチャクチャいい人♪

スタート時のハイテンションに「4日間持たないよ」と言われてたけど なんのなんの。
バスが走らなくても 台風に傘をつぶされても 泣き言一切言わず。終始笑顔で通したのは立派。今まで余程ご苦労なさってきたのかしらん!?
また人とのコミュニケーション、蛭子さんへのツッコミも絶妙で。ムードメーカーとしても、ある意味で影の功労者ですよ。

さてさて、そんな3人のバスの旅。果たしてゴールは成し得たのか〜ということですけど。
映画版だといって無理をしない、あざといヤツをブッ込んで来ない。
あまりに自然体過ぎるテレビ東京のスタンス。お見事です。

予想以上に満足度を得られたナチュラルなロードムービーという事で。。。

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蛭子さん、でも¥1,800では高い!?
posted by 味噌のカツオ at 00:57| Comment(0) | TrackBack(0) | ラ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする