2017年04月11日

レゴバットマン ザ・ムービー

クリス・マッケイ
(声)山寺宏一、小島よしお、沢城みゆき、子安武人
敵意をむき出しにした悪者ジョーカーが悪の軍団を目覚めさせ、街を乗っ取ろうとゴッサムを襲来。
さすがのバットマンも一人では歯が立たず。ほかの個性豊かなヒーローたちと協力し合い、街を守るため立ち向かっていく。

「バットマン vs スーパーマン」に続く バットマンシリーズ1年ぶりの最新作…ってか、そういうふうにカウントしてもいいのか?
日本では、特に名古屋ではレゴランドがオープンし、レゴムービーとしては それに合わせた公開作。

というわけで、バットマンシリーズ視点、レゴムービー視点。
両方あるわけですが、結果的にはどちらのスタンスでも楽しめる完成度だったですね。

わたくし的には それほど期待…というかノーマークだったわけですが、なかなか評判が良いみたいで、日本語吹き替え版にて見てまいりました。

本編始まる前、配給会社等々のロゴが出たところから ぶっこんできまして。
思わず「お、そういうノリなわけね」と。引き込まれまして。

まるでおもちゃ箱をひっくり返したようなキラキラとした、なんならチャカチャカとした映像。
それでいて セリフや展開は大人が見聞きしても楽しめる感じで。

さらに細かいキャラクターや小ネタの部分でマニアもニンマリできるような。
そんな作りでしたね。

やけに“オレオレ”感が強く、とかく腹筋にこだわる自己顕示欲の塊。
悪と戦いゴッサムを守り、市民からチヤホヤもてはやされ。しかし帰宅すると、ひとりぼっちで大好きなロブスターを食い、扱い慣れないモニターで映画を見て…という寂しい日常。
これをリアリティと呼ぶのか何なのか(苦笑)

そんなバットマンを演じた山寺宏一のキャラづくりであり演技力はスゴイなと。終始それは感じてました。
一方、その“息子”となるロビンを演じた小島よしお。一部ではヤイヤイ言われてますが“らしさ”は前面に立っていなかったし。わたくし的には全然アリだったですね。

全編ハイスピードで駆け抜けていく楽しさ。銃を撃つ時の「ピュンピュン」という声のバカバカしさ。
それらについては十分に満足ですが、やっぱり そのスピードのままで105分ってのは、オジサンには少々しんどくて。

もうちょっとジックリみられる部分もほしかったなというのが正直なところ。
目も脳ミソも疲れちゃっただね(苦笑)

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トム・クルーズだよ(爆笑)
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2017年04月04日

ハードコア

イリヤ・ナイシュラー
シャールト・コプリー、ダニーラ・コズロフスキー、ヘイリー・ベネット
見知らぬ研究施設で目を覚ましたヘンリー。妻エステルが、事故で傷ついた体に機械製の腕と脚を取り付け、仕上げの声帯手術に取りかかった時、桁外れの能力を持つ男エイカンの襲撃を受ける。
機械のパーツで超人的な身体能力を得たヘンリーは、妻を助け出すため、エイカンとその組織に戦いを挑む。

予告を見て 斬新な映像にそそられて見てきました。
まぁ映画というより、アミューズメント施設の映像アトラクションに近いのかなと。それは予想しつつで。
製作国は ロシア・アメリカとのこと。冷戦時代はもう過去のことやね。

オープニングの赤基調のスロー映像も興味深かったり、痛々しかったりしながら。
いきなり手術台で目覚める場面からスタート。とりあえず「妻だ」と名乗る女性が超・美人。その時点で映画には感情移入OK!

あとは声帯の手術を行えば完了〜というところで敵が登場。ただし 何やら超能力の使い手のようだ。
そうこうするうちに戦いが始まり、何とか逃れようと非常口に向かったらば…
それ以降は ほぼほぼノンストップのアクションバトル。

監督は元々はパンクのバンドマンで。自身のミュージックビデオ用に一人称視点の映像を取り入れたところ大反響。
あれよあれよと企画が転がり、90分を超える今作に至ったと。

全編が主人公の視点で構成。
時間軸としても ぬるい時間帯はカットされていて、止まっているシチュエーションはほぼ無し。
ずーっとアクションシーン全開。もしくは誰かが撃たれるか 爆弾で吹っ飛んでるかというもの。

ボルダリングのように建物を登っていったり、大きな橋の鉄骨部分を走っていく映像の臨場感はスゴかったし。
サイドカーで前方のバンの車内に突っ込んでいくトコなんか、もう よくわからんほどに(笑)

そして何人も存在しながら一人としか同期せず、次々に意識がリレーしていくジミーというキャラも面白かったわ。

特殊なカメラを用いて撮影されているのでしょうが、それでも どう撮影した?と言いたくなる映像の連続。
会話の中のユーモアや ひねりの利いたアクションや銃の使いなど、細かいところまでアイデアが詰め込まれた仕上がりで。
それについてはいちいち感心しながら見ておりました。

ですが、ホントにずっーとアクションで、映像が動き続けていて。疲れました。
なんなら誰かが吹っ飛ぶ姿ばかり過ぎて…眠たくなりました(苦笑)

ホントに最近のシューティングゲームみたいなビデオゲームをやっている方であれば慣れているかもだけど。こっちは普段ゲームとかやらないので。とても疲れる映像やったね。
終盤 事の真相も明かされるんだけど、眠たくて なんだか素直に驚けずで。

作品のクオリティが素晴らしいのは間違いないけれど、ちょっと長いかな〜と。60分が限度かな〜と。わたくし的にはね。

それから、通常の2D字幕で上映されてたけど、3D、なんなら4Dに向いてる作風でしょうな。

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GAME OVER はしない、死なない
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2017年04月03日

ムーンライト

バリー・ジェンキンス
トレヴァンテ・ローズ、アシュトン・サンダース、アレックス・R・ヒバート
名前はシャロン、あだ名はリトル。内気な性格で、学校ではいじめの標的にされ。同級生のケヴィンだけが唯一の友達だった。
ある日、いじめっ子たちに追われていたところを、麻薬ディーラーのフアンに助けられたシャロン。いつしかファンのことを父親のように感じ始める。

「ラ・ラ・ランド」を抑えて(?)アカデミー賞の作品賞を受賞した本作。
ちなみにアカデミー賞では助演男優賞(フアン役のマハーシャラ・アリ)と脚色賞の計3部門で最優秀を受賞しております。

映画は主人公・シャロンの少年期、高校時代、成人してからの3つの時代で構成。
あまり事前情報を入れずに見たので、何を見せられるのか、どう見るべきか…掴みきれないままでしたが。
でありながらも、なんだか いろんなものが伝わってきましたね。

作中に(日本の映画でよく見られる)取って付けたような説明セリフは無く。
会話を押さえていれば、今どういう状況なのか、何を伝えたいのかはわかりました。
そういうのをさらりとやってみせるのは さすがに上手いなと思うのと同時に、感情を揺さぶられる場面もしばしば。

基本キャストは黒人の方たち。でもこの映画の中に肌の色、人種差別の要素はありません。

多くの映画で見られる白人たちが黒人をやみくもに迫害するような。そういう場面はない代わりに、その黒人のコミュニティの中で いじめが存在するという。
それだけを取ってみても、胸が痛くなりますね。

いじめを受けるシャロン。そんな彼を優しく救ってくれるフアンという男がたまらない。
麻薬ディーラーなんて社会のルールからすれば、はじかれものではあるが、シャロンにとっては人生を導かれる存在だったのでしょう。

そんなフアンと対局のようになるのが麻薬中毒の母親で。
シャロンがいたたまれなかったなぁ。

母の愛を受けることなく。学校ではいじめられ。そんなシャロンの唯一の友達のケヴィン。
彼との関係もまた、胸締め付けられるものになっていくわけですが。

そんなシャロンの人生は ずっと続いていくものなのでしょうが。
この映画のラストシーンは…

ちょっと唐突な幕切れとも言えるけど、よかったと思いますよ。
というか幸せであってほしいなと。ほんと、それだけですわ。

唐突といえば、いきなりのマッチョで。それはびっくりだったけどね(苦笑)

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夢精って女の人も、わかるよね?
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2017年04月01日

パッセンジャー

モーテン・ティルダム
ジェニファー・ローレンス、クリス・プラット、マイケル・シーン
20××年。5,000人を乗せ、新たなる居住地を目指す豪華宇宙船アヴァロン号。だが、冬眠装置で眠る乗客のうちエンジニアのジムと作家のオーロラは予定より90年も早く目覚めてしまう。
次第に思いを寄せ合っていく2人だったが、予期せぬ出来事がその運命を狂わせていく。

5,000人もの乗客・乗員を乗せ、120年をかけて地球から遠く離れた星に移住をする人々。
本来なら冬眠装置で眠ったまま進み、到着の4か月前に目覚めて、着陸に備えるというプログラムであった。

しかし アクシデントによって予定よりも90年早く冬眠ポッドが開いてしまって…というSF作品。
かと思いきや、それだけのお話ではなくって。

おおまかなあらすじは知っていましたが、前半にとある仕掛けがありまして。
なので 何か語ろうとするとネタバレになるので少々難しいトコロもありますが。

その仕掛けに於いては、なんかちょっと考えさせられる要素もあり。
なんなら、観客が“試される”トコもあるかな。

確かに あんなことしちゃうのには驚きましたが。ぶっちゃけわたくしがその立場で、エンジニアとして そんな技術があるのならば。やっぱり似たようなこと、考えちゃうだろうね。
一方で その巻き添えを食うようなシチュエーションだったら「うぎゃー!」って叫ぶわな。間違いなく。

その仕掛けの存在があることで、観客的には とてもヒリヒリして面白いです。

ただ 別視点として。あの要素を隠して物語を見せるやり方もあったかな。そして観客もアーサーにそれを教えてもらうという。
それだと この物語の印象も大きく変わってくるかな。
なんだか そっちのが面白いんじゃないかって気もするけど。

でもそうしなかったことで、ある種の純愛度がUPされてるというか、ちゃんとした着地点に到達できるのだろうね。

という感じで、SFとして、宇宙でのサバイバルモノとして、でも実はLOVEロマンスがメインのような。
そもそもイケメンと美女だから成立してるところもあるでしょうに(苦笑)

ちょっと欲張りな気もしますが、ドキドキ ワクワク楽しめる作品でした。
普通にその後の90年がどうなったのかも気になるけどね。

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無重力のプールはコワイね〜
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2017年03月30日

マイマイ新子と千年の魔法

片渕須直
福田麻由子、水沢奈子、森迫永依、本上まなみ
昭和30年代の山口県の片田舎に住む 小学3年生の新子。おでこにマイマイと呼んでいるつむじを持つ彼女は、祖父から聞く千年前の町の姿や、そこで暮らしていた人々ついて空想することが好きだった。
そんな新子の学校に東京から貴伊子という生徒が転校してくる。

「この世界の片隅に」の片渕須直監督が2009年に製作したアニメ作品。
芥川賞作家・高樹のぶ子の自伝的小説が原作。

そもそも まったくピンとこなかった「マイマイ新子と千年の魔法」というタイトル。
主人公の新子は前髪の生え際のところに“つむじ”があって、一部がはね上がっておりまして。それを“マイマイ”と呼んでいたんだね。

確かに 子どもの頃、頭の変なところに つむじのある子って おったなぁ。
「メリーに首ったけ」のキャメロン・ディアズの髪の毛がはねてるのとは…違うんやね(笑)

そして彼女の暮らす地域に遺跡などが残っており、平安時代には周防の国と呼ばれ、いわゆる千年の歴史を彼女自身 思い描くのが好きだったことに由来するんですね。
でも、正直 多くの方が期待するような魔法感はないかな。ファンタジーじゃないからね。

基本線は 田舎で小学生の子どもたちが遊ぶ物語。なんか走り回って、用水でダムを作って。あとは よく笑って。

そんな子どもたちの現在進行形の遊びとともに、ここには千年前にも誰かがいたという空想に思いを馳せて。
それも子どもたちの特権であるよね。

ところが「また明日あそぼう」という約束が、突如浸食してくる“大人の都合”で叶わないものとなります。
何も見えず、何もわからないまま、それに立ち向かっていく姿。
そして子どものやり方でそれを越えていこうとします。

昭和に子供だった僕たちは「40歳、50歳って もっと大人だと思ってたけど、いざ自分がその歳になってみると…」なんて口にしてしまいますが。
この映画に出てくる大人って、やっぱり大人だよなと。そんな感じで見ていたんだけど。
あきらかに こっちが子どもの目線で映画の世界に入り込んでた証拠だろうね。

「この世界の〜」の片渕監督の過去作というスタンスで見たわけですが。作品の構造としては「この世界の〜」と近いですよね。
あの日の日本を、今では失われつつあるものを、とても美しく描いている印象。そして空想に遊ぶ主人公とそれを脅かす世界との対峙。

そりゃ戦争と 盛り場のヤクザじゃスケールは違うかもですが。
子どもにとってみれば あれはあれで未知な世界であり、結構な脅威だったことでしょうし。

片淵監督の表現スタイルとして、この作品があったからこそ「この世界の〜」へ進めたところはあるのかもしれませんね。コトリンゴさんの歌声も含めてね。

比較はせずとも、この作品単体で十分に楽しかったですし、グッと胸に響くところもありました。
でも、やっぱり現在40歳代以上で、昭和に子供だった世代じゃないと、感じられる部分も違ってきちゃうかもしれないかな。
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2017年03月27日

キングコング:髑髏島の巨神

ジョーダン・ヴォート=ロバーツ
トム・ヒドルストン、ブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソン
1973年。未知の生物の存在を確認しようと、軍人や元傭兵、戦場カメラマンからなる調査遠征隊が太平洋の孤島・髑髏島へ潜入。
ところが自然を破壊する彼らに対し、憤怒した島の“守護神”キングコングが襲いかかる。

『パシフィック・リム』や『GODZILLA ゴジラ』のレジェンダリー・ピクチャーズ製作。
既に今後の計画として『キングコング対ゴジラ』の企画もあるとのことで、その前哨戦的にも注目の作品で。

“怪獣映画”として とても楽しめるという話もあり、期待を持っての鑑賞。
何気に上映がスタートしてわかったのですが。みんな日本語しゃべっとる。
そうか、吹替え版だったのね。

プロレスファン的には真壁刀義選手も参加しているとのことで、それはそれとして鑑賞したのですが。
不思議なことに(?)『ルーム』のブリー・ラーソン演じるヒロインから感情が伝わってこない。
ずっと見ていたんだけど、結局最後まで セリフが棒読みで。

これ、見る側として なかなか感情移入しにくいなと。
最終的にエンドロールに登場した名前は 佐々木希ということで。。。

ちょっとは上手くなったと思った時期もありましたが、今作での声優としては…アレやったね。
それから主人公はGACKTさんが声をあててたそうで。それほど感情のアップダウンを求められるキャラクターではないものの、やっぱり違和感は拭えないかな。

帰ってきてから思い出したんだけど。『キングコング』って前にも(平成になってからも)あったなと。
調べてみたら2006年の正月に見ておりました。『キング・コング』を。
ナオミ・ワッツ、エイドリアン・ブロディ出演で。3時間越えのヤツ。

その時の自分の感想を見なおしてみたんだけど。
今回も ほぼ同意見。

ようは リアリティの無い題材ではあるが、そこで行われていることに関してのリアリティに乏しいと。
なんならイントロダクション。海辺の砂浜で追いかけっこし始めて、いきなり崖のてっぺんに場面が変わったり。
コング大暴れのシーンでも 空中のヘリに対してそんな風にできるかとか。

そんな細かいトコロ気にして この映画見てる人はおらんのかもだけど。わたくし的には気になっちゃうんだな。

物音一つさせず、30メートルからの巨体が突然あらわれるとか。
『シン・ゴジラ』を経験しちゃうと〜と思ったら、2006年の時点でも同様なところに引っかかっていたわたくし。
こりゃもう好みの問題というか、性分なんだろうね。

あの時と同じ感想はもうひとつ。
それは、映像の迫力はすごかったよ〜というトコ。
明るい状況でのバトルシーンもあるので。その点は見応えありました。

でも なんか、わたくし的なワクワクポイントは刺激されなかったということで。

さてさて。もうひとつ一部で語られていることですが。
長〜いエンドロールの後に とある映像があるんだけど。

春休みのイチ娯楽として見にきている層は、そこまで見ずに、やっぱり さっさと帰っちゃうものだね。
映画ファンとして「なるほど」と関心はしましたが。もしかしたら、イチゲンさんはアレを見てもピンとこないかな?(苦笑)

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西野も梶原も出てこないよ
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2017年03月26日

わたしは、ダニエル・ブレイク

ケン・ローチ
デイヴ・ジョーンズ、ヘイリー・スクワイアーズ
大工として働く59歳のダニエルは、心臓の病を患い医者から仕事を止められる。しかも複雑な制度に翻弄され、国の援助を受けられない。
そんな中、シングルマザーのケイティと二人の子供の家族を助けたことから、交流が生まれる。しかし、厳しい現実が彼らを追いつめていく。

ケン・ローチ監督は 今作により、カンヌ国際映画祭で二度目の最高賞・パルムドールに輝きました。
そもそも既に引退を表明していたケン・ローチ監督が、そのような高評価を得る作品を作ったこと。なにより、引退を撤回してでも 今伝えなくてはならないテーマがあったということですが。

引退を撤回といえば、日本では長編作品は撮らないと言っておった宮崎駿監督も、ここにきて企画が進行しているなんて話も聞かれます。
引退するしないは 各々の決断。それ以上でも以下でもありませんが。わたくし的には 良い映画が見られればそれはそれで嬉しいことだったりするんだけどね。

大前提として この映画、イギリスが舞台となっていて。
そこでの制度や人のライフスタイルは、日本と重ね合わせるには いくらかの違いもあるので。

100%同じ目線で“痛みを”理解することはできないかもですが。
そのうえで…終始 座りの悪いというべきか、苦々しい状況というのは“痛いほど”伝わってきました。

特に、フードバンクでシングルマザーのケイティが、突然 缶詰を開けた場面。
一瞬「えっ、どうした?」と思ったのですが、ただ ホントに限界であったがための衝動であったのかと。
そして周りのみんなが「何も悪いことではない」と見守ってくれる温かさ。

そんな ささやかながら、誰かを思いやる姿勢に 胸が押しつぶされそうな思いでした。

この映画を見ていて、あまりにもマニュアルチックで、融通の利かない、こころの通わない 役所の対応には憤りを覚えるばかりですが。
現実のイギリスでも実際にこんな感じで、なんならもっと“非道”とも言えるケースも存在するとかで。

そういった現状への異議と そこで生きていかんとする人の心。
「尊厳を失ったら終わりだ」という言葉の重み。「わたしは、ダニエル・ブレイクだ」と記される あの場面、あの訴え。込み上げてくるものがありました。

それこそがケン・ローチが復帰を決め、訴えなければならなかったメッセージであり。
それを真摯に映像化してみせる監督の手腕もまた素晴らしいものであります。

やっとのことでダニエルが辿り着いた「申し立て申請」の手続き。
「これなら大丈夫だ」と弁護士さんと思しき方が受け止めてくれたのですが。

始めは気付かなかったけど、その弁護士さん、車いすやったんですね。
ダニエルのような社会的弱者を守ろうとするのがハンディのある方だということ。

思い起こせば、序盤にケイティの家の近くにいた犬も 後ろ足が片方無かったような。

そういった何気ないところにも、複雑な思いを感じずにはいられませんでした。

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だれもが、ダニエル・ブレイク
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2017年03月17日

チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話

河合勇人
広瀬すず 、中条あやみ、山崎紘菜、天海祐希
県立福井中央高校に入学したひかりは、中学からの同級生の孝介を応援したいためだけにチアダンス部へ入部する。
しかし顧問の早乙女が掲げるのは全米大会制覇というもので。早々に退部者が出る中、チームメイトの同級生・彩乃の存在もあり、チアダンスに打ち込むひかり。全米大会制覇を目指し、チアダンス部の挑戦がはじまった。

わりと評判良いみたいで。
タイトルからして起承転結は予想はできるわね。んで実際にそんな展開だったし。
広瀬すずの明るい女子高生姿を見てて、昨年の「ちはやふる」を連想せずにはいられない。

そんな感じで見始めたのが、これホントになんかイイじゃない?
それどころか所々でウルウルきちゃって。
なんだかやられちゃいましたわ。

今の時代にガッツリとしたスポ根路線というのは、なかなかうまくいかないかな。
それよりも これぐらいのスタンスの方が現実的で。共感を得られるのかも。

早々に語られるチアダンスとはどんな競技か。そして ここにいる部員がどんなキャラなのか。
この辺りの導入部が上手くて。観客はまんまと見知らぬ競技の部員に同化させられたような。そんな感じで。

それからコメディ要素の部分が また上手やったなと。
あの先生また同じこと言ってるな〜という見せ方だったり。県大会の2年越しの天丼だったり。
あと ネタのフリがあって、オチた後を引っ張らず、スッと次のシーンに進めてしまう潔さ。こういうのが気持ちよかったですわ。

広瀬すずって、それらのコメディパートも意外とイケるんだよね。“おたま”を持ってフニャフニャ踊るトコなんかたまらなかったし(笑)
もちろん天海祐希さんも 普段からハキハキとしたコメント力あるの見てますからね。

その天海さんが演じた先生役。あらすじ的にはスパルタ鬼教師と書いてあるんだけど、そういう風には感じられなかったよね。
でも この作風に於いては、これぐらいのスタンスで正解だと思ったな。変にステレオタイプの堅物先生過ぎたら、ちょっと浮いてただろうね。

それ以外のキャストも個性光ってましたね。
そこにいるだけでニッコリしちゃう 富田望生演じるぽっちゃりの子とか。

今まで一人で踊ってて 笑顔を作れなかった子なんかは多くの共感を得られるんじゃないかな。
んで その子を演じた山崎紘菜にはなんだか視線を奪われまして。今後オファーが増えそうな予感。

物語としては、彼女たちが順調にステップアップを果たし、全米大会にまで上り詰めるわけですが。
ここで 最強に厳しい判断が待ち受けていて。

わたくし自身 似たような経験もしてきているので、すごくよくわかるんですよ。あの先生の決断が。
ここまで頑張ってきた彼女たちにもショックだったり、先生にとっても大変なことなんだよね。

でも そこで「端っこでもセンターのつもりで!」という言葉が生きてきたり。
「あの子、笑顔だけは…いや、笑顔だけじゃない」というヤツがいたりするんだよね。
あの辺りは超共感せずにはいられなかったし。だからこそ泣けてきてたまらんかったですわ。

そんな苦境を経て…知ってるから書いちゃっていいでしょう。彼女たちは優勝の栄冠を勝ち取ります。
その歓喜の場面でもウルっときたのだが。

よくよく思えば、近頃のこういう系統の映画って「優勝まではできなかったけど、何じゃ大切なものはつかんだ」的な着地点が多いような印象があって。
リアルでは優勝を手にできない人の方が圧倒的に多いですから。そんな結末の方がシンパシー感じる人は多いのかもですね。単純に。

でもね。映画として見るうえでは「ヤッター!1位だー!」という場面を見るのも、素直に気持ち良かったですわ。
というわけで。結構広い年代の人が見ても案外共感を得られそうな。そんな気がします。

最後に、中条あやみ演じた彩乃が ああいうことになって。素直に喜べるのかなという疑問もあったけど。
いやいや、だからこそCAという夢を叶えたよ〜というエピローグで救われました。
最後の最後まで上手い映画やなぁ(笑)

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明るく、素直に、美しく!!
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2017年03月16日

哭声 コクソン

ナ・ホンジン
クァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、國村 隼、チョン・ウヒ
平和な田舎の村に ひとりのよそ者が現れる。それ以降、村人が自身の家族を残虐に殺す事件が多発。殺人を犯した村人は、濁った眼に湿疹でただれた肌という共通点があった。
事件を担当する村の警官ジョングは、自分の娘に殺人犯たちと同じ湿疹があることに気付く。

『チェイサー』『哀しき獣』などのナ・ホンジン監督の新作。
過去作もサスペンスフルで ドキドキしっぱなしで どんでん返しも楽しめる。そんな作風ではありますが。
この映画も同様に。展開、映像、ヘヴィーで見応え大ありでした。

でも怖くて エゲつないシーンもあるので万人におススメはできませんが。

韓国映画ではありますが、そんな中で ただ一人。日本から國村隼さんが出演。
言うてもチョイ役ではなく、主要な存在で なおかつ怖い。ぶっちゃけチョー怖い。

國村さんが韓国に行っても 誰も目を合わさないでしょと。道開けるでしょというレベルの怖さ(苦笑)
いろんな意味で体当たりの熱演で、役者として素晴らしかったです。

山間に近い小さな村で不可思議な殺人事件が頻発。被害者は惨い殺され方をされ、容疑者は被害者の家族であるという。
その事件の真相は、毒キノコで精神を蝕まれてのことなのか。何かがとり憑いたのか。それとも どこからともなくやって来た、怪しげな日本人の仕業なのか。

主人公の警察官であり 一人娘の父親でもある男が また極度の怖がりでね。
そんな事件現場に足を踏み入れるのにイチイチ ビビったり、声をあげて腰を抜かしたり。
その様が面白くて、その辺りは結構笑えるんだけど。

男の(おそらく小学生の)娘に変化がおとずれた辺りから、それまでの笑える雰囲気から サスペンス、ホラー、そしてオカルトからゾンビへと。
それぐらいの展開が広がっていきます。

さらには娘を救うべく祈祷師が登場。この祈祷師さんも、間違いなく見どころのひとつで。
その悪霊払いの映像から とんでもないバトルの様相を呈していき、さらに混沌は増していくことに。

冒頭に聖書の一説が示されることから、そういったものがモチーフになっているのはなんとなくわかりますが。
ぶっちゃけ その深遠なテーマ性までは理解するのは難しいですわね。

でも その映像描写だけでも見入ってしまうデキなのは間違いない。
しかも156分という長尺で。終盤は三重構造でのダメ押しがきますが、見入ってしまいました。

國村さんの存在感が素晴らしいとは書きましたが、もう一人 スゴかったのが主人公の娘さん。
普通の子ども、狂気の絶叫、そして…

よくもまぁあそこまで演じられるなと。
芦田愛菜でもあれは厳しいんじゃないかってほどに映画を盛り上げるパーソンになっています。
この子も必見です。

ちなみに國村は音読みで“コクソン”だという説を見てちょっと笑えたよ。
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2017年03月15日

The NET 網に囚われた男

キム・ギドク
リュ・スンボム、イ・ウォングン、キム・ヨンミン、チェ・グィファ
北朝鮮の漁師チョルが漁に出たところ、エンジンに網が絡みボートが停止。そのまま韓国側に流され、スパイ容疑で韓国の警察に拘束されてしまう。
一途に妻子の元に戻ることを望むチョルだったが、厳しい取り調べと亡命の強要を受けるのだった。

キム・ギドク監督は、これまでにも南北問題をテーマにした作品に携わってきておりまして。
別に日本人にはそんなものは関係ないと。そんな見方もあるかもしれません。

でもキム・ギドクが映し出す、メディアには映らない部分での ひとつの真実の姿。そういうものを見ておくのも意義があると思います。
また単純に映画として、エンターテイメントとして 見応えがあるからね。

北朝鮮で妻と小さな娘と つつましやかに暮らしていた男チョル。彼のボートがエンジン故障で境界を越え、韓国側へ流れついてしまいます。
そのまま男は警察が預かる身となるのですが。

フィクションであるとはいえ、北の川で魚を取って暮らす男の暮らしぶりと、韓国の暮らし向きの差というのがね。
ほんの川ひとつ越えただけで、これほどまでに文化の違いが現れるものなのかと。舞台が別世界になってしまうという。その点に あらためて驚かされました。

やがて ひと通りの取り調べを受けるわけですが。今後 彼をどう扱うべきか、警察内でも意識の差が明らかになっていきます。

以前 日本でも度を越えた一方的な取り調べが問題になりましたが。この映画ではチョルはスパイだと決めつけ、あまりにもヒドい取り調べを行い、自身のシナリオに沿った調書を作ろうとする刑事が出てきます。
またチョルが北で学んできた“技術”が災いし、自らを追い込んでいくなんて皮肉な場面も。

かと思えば 韓国の野村周平的な若いイケメンくんは「甘すぎないか?」と言いたくなるほどに、彼に寄り添います。

しかし彼らの上司は 貧しい北から一人でも多くの人を救いたいと、亡命させることを望みます。

彼を北からのスパイとして裁くのか。亡命者として受けいれるのか。本人の希望に沿って、北で待つ家族の元へ帰すべきか。
まさに韓国 国内にある北へのスタンスって、実際にこういうものなのかと。
国民によっても意識の温度差はあるんでしょうね。

こうして それぞれの思惑に翻弄されるチョルがソウル見物を“させられる”のですが。
彼がそこで見たものについて、吐き捨てるように訴える場面にドキッとさせられました。

こんな自由が、贅沢が、無駄使いをすることが幸福なのかというような。そんな疑問を投げかけるんですが。
そんな問題提起をしてみせるのがキム・ギドクの主張であり、真骨頂という感じがします。

この物語。果たしてチョルがどうなっていくのかと。
結果 ひとつの着地点は提示されるんだけど。

その後に ダメ押しのようなドラマが待っています。
それもまた見る側に大きくのしかかってくるんだよなぁ。

網に翻弄されたひとりの漁師。
その数奇な運命を通して、本当の幸福ってなんだろうかと。
そんなことを突き付けられる物語でした。

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ピカチュもクレしんも心配してたよ
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