2016年12月06日

SR サイタマノラッパー

入江 悠
駒木根隆介、みひろ、水澤紳吾、奥野瑛太、杉山彦々
レコード屋もないサイタマ県の片田舎に暮らすヒップホップグループ“SHO-GUNG”。仕事もないニートのラッパー・IKKUは自分たちの曲でライブをすることを計画するが、かつての同級生・千夏との再会をきっかけに、メンバーたちの夢はバラバラになっていく。

2008年製作。後にシリーズ化もされる その1作目。DVDにて鑑賞。

見ての通り低予算で。有名な役者はでておりませんで。
あぁ男子ならたいがい知ってる女優さんがひとりおりますか。
あの場面は 今回収録したのか、あるいは既存のDVDからの引用か。どうでもいいことが気になりましたが。

舞台は 何の変哲もない地方都市。北関東はサイタマ県の片田街。
冒頭からラップ歌ってて。全く何も持っていないわけじゃないんだね。彼ら。
ただ そこを起点にしようと思うと、どうしてもハンディはあるんだろうけど。

とにかく その閉塞感であり、突き抜けない感じ。よくわかります。
ただし、それが全て街のせいなのかといえばそうではなく。
現に東京に出て行くという選択肢はあるわけで。

結局、イマイチ踏み出せないヤツらがウダウダとしてる物語。ほぼほぼね。

かろうじて、なんでもいいから動き出そうとした先が、少々お堅い面々の前で。頑張ってる若者としてラップを披露する場面がね。何とも寒々しいというか、痛々しいというか。
そんなとこで「税金払わねぇ、年金払わねぇ」とか歌われてもねぇ(苦笑)
でも アレは名シーンだと思います。

正直、ここに登場する彼らが何かを突き抜けられるようには到底思えず。
そんなくすぶってる状況を延々見せられ。結局は仲間はバラバラになり、主人公もバイトを始めると。

しかし そんな場所で仲間と再会。あふれだす感情が言葉となり、ラップを始めるんだけども。
さすがにここは、響きましたね。

この映画が支持される理由というのがよくわかりました。
それまでは もっと社会性を表現するべきだとこだわってたけども、じつは伝えるべき言葉は そこにあったんだなと。
これもまた、さっきとは全く違う意味合いでの名シーンでしたね。

地方都市で 何かを夢見ながら、飛び越えられずにいる若者ってスゴく多いと思います。
バンド、演劇、お笑い。いろんな表現を夢見つつ、くすぶってるの、多いと思います。

まぁそんなヤツは東京へ出ても、それがゴールで結局 何もできずに終わるパターンも多いんじゃないかな。

とにかく、いろんなアプローチはありつつ。テーマがヒップホップだからこそ。
漠然とではあるけど、そんな風に感じました。

さて、結構 長めのワンカットが多かったり。さらにそこにラップもあったり。
こういうのって役者の技量が問われるよね。でもその点も素晴らしかったです。
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2016年12月05日

俺たち文化系プロレスDDT

マッスル坂井、松江哲明
マッスル坂井、大家 健、HARASHIMA、男色ディーノ
2015年秋に後楽園ホールで行われたDDTと新日本プロレスの対抗戦「HARASHIMA & 大家健 対 棚橋弘至 & 小松洋平」のタッグマッチ。
その裏側に迫ったドキュメンタリー。

わたくしプロレスファンとして、この試合が行われた経緯もそれとなく知ってますし、その試合も動画で見ております。

プロレスの試合も毎年ベストマッチが様々なマスコミ・メディアで選出されるもので。
確かにリング上でアツい戦いがベストマッチであることは間違いありませんが。この試合はそこに至るまで、そして試合終了のゴングが鳴ったその後まで含めて。
唯一無二の最高にプロレスだったと思います。

普通、リングでアツい戦いを終えたもの同士、何がしか相通じるものが芽生えたりするんだけど、HARASHIMAと棚橋には大きな溝が生まれてしまいました。
それぞれ別の団体に所属する選手ということもあり、なかなか接点もなく。業界的にもそのまま うやむやに流されそうになったわけですが。

他団体だから 関わることも無いけれど。でもモヤっとしたままでいるのもイヤだよねと。
リングで生じたことはリングでしか解決できないと、マッスル坂井、男色ディーノ、大家健の3人が仕掛けます。

マッスル坂井、男色ディーノ、大家健の3人がそこに一石を投じます。

わたくし的には その再戦が実現したのは ある意味奇跡だと思うし。
しかしその上に乗っかって、なおかつDDTの世界に踏み込んで 凌駕してみせた棚橋は超プロフェッショナルだと思いましたし。
さらに その場でそれを受け入れた観客のセンスも絶妙だったはずだし。

この作品のチラシには「プロレスで解決しようみたいな、んな訳ねえから。」とありますが。
そんなつもりはなくとも、結果的にプロレスが解決に導くこととなったんですね。

ホントにプロレスって生き物で。試合が、選手が、観客の心が ひとつになることもあれば、ならないこともあるから。
でありながら 彼らは勝負に出て、見事勝利を収めるわけで。
そんな奇跡に触れられる映画といっては言い過ぎだろうが。

その顛末と共に、“人”にもフォーカス当たっていますので。
プロレスを知らない人でも楽しめるかな。

いや、普段プロレスに触れない人が観るべきでしょう。
“ジャンル”の枠を超えて、多くの人に触れてもらうのがドキュメント映画の意義のはずだから。

以下 個人的に。
今回取りあげた題材がDDTと新日本の対抗戦だったんだけど。
“文化系プロレスDDT”を謳うなら、新日本は抜きにして もっとDDTそのものの活動に寄っても良かったんじゃないかな。
元来の、純粋なDDTらしさを見てみたいという興味も含みつつ。

世間一般ではプロレスは八百長だとか、台本があるとか言われますが。
それはさておき、プロレスにドラマがあるのは事実です。

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Dramatic Dream Theater
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2016年12月04日

フルートベール駅で

ライアン・クーグラー
マイケル・B・ジョーダン、メロニー・ディアス、オクタヴィア・スペンサー
2009年、新年を迎えたばかりのサンフランシスコのフルートベール駅で、22歳の黒人青年が、警官に銃で撃たれ死亡した。
その前日である 2008年12月31日。彼はどのように過ごし事件に至ったのか。

2013年制作のアメリカ映画。
サンダンス映画祭で作品賞と観客賞をW受賞後、2014年3月に日本公開されました。
公開からずいぶんと時間は経ってますが、DVDにて鑑賞しました。

実話を元にした作品というものは、昨今ではとても多く作られております。
そしてモデルが現代に近い出来事であればあるほど、詳細な資料があり、写真があり、なんならまだ本人が存命であることも。
この映画にあっては主人公は命を奪われてしまっておるわけですが、実際の動画が残されておりまして。

たいがい本編の終了後、その後の経過と共に写真や映像が映し出されるわけですが。
今作では、冒頭に その実際の動画が流されます。

見る側の緊張感をグッと引き上げたところから映画が始まる構成。
それがとても効果的だと思いましたね。

その日は母の誕生日。
娘と遊び、
家族と少しケンカをし、
友人と笑いあった。
僕の人生、最後の日だった。

というチラシの文言そのままですが。
悪く言うなら、遅刻がたたって仕事をクビになり、やむを得ず密売で稼ぐべきか…と。そんな一面もあるんだけど。
家族思いで、仲間思いで。なんとか仕事について、パートナーとも籍を入れて人生を立て直そうとしていた矢先の悲劇。

いや、単なる悲劇じゃないかな。
その民族に根付く何がしかの“意志”であり“悪意”みたいなのを感じてしまいます。

聞いた話ですが、当の警官は相手を失神させる銃(劇中に出てきた黄色いヤツかな?)と間違えて、実弾を発射してしまったと。
そんな過失もあり、11か月で出てこられたそうです。

もう何とも言いようがないんだけど。
公開からずいぶんと時間は経ってますが…いや、事件があった2009年からはもっと経ってますが。
今もって何も変わっていない印象があるよね。

あとは、映画を見た人 それぞれがどう思うか。
実状と照らし合わせてどう思うかですよね。

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8年が過ぎても…
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2016年12月02日

ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気

ピーター・ソレット
ジュリアン・ムーア、エレン・ペイジ、マイケル・シャノン、スティーヴ・カレル
20年以上仕事一筋に生きる女性刑事のローレルは、ステイシーという若い女性と恋に落ちる。年齢、性別、偏見などを乗り越え、二人は一軒家を購入し一緒に暮らすことに。
しかしローレルにガンが見つかり、余命半年と宣告される。彼女はステイシーのために遺族年金を残そうとするが、同性のパートナーへの受け取りは法的に認められなかった。

一応 どんなテーマでどんな設定なのか、入れてから見るべきかな?
冒頭、おとり捜査で麻薬犯を捕えるシーンは普通にクライムストーリーのそれで。
この後 主人公がどんな犯罪組織から狙われるのか…という印象。

ですが、つづいてバレーボールのレクリエーションかと思えば、よく飲み込めない会話のやり取りから、ローレルとステイシーが“デート”に至ると。

まず主人公は刑事ですが そっち方面の話ではなく。ローレルとステイシーが仲良くなるのはレズビアンであること。なおかつ歳の差があるので、見てる方としては 多少あらすじを知ったうえでないと混乱するかもですね。

同姓の歳の差カップル。世間からの偏見を気にしつつ、家を買い、犬を飼い、“パートナー”として暮らし始めます。
ところがローレルがガンを患っていることが分かり、せめて自身の遺族年金をステイシーが受け取れるようにと訴えますが、同性のパートナー同士でのそれは法的に認められなかった。

そこでローレルのバディであった男性刑事や同姓愛者である活動家らが、制度改正を求めローレルのサポートに立ちあがり、郡政委員と相対するわけですが。

実話がベースであり、尺や展開もコンパクトにまとまっていて見やすいのはいいんですが。わたくし的には ノリきれない流れでもあったかな。
登場人物の想いに一体感が得られなかったのが気になりまして。

ローレルが求めるのはあくまで平等な権利。ステイシーも当初は 権利よりも病に打ち勝つ方にモチベーションが向いてましたね。
多くの同性愛者を束ねる活動家は、なんならローレルを“ダシ”にして同性婚を見据えているようで。
真摯にローレルの力になろうとする かつての相棒の刑事ですが、それ以外の同僚は なかなか重い腰を上げない感じもあって。
見ていて結末に向けてグイグイ勢いが増す風にはなかったなぁ。

郡政委員にも温度差があって。それはいいんだけど。
その郡政委員の裏について触れる部分も「これで大逆転!」というカタルシスには乏しく。
5人のうち1名が欠席したことで「満場一致はない」ということだったのに…あれれ〜って感じで。

感想の中には感動したという声もあるにはありますが。
正直、スッとしなかったですね。わたくし的には。

ただし、エンドロール前に映された モデルとなった実際の二人の笑顔には、グッとくるもの、ありましたね。

余談ですが、今作に製作としても名を連ねているエレン・ペイジは、自身が同性愛者であることをカミングアウトされているそうです。
スティーヴ・カレルがどうなのかは知らないっす。

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ジュリアン・ムーアの髪型も見どころ
posted by 味噌のカツオ at 19:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ハ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月30日

世界の果てまでヒャッハー!

ニコラ・ブナム、フィリップ・ラショー
フィリップ・ラショー、アリス・ダヴィッド、タレック・ブダリ、ジュリアン・アルッティ
プロポーズを計画し、悪友たちと恋人ソニアの父親が経営するブラジルの高級リゾート地を訪れたフランク。
ところがソニアの祖母らと共に出かけた秘境ツアーで行方不明に。唯一発見された1台のハンディカメラには、とんでもない実態が映っていた…

普通に「これは見ないかな」と思わせる安っぽい邦題ですが。
結構オモロいとの噂を聞いて見てきました。

ちなみに原題「All Gone South」というフランス映画。
直訳すると“みんな南国に消えちゃった”みたいなことだけど、go south は隠語でオーラルセックスという意味があるとか(苦笑)
まぁそれを思わせるシーンも当然ありますから。

ブラジルのリゾート地で主人公たちが行方不明に。その後 彼らが持っていたはずのカメラが見つかり、手がかりを探すべく カメラに残された動画を見てみれば…というプロット。

カメラの映像を見るという点では「ブレアウィッチ」的であり。
謎の一夜に何が起きたか…は「ハングオーバー」のようであり。
バカバカし過ぎるトンデモ展開は「ジャッカス」を彷彿させる。

その結果、確かに今まで見たことないようなコメディになってましたね。

この手の作風って これ見よがしに「おかしいでしょ、おもしろいでしょ」の押し売りみたいなパターンもあるんだけど。
バカなキャラたちの いかにもな行動はもちろん。そんなバカなという展開をサラリとスルーして。さらにはスカイダイビングという、ガチでヒョエー!な状況まで。

それだけでなく、ダメ押し的に彼女のオトンの映像まで入ってて。
とことんやってくれたって気になりますね。

ヨーダ、ジャバ・ザ・ハットみたいのもあれば 「127時間」が出てきたり。ビレッジピープルってのも いかにもって感じで。
そんな中で わたくしがお気に入りだったのは、シニアカーで爆走するばあちゃん。
スカイダイビングで モロ出しとなった体の一部がなびくシーン。
そうそうは拝めない、プチ衝撃映像でしたね。

いろんな意味で“振り切ってる”映画だと思います。
邦画でも頑張ろうとしてるコメディあるけども、さすがに ここまではできないだろうね。
それぐらい見応えある おバカ映画です。

余談ですが、リゾート地ならではの自然の美しさ、カメラの映像の美しさも 隠れた見どころですよ。

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あぁ目玉焼き…
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2016年11月29日

アウターマン

河崎 実
塩谷 瞬、古原靖久、戸塚純貴、Gero、真夏 竜
50年にもわたって放映されている国民的特撮ヒーロー番組「アウターマン」。しかし、それは地球を乗っ取ろうとする悪の宇宙人アウターマンの壮大な陰謀だった。
そして テレビでアウターマンを演じてきた俳優たちが、劇中で敵として描かれているシルビー星人とともに、アウターマンと戦うことに…

「いかレスラー」「ヅラ刑事」「日本以外全部沈没」などの河崎実監督作品。
当初は昭和のウルトラマンと平成のウルトラマンが対決する企画を考えていたそうですが、それが通らず このような形式になったのだとか。

それはそれで 面白そう。
いや、実は あのヒーローは本当はワルものだったという。これはこれで良いと思いますよ。

キャストの演技がそこそこ。特撮がそこそこ。
そもそもが低予算の作品なので、その辺りは気になりませんでしたが。
なんか惜しいんだよね。

そもそもの企画や設定はいいんだけど。やっぱり脚本のブラッシュアップと言うか、詰めが甘いというか。
逆に (現状)82分を60分に。30分番組のテレビで言うなら全編・後篇でカタがつくぐらい、もっとわかりやすくシンプルにしてもよかったんじゃないかな。

オトナも楽しめる本格派にするか、特撮ファンや子どもが“ノレる”コンパクトなものにするか。

少年の存在が戦いのモチベーションにつながるというのは ありがちで良かったです。
でも元アウターマン俳優の一人が女にだらしないなんて設定は必要ないし、なんなら邪魔だと思ったし。有毒ガスが発生なんてのも そんなに意義を感じなかったし。

ちょっと中途半端なせいか、序盤 眠たくなっちゃったんだよね。

特撮ファンの中には、実際にゴジラやガメラが出現したら、国はどう動くか。自分はどうするか。
あれこれ想像するもので。

と同様に、実際にあのヒーローが目の前に現れたらどう思うのか。しかも実は悪の宇宙人だったと。
そういう発想が良いだけに、もっと脚本のいじり方あったと思うので。
やっぱ惜しいなぁ。

全然気にしてなかったけど、最後の最後に幕僚長の手に光る指輪が見えて「レオか」と気付きました。
あんなにアツかった、あつくるしいくらいの印象があったので、コミカルな演技は あまり見たくなかったかな(苦笑)
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2016年11月28日

オケ老人!

細川 徹
杏、坂口健太郎、黒島結菜、光石 研、笹野高史
梅が丘高校に赴任してきた千鶴は、アマチュアのオーケストラによる見事な演奏を耳にして入団を決意する。
ところがちょっとした勘違いで、似ても似つかぬ老人ばかりの楽団に参加することになり、気付けば指揮棒を振るはめに…。

音楽を、あるいはオーケストラをテーマにした映画というのはチョイチョイ製作されておりまして。
近いところであれば、今年公開の「クハナ」もそうでした。

まぁその手の映画というものは、言ってしまえば大きな枠組みというか、着地点は似たものになってしまいますわね。
基本的にはコメディテイストで、クライマックスはコンテストや演奏会。ただし直前で何やらアクシデントに見舞われつつ、それらを乗り越えてのスタンディングオベーション…的なね。

ご多分に漏れずこの「オケ老人」もそういった類であるわけで。
とはいえ、決してデキが悪かったわけでもなく。予想通りの満足度ではありました。

ここで中心になるのは老人たち、世界最高齢の(?)オーケストラ。
企画として ほのぼのテイストは約束されたようなもんですわ(笑)

見てて思ったのは、同世代のベテラン俳優の皆さんが揃って、撮影の合い間とかは さぞかし賑やかだったろうねと。
そして その中心で指揮を揮うのは“映画初主演”となる杏さん。

これまでNHKの朝ドラや いろんなドラマに主演、出演されてきたとは思いますが、わたくし自身は あまりテレビドラマは見ないもので。
彼女の芝居をあまり見てきてないんだけど、良かったですよ。ウソくさくなく、ぎこちなさもなく、コメディエンヌとして成立してましたよ。

物語としては、設定、人間関係、あれやこれやと ツッコミどころは多々あるけれど。イチイチ触れるのも野暮なことかな。

ただ強いて1点挙げるとするならば。演奏シーンで実際に演奏はしていないというトコロは気になったわね。
若い人が中心の音楽映画であれば、実際の出演者が楽器を練習して演奏したりするものですが。
今作でも杏さんはバイオリンの特訓して撮影に望んだみたいだけど、それ以外の皆さんにそこまで求めるのは酷なハナシで。
そりゃそうなんですが、リアリティという点ではやっぱりね。

まぁ劇場に来ていた作中のオーケストラと同世代のお客様たちの温かな笑い声に免じて、そこは目をつぶるべきか。
ってなわけで、安心して 肩肘張らずに楽しめるエンターテイメントでありました。

最後に わたくし事ではありますが。
この前日に見た「オー・マイ・ゼット!」に出演していた森下能幸と萩原利久がここでも共演してましたな。

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クラ寿司…ですか
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2016年11月15日

ミュージアム

大友啓史
小栗 旬、尾野真千子、野村周平、妻夫木聡
雨の日に起きる連続猟奇殺人事件。沢村刑事は事件の関連性から、自分の妻子が狙われていることを知る。カエルのマスクをかぶった男の存在が浮かび上がり、犯人に近づいていく沢村だったが、逆に絶望的な状況に追い詰められて行く。

「ヤングマガジン」連載の漫画を実写映画化。わたくし原作は読んではいませんが、少々エグい描写アリ、必ずしもハッピーなエンドではない、という前提で鑑賞。
なので その辺りは普通にクリアなんだけど。

実際に映画として見て。当然アラというか 気になる点もチョイチョイあるにはあるけど、クオリティは高かったんじゃないですか。

ざっくり言うと…連続猟奇殺人事件が発生。捜査をするうち主人公の刑事の家族がターゲットに。サイコ野郎が家族を誘拐。刑事がただひとりで奮闘。
あるといえば よくある展開でしょうが、その見せ方とかが良かったですね。

愛犬家の女性が殺され、母親のすねかじりのキモオタが犠牲になり。ある事件の裁判官らが次々に…
ちなみにキモオタが最初だったら また違った印象だったかもだけど。
そこはさておき。

下手にそのものを見せないことで、より観客の想像力に訴えかけ、なおかつR指定も回避できたのかな。
同様に、かの刑事の婚約者と思しき女性についても すれ違うまでで、対面の場面は見せなかったり。
それから銃の調達の場面もサラリとして印象に残りました。

個人的に 田畑智子の「いる」「いない」のくだりも うまいことやられましたね。

さて、本来の事件であれば大変大きなウェートを占めそうな連続殺人ですが、映画の特性上 そこはテンポよく流しまして。
本丸は沢村刑事とカエル男の対決となるんですが。
ここもジワジワとイヤな感じで。

ハンバーガーのアレやら、冷蔵庫の中のアレやらは気ぃ悪かったね。
その後の直接対決からカエル男の咆哮も 響いてきましたし。
そして余韻を残す家族の一場面まで。

細かくは書きませんが、いい感じで 嫌な気分にさせてくれましたですよ。

あとは役者も総じて熱演でした。
主演の小栗旬は ポーカーフェースの藤原竜也と言うべきか。大げさではないけれど 熱量はしっかりと伝わってきます。
ルパンも悪くはなかったけど、2次元を3次元にするいびつさあるからね(苦笑)

そしてカエル男の妻夫木聡がまた素晴らしい。
山田洋次作品やら先の「怒り」やら。そういう面があるかと思えば、今作の狂気も違和感なく演じられる。
カエルどころかカメレオンの域までいってんじゃないの。

尾野真知子さんも終盤の必死さは、感じるものありました。
「きみはいい子」でもそうでしたが、確実に仕事のできる女優さんですね。

存在感で忘れちゃいけないのが松重豊さん。
トイレで部下を叱責するシーンやクライマックスなど、要所要所に登場するごとに映画全体が締まったと言っても過言ではないでしょう。

映画ファン的には「セブン」「羊たちの沈黙」「SAW」などを思い出したり 比較したりする意見もありますが。
これはこれで 不快感を楽しめる(?)一本の作品に仕上がってると思います。
わたくし的には十分に満足できましたよ。

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キモオタの発見者がリア充とは…
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2016年11月14日

オー・マイ・ゼット!

神本忠弘
角田晃広、ともさかりえ、森下能幸、町田マリー
日本全土を震撼させた“ゾンビパニック”から5年。すでに平穏を取り戻していたはずだったが、なぜか一体のゾンビが花田さんの家に迷い込む。
そこに居合わせた連中によって「あのゾンビどうする?」と議論が始まり、やがてゾンビ捕獲を試みるのだが…

映画界に“ゾンビ”なるキャラクターが登場して84年になるとか。
こと近年に於いてはゾンビの取り扱いも様々であるので、どんなゾンビが…いや、ゾンビ映画が登場しても さほど驚きはしませんがね。

まぁいろ〜んなアプローチがあるわけですが、となれば あとは面白いかどうかですわね。
結論的には及第点の面白さだったとは思いますよ。

監督・脚本の神本忠弘は、これまで映画の予告編を 数多く手掛けてきた方だそうで。これが初監督作品。
ただ今回の 作風としては映画というよりも舞台のそれであって。

特に前半は ひとつ屋根の下で繰り広げられる会話劇で。大きな動きに頼らず言葉をリレーしていく雰囲気。
なにか どっかの劇団の原作か 舞台経験者かと思ったんだけど、そうでは無かったんやね。

そして主演の東京03の角田さんも初主演作となります。
その割に と言っては失礼ですが、このゾンビ・パニック・コメディの要素と芸風がマッチしてましたね。
とても自然体で面白かったです。

その角田さん演じる花田さんが まともな人間性で、それ以外の人たちが ひと癖、ふた癖、というキャラなんだけど。
ともさかさんは 程良い加減の主婦感たっぷりでしたが、それ以外のキャストが もうちょっとね。
自然体で変わり者にならなきゃいけないので。その点、難しかったのかも。

そんな舞台風の会話劇から、後半はちゃんとゾンビと対峙する展開になっていきますので。
ゾンビモノとして期待した人でも、まぁまぁ楽しめるんじゃないかな。
少々…いや、かな〜り痛々しい描写込みでね(苦笑)

ゾンビの生き残り(?)がいた〜なんて、そもそもがありえない設定であって。
そこに関わる人たちの怪しさが見え隠れして。ではあるんだけど。

それぞれの背景も 変態、復讐、憧れとかが見る側として それほどピンとこなくって。
もうちょっとぶっ飛んでたり、意外性があったり、笑えたりが欲しかったり。もっと会話というか 掛け合いがうねりをもって高揚感が得られると良かった気がするかな。

あと序盤は必要以上に音楽に頼り過ぎで。中途半端なBGMがあったですね。

とは言うものの、家の中のゾンビを人間が取り囲むという逆転の発想。適度なバカバカしさ込みの90分。ゆるめの気持ちでコンパクトに楽しめる作品でありました。

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意外とヒザは曲がるんです
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2016年11月13日

ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション

クリストファー・マッカリー
トム・クルーズ、ジェレミー・レナー、レベッカ・ファーガソン
各国の元エリート諜報部員が結成した無国籍スパイ組織“シンジケート”の暗躍により、IMFはまたしても解体の窮地に追い込まれてしまう。
イーサンと彼のチームは、最強の敵を潰すべく、究極の諜報バトルを繰り広げる…。

トム・クルーズ演じるイーサン・ハントの活躍を描くスパイムービー『ミッション:インポッシブル』シリーズの第5弾。
2015年の夏に公開された作品ですが、遅ればせながらDVDで鑑賞しました。

トム・クルーズはどうしたってトム・クルーズであって。それでも その都度クオリティの高いものを見せてくれますし。
なにより この年齢(現在54歳)になっても体を張ったアクションにチャレンジしてますからね。

近頃ではジャッキー・チェンの跡を継ぐのはトムじゃないかとも言われるほど。
でも そのスタンスで活躍できる役者は日本にはいないよね。

何の役を演じてもその人にしか見えないってだけなら おるにはおるけど。。。

予告でもよく流れていた飛行機にしがみつくアクションシーンは冒頭すぐ。
とんでもない見せ場がいきなり登場するわけですが、それはほんの“つかみ”だったのね。

そういったアクションやスパイの駆け引きは当然ではあるんだけど。
ぶっちゃけ、作風としてのインパクトは、今となってはやや弱いのかな。

CIAでありIMFであり、スパイ組織があって。それが敵と戦うことになるんだわね。
ただ昨年に公開された「キングスマン」や「コードネーム U.N.C.L.E.」なんかは、スパイものと言っても またいくらか新しい見せ方をしてきてて。

それらの作品を見てしまうと、どうしても この「ミッション:インポッシブル」や「007」は旧態依然と感じてしまうか。また違った刺激がほしいなと。
そういう思いにかられてしまうんよね。

もちろん王道としての良さもあるんだけど。
シリーズのファンとして「見て良かった」なのか。単発で見て「特に良かった」と思えるのか。

決してこの「ローグ・ネイション」がつまらないわけではないんだけど。
その辺り、少々難しいところでもあるのかな。
posted by 味噌のカツオ at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | マ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする