2017年09月11日

新感染 ファイナル・エクスプレス

ヨン・サンホ
コン・ユ、キム・スアン、チョン・ユミ、マ・ドンソク
ソウルからプサンへ向かう高速鉄道KTX。その車内で突如起こった感染爆発。逃げ場のない列車内で次々に凶暴化していく乗客たち。
偶然乗り合わせたある父と幼い娘、妊娠中の妻とその夫、学生たちが、生き残りをかけて決死の戦いに挑んでいく…。

この作品は 日本公開のかなり前からチラシが出ておりまして。
一見するとゾンビモノであると。電車の車内でソレが発生。つまりは逃げ場のない車内の中でってことでしょうと。それぐらいは想像がつきますわね。

でもゾンビってある意味で使い古されちゃってるテーマでもあるし。邦題が「新感染」ってベタだよねと思ってしまったり。
そのくせ、えらく評判がいいんだよね。

ってなわけで 念のため、鑑賞をしてきたわけですが。
さすがは韓国映画。日本じゃ無理だろってレベルのダイナミズムと、クライマックスの畳みかけ。
見事にやられましたね。超・見応えありでしたね。

ダラダラしないイントロダクション。そしてすぐさま舞台は ソウル発プサン行きの高速鉄道KTX車内に。
あっという間に車内に“疑わしい”女が乗車。凶暴化したゾンビに映画的な“溜め”が通用するはずもなく、一気にパニックに。

ここまでの展開自体、高速鉄道並みに早かったね。
おそらくケチな邦画だったら もっとジワジワからの「ジャーン!」ってやりそうだけど(苦笑)

そんなパニックスタートの早い分、以降は 途中の停車駅、車内、トイレ、空き缶など様々なアイデア駆使して見せ場を作ってくれてます。

さらに 上手いと思わせてくれたのが、まさに老若男女・登場人物たちのキャラクターによる人間関係の作り方。
まぁまぁモブ系かなと思ったキャストが重要な動きを見せたりするので、その都度 心動かされます。

主人公はぶっちゃけ いけ好かない。「なんやねんコイツ」と思うんだけど、わざとらしさを思わせることなく 成長させていくんですよね。
そしてパッと見 パパイヤさんかと思うようなガッシリとしたおっちゃんの頼もしさったら。

そして これ見よがしにユニフォーム姿でバット持参の高校球児。
仲がいいのか悪いのか わからない年配の姉妹。そして なぜかもぐりこんでるホームレス男。

みんな その流れの中で見せ場があり、しっかりと感情移入できるんですよね。
「コイツらをこの車両に入れるな」という くだりもイライラさせられたし。

外部からプサンは無事だとの情報がありましたが、実際は本当は大丈夫なのかと。そんな風に見ていたけど、そこまで すんなりたどり着けず、さらなるアクシデントに見舞われて。
この映像は?CG? なんにせよ結構な迫力で。

それに続く、ゾンビたちが磁石に付く砂鉄のようにつながっていく描写もたまらなかったし。

やっとこれで…というところで さらにどんでん返しで。
父親を信頼していなかった娘を、あんな風に心変わりさせるのも やられたって感じだし。その父親のラストをシルエットだけで映すのも上手いなと思ったし。

元々アニメ作品の監督による 初の実写映画とのこと。
あまり韓国製のアニメって評価を聞かないので、クオリティというかそのあたりのレベルはわかりませんが。
間違いなく、今作に於いて そのポテンシャルは発揮されております。

ゾンビパニック、アクション、そしてキッチリと響く人間ドラマ。めちゃ引き込まれましたわ。
ちなみにフランスでのリメイクが決まっているとか。やっぱりTGVが舞台となるんですかね。

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でもダジャレっぽい邦題は気になるかなw
posted by 味噌のカツオ at 00:55| Comment(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月10日

ギフト 僕がきみに残せるもの

クレイ・トゥイール
スティーブ・グリーソン、ミシェル・ヴァリスコ、エディ・ヴェダー、スコット・フジタ
アメリカンフットボールの特別なスターだったスティーヴ・グリーソンは、引退後しばらくしたある日、ALS(筋萎縮性側索硬化症)であるとの宣告をされる。そしてそのすぐ後、妻ミシェルの妊娠が判明。
自分は我が子を抱きしめることができるのかわからない中、グリーソンは子供に残すビデオダイアリーを撮り始める。

『難病であるALSを宣告された元NFL選手が、まだ見ぬ息子に贈るために撮影しはじめたビデオダイアリーが世界中を感動させるドキュメンタリーになった』
というのがチラシの文言。

原題は「GLEASON」グリーソンというものですが、アメフト文化の無い日本に於いて その個人名をタイトルにしても思い入れを込めにくいよね。
それもあって「ギフト 僕がきみに残せるもの」という邦題。珍しく今作では意味をなしていますね(苦笑)

映画のジャンルとしてのドキュメンタリー。様々なテーマの作品が存在します。
厳しい状況を追った作品はもちろんこれまでにもありました。

今作はアメリカに於いての有名なプレイヤーでもあり、現役時代の映像も そりゃあもう多く残っております。
またALSの症状は一気にどうなるものでもなく、徐々に進行していくという特性もありまして。

結果、プレイヤーとして輝きを放っていたグリーソンの現役時代。体調の異変を訴え 病院にかかり始めたころ。症状の進行と共に今後への備えをし始めた状況。
それらからの全部が映像に残っております。

資料や関係者の証言でしか構成できない 戦時中の重大事件のドキュメンタリーなんかと比べても、全編 実際の映像で綴られているってのは、ドキュメンタリー映画というジャンルの ある種の転換期となる作品なのかもしれませんよね。

さて、ALSという症状とは、全身の筋肉の伝達機能が徐々に失われ、歩行や会話ができなくなり、やがては呼吸ができなくなるというもので。
言われてみれば、歩行に関わらず体を動かすこと全般に於いて全て筋肉が動かしているんだよね。会話・しゃべること、表情だってそう。
そしてもちろん呼吸だってそうなわけで。それが動かなくなったら…ということだよね。

自身の体がそうなっていくという、ある種の恐怖と向き合わなくてはならなくなった彼の一筋の光明。
それが 診断と同時期に発覚した妻の妊娠。

7か月後 だか 8か月後には子どもが生まれると。
新たな生命の誕生と反比例して、自身の体は動かなくなっていくだろうと。
そんな状況下で彼が考えたのは、せめて今のうちに 子どもに伝えられることを残しておきたいということ。
そこで子どもに向けたビデオレターを残し始めます。

と同時に、今のうちならでき得ることを〜と、旅行であったり海へのダイビングであったり。語りこそなかったものの、スカイダイビングの映像もありましたね。

やがて妻が男児を出産。新たな生命の誕生で、家族らは新たな希望を感じ取るものですが。
グリーソンの体の機能の低下が顕著になっていき…

難病もののドキュメンタリー。
その体に異変が起きるごとに、見る観客の涙を誘う〜なんて面もありますし、実際わたくしの近くの席のお客様も、割と早い段階からハンカチが登場しておられましたね。

その一方でわたくし自身は泣きモードには入らなかったのだけれど。
最もグッときた場面は、出産シーンでした。新たな命の誕生の尊さの方が、なんか刺激を受けましたね。

そもそも これらの映像の根本は、主題は、父親から息子へ宛てたメッセージであって。

「この人かわいそう」みたいなアプローチのものでもないはずであるし。
そのうえで、難病でALSへの理解が深まったり、支援が集まればそれはそれで有意義であるのかな。

さてさて、イチ作品として、とても見やすかったですね。
ドキュメンタリーであっても スケベ心(?)かなんか知らんけど、不要な演出や妙な編集の仕方で伝わりずらい仕上がりになってる作品もあったりするけど。
その点とても良かったです。

あとはグリーソンさんのハートの強さに尽きるよね。
見て良かったです。

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ALS言うたらアイスバケツだよね
posted by 味噌のカツオ at 22:56| Comment(0) | カ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月09日

ヤクザと憲法

土方宏史
暴力団対策法、暴力団排除条例が布かれ、次第に組織の離脱者が増えていったヤクザの世界。
大阪府堺市の住宅街に位置する指定暴力団「二代目東組二代目清勇会」の事務所にカメラが入り、今のヤクザは 何を考え、どんな暮らしをしているのかを追ったドキュメンタリー。

東海テレビが製作しているドキュメンタリー作品を“劇場版”として上映する取り組みがありまして。
これまでにも10作品ぐらいが上映されてるのかな。

その特集上映企画で、話題になったもの、テレビでしか放送されていないもの なども含めて21作品が上映されました。
基本、DVD化されないので どれだけ気になったとしても、このような機会がないと見られないんですよね。

んで、今回やっとこさ「ヤクザと憲法」を見ることができました。

昭和の頃には“やくざ映画”なんてカテゴリーも確かに存在して、シリーズ化されたりもしておったわけですが。
そういう“劇映画”ではなく、ドキュメンタリーで実際の組事務所にカメラが入って〜というのは、なっかなかないんじゃないですか。

そんな昭和の時代と違って、昨今では様々な法整備もされ“暴対法”というものができ、必要以上に そっちの世界も住みにくくなってしまって。
いやいや、住みにくいどころか「逆にウチらの人権ってどうなん?」と。

そういう疑問、問題提起とテレビ局のスタンスが落ち合って、今作が製作されたと。
そうは言っても 現実問題、もんのスゴ高いハードルが横たわっていたことでしょうな。

取材される側だって赤裸々にカメラ撮られるし、取材側も 正直コワいはずだろうし。
んでそれを放送する局にも、何がしか風当り強くなりそうな気もするし。

それらの諸問題をクリアし、乗り越えて、視聴者や映画ファンに届けられた映像。実に興味深かったのですが、さてさて。

本当に撮った素材を編集してつなぎ合わせたもので。
ナレーションはナシ。最低限のキャプションが付くぐらいで。
もう、あとは見た人に委ねるカタチですね。

確かに 普通では見られない業界(?)ですので、それとなく興味深い部分もありましたが。
こういっちゃあ なんだけど。

映画としては ややパンチ不足だったかな。
それこそ昭和の頃の、そっちの世界の人口も多かった頃とは違って。現代では法律的にも アレコレ動きにくい状況であるようで。それでは そうなりますわね。

タイトルこそ「ヤクザと憲法」となっていますが。ざっくり言うなら、やくざさんの日常生活を追うパートと、やくざさんの顧問と務めた弁護士さんを追った憲法パートがあって。
それが直で交差する感じでもないので、わたくし的には「そういうことがあって、こういうことがあって」というレベルの印象。

もちろん現在のやくざさんの抱える憂いというのはわかるのですが、驚きであったり、怒りであったり。感情を揺らすほどのものは伝わってきませんでした。
わたくしの見た印象では、聞き手の方が もっとツッコんだ対話をして。もっとデリケートな問い掛けや、引き出しができたんじゃないかと思うんですよね。

それで言うなら、警察の家宅捜索が入った際に「カメラ止めなきゃだめですかぁ」と とぼけた口を叩いてた映像がヒリヒリと笑えたですね。


さて、何やら 監督の舞台挨拶を見た人の話では、結構シーンが入れられなかったとのことで。
だとするならば、そういう編集をしなくてはならなかったという事実は、もったいないよね。

まぁそうであったとしても。
やっぱり ある程度のタブーに踏み込んだ意欲作であるのは確かで。
関係者には 心から拍手を送りたい気持ちと。続編への期待感を…(笑)
posted by 味噌のカツオ at 22:23| Comment(0) | ヤ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月04日

エル ELLE

ポール・ヴァーホーヴェン
イザベル・ユペール、ローラン・ラフィット、アンヌ・コンシニ
ゲーム会社の社長であるミシェルは、ある日自宅に押し入った覆面の男の襲撃を受ける。その後も周囲で不審な出来事が続くが、彼女は警察には届けず、自ら犯人を探し始める。
だが、次第に明らかになっていくのは、事件の真相よりも恐ろしいミシェルの本性だった…。

「氷の微笑」で知られるポール・ヴァーホーヴェン監督の新作。
他にも有名なところでは「ロボコップ」「スターシップ・トゥルーパーズ」などもあるのですが。

ついつい「氷の微笑」と書いてしまうのは そのイメージが近いからかな。
男と女、エロチシズム、駆け引き…といった要素ですかね。

大まかな あらすじをチェックして、レイプ被害にあった(ある意味)悲劇的な主人公が、じつは 相当なやり手であった、悪女であった…と。
なんというか、序盤の印象と終盤のそれとが変わってきてしまう、ストーリー上のマジック的なものを期待して見てきました。

ですが、正直言って、ダメでしたね。
わたくしには合わない代物でした。

物語が進むにつれて増えていく登場人物。
それらの名前、人間関係が追えない。というか全員がクセがあり過ぎで。

この人が元ダンナで、それでいてこういうつながりがあって。
誰と誰が夫婦で、でも裏ではこんなことを考えてて。
一見 普通に見えて、こんな性癖があって。

(後々チェックしたら)ある程度 解説してるサイトもあったけど、リアルタイムで見ていたらわけわからんくなってしまって。
いや、わかったとしても飲み込むまではイケなかったでしょう。

主人公だけじゃなくて、数ある登場人物が皆そんな感じなので。
わたくし程度の脳みそでは、把握しきれませんで。ついていけませんでした。

さらに下世話なこと言うならば。
レイプシーンにドキドキしたり、あんなことしたりポロリがあったり。
そういう映像に期待もするんだけどね。普通の映画ならば。

ただ今作でその被害に遭うのが おばあさんとなると。
エロチシズムという要素を越えて、萎える一本…いや一方でしたね。

熟女系ならまだしも、老け専ではないので。
見ていられない。ちょっとごめんなさいでした。

いやいや、普通に映画として楽しもうと思ったんだけど。
合わなかったね…ということで。

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♪エル〜エル〜エルはLOVEの〜
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2017年09月02日

ベイビー・ドライバー

エドガー・ライト
アンセル・エルゴート、リリー・ジェームズ、ケヴィン・スペイシー
幼い時の事故による耳鳴りに悩まされながら、iPodで音楽を聴くことで驚異のドライバーと化すベイビー。
犯罪組織の逃がし屋として活躍するが、デボラという女性と恋に落ちたことで、裏社会の仕事から手を引こうと考えるが…

エドガー・ライト監督が20年前から考えていたという、音楽とカーアクションの融和。
物語に歌とダンスを取り入れるのがミュージカルとするならば、これはそれを車でやっちゃうという。

ネット上でも実際の映画の冒頭部が公開されてまして。あらためて見直してみましたが、セリフの無いまま 展開される約6分のシークエンス。
カーアクションが素晴らしく、それを見るだけでも引き込まれるし。なんならセリフなしでも物語が伝わるし。
アクション的には、高架を使って相手を騙すシーンはやられましたね。

それに続く コーヒーを買いに行くシーンもたまらない。
音楽に合わせた動き、街のディスプレイに合わせたサックス。ショップを出るタイミングまでも絶妙。

その後も音楽から登場人物の会話から、なんなら ほんの指先の動きまで目が離せない。いや目だけではなく、耳も油断ならないという(笑)
銃撃シーンでも、ちょっとハードなシーンではあるのだが、「テキーラ!」の使い方ひとつでつで うまい具合にエンターテイメントに昇華してくれてます。

さらに物語が流れていき、多くを語らずとも“ベイビー”の生い立ちから、なぜ この童顔の青年が、こんな裏家業を手伝っているのかがわかるようになっていて。無駄がなかったっすね。

そもそも逃がし屋と呼ばれるドライバーのベイビー。いかにもワルそうな悪党ヅラと共にいることでのギャップも味わえるけど。
一転してラブロマンスのパートでは その童顔がまた良い方に働いて。それを思うと このキャスティングも完璧だと思いますよね。

それだけ映像、音楽、ストーリーでも引きつけられますが、ベイビーが所々に残していった優しさが、ラストに結びついていくという回収の仕方も上手いですし。
ものスゴ楽しめました。

ホントに冒頭から大なり小なりの仕掛けに小ネタが散りばめられていて、気の抜けない2時間で。
欲を言うならば、集中力が試されるというか、なかなか疲れましたね(苦笑)

実際の完成度も高いし、世界的にも満足度が高いにも関わらず、日本ではこれだけの小規模上映ってのは…
日本の映画界は、日本の客はどうしたもんかなと。

そんなことを思わせるほどに 見どころの多い作品でした。
おススメです。
posted by 味噌のカツオ at 21:47| Comment(0) | ハ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月01日

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

新房昭之
(声)広瀬すず、菅田将暉、宮野真守
夏休みの登校日。典道との競泳対決に勝ち、同級生のなずなから花火大会に誘われた祐介。一方 典道は競争のさなかに水中で不思議な玉を見つける。
放課後、なずなが母の再婚に悩んでいることを知る典道は、どうすることもできないもどかしさを感じ、ふいに玉を投げると、なぜか競泳対決の最中に戻っていた。

原作は岩井俊二。1993年に放送された単発のTVドラマとして映像化されています。
脚本は大根仁が担当。そしてアニメのヒット作を多々輩出しているシャフトが製作。

これは余計かもだけど、あの「君の名は。」の公開からちょうど一年。
「この夏のアニメ映画は これで決まりっしょ!!」と、お膳立てが揃いに揃いまくった状況だったわけですが。

いざふたを開けてみれば わかりやすいまでの酷評の嵐。
もちろん擁護派もいれば 楽しめたという意見もあるにはありますが。
それを受け止めたうえで見てまいりました。

結論から言うならば…ぶっちゃけ ひとつもワクワクできなかったですね。
全体のリズム感が良く無いのか、ノッていけなかったわ。

岩井俊二の原作の世界観は それなりのまったり加減があって。岩井流の情緒というべきかな。
それがアニメの演出と合わなかったのか。

そもそも年齢設定がよくわからなくって。実は中学生設定だったと後々わかるわけですが。
それにしては なずながオトナっぽ過ぎて。でも原作でも ひとり大人びた存在ということなのでそれはええけども。
そのくせ 広瀬すずの声はカワイイ印象で。ミスキャストじゃなかったかな。

対する菅田将暉が演じた典道も違ったなぁ。正直 所々で“大根”かと思う場面もチラホラ。

そして チョイチョイ挟まれるチョケた会話がまたチョー寒くって。笑えないですよ。
プールで“ウンコ”が云々というやりとりもあったけど。あれが中学生っぽさの演出だと思うと…そうじゃないだろうと。
あまりに“ウンコ”を舐めてるよね。

見終わった時点で、というか見ている途中から そういう感じになっちゃうと、何やらどこがアカンのかを頭の中で連ねながら見ることになってしまいますね。

そうなると なんでタイムリープするのか。した結果どうなのか。
そういうひとつひとつが合点がいかなくなって。
やはり ワクワクできなかったということに。

かろうじて良かった点を挙げるとするならば。
「メアリと魔法の花」と同じで。

エンディング曲が良かったという。
それだけかなぁ…(苦笑)

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線香花火、どこから見るか?
posted by 味噌のカツオ at 00:47| Comment(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月25日

きみの声をとどけたい

伊藤尚往
(声)片平美那、田中有紀、岩淵桃音、飯野美紗子
海辺の町、日ノ坂町に暮らす なぎさは、かつて祖母から聞いた言葉を信じていた。「言葉にはタマシイが宿っているんだよ、コトダマって言ってね…」。
そんな なぎさが、何年も使われていないミニFMステーションに迷い込んでしまう。出来心でDJの真似事をしたなぎさの声は、偶然にもある人物に届いていた…。

今作の製作に際して行われたオーデション。そこで選ばれた6人が声優ユニットとしてデビューをしております。そのグループ名は「NOW ON AIR」というもの。

まぁ作品を見る限り、そんな新人っぽさはコレっぽっちも感じることなく。
三森すずこ、梶裕貴、そして野沢雅子といった面々との競演も違和感は全くナシで。

主人公は女子高生たち。湘南の鎌倉にあった喫茶アクアマリン。そこにミニFMステーションが存在し、近隣の方々からも愛されていたと。
しかし とある理由により、その放送は12年前から途絶えていた。

そして その年の夏休み。ひょんなことから、そのミニFMが復活。
ラジオの存在を通じて、それぞれの関係が深まったり夢を語ったり。
そんなお話なんですが。

そもそも わたくしがラジオ好きな者でもあり、今の年代の女子高生がラジオの存在に興味を持ってくれることが嬉しいよね。
始めは いたずらに放送をしようとしてたところが“リスナーメール”から輪がつながり、仲間が増え…なんて展開がまたラジオらしい。

そうしてラジオマニアな存在が加わり「ラジオで一番大切なのは“ジングル”よ」というのも笑えたし。
勝手に曲を流すのは著作権的にNGと説いてみせるのが(ある意味)シュールでした。

そうやって ラジオの仕組みや、放送が形作られていく様はワクワクしましたし。
涙もろい主人公 なぎさのピュアさは見ていて気持ちよかったです。思わずもらい泣きしてしまった場面もしばしば(苦笑)

主要キャストが7人いるんだけど、その分、友情、家族、夢とテーマが広がりつつも、キレイに着地してる感じがあってね。
ラストの放送。ミニFMなので聞けるエリアが限られちゃうんだけど、あの鎌倉の一車線が渋滞で進まなくてとか。

それ以外にも じんわりとした伏線があったり、曲のバックで(セリフなしで)映像だけでサイドストーリーを表現したりとか。
94分の中で説明しすぎず、詰め込み過ぎず、というところも 映画として良かったと思います。

ぶっちゃけ あまりに“等身大”過ぎていて。アニメ的なファンタジー設定もないので、中には「ストーリーが読めた」とか「退屈だった」なんて感想も目にしましたが。
ピュアな青春ストーリーとして、素晴らしい仲間がいて。そして家族も、街にも伝播していく感じ。丁寧に作られている感じがして、わたくし的には響きましたよ。

「言葉にはタマシイが宿っているんだよ、コトダマって言ってね…」「悪い言葉は、いつか自分に返ってくる…」
なぎさが ずっと信じていた言葉たち。

隕石が落ちなくても、時間を飛び越えなくても。
言葉、歌、そして魂。“コトダマ”で奇跡は起こせますね。
いい映画でした。
posted by 味噌のカツオ at 21:22| Comment(0) | カ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月21日

マインド・ゲーム

湯浅政明
(声)今田耕司、前田沙耶香、たくませいこ、藤井 隆
偶然にも初恋の女性、みょんちゃんと再会した西。みょんは姉のヤンと共に営んでいる焼き鳥屋へ西を招待する。
ところが焼き鳥屋に現れた借金取りとトラブルになり、西は撃ち殺されて死亡。しかしあの世で見かけた神様に逆らって、地上に舞い戻り…

2017年に入って「夜は短し歩けよ乙女」と「夜明け告げるルーのうた」の2作のアニメ作品を公開した湯浅政明の前作であり長編映画のデビュー作。
前作と言っても これが製作されたのは2004年でありまして。その間 13年という時間があるんだけど。

そんな「マインド・ゲーム」という作品自体が相当な作品。
単純に面白いとか絵がスゴイとか、一言では言い表せない。
でもとにかくスゴイのだわ。

原作はロビン西 作。1995年から1996年にかけて連載されていたマンガで、それを湯浅監督がアニメ映画化。
わたくしは原作は未見ですし、それほどアニメのジャンルにも詳しいわけではなく。

それでも今作が表す世界観にはいろいろ感じるものがあるのだけれど。
やっぱり それが何なのかは言葉では言い表せない。現したところで安っぽくなりそうだけど。

それでもあえて書くならば。
ストーリー自体も少々エグいところあるね。一度は主人公が あまりにも無残な殺され方されちゃうし。
でもその猥雑な雰囲気は(舞台である)関西の持つそれと相まって、見やすくなってると思います。

吹替えであり、大半の男性キャストを演じているのは吉本興行のみなさん。
そんなアニメの吹替えなんて経験されてはいないと思うけど、コントであったり、新喜劇であったり、ユーモアを含ませつつ 物語を進めていく力はバツグン。

所々でキャラの顔が声をあてている人(実写的に)インサートされるんだけど…それなのに、その世界観が乱されない惑わされないというのは、冷静に考えるととんでもないことだよね。

一度殺された主人公が“走って”現世に戻り。ヤクザ連中をやり込めて逃げるうちに 巨大クジラに飲み込まれ。そこで出会ったじーさんとともに ささやかな楽園暮らしを味わい。
が「いつまでもここにいられない」とばかりに“走って”ふたたび地上を目指すと。

はなはだ荒唐無稽な物語ではあるけれど。不思議とその展開に引き込まれて。
あるいはオープニングやエンディングに映し出されるフラッシュバック映像を見ては、ぼんやりと「これは自分自身の物語なのでは」なんてことまで考えさせられて。

湯浅監督自身が「なんとなく言いたい事が伝わればいい」と称しているように、訴えかけたいメッセージが丸わかりの底の浅い作品ではなく。
好き勝手に鑑賞して、勝手にビシビシ感じればいい作品。「何がしたいのかわからない」という人は、まぁそういう人なんでしょう。

とにかく誰もがどうとでも受け取れるようなベクトルが あっちこっち向きまくりに放たれていて。それだけパワーが放射されているというものなのかもね。

だから敢えて一言で現すとすれば。
『とにかくスゴイのだわ』です。
posted by 味噌のカツオ at 23:03| Comment(0) | マ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月20日

俺たちポップスター

アキヴァ・シェイファー、ヨーマ・タコンヌ
アンディ・サムバーグ、ヨーマ・タコンヌ、アキヴァ・シェイファー
幼馴染みの3人が結成したヒップホップバンド“スタイル・ボーイズ”。ところが、フロントマンのコナーがソロデビューし、バンドは解散。
一気に大人気となったコナーであったが、期待のセカンドアルバムが大コケ、世界ツアーまでも中止になり…。

今作の原題は「Popstar: Never Stop Never Stopping」。
ざっくり訳すと「止まらないポップスター」となるのかな。
実際の邦題は「俺たちポップスター」なんだけど。

「オレたちひょうきん族」由来というべきか。“俺たち”と冠されるだけで ある種のコメディ感は増すよね。
でも、実際の作品の印象とはちょっと違うように思うなぁ。
やりたいこと、わからんでもないんだけど。。。

海外のバンド、ミュージシャンをテーマにしたヒストリームービーって意外と多いんだよね。
わたくしもいくつか見たことありますが「あのシンガーにそんなウラ話が」と思うものもあれば、ぶっちゃけ「そういう音楽のムーブメントがあったんだなぁ」と、全く知らないバンドであっても見ることがあるのですが。

その視点で言うならば…今作に登場する“スタイル・ボーイズ”も、わたくしが存じ上げないヒップホップバンドのひとつ…なんてスタンスで楽しむこともできたりして。

かと思えば、架空のバンドに対して カメオ出演してる数多の“本物の”ミュージシャンたちが「コイツらスゲぇよ」と言ってるのを見て、友近さんの“友人”である水谷千重子が、シレーっと大物演歌歌手の皆さんと共演しているのを彷彿としたりして。

これはこれで いろんなスタンスで楽しめる作品であり。もっと言うなら、普通に一本の映画として見ても普通に面白いんじゃないかな。

さて、この“スタイル・ボーイズ”を演じたのは、「Saturday Night Live」でブレイクした“ザ・ロンリー・アイランド”という3人組。
彼らが 製作・監督・脚本・出演を勤めたというもの。

大爆笑とまでは言わないけれど、いい感じでの悪ノリ具合で、あるある的な雰囲気で。
それでいてクオリティ高い仕上がりになってて。

それにどうしようもない下ネタ。よくわからない“亀”の静止画像(笑)
あるいは心配したくなる“ビン・ラディン”ネタまで。
十分に楽しめましたです。

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一緒に「ドンキー・ロール」やりたい(笑)
posted by 味噌のカツオ at 01:21| Comment(0) | ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月14日

君の膵臓をたべたい

月川 翔
浜辺美波、北村匠海、北川景子、小栗 旬
膵臓の病を患う桜良が書いていた「共病文庫」(=闘病日記)を偶然見つけたことから、“僕”と桜良は次第に一緒に過ごすことに。だが、眩いまでに懸命に生きる彼女の日々は、やがて終わりを告げる。
桜良の死から12年。ある事をきっかけに、僕は桜良が伝えたかった本当の想いを知る…。

字面だけ追うなら“ちょっとエグい”印象ではあるが、 2016年本屋大賞第2位など内容的にも評価された話題作。
わたくしも「どんな話なん?」と気にしつつも原作未見。映画化となり、鑑賞してきたわけですが。

さらっと言うなら、過去パートには名のある役者さん全く出てないのね。
予算的に大変な中での企画だったのかと余計な心配をしつつで。

浜辺美波はドラマ版“あの花”に出てちょっと話題になったけど、その後 たいしてフューチャーされることもなく。ここにきてやっと…と思ったわけですが。
良かったですよ。少々あざとい感じが良かったですよ。

若干の棒読み感もありますが、(褒め言葉として)クラスで3番手のカワイイ子っぽくって。
同性からの支持は得にくいキャラだったかもだけど(苦笑)

方や北村匠海の冒頓とした表情もらしさがあってよかったですね。
一回ぐらい「閉店ガラガラ!」と言ってくれないかなと。似てるかなと思ったけどね。

映画の作りとして、純な高校生男女ならではの雰囲気。しっかりと伏線を張っていくのも悪くなかったですし。
実際の膵臓の ご病気のあり方として、やつれることなく、顔に出ることなく“保っていける”ものなのか。あんなに遠出して大丈夫なのかは気になったけど。

そこは恋愛映画のファンタジーとしておくべき点なのかな。

チラシには「ラスト、きっとこのタイトルに涙する−」との文言があるけども。
当初の意味合いは「なるほどね」とは思えたけど、ラストには「う〜む」と感じた程度。

終盤の衝撃的な展開も相まって、確かにこりゃ泣くわと。これは考えさせられるなと。
そんな映画でしたね。

見終わって いろんな感想を見たりする中で、原作との相違点なんかも知ったわけですが。

原作には現在の“僕”にまつわるパートは無いのですかね。本来なら小栗くんや北川景子はキャスティングされないってことなんか!?
結局 恭子とのつながりができるのに12年ということになるのもしっくりこない。とってつけたような涙に思えちゃうな。

原作では桜良と僕は もっと漫才のようにやり合うとも書かれていたんだけど、映画では桜良が一方的に引っ張ている印象で。
これも原作のイメージの方が良いように思うなぁ。

さて、これは原作も同様なんだけど、意外にも桜良が命を落とす理由が あまりにも…あまりにも…と思うのだけど。
事故であれば普通に悲しむことできるけど、これでは別の“悪意”が入り込んでしまうわけで。
それこそ ソコだけで一本物語ができちゃう事例だもんな。

小説というエンタテイメントとしてのサプライズ展開はあってしかるべきだけど、正直 やり過ぎという思いはあるよね。
全編通して、決して悪いお話でもないし、感情に訴えかけるのは確かなんだけど。
わたくし的には「ちょっと、ちょっとちょっと…」と感じてしまうんだよね。

さてさて、最後にちょっと。「ガムいる?」という役(?)を演じてた矢本悠馬、いいですね。
今や大河ドラマでも活躍してますが、「ちはやふる」の“肉まんくん”といい、(ガムとか肉まんは関係なく)おいしいポジションのキャラやってますね。
今後が楽しみな役者だなと あらためて思った次第です。

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君の雑炊がたべたい
posted by 味噌のカツオ at 00:15| Comment(0) | カ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする