2017年03月04日

ホワイトリリー

中田秀夫
飛鳥 凛、山口香緒里、町井祥真
陶芸家志望のはるかは、著名な陶芸家・登紀子の元で見習いとして住み込んでいる。彼女は師匠の身の回りの世話だけではなく、特別な関係にあった。
しかし登紀子が有名陶芸家の息子悟を、新弟子として迎え入れたことで、3人の関係は暴走していく。

ロマンポルノリブート企画の1作。監督は「リング」などホラー作品でおなじみの中田秀夫。
そんな系統の監督がロマンポルノというテーマでどんな作品を撮るのか興味深かったのですが…

監督の経歴をチェックしたら「女教師日記 禁じられた性」なんて作品を撮ったこともあるらしく。
一応引き出しの中に そっちテイストも入ってるのかしらん?

女性陶芸家と縁あって知り合い、彼女の身の回りの世話をしながら陶芸を学ぶ女性。
身の回りとは、日常生活に加えて先生の性の処理についても…
というわけで、女性同士の絡みも描かれております。
百合系ってヤツやね。

まさにタイトルにもある“ホワイトリリー”とは白百合のことで。 花言葉では「純潔」「処女性」なんて意味合いも。
ただ 先生の方は両方イケるお方なんだけどね。

そんな二人の暮らしの中に、一人の若い男が入り込んだことで〜というものですが。

正直言って、意外性とか ひねりには乏しい展開で。
決して大きな“仕掛け”もないし、ほぼほぼ先生の自宅兼作業場で完結しており 絵的な変化もなくって。
プチ修羅場とかはあるけども、見ている側にまでドキドキが共有できるかっちゅうと、そこまでは至らずで。

結果、いくらか間延びした80分という印象だったね。

まぁ中田監督らしく どことなく怖い雰囲気も感じられつつは良いけども。
いっそ、女性と幽霊との 存在を超越した百合物語とかやっちゃえば良かったのに(苦笑)

お話の中心となる二人の女性。
先生となる登紀子役の山口香緒里は一見上品そうに見えるが、わたくし的にはタイプではなく。申しわけない。

もう一人の主人公はるか役の飛鳥凛はズバ抜けてキレイとは言わないけど。
こちらは いい具合な感じでね。これは見られて良かったなと。

でも見ていて 百合なシーンよりも、男×女の絡みの方がドキドキしたんですわね。
わたくしの真相にあるリアリティの感じ方の違いかしらね?
それが ささやかな発見でしたわ。

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ホワイトリカーは梅酒作るヤツね
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2017年02月25日

ラ・ラ・ランド

デイミアン・チャゼル
ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン
夢追い人が集まる街、L.A.(ロサンゼルス)。女優を目指すミアは何度オーディションを受けても落ちてばかり。
ある日 ピアノの音色に導かれて入ったジャズバーでピアニストのセバスチャンと出会う。
やがて二人は恋におち、互いの夢を応援し合うが、セバスチャンのバンドが成功したことから、二人の心はすれ違い始める。

今年度のアカデミー賞の大本命。既に広く公開はされていますが、日本公開はわざわざアカデミー賞の発表に合わせたのか この時期で。
公開初日の初回上映に行ってきました。

久々に「これぞ!」と思わせるミュージカル作品とは聞きますが、事前にはグッとくる感覚はなく。
実際にあらすじとして、特段なにかがあるという風でもなく。恋?夢?そういう映画はありますからね。

果たして 見終えた感想は…「映画だな」と。
良かった?いや、これで良かったとは言いにくいが。それが人生であり、映画なんでしょう。
こう見えてネタバレなしでは語りにくいところもあるからねぇ。

「ヘアスプレー」なんかも好きですから。冒頭から心わしづかみ。
フラッシュモブは大キライだけど、人々のパッションが共鳴し合い、あんなところで歌い踊り出すなんてたまりません。

そんなオープニングが終わったかと思えば、切り替わることなく そのままストーリーに入っていったのも(いい意味で)卑怯だったね。

共同生活をしてる女優の卵たちが出会いを求めて出かけるパートもキレイでした。
赤、黄、緑、そして青のドレス。日本的には“スーパー戦隊シリーズ”チックだけど(笑)あれもワクワクするシーンだったね。

その後 距離が近づきつつあるセブとミアが、日の沈みかけた街を見下ろしながタップダンスをする場面も素晴らしかったです。

中盤はミュージカル要素は少なめで、二人が夢を語り、愛を深めていきます。
ただし 前に進むべく始めたことにより、その関係がかみ合わなくなり。
互いを信じあいながらも、それぞれの夢と向き合う時が訪れます。

幸せなはずの二人だけの「サプライズだ」の食事シーンでついに…
役者であり、ミュージシャンであり、表現者であるならば どうしても選ばなきゃいけない時があって。
あの時の互いの言い分は、愛があるからこそ間違っていないし。だからぶつかってしまうし。
だからこそ辛かったね。

やがて二人の関係に大きなうねりが起こり。
そして夢のような、ラストシーンが待っています。

二人の関係が近づきかけると、ちょっとした何かが起こり。すんなり進まないもどかしさ。
恋愛映画には そういう焦らしの展開はあって当たり前だけどさ。

ラストシーン見てどんどん切なくなっちゃったね。
もしあの場でキスしていたら…

泣きはしなかったけどね。だって今が そうなんだから。
でもやっぱ切ないわ〜(涙)

カラフルな映像美、役者、音楽、脚本なんてキーワードも出てきますし。
そもそも舞台がロサンゼルスの映画スタジオだったりするし。

映画愛にあふれていて、「これぞ映画!」と思わせてくれました。

夢、幸せ、愛はあるはずだけど
なぜか切ない、切なすぎるラストシーン。

幸せなんだけど、ちょっと欠けてるからいいんです。人生ってそういうもんですから。

わたくしごときにはアカデミー賞レベルなのかどうかはわからんけど。
素晴らしき映画と出会えたと。そう言いたくなるのは間違いないです。

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ラ・ラ・ライアン・ゴズリング
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2017年02月24日

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場

ギャヴィン・フッド
ヘレン・ミレン、アーロン・ポール、アラン・リックマン、バーカッド・アブディ
イギリス軍諜報機関のキャサリン・パウエル大佐は、ケニア・ナイロビの隠れ家に潜むテロリストたちの自爆テロ計画を掴み、殺害作戦に移行する。
だが、破壊準備に入ったその時、殺傷圏内に幼い少女がいることが判明。軍人や政治家たちの間で議論が勃発する。

これが現代の最新鋭のハイテクを利用した戦争のカタチでもあるんですね。
「ドローンを駆使して…」という言葉に触れても、ドローンってイタズラに使用するものでしょ?なんてゆる〜い認識しかないと、大きなギャップを感じずにはいられませんが。

ここに登場するドローンというのは 地上からは気付かないほどの上空で待機しつつ、そこに搭載されたカメラで地上の状況を監視し、とてつもない精度で目標に着弾できるミサイルも発射するという。
そんな兵器がドローンなんですね。

さらには もっと近いところから、怪しまれずに相手を監視できる鳥型のカメラ。
かと思えば さらに小型で敵のアジト内まで入り込むことのできる虫型のカメラまで。

重ねて言うなら、それらを駆使した作戦を考える人、機器を操作する人、カメラの映像を解析する人、攻撃の許可を認める責任者。それぞれが世界のいたるところにおりまして。
各々が連携を取りながら、同時進行でひとつの作戦を遂行していくというのも驚きでした。

様々な情報解析の結果、過激組織のテロリストたちが潜む隠れ家を突き止め、そこを監視したところ危険人物を発見。しかも爆弾入りのベストを着用している様子まで。
それを準備しているという事は、明日あさっての話ではなく、即テロリストが行動を起こすことでもあります。

政府の立場としては 殺してはいけないと。生け捕りにするべしと。
しかし そんな悠長なことを言っていられないと。いま手を尽くさなければ さらに多くの人が危険にさらされると。

なので 敵のテロリスト、それを支持する米国人に英国人も含めて攻撃するのもやむなしという判断。
また それだけでなく、民間人を…ここでは 幼い少女も危険にさらしてしまうという状況まで起こってしまいます。

様々な思惑であり、状況判断が試される映画でして。
映画として 終始緊張感も高く、とても悩ましく、よくできた作品であります。

であるからこそ言いたいのだけど。
この「世界一安全な戦場」というサブタイトルは いらんよね。
これがあると「これからテロリストやっつけるけど、こっちは平気だもんね♪」の印象になっちゃうっしょ。

今作の主題は安全うんぬんよりも、人としての道理、軍人の矜持、責任の所在など、様々なものを問うものであって。
わたくしに言わせりゃ、この日本語サブタイトル考えたヤツは何を見ているんだと。

なんならそれを見たことで「つまらなさそう」と思ったし。
ホントはこんなにいい作品なのにね。もったいない。

そして もうひとつ言いたい。
それぞれの立場で、とてもナーバスになりながら、米国人、英国人、テロリスト、民間人、あるいはこれから起きるであろうテロの犠牲者などを鑑みながら、何が正しいのか、どうするべきかを試行錯誤するわけですが。

どうかすると アチラの国内では、警察官がまったく無実の黒人を射殺したりする事例が多くあると聞きます。
同じ人の命であるはずなのに。

この映画の枠をはみ出したところで、さらに胸の痛みを感じました。

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トイレの中でくだしたのは おなかか判断か…
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2017年02月22日

ザ・スライドショーがやってくる!「レジェンド仲良し」の秘密

伏原正康
みうらじゅん、いとうせいこう
1996年から 20年間にわたり開催されている「ザ・スライドショー」。
みうらじゅんが全国で撮影した写真をスクリーンに映し、いとうせいこうが突っ込むという。そのステージの模様とインタビューを交えて、これまでの歴史を振り返る。

「ザ・スライドショー」。わたくしは実際に会場で見たことは無いのですが、DVDで何作か見ておりまして。
どんなイベントなのかは一応知っております。

この企画が始まって20周年ということで実現した 今回の映画版。
過去の名場面と みうらじゅん、いとうせいこう それぞれ別収録のインタビューの模様とで構成された94分。
あぁ過去だけでなく、2016年開催の最新版の映像も入ってたけどね。

もちろん 面白いのはわかっていますが、こうやってあらためて見ても、やっぱり面白いわ。映画館内でも結構 笑い声が起きてたからね。
中でも「8人の食いしん坊」で始まるアレは超ワロタわ。

そういう“ネタ”の面白味と同時に。
それぞれがインタビューで語ったことが また興味深かったですね。

はじめて会った頃の相手の印象にはじまり、このイベントの自身の役割・スタンス、何が求められて どう応えていくべきか。
互いの考えが大方一致してたもんね。

そもそも こういう関係性って…だいたいわかってるじゃないですか。感覚的に。いいオトナなんだから。
それをわざわざ言葉にして説明するのって 気恥ずかしいと思うんだけど。

でも そういう部分を越えた恥ずかしい二人だけの写真なんかも登場して。
それがまた笑いを誘ったんだけどww

とにかく。いとうさんはツッコミであると。
みうらさんはボケであると。

でも本当は みうらさんがツッコミの立場で発見したものを写真に撮りつつ、それをここで見せる側となることでボケの立場になると。
そういった 部分にまで言及しているのが新鮮でしたね。

さてさて、実際の「ザ・スライドショー」は開催のペースが伸びてきているようで。
ネタが溜まったら行われるとかなんとか。

どうしても首都圏にいないとそれらの情報も得にくいし、チケットも取りにくいんだけど。
やっぱり会場で見てみたいなぁ。

でも今回のような映画版がイケるのであれば、ライブビューイングみたいので見ることができたらいいんだけど。
いずれにせよ みうらじゅんさんのネタの集まり具合によりますかね。

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入場時にもらったマグネット、いらんわ〜(笑)
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2017年02月21日

相棒 劇場版W 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断

橋本 一
水谷 豊、反町隆史、仲間由紀恵、北村一輝、鹿賀丈史
特命係の杉下右京と冠城亘は、国際犯罪組織バーズを追って来日した国連犯罪情報事務局の元理事マーク・リュウに同行することになる。
そんな中、7年前バーズに誘拐された少女の現在の姿の動画が公開され、犯行グループは日本政府に多額の身代金を突き付ける。

テレビの「相棒」は見ていませんが、劇場版の方は見てますが…ってスピンオフ版までは見てないけど。
とにかく その程度のスタンスで。

ただし テレビで「劇場版につながる前後編」みたいな煽りがあったのでそれは見たけども…
関係なかったですね(苦笑)

長いシリーズでもあるので、そこそこの相関図は理解しつつも、キャラクターたちへの思い入れはなく。
ミッチーさん、六角さん、仲間由紀恵さんが登場してもグッと高まる感じもさほどはなく。

とにかく、イチ映画ファンとして「相棒」を鑑賞したわけですが。
やっぱり“趣”としてはテレビのドラマだよね。本来の映画で こんなに雑な展開はありえないもんね(苦笑)

ざっくり言っちゃえば、見ていて ひとつもドキドキできなかった。
その要因としては とにかくチマチマした謎が出てきては、右京さんの一声で解決…という流し方と全体の展開ですかね。
「えっ?」と言いたげな推理が次から次へと“こなされて”いくので、映画的な“溜め”がなくて。

見る側としては 謎を謎として享受するでなく、ただ単に 答え合わせだけを見せられてると言っては言い過ぎかな?

また大局的にも人や時間を絡めすぎて、ストレートに心に訴えかける重みが得られにくかったし。
なんだか そんなに欲張らず、もっとシンプルに、純粋に無念さや やるせなさを表す方が良いんじゃないかなぁ。

あと どうしても気になっちゃうのがホントにそんなこと可能なのか?って部分でね。
遺体の中にアレを隠すとか、エレベーターのボタンに仕掛けられたモノとか。
アレをメール送信したことで 通信ができなくなるとか。

ぶっちゃけ かなりのトンデモ設定にしか思えないので、推理という名の正解を提示されても 素直に驚くことができず。「その手があったか」と思うことができずで。
50万人の中からたまたま鈴木杏樹を発見したのもそうやね(笑)

そして「相棒」ファミリーのオールスターキャストと言われてたけど。
ファンにとっては“これぞ”なのか“極め付け”なのかもだけど、テレビ版を見ていない映画ファンのわたくしには、ノリきれなかったし。
謎解き含めて だいぶ置いてけぼり感あったしね。

テレビ版もそうなんでしょうが、トリックや謎解きの側面と同時に 現代流のヒューマニズムや悲哀といったものをベースに置いたお話も「相棒」の魅力でもあるんでしょう。
でも 話を複雑にし過ぎで。その路線であれば往年の「特捜最前線」みたいな脚本の方が グッときちゃうんだけど。
あれはあれで お話が相当暗いんだけどね。

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タイトルなげぇよ!
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2017年02月20日

くも漫。

小林稔昌
脳みそ夫、柳英里紗、沖ちづる、平田 満
29歳の中川学は長年のニート生活を経て、父親のコネでようやく教育現場の職を得る。初めて人生の歯車が合い始めた高揚感と抑えきれない性欲から、風俗店へ繰り出した。ところが、No.1風俗嬢のサービスで絶頂を迎えた瞬間、くも膜下出血を発症してしまう。

中川学原作の同名ノンフィクション漫画の実写映画化。
主演はタイタン所属のピン芸人 脳みそ夫(のう みそお)。何ちゅう名前や(笑)
でも 程よくイケていない主人公のキャラを見事に体現してて すごく良かったですよ。

一方、風俗嬢を演じた柳英里紗がかわいらしかったですね。こんな風俗嬢おったらたまらんわね。

そして もう一人主人公の妹役の子が美人で目を引きましたね。
どんな子?と思いきや、元はシンガーソングライターであり 今作のエンディングテーマも歌っている沖ちづる という方らしい。

あと女医役で「特捜戦隊デカレンジャー」のデカイエローだった木下あゆ美。
名前はわからないけど職業案内所のオペレーターの方も印象に残ってて。
とにかく女性キャストがキレイな人が多くて、目を奪われましたわ。

主人公はニートとされていますが、どのような経緯があって…というのもちゃんと描かれていますし、ただ単にダメな救いの無いヤツという感じでもなくて。
でもその方が“助かってほしい”と思わせる意味では良かったかな。

ニート、教職、風俗店、病人と良くも恥ずかしくも立場が変化する主人公。
その中でも“風俗店で倒れた”という部分の後ろめたさがストーリーの“キモ”のようになっていまして。

確かにそれは恥ずかしいけども。客観的な見方をすると、それよりも命の危険すらある病からの生還という部分と対にするにはバランスが悪いようには思ったけどね。
超第三者意見としては、風俗で倒れたんか知らんけど、生きてて良かったやん〜という感じ。
あるいは 映画として、そこの駆け引きがもっと面白くできてたら、もっと笑えたかな。

実際にたいへんな体験談でしょうけども、もうちょっと面白ポイントや浮き沈みのメリハリあった方が盛り上がったわけで。
それが乏しいので、少々冗長に思えたトコロもありました。

テーマが興味深いだけに、その辺りはちょっともったいなかったかな。

でも くも膜下出血の怖さを、まるで“ゆるキャラ”のように視覚化したのは素晴らしいと思いました。
あのキャラクター「くもマン」っていうんだね。
熊本の人気者のアイツみたいな名前なんやな(苦笑)

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靴へのこだわりがスゴいww
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2017年02月19日

ANTIPORNO アンチポルノ

園 子温
冨手麻妙、筒井真理子、不二子、下村 愛、福田愛美
時代の寵児とまで言われる女流作家の京子。分刻みのスケジュールにいらだつ京子は、マネージャーの典子に首輪をつけて部屋を引きずり回すなど、サディスティックに振る舞ってはストレスを解消していた。
しかし寝ても覚めても消えない悪夢にさいなまれ、自分自身に混乱をきたしていく。

薄々感じてはおりましたが、ロマンポルノという企画と園子温は相性がいいのかな。
というか そもそも園監督のスタイルがエロにも長けているわけで。

もっというならロマンポルノという枠を超えて、モロに園子温監督の世界だったのかもしれません。

いかにも演劇がかったムードの序盤。
そういう作風がそんなに好きじゃないのもあって、いくらか「かったるいな」と思って見てたんだけど。
途中で、ズバッとその世界が切り替わり、女優とマネージャーが切り替わり「これか!」と目から鱗。

あの かったるさは出るべくして出ていたのね。かったるくて正解だったのね。
そんなこんなでエンジンかかりまして。グイグイと引き込まれていきました。

見終わっての印象は、妙な心地よさ。メチャ気持ちいい。
ただし意味はわからない。ほぼほぼなんじゃこりゃ?の世界。
それでいて残った爽快感。

下手なヤツが作った自己満足の風変わりなアングラ世界と違って、なんだかわからないけど気持ち良かったんですよ。

つまり自己満足なオナニーの世界ではなく、この映画は確実に性行為が成立しちゃったってことじゃないの?スクリーンと客席で。
これはスゴイよ。園子温監督、お見事。

感覚でヒットする。
これぞ映画の醍醐味と言えるんじゃないかな。

男性生殖器と女性生殖器。チンポとマンコ。
この違いを定義すると…納得です。

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ボトルトカゲ!?
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2017年02月15日

僕と世界の方程式

モーガン・マシューズ
エイサ・バターフィールド、サリー・ホーキンス、レイフ・スポール、ジョー・ヤン
自閉症スペクトラムと診断されたネイサン。大好きだった父を事故で亡くした後、母の勧めで数学の個人指導を受け その才能が開花。
やがて数学オリンピックのイギリス代表チームに選ばれ、台北合宿に参加したネイサンは、そこで中国チームの少女チャン・メイと出会う。

先日見た「ザ・コンサルタント」では主人公が高感度自閉症という設定でありました。
方やこちらは自閉症スペクトラムということで。

似て非なるもの?
まぁ人それぞれで症状や状況は違うのでしょうが。

この主人公ネイサンは全く社会性がないというわけではなく。
少々難しいところはありつつ、数学に関しての才は並外れていると。そして唯一 彼と“合う”存在だったのが父親で。
しかし その父が事故で亡くなってしまい、その後 母ひとりによって育てられていくのですが。

愛情はあるんですよ。親子ですから。
だから しいて言うなら“合わない”母と子と思いました。

そして母は彼の数学の才能を生かすべく、ある数学教師に個人指導を依頼。また国際数学オリンピックの存在も知り、それを目指していくことに。
やがて数学オリンピックに向けた合宿の場で、ネイサンは中国チームのチャン・メイと出会います。

しかしある出来事で 二人は離れ離れに。
ネイサンは全てを投げ打って 彼女を探します。

こういう言い方すると元も子もないんだけど、たぶん それは恋なんでしょう。
でも そもそもコミュニケーションが苦手なネイサンにとっては、恋という概念自体が希薄なのかもしれません。

ですが、あの別れの日を思い出し、彼女を無くしてはいけないと思い立ちます。
と同時に、母ともわかり合うことになるのですが。

わたくし自身、この作品を見ながらイマイチ乗っていけなかったんですよね。ある瞬間まで。
ところが まさに母と子が打ち解けられた瞬間、思わずホロリ…泣けてしまいました。

しかも まさか あんな手法で彼が笑うとは思いませんで(笑)
もう それだけで、なんか良かったなと。そんなことを思わされた映画でした。

それから、ひとつのストーリーとして、ネイサンが数学オリンピックで活躍するのかと思いきや、あんなことになってしまったので。
それもまたちょっとした驚きでしたね。

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鼻とイモで全て解決
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2017年02月14日

サバイバルファミリー

矢口史靖
小日向文世、深津絵里、泉澤祐希、葵わかな
東京に暮らす平凡な家族、鈴木家。ある朝、目を覚ますと突然全ての電化製品が停止。それは鈴木家だけでなく、近所中で同じことが起きていた。
復旧のめども立たず、困り果てた父は東京脱出を決断。生き残りを賭けたサバイバルライフがはじまる。

矢口監督の作品ということで、少々ハードル高めの期待で見に行ったのですが。
くぐっちゃいましたね。ハードルの下側。

少なくとも お客さん誰も笑っていなかったし、エンドロール始まって みんな即行で帰っちゃったし。

序盤の電気がつかなくなったくだりは 結構ドキドキでどうなるんだろうかと見守り。
西へ向かって自転車で走りだしてからは その過酷さを見守り。

終盤のブタとの出会い、犬との出会い。これらは どう受け止めるべきかわからず終い。
そして一応の着地点に辿り着くのだけども。

結局のところ笑えるポイントも無かったし、訴えかけるものもなかったなぁ。
現実的な状況に即している反面、ポンと跳ねる展開が無いというか。

停電の状況があって。何やら“電池”もダメということになって。
それに準じてガスも水道もダメになって。

だからああなる。それでこうなる…といった展開の中に、驚きが無い。
途中に登場した時任三郎と藤原紀香は それとなくサバイバルのライフハックに長けていて。

その一方で、小日向さん演じるお父さんにそれはなく。家族の信頼を得られず、通天閣で決定的なこと言われちゃうんだけど。
それ まさにその通りで、小日向さんが何もできないオヤジってこと、端からわかってるじゃん。

だったら三浦友和さんみたいに、誰が見てもよくできた親父かと思いきや、実はグダグダみたいなほうが良くないですか。

前述のブタやら犬やらに遭遇するパートも、「スゥイング・ガールズ」でのイノシシ登場のバカバカしさ欲しかったなぁ。

何か そういった物足りなさの数珠つなぎの結果、全体がぼんやりしちゃったのかもですね。

軸となるテーマとしても 電気にまつわる文明からの脱却なのか。
ダメオヤジの威厳を取り戻す、家族の再生の物語なのか、人としての成長を見せたいのか。それもぼんやり。

密かに気になっていた停電の原因というのが、太陽フレアによるものと 報道されまして。
実際にそこまでの影響が出るのかは未知数ですが、可能性としてあることなんですよね。
でも その設定って、面白くはないよね。

なら 地下に潜伏していた宇宙人が地球上の電気を吸い取って…とかにしちゃった方が卑怯で良かったんじゃないかな?

本作のイマイチな理由の一つは 役者陣の弱さもあるんじゃないかな。
メインとなる鈴木家も小日向文世さんは当然なんでもこなせるでしょうが、深津絵里さんは決して生かし切れていなかったし、泉澤祐希、葵わかなの二人はコメディ要素も、いや役者としての経験も乏しかったと。どうしても映画としての説得力は弱まるよね。

映像の中で気になったのは、全てが止まってしまった街の描写に高速道路の情景。
「どうやって撮影したん?」と思いきや、実際に環八や東名高速などを封鎖してロケを行ったとか。
スゴイな、よく許可取れたな(笑)

でも映画撮影で封鎖されて遠回りを余儀なくされたドライバーがいたとして。
その作品が こんな感じでは、ちょっと複雑じゃなかろうか?
そんな心配もしたくなりました。

以上、結構 厳しく書いたけど。見る人が見れば面白いんだと思います。
ただ わたくしには合わない映画でした。

ちなみに、大地康雄さんがいた家って、「ウッジョブ」で出てきた家とは違うよね?

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ズラあってもなくても大差なくない?
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2017年02月09日

牝猫たち

白石和彌
井端珠里、真上さつき、美知枝、音尾琢真
池袋の風俗店「極楽若奥様」で働く3人の女。ネットカフェ難民の雅子、シングルマザーの結依、不妊症を抱えた里枝。
そんな彼女たちの吐いた暴言を、送迎車の運転手が盗撮。動画サイトに出回り炎上騒ぎとなる反面、それを機に雅子らの指名が増えるようになる。

ロマンポルノリブート企画の一作。
白石和彌監督に関しては「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」という、ズシンとくるような過去作を見ておりまして。

じゃあその監督がロマンポルノという命題でどんな作品を作るのか。
性描写だけではなく、その辺りも興味はあったのですが…

ハッキリ言っちゃうと、タイプの女優さんがいなかったこともあり、濡れ場についてはそれほどでしたが。
単純に映画として興味深く見ることができましたね。

「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」については実際の事件をモデルとして製作されておりまして。ざっくり言えば社会派ドラマとしての一面もありました。

今作の舞台は「極楽若奥様」という風俗店。そこに在籍する3人の女のストーリー。
デリヘル嬢という部分こそ共通してはいますが、それぞれが違う環境で、違う生き様で、違う問題を抱えていて。そして違う着地点へ向かっていきます。

なんならオムニバスドラマとも言えなくもないかな。

三者三様ではありますが、それぞれの事情については 白石監督らしい迫り方で。
どこか弱い部分があったり、何かが欠けていることで、そうなってしまったような。
今の社会であれば“なさそうで、ありえる”感じでね。

それぞれが違う物語絵はあるんだけど、強いて言うなら“愛”という部分は同じテーマだったけどね。

さて その中で、子どもを他者(どういう人?)に預け、仕事をしつつ…というデリヘル嬢が出てきまして。
その子どもが、大巨獣ガッパの人形に興味を示すなんて描写がありまして。

確かに、ガッパもロマンポルノも日活の作品で。
そのつながりで ちょっと笑えたのですが。

実際の映画「大巨獣ガッパ」がどんな映画だったのかをチェックしてみたら、これも親子を描いた怪獣映画だったのね。
ここにきてガッパにも興味出てきたわ(笑)

ロマンポルノリブート企画ということで、限られた予算、1週間で撮影などの縛りもあり、作り込むことは難しい条件の中ですが。白石監督らしさも味わえて、よくできた作品だと思いました。

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いろんな“しばり”がね
posted by 味噌のカツオ at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | マ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする